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今や身近なスイーツとなったチョコレート。専門店のショーケースに並ぶ高級な品から、コンビニやスーパーで手軽に買える駄菓子まで、あらゆる場所でチョコレートを見かけますね。
バレンタインも近いこの季節、そんなチョコレートのことをもっと深く知るには絶好の機会です。チョコレートの見方が変わる、目からウロコの3冊をご紹介します。
『チョコレートの世界史 - 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石』(武田尚子)
まずはチョコレートの歴史から。中公新書の『チョコレートの世界史 - 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石』(中央公論新社)。
原産地である中米では、カカオは貨幣として流通し、同時に飲み物でもあり薬品としても使われていたそうです。
固形のチョコレートがどのように発明され、そして普及したのかという歴史も興味深い。私たちにおなじみの「キットカット」の歴史についても触れられていて、貴重な知識が詰まった1冊となっています。
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『世界の果てまでチョコレート』(バイヤーみり)
続いては『世界の果てまでチョコレート』(フェリシモ出版)。
フェリシモのチョコレートバイヤーである著者のみり氏は「チョコレートで人を喜ばせたい」と、世界中から美味しいチョコレートを日本に初上陸させています。何とその数140社、販売した数は1683種類というから驚きですね。
紀行文を綴った本書は写真や絵も多く、現地に行った気分になれます。著者が初めてチョコの奥深さを知ったのはフランスで、そこはチョコの激戦区だとか。「各お店には並々ならぬこだわりがありすぎて、少々めんどう」だそうです。芸術の国らしいエピソードですね。
チョコの甘い香りまで漂って来そうな、とても楽しい1冊です。
『チョコレートの真実』(キャロル・オフ)
最後は『チョコレートの真実』(英治出版)。
前出の2冊とは一変してチョコレートの闇の部分が綴られた1冊です。コートジボワールの子供たちは生きるためにカカオ農園で働かなければならず、更にはカカオ豆から何が生産されるのかを知らないまま過ごします。
私たちが口にする美味しいチョコレートは、発展途上国の小さな子供達が過酷な労働で育てたカカオ豆から作られているという現実に、胸が塞がってしまいました。遠い国ではこのようなことが起きているのだと、少しでも多くの方に読んでいただきたい1冊でした。
特にチョコレートが大好きな方は、この3冊を読んで、魅惑のお菓子に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
(六島京)