• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 6件
  • "もっと相手に迷惑をかけましょう"という戦略!?|THE STANDARD JOURNAL

    2014-02-24 19:14  
    今後の国際社会・国際政治の世界では、実際の戦闘行為を伴った戦争はもちろんなくなることはありません。そして、それに匹敵するレベルで、いわゆる「情報戦」、「プロパガンダ戦争」のウェイトが上がることも間違いありません。この「プロパガンダ戦争」において、日本がサバイバルしてゆくことを考えたとき、これまで日本人が得意としてきた「身を整える」という「内的バランシング」的なやり方に加えて、残念ながら、私たちが不得手としている・・・と言わざるを得ない「外的バランシング」的な行動も真剣に考えるべきです。
  • ロバート・カプランの中国分析、5つのポイント|THE STANDARD JOURNAL

    2014-02-21 14:57  

    前回まで数回にわたって、「バックパッシング」というリアリズムの理論に基づく概念を解説してみましたが、この「リアリズム」の理論とともに、「地政学」という学問も、同様に我々に多くの示唆を与えてくれます。読者の皆さんも、この「地政学」という言葉、目にする機会が、最近、多くなってきたと思われないでしょうか?ハッキリ言って、この「地政学」という学問の知見は”使え”ます。そしてこの知見を、より多くの日本人が理解することが日本の国力増強につながる。私は本気でそう思っています。
  • 日米中を例に具体的に「バック・パッシング」を考えてみた。|THE STANDARD JOURNAL

    2014-02-18 14:41  
    前回は「バック・パッシング」という大国が頻繁に使う戦略について述べてみましたが、今回も引き続きこれについて書いてみたいと思います。この「バックパッシング」というのは、一体どのような場合に行われるのでしょうか?私が翻訳したミアシャイマーの『大国政治の悲劇』では、単なる「バック・パッシング」の歴史上の使用例だけでなく、これが使用される際には4つのパターンがある、ということを説明しております。

  • 「面倒な事は他国にやらせろ!」という「バック・パッシング」の論理。|THE STANDARD JOURNAL

    2014-02-14 10:56  
    前回は、日本を代表する国防・安全保障の専門家である森本敏元防衛大臣の提唱する「オフショア・バランス」という概念について簡単に論じてみました。私は森本氏が「日本が自ら中国にぶつけられるような提案をしているように見られる」という可能性を指摘したわけですが、その時に「バック・パッシング」という概念について触れました。この「バック・パッシング」(buck-passing)という戦略は、日本ではまだまだ馴染みのない概念ですので、今回はこれを簡単に説明してみたいと思います。
  • 森本敏氏の「オフショア・バランス」論はカン違い?!|THE STANDARD JOURNAL

    2014-02-07 15:56  
    おくやまです。さて、以前から気になっていた森本敏氏の「オフショア・バランス」論について一言。
    森本敏氏と言えば、自衛隊出身ながら外務省に行って外交官になり、拓大教授を長年つとめ、なおかつ民主党野田政権では防衛大臣もつとめた「安全保障・防衛・国際政治・外交問題のスペシャリスト」であります。
    私自身も彼の発言については以前から注目しておりまして、実にさまざまなことを勉強させてもらっているわけですが、私が最近とても気になっていたのが、彼が数年前から提唱している(?)「オフショア・バランス」論とでもいうべきもの。
    なぜ私が気になるのかというと、おそらく「オフショア・バランシング」(offshore balancing)という、アメリカの極めて地政学的な大戦略の概念を、森本氏が勘違いして使っているのではないか、という疑惑があるからです。
  • 安部首相のダボス会議での発言について|THE STANDARD JOURNAL

    2014-02-04 12:47  
    詰まるところ、いつもの結論になってしまいますが、現在の国際社会において一番重要なのは「戦略の階層」の一番上の位置する「世界観」のレイヤーの発想です。現代における戦いは、もちろん、実際の戦闘行為というものもありますが、それよりも、致命的な影響を与えるのは、イメージやブランド、それに正統性(レジティマシ―)のような、曖昧ではあるが「ソフト」的なものです。ここで皆さんに気付いて頂きたいのですが、そういう意味では、日本は中国よりもはるかに優位な立場にあるわけです。しかし、残念ながらそれをまったく活かしておらず、むしろ中国側の攻勢に負けっぱなしです。もはや、このような状況に甘んじている場合ではありません。日本はそろそろ「攻めの姿勢」でゆくという覚悟を決め、その自覚を持って、このことを真剣に考える時期に来ています。