皆さんは歯磨きをする際、きちんとフロスをしていますか? まだまだ日本では重要性がそこまでは浸透していませんが、歯科先進国であるアメリカでは歯の健康の主役ともいえる存在がフロスです。というのもフロスは、ブラッシングだけでは届かない歯間の汚れや細菌の除去に欠かせないのです。今回はそんなフロスと健康、ダイエットの関係についてご紹介します。
口内の細菌が心臓病を引き起こす!?
ニューヨークの美容歯科医であるGregg Lituchy氏は「歯肉炎と他の身体のパーツの炎症は大きく関係している」と言います。つまり、口の中の症状が身体の中にも直接伝わっているというのです。
原因は口内に潜んでいる細菌。普段からきちんとフロスとブロッシングをしていれば問題ありませんが、ケアを怠っていると細菌が歯茎の間に溜まったり、歯の表面について歯垢が形成されます。さらにこの歯垢が取り除かれずにいると、細菌が唾液、歯肉組織の血管を通って血流に流れてしまうという訳です。
そして口内の不衛生は、最悪の場合は心臓病を招いてしまうとも! 同氏によると口内の細菌は心臓の動脈や血管に付着することから、様々な心臓病を引き起こす可能性があるそうです。正確なメカニズムはまだ証明されていないものの、口内細菌と心臓病の因果関係は数多くの研究で発表されています。
歯肉炎は肥満のもと!? フロスでダイエット
美容歯科医であるMark Burhenne氏によると、フロスを使い歯肉炎や歯周病を防ぐことは、ダイエット効果にも繋がるのだとか。動物実験を行った研究者によれば、歯肉炎にかかった動物は肥満傾向にあり、治療をしたところ動物の体重が減少したと発表されているというのです。
同氏は歯肉炎は身体のストレスになり、それが新陳代謝の乱れを起こすとも語ります。脂肪細胞が炎症を起こすとインスリン値がコントロールされない上に、グリコールがエネルギーとして使われず、脂肪として蓄積されてしまうのです。さらには細胞から脂肪酸が流れ、高血圧や高コレステロールになってしまうとも警告しています。
口臭の原因になってしまうことはもちろん、健康や体重にも大きく関わっている口内事情。ブラシだけではなくフロスをきちんと取り入れて、口の健康を保つことを心がけてみて下さいね。
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(文/ピーリング麻里子)