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Vol.285 結城浩/再発見の発想法/テキスト作成エコシステム/自己満足から逃れるには/
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Vol.285 結城浩/再発見の発想法/テキスト作成エコシステム/自己満足から逃れるには/

2017-09-12 07:00
    Vol.285 結城浩/再発見の発想法/テキスト作成エコシステム/自己満足から逃れるには/

    結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2017年9月12日 Vol.285

    はじめに

    おはようございます。結城浩です。

    いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。

     * * *

    まちがっているのに正しい約分の話。

    筑波大学の三谷純先生(@jmitani)がこんなツイートをしていました。

     --------
     Book of Curious and Interesting Puzzles で紹介されていた、
     やりかたが間違っているけど、なぜか答えは正しい約分の例。

     https://twitter.com/jmitani/status/901083528611323909/
     --------

    どういうことかというと、 たとえば「64分の16」という分数を考えます。

     16/64

    分子と分母の両方に6という数字があるので、 それを「約分」のように消してしまうのです。 すると、分子と分母から6が消えるので、

     1/4

    という形になりますね。そしてこれはたまたま、 16/64を正しく16で約分したときと同じ結果になるのです。 約分のやり方としてはまちがっていますが、 結果的には正しくなっちゃうという分数なのですね。

    おもしろいです!

    三谷先生のツイートでは、 同じ特徴を持つ3個の分数が紹介されていました。 それは、

     16/64 = 1/4
     26/65 = 2/5
     19/95 = 1/5

    の3個です。

    これを見たとき、

     「おもしろいけど、これで全部なんだろうか?」

    と結城は思いました。

    二桁分の二桁という分数に限るなら、 分子と分母にくる可能性があるのは10〜99ですから、 すべての組み合わせを試したとしても、大した数ではありません。

    とはいえ手でやるのはめんどうですから、 さっそく小さなプログラムを書いてすべてを探してみました。 具体的には、

     (10a+b)/(10b+c)

    という形をした分数を探すということです。

    プログラムを書き始めてすぐに「約分した結果1になる分数」 の存在に気づきます。たとえば、

     22/22

    は 1/1 になってしまいますよね。 そういうのはつまらないので除外しました。 そうすると「二桁分の二桁」で値が1になるもの以外は、 全部で4個あるようです。三谷先生が書いたものを除くと、 最後の1個は、

     49/98 = 4/8

    です。でもこれはさらに約分できてしまうので惜しいですね! 何が「惜しい」のかよくわかりませんが(苦笑)。

    ともあれ、見つかった分数は以下の4個です。

     ◆まちがった約分なのに、なぜか正しくなる分数(画像)

    2017-09-11_frac.png

    Rubyで書いたプログラムは以下で公開しています。

     ◆まちがった約分なのに、なぜか正しくなる分数
     https://gist.github.com/hyuki0000/a9670b7a7b42554412e0111903635fc8

    こういうプログラミングは、何かの「役に立つ」わけではありません。 でも、なぜか楽しいものです。自分が抱いた素朴な疑問である、 「これで全部なんだろうか?」 に対して答えを与えてくれるからでしょうかね。

     * * *

    フォロワー数の話。

    先日、結城をフォローしてくださる方が3万9千人を越えました。 多数のフォロワーさんに感謝です。

    ところで、高校生になる息子がこんなことを言ってきました。

     ねえ、お父さん。
     お父さんをフォローしてる人って多いんだよね。
     ぜんぶで 500万人 くらい?」

    息子に言いたい。

    私は、きゃりーぱみゅぱみゅさんではないのだよ……

    ※きゃりーぱみゅぱみゅさん(@pamyurin)のフォロワー数は、現在500万人強です。

     * * *

    それではそろそろ、 今回の結城メルマガを始めましょう。

    どうぞ、ごゆっくりお読みください!

    目次

    • はじめに
    • 再発見の発想法 - Backtrack(バックトラック)
    • テキスト作成エコシステム - 文章を書く心がけ
    • 自己満足から逃れるには - Q&A
    • 自由に選択できるということ
    • おわりに
     
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