今や全世界が注目するアジアのフードビジネス。このたび、The Daily Meal社による「2013年 アジアのベストレストラン101(101 Best Restaurants in Asia 2013)」が発表となりました。
気になる日本は、ミシュランが最高峰と認めた三ツ星レストラン「ミシェル・ブラス トーヤ ジャポン」(ザ・ウィンザーホテル洞爺)が第9位に、同じく三ツ星である東京の寿司屋「すきやばし次郎」が第15位に、ほか、札幌のフレンチレストラン「Le Musee」など総勢16店がランクインしています。
また、21世紀に躍進を続ける中国の首都・北京は、堂々と第2位から5位を独占。北京ダックの名店「全鴨季」(第2位)、茶芸スタイルで本格中華を楽しめる「紫雲軒」(第3位)、古寺をリノベートしたフレンチレストラン「Temple Restaurant」(第4位)、香港・上海でも展開するヨーロピアンスタイルの「Capital M」(第5位)と、さすがメガシティ北京の底力を実感します。
で、これらの列強を抑えた第1位の店がどこかというと......なんと、台湾の「鼎泰豊(ディンタイフォン)」。言わずもがな、あの小籠包の名店です。
ジューシーな豚肉を包んで蒸した小籠包を咬み切るときのジュワッとした快感は、もう悶絶必至。肉脂の味わいがあんなに豊かだったのかと思うとたまりません。それを長年に渡って変わらずに提供してくれるのが、台北の老舗レストラン・「鼎泰豊」なのです。
もともと油問屋だった「鼎泰豊」は副業で始めた小籠包販売が好評となり、1980年代にレストランとして開業しました。1993年にニューヨーク・タイムズで「世界の10大レストラン」に選ばれたことがきっかけとなり、今では日本をはじめ、米国カルフォルニアや、奥州シドニーまで多数の支店を持つようになったのです。
今や世界展開するトップレストランの1つになりましたが、料理は職人さん達が開業当時の秘伝のレシピを忠実に守り、1つ1つ手で作り上げています。鼎泰豊では厨房での制作過程を公開。他店とは比べられないほどに見事な職人さん達の神ワザを、ガラス越しに垣間見ることができるでしょう。
台湾の鼎泰豊では名物の小籠包に加えて、さまざまな台湾・中華料理を提供。どれも「すごい!」と悶絶するほどに旨いのですが、ぜひ試してもらいたいのが「芋泥小籠包」。タロイモの餡を包んだデザート小籠包のことで、極薄の皮に包まれた甘さ控えめな芋餡は、日本の和菓子に匹敵する位の美味しさです。
プチッ、ジュワッ、ウマッ......が体験できる鼎泰豊は、やはり台北市の永康街近くにある本店が一番と囁かれていますが、日本でも全国数カ所にある支店で味わうことができますよ。
小籠包の美味しいいただき方は、あらかじめレンゲに少量の千切り生姜と、お好みで酢と醤油を少々、そこにアツアツの小籠包を乗せて、ハフハフしながらガブリ! 世界のグルメ通が認めた小籠包を今すぐ味わいたいですね。
[The Daily Meal、ディンタイフォン(鼎泰豐)日本語公式サイト、鼎泰豐 本店公式サイト]
(文/さとう葉)