-
「春隣(はるどなり)」
コメ8 草の根広告社 95ヶ月前
海辺の小径を散歩していて梅の蕾や小さな花々を目にする機会が増えた。藍より青くなった海上や岩場ではワカメ採りに勤しむ漁師さんも見掛けるようになった。
-
「アンチエイジングとしての寛容さを」
コメ5 草の根広告社 95ヶ月前
寛容さを失うことは「老い」の特徴のひとつでもあるという論調が何年か前、話題になったことがあった。当時も今も様々な意見はあるだろう。ただ何かにつけて社会全体への謝罪を求める、そして自分が少しでも迷惑だと感じる他者を許容しないことがもはや当然のことになって来た「不寛容社会」が、「高齢化社会」の同義...
-
「もしかして仕事に行きたくないんじゃなくて会社に行きたくないんじゃないですか?」
コメ3 草の根広告社 95ヶ月前
フリーランスの美容師というものが存在することを僕は知らなかった。固定の美容室に勤務するのではなく、かといって独立して自分の店を持つわけでもない。「鏡貸し(めんがし)」と呼ばれる美容施設を借りて、直接予約を取った客のカットなどを行うのだという。PRなどの集客活動はインスタなどのSNSで使うので広告費も掛...
-
「じゃんけんとワクチン」
コメ0 草の根広告社 95ヶ月前
八丈島にすら雪をもたらすかもしれないという強烈な寒波がこの海辺の町にも到来している。時化で昨日からこの辺りでは漁も休みだ。浜の居酒屋では漁師さんたちが「仕方ねえや」とビール片手に笑っているだろう。何もかも吹き飛ばされたせいで海の向こうには真っ白な雪の降り積もる稜線が美しいけれど、一歩出ただけで...
-
「2045年の海景色」
コメ4 草の根広告社 96ヶ月前
日本老年学会(という社団法人が存在することも知らなかった。文京区湯島にあるそうだ)が現在65歳以上とされいる「高齢者」の定義を75歳以上にという提言をしたという。巷では年金の受給年齢を引き上げようとしているのだろうという懸念の声も数多く聞かれたけれど、個人的には願ったり叶ったりの提言だった。その理由は
-
「人生のオトシマエ」
コメ0 草の根広告社 96ヶ月前
20代の頃はいつも「明日死ぬとしたらの今日を生きる」という切羽詰まった思いで生きていた。子供の頃、夢中になって読んだ「1999年7月に世界は滅びる」というノストラダムスの予言書が頭の片隅にこびりついていたせいもあったかもしれない。
-
「終わりの始まり、終わりは始まり。」
コメ6 草の根広告社 96ヶ月前
新しい1年の始まりを、18000人の熱狂の渦と眩い照明の中で迎えた。「こんな夢みたいな、身に余るような年越しは今年限りだろう」と毎年のように思いながら、今年もそこに居させて頂いた。本当に感謝しかない。
-
「頑張って松ぼっくりを拾い集めた人々にだけでなく」
コメ2 草の根広告社 96ヶ月前
12月に入ると、午後の陽光の下、ビニール袋いっぱいに松ぼっくりを詰めた子供たちを目にする機会が多くなる。海岸沿いの公園に植えられた松の木の落とし物だ。時折り強く吹く潮風と塩害に負けない樹木のひとつであり、風除けにもなってくれる松の木がこの海辺の町には数多く植えられているのだ。
-
「この悔しさが伝わらないのはどうしてだろう。」
コメ2 草の根広告社 97ヶ月前
人は生まれて来る場所を選ぶことはできない。真夜中に米軍機が不気味な灯りを明滅させながら我が物顔で低い空を飛ぶあの町で育っていなかったら僕は、大人社会の矛盾に振り上げた拳を降ろすことのできない、子供のような青臭い理想論を歌い続ける人間には、なっていなかったかもしれない。
-
「日が暮れても彼女と歩いてた」
コメ2 草の根広告社 97ヶ月前
12月は日曜の午後が好きだ。猫が丸くなって昼寝しそうな日溜まりができるぐらい太陽が溢れていればなおのこと良い。ほんの数時間で肌寒くなり日が暮れてしまうその僅かな時を人のまばらな冬空の下で過ごすのが昔から好きだ。
-
「合縁奇縁、とは呼ばないかもしれないけれど。」
コメ2 草の根広告社 97ヶ月前
訪問者が呼び鈴を鳴らした。「手が離せないから出て下さい」とお義母さんに言われ妻の実家の玄関を開けると、高校2年の時に同じクラスだった女の子が立っていた。確認だけどここは妻の実家だ。そして僕と妻は高校の同級生ではない。もちろん義母と彼女が高校の同級生というわけでもないし、ましてや彼女が家を間違え...
-
「猫は日溜まりでまどろんでいる奴を遠巻きに眺めているくらいがちょうどいい。」
コメ4 草の根広告社 98ヶ月前
実を言うと、僕は猫に触ることができない。確か小四の夏休みだった。誰もいない家で宿題をしているとベランダで不穏な物音がした。激しい羽音がした。泥棒かもしれない。そう思いながらカーテンの隙間から恐る恐る覗くと鳥籠が倒されていた。母が大事にしていたインコを貪る野良猫の姿があった。一瞬、野良猫が僕を見...
-
「社会的な価値観というOSはアップデートできているだろうか。」
コメ4 草の根広告社 98ヶ月前
ここに1970年製のパソコンが2台ある(たとえ話だ。1970年に一般ユーザーが使えるようなパソコンは存在していない)。そしてもう一台、2010年製のパソコンがある。こちらは出荷時から新しいOSを搭載している。1970年製の2台のパソコンのうち1台は新しいOSにアップデートした。中には対応していないアプリケーションもあっ...
-
「この素晴らしき世界」
コメ9 草の根広告社 99ヶ月前
子宮の中はまるで宇宙だと言う言葉を誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。僕も子供の頃にSFモノの漫画か小説で読んだような気がする。確固たる論拠はないだろう。人類の何人かは宇宙に行ったことはあっても、人類の誰も子宮の中のことを憶えてはいない。また医学でもまだまだ解明されていないことが多いのが子宮の...
-
「彼らに正論は意味がない」
コメ6 草の根広告社 99ヶ月前
どうにも理解できないのがゴミを捨てていく人の気持ちだ。浜辺もそうだし、走る車の窓から吸い殻を捨てる人が一体何を考えているのか全く理解できない。そして今、そういう人たちの気持ちを理解しなければならないのではないだろうかと思っている。 先日ランニングの最後に浜へ行った。僕と同年代かあるいは少し年下...
-
「太陽が秋分点を通過した夜」
コメ2 草の根広告社 99ヶ月前
相次ぐ台風と長雨で一向に菜園に手がつけられない。乾燥が必要な夏野菜の種採りもまだだし、そこを耕しての冬野菜の種蒔きもできていない。蒔き時を逃すと発芽しなかったり、成長が悪かったりするので早いところなんとかしたい。おつきあいのある農家さんの中には稲刈りがまだできていないというところもあると訊く。...
-
「夏の喪失感に浸る夜」
コメ4 草の根広告社 99ヶ月前
一段と冷えた秋風が音もなく胸を通り抜けるとき、そこに「夏の喪失感」があることをまざまざと思い知らされる。喪失感について考えるたびに「無い」のに「有る」というのもなんとも不思議だなと思うのだけれど。それはともかく、暑さが残っているうちは夏の命が終わったことを実感し難かったのだろう。暦の上ではとっ...