• このエントリーをはてなブックマークに追加

タグ “フクシマの首長” を含む記事 1件

Vol.120 ウェブ連載「フクシマの首長」を始めた理由

Vol.120 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━           『そこそこ週刊・畠山理仁』       ウェブ連載「フクシマの首長」を始めた理由 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●何が言葉を堰き止めるのか ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  男性の目には涙が浮かんでいた。どう声をかけていいのかわからなかった。  私はその時、福島県二本松市にある浪江町役場二本松事務所にいた。一階の一番奥にある町長室で、馬場有・浪江町長から話を聞いていたのだ。  震災から丸3年が経った。その長さを考えれば、1時間のインタビューはあまりにも短い。それでも私は震災後に浪江町に起きたことを矢継ぎ早に質問した。馬場町長は「よそ者」の私にも、端的にわかりやすく話してくれていた。  時間を一秒たりとも無駄にしない。互いにそんな緊張感の中で取材を進めていくうち、突然、馬場町長の言葉が止まった。私はパソコンに文字を入力する手を休め、じっと次の言葉を待った。  1秒、2秒、3秒……。心の中でゆっくり数えてから馬場町長の顔を見た。 「すみません」  馬場町長はようやく声を絞り出すと、ポケットからハンカチを取り出し、そっと目頭を抑えた。  

Vol.120 ウェブ連載「フクシマの首長」を始めた理由
『そこそこ週刊・畠山理仁』

フリーランスライターの畠山理仁です。私が取材現場で見聞きしたことなどを報告していきます。そこそこ週刊です。ときどきダジャレが入るかもしれません。

著者イメージ

畠山理仁

はたけやま・みちよし▼1973年愛知県生まれ▼早稲田大学在学中の1993年より週刊誌を中心に取材活動開始▼1998年、フリーランスライターとして独立▼興味テーマは政治家と選挙▼米国大統領選、ロシア大統領選、台湾総統選、カリフォルニア州知事選など世界の選挙も取材▼大手メディアが取り上げない独立系候補の活動を紹介した『日本インディーズ候補列伝』(大川豊著・扶桑社刊)では取材・構成を担当▼Twitter IDはhatakezo▼『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)著者▼最新刊は『領土問題、私はこう考える!』(集英社)

http://hatakezo.jugem.jp/
メール配信:あり更新頻度:毎月4本程度※メール配信はチャンネルの月額会員限定です

月別アーカイブ


タグ