ISのコンサートホール、サッカー場、レストラン攻撃によって、百人以上の死者が出た。その後も、航空機への脅迫が継続している。
こうした事態をうけて、我が国はどうすればよいであろうか。
まず、ISは最近戦略変換を行っている。
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従来の、イラク・シリアでの支配地域拡大からISを攻撃する有志連合国への攻撃姿勢を強めている。
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かつ攻撃の対象は軍事拠点ではなく、警備がうすく、多くの人の集まる、劇場、スポーツ競技場、博物館等んpソフト・ターゲットと呼ばれる施設への攻撃を強化している。
イスラム教の特徴に
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攻撃されたら徹底的に戦え、
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退却したら追うな
がある。
フランス等に対する戦いは①の範疇に入る。
次いで、我々はテロとの戦いを行ってきた中で、決してテロ組織を撲滅できなかっただけでなく、逆にテロ組織を強大化させ、彼らの攻撃の殺傷力を高い方向に向かわせた。
すでにブログで紹介
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政権交代を果たしたカナダでトルドー首相は公約通り「イスラム国」に対する有志連合の戦いから手を引くとオバマに伝えました。それがカナダ国民の総意でしょう。本来なら日本もそうあらねばと思います。
「西側諸国の正体」とでもいうべき「チョムスキーが語る戦争のからくり」-N.チョムスキー/A.ヴルチェク(著)を読むほどにそう思います。
対立諸問題が、山積している。
①欧米の個人主義:イスラム世界の家族主義
②イスラム宗教間 シーア派:スンニ派の対立
③石油など利権を持つものと持たないものの大きな格差
④大学を出ても、結婚し、生活を維持できる就職先がない。
⑤紛争が続き、平和な生活を維持できない。
これらの問題を見ていくと、テロと言って、反逆者扱いして、事態が解決するとみるのは、大きな間違いである。第一、正義って何だという場合、実効支配権を握っているものが、法制化し、正義だといっているに過ぎないのです。戦争なり、紛争なり、戦いで勝ったもの、例えば米国が、米国の考え方を正義だといっているに過ぎないのです。
今回のように、生存権をかけたテロは、いたるところに支援するものが出て、解決するのは難しく、下手をすると、世界全体に拡大することもあり得るのです。米国とロシアが、代理的な戦いにならないよう、外交努力すべきであり、お互いに批判しあっていては、いつまでも解決せず、多くのEU諸国が、難民などもあって、大きな苦難を続けなければならない。
シリア出身でUAE在住の女性アナウンサー・シャハド・バッラードさんはツイッターに「敬愛するパリよ、貴女が目にした犯罪を悲しく思います。でもこのようなことは、私たちのアラブ諸国では毎日起こっていることなのです。全世界が貴女の味方になってくれるのを、ただ羨ましく思います。」と書き込んだ。シリア人権監視団によれば、2015年は10月までに欧米、ロシアなどの空爆を含めて内戦で10、883人のシリア市民が犠牲になった。パリの犠牲者のおよそ100倍の数だ。
話題になっているTwitterでは
羊児。「戦争法案絶対阻止」
テロ犯人がパリに潜伏してるなら、パリを空爆すればいいじゃん。いつもならそうするじゃん。
2015年11月14日 20:01
テロ犯人がいると疑えば病院だって空爆するし、テロ犯人がいると思えば村ごと焼き払い村民を虐殺してきたのは誰だったでしょうか。
日本は避難民派の支援に全力をつくすべきでしょう。
>>6
全くです。
日刊ゲンダイから-
(11/17発行分)
「加害者が<誰なのか>で欧米政府やメディアの対応はここまで違うのかと愕然とします。タリバンの被害者のマララさんは<自由の象徴>のごとく祭り上げられているのに、米国の被害に遭ったナビラさんは完全に無視されている...今回の招聘にあたっても、在イスラマバードの日本大使館はビザ発給に非協力的でした」(現代イスラム研究センター・宮田律理事長)
ナビラさん -- パキスタンで農作業中に米軍の無人偵察機にミサイル攻撃を受けて負傷した。祖母も失った。
(11/19発行分)
「彼ら(シリア難民)は単にISの地域支配の残忍さを恐れ、欧州に逃れているのではありません。最大の恐怖は有志連合による空爆による殺戮です。一瞬にして街が殲滅し、家屋が粉々に破壊され、人命や生活が奪われる恐怖を想像できますか」(同志社大大学院教授・内藤正典氏)
寝ぼけたことばかり言ってないで、現実を良く見てください。
<過激派組織「イスラム国」の支配地域>
http://www.afpbb.com/articles/-/3050919
どのような理由があろうと、これ以上イスラム国の支配領域が
拡大することは全力で阻止しなければなりません。
これを放置していれば、やがて中東全域が崩壊します。
中東だけではありません。
アフリカ諸国も同じような問題に直面しています。
<アフリカ連合、ボコ・ハラム対策で7500人の部隊結成へ>
http://www.afpbb.com/articles/-/3038255
ボコ・ハラムの勢力拡大は周辺地域の危機となっており、
これまでに直接被害を受けたカメルーン、チャド、ニジェール、
ナイジェリアの4か国はベナンとともに、ボコ・ハラムの脅威を
封じ込め、多国籍統合機動部隊を結成するため協力を強化する
ことで合意した。
テロ組織の規模が、一国の政府では手に負えない規模にまで膨れ
上がり、国際的な脅威にまでなってしまった場合、外国に援護を
求めるしかありません。
弱体化したシリア政府には、最早一国でイスラム国を打倒できる
力はなく、放置していればいずれ政府が倒されます。
「その後どうなるか」くらいの想像はつかないのですか。
もう一度言います。
イスラム国対策において「最優先」しなければならないのは、
①イスラム国支配領域拡大の阻止
②過激派に奪われた国土の奪還
③政府軍による治安維持の実現
これらの課題を達成した上で、ようやく「宗教対立・民族対立の和解」
というステージへ持ち込むことができます。
「テロを減らすには、テロの動機になる憎しみを軽減する必要がある」
これについては全く異論がありません。
但し、物事には「優先順位」というのがあるのをご存知ではないですか。
孫崎先生のご主張だと、欧米や日本がテロに遭わないためには、
シリア国民がどれだけイスラム国に惨殺されても構わないわけですね。
空爆だけでは、本来これだけの難民は出ませんよ。
国土の大部分を占拠されたら、外国に逃げるしかないではないですか。
「シリア人達は皆、イスラム国に虐殺されるか国を追い出されました」
「ではお互い憎しみを忘れましょう」
こんなことが本気で通用するとお思いですか。
それから、米国の軍事介入については効果がまったく不明ですが、
ロシアが軍事介入してから、戦局は好転しています。
<シリア軍、北部でISIS駆逐の作戦開始 空港を奪還>
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151112-35073425-cnn-int
内戦下にあるシリアの国営シリア・アラブ通信(SANA)は
12日までに、北部アレッポ市近くのクワイリス軍事空港に対する
ISIS)の包囲網を政府軍が打破する作戦に成功したと報じた。
政府軍の離脱兵などで組織する反体制派「自由シリア軍」の顧問は、
シリア軍はアレッポ周辺でロシア、イランやイラク各国軍の支援を
得て戦果を上げたと述べた。
アフリカでも、アフリカ諸国が多国籍軍を結成し、チャド軍が参戦
してから、戦局は好転しています。
<アフリカ中部最強のチャド軍。
ボコ・ハラムを撃退し、ガンボルの町を奪還>
http://irorio.jp/daikohkai/20150210/203930/
チャド軍が2月3日の夜、イスラム過激派組織ボコ・ハラムとの戦闘に
勝利し、国境近くのナイジェリア北東の町、ガンボルを奪還したこと
が伝えられた。この戦闘によって、200人以上の過激派戦闘員を殺害
したとされる。
欧米(特に米国)の軍事介入が、殆ど成果を上がれらない理由。
「空爆」が戦果を挙げるには、「地上軍との連携」が必要です。
しかし、米国は地上軍を派遣する気はありません。
というより、「異教徒」の地上部隊が他国に進駐などすれば、
より一層宗教対立が深刻化し、イラク戦争の二の舞になって
しまいますから。
それゆえ、正規の地上軍は、シリア政府軍か、クルド人部隊しか存在
しないのであり、となると、もっとも効果の高い援護は、同盟国である
ロシアの空爆ということになります。当然の結論です。
それ以前に、私は米国が「本気で」テロを殲滅する気があるのか、
疑っています。
<なぜイラクはイラクにおけるIS対策について
ロシアに支援を要請しないのか?>
http://jp.sputniknews.com/opinion/20151117/1178064.html
イラク議会国防安保担当委員会のハキム・アル・ザミリ議長:
「我々はシリアにおけるロシアの行動の結果を注視し、また待って
いるのだ。もし成功が認められ、ISが多くのダメージを受け
たとなれば、イラク議会でそれを審議し、あわせてロシア空軍
の支援要請も検討しよう。・・・今のところわが国の領空は
米国によって管理されている。もっとも、彼らは不誠実な作戦を
実施し、正確でない爆撃を行なっている。」
イラク政府は、米軍の行動に不信感を抱いています。
「不誠実な作戦を実施し、正確でない爆撃を行なっている」
この言葉が何を意味するのかは定かではありませんが。
NO.8tako2008さんは、孫崎さんがいっていることを、「寝ぼけたこと」と、批判されていますが、理解に苦しみます。
現在の状況を打開する方法は、孫崎さんご指摘通り、武力による解決でなく、理性による解決が求められるべきではないか。
①シリア問題の発端は、米国の反政府支援であり、米国とロシアの暗闘が、罪なきシリア国民を路頭に迷わせています。米国とロシアが、シリアに干渉を深めるのでなく、和解の道を切り開く努力をすべきでしょう。
②ISの資金は、石油であり、取引する国はわかっているはずであり、米国が制裁できるかが重要である。また、裏面で支持するイスラム国のISへの資金供給を閉ざすことであり、米国の果たす役割が非常に多い。
ISに空爆することより、米国、ロシアの責任を国際世論が問うことであり、責任を問えなければ、ISとアルカイダの一体化が進むだけでしょう。空爆で苦しむのは、シリア国民であり、ISではありません。
>>10
>米国とロシアが、シリアに干渉を深めるのでなく、和解の道を切り
>開く努力をすべきでしょう。
ご指摘の通りだと思います。
しかし、その件については、すでに両国の間で合意が進んでいます。
11月16日の記事で、younghopeさんご自身が投稿なされた
と思われますが・・。
>読売、オンラインによると、ロシア主導で、シリア和平工程表を
>合意したようだ。アサド政権と反体制派の交渉を年内に開始し、
>18か月以内に民主選挙を実施するということである。
>シリア内線解決を目指し、ウィーンで20か国、期間が参加して
>行われたと伝えている。10月末に、ロシアが提案したようであり、
>今回のフランステロで一気に交渉促進の雰囲気ができたのでしょう。
>うれしい情報です。
また、仰るとおり、米国とロシアには双方に責任があることは
事実でしょう。国際社会はこの件を追及しなければならない。
但し、今それを問題にしたところで、シリア問題、イスラム国問題が
解決するわけではありません。
すでに述べましたが、私は「優先順位」についての話をしております。
「イスラム国(過激主義者)との和解」と、「シリアおよびイラクの
国土の奪還・治安維持の実現」は、両立できません。
従って、優先順位をつけてこれに対応するしかない。
少々過激な表現になってしまいましたが、「現実を直視すべき」
といった意味で投稿させて頂きました。
但し、上記の優先順位のパラドックスを解決できる上手い手段が
ある場合は、この限りではありません。
困ったことだ。
当然ながら、我が国が本来責任のないテロとの戦いに
関与することがあってはなりませんが。
なんでもかんでも、ヒステリックに軍事介入・武力行使に
反対すれば良いというわけではありません。
それは時と場合による。
断言しておきますが、シリアのイスラム国問題は、
軍事介入なしには、絶対に解決できない。
紛争が終わる時、それは無政府状態になった時だけだ。
それまでに途方もない数の命が犠牲になる。
勿論、軍事力だけでも問題は解決はできませんが、それは
武力行使の必要性がある程度まで減少した段階での話し。
私は現実的なことしか言うつもりはありません。
また、どこかの国の主張に肩入れするつもりもありません。
純粋に、ロシアの取っているアプローチが最も現実的であり、
最もシリアおよび中東、欧米における犠牲が少ないであろう
選択肢だと考えるから支持しているだけに過ぎません。
外国軍が軍事介入を全く行わない場合、シリア政権は崩壊、
テロが拡散し、中東全土へ波及し、最悪の状況を招く。
あまり固定観念に縛られず、ご再考をお願いしたい。
孫崎さんは、このテロ戦争で誰が儲けたか、先日のTWで明確に述べている。客観的な指摘であり、現在の問題の急所だ。この指摘は、孫崎さんがこの利益共同体に対して批判的な立場であることを示している。庶民の立場に立てば当然の立脚地だ。
公的に意味ある分析や見解は、表現者が自らの立脚地、視点を明確にできる能力とつりあっている。だから、こうして公的なサイトに見解を披露し、多くの人たちが参考にするために閲覧する価値がある。
意見や分析の違いは、
(1)根本的な立脚地が異なる。
あるいは
(2)事実認識が異なる。
あるいは、
(3)解釈が異なる。
などによって生じる。
意見や分析が異なる時には、なぜそうなるのかを考えるべきだ。
tako2008にはそれがゼロである。人の考えをいきなり否定している。議論をするためには最低限のルールやマナーというものがある。人の見解を「寝ぼけ」は許されない。目の前の人間にこれを言ったらどうだ。殴られても仕方あるまい。
だいたい孫崎さんのコメントに常連で書いている人たちは、冷静で、勉強家の人が多い。
younghope氏などは、懇切丁寧に議論の相手をしてまことに立派な態度だと思う。ネットを通じて、不安な現状を分析し、少しでも未来の可能性を探ろうとする真摯な思いが伝わってくる。
それに対してtako2008の執拗な食い下がりは、他者の思考への敬意がなく、思い上がりの不遜さが全面に出て、読む者に拒否反応をもおよさせる。こういう知的な交通がなされる場に出て来るだけのコミュニケーションができず、結果として場を荒らすことになり、良心的なコメンテーターの出番を邪魔している。
私もtako氏が登場してい以来、孫崎さんのコメントを読むのが億劫になっている。飛ばして読めばいいじゃないか、ということにはならない。tako氏の登場により、他のコメンテーターが枝葉末節な論点に流れ、議論がひきづられている。
議論は自由にしてよいが、共同性というものが存在するのであり、ネットワークの空間はこの共同性の構築に寄与するためにある。