実はわたくし六島は大曲の出身でして、実家は花火の打ち上げ会場まで徒歩数分という場所に立地。現在は大曲を離れて住んでいるものの、大曲の花火と共に歩んで数十年。毎年この季節になると、実家に帰りたくて仕方がないんです。
幼い頃から何の気なしに見ていた大曲の花火ですが、実家を離れて初めて地元の花火は素晴らしいというのを実感しました。
一生に一度はご覧いただきたい大曲の花火。他の花火大会には無い驚きのポイントがあるんです。
【1】日本全国選りすぐりの花火師たちが腕を競う花火競技会
花火を制作した花火師本人が自らの手で打ち上げる真の競技大会であり、この大会で内閣総理大臣賞・経済産業大臣賞・中小企業庁官賞・文部科学大臣奨励賞・が授与されます。
【2】夕方5時からの「昼花火の部」がある
全国でも大曲の花火だけが開催する昼花火の部。午後5時から打ち上げが開始されます。主に煙竜(煙物)や割物で競います。煙竜(煙物)は光の代わりに色煙を駆使し色彩豊かに空に模様を描き出します。割物は夜の割物花火と同様で、光の代わりに色煙で牡丹や菊を表現します。技術的にも高度だということで、一見の価値あり。「花火は夜だけ」という常識を打ち破る昼花火をご覧になりたい方は、お早目に会場へお越しください。
【3】「創造花火」発祥の地はここ大曲
「創造花火」は、従来の丸型の概念を破った花火す。昭和39年の大曲の花火から全国で初めて取り入れられ、秋田県大仙市大曲が創造花火の発祥地でもあるんです。打ち上げ花火にテーマを設け、形・色・リズム感・立体感など、花火師の創造性を追求しています。
【4】毎年人気! 競技の合間におこなわれる「大会提供」のアトラクション
大曲花火協同組合青年部が1年かけて製作する花火玉を、その年のテーマ曲に合わせて打ち上げるアトラクションがあります。会場に「大会提供」のアナウンスが流れると、足早に移動する人が増え、大歓声が響く人気ぶり。河川敷を広く使った演出で、まるで映画の大画面を観ているようです。息もつかせぬ花火の応酬に感動すること必至!
見どころ満載の大曲の花火。花火が終わると秋田の短い夏が終わりを告げ、観客が去る会場にはどことなく涼しい秋風が流れ始めます。暑い夏の終わり、最後の思い出づくりに、是非とも大曲の花火へおいでください。
photo by Flickr:GENuine1986
(六島京)