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記事 21件
  • 未来のパソコン授業

    2014-10-31 23:45  
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     ちまたでは、ツタヤ図書館で有名な武雄市で小1向けプログラミングが行われたというニュースが話題になっていました。 武雄市で小1向けプログラミングの初授業|佐賀新聞LiVE  一方、今自分の子どもの小学校もパソコン週間でして、いつものようにボランティアしています。 お手伝いする度、泥臭いことから、未来のことまで、いろいろ思うことが出てきますので、順不同で書き留めておこうと思います。なお、パソコンの授業って学校によっていろいろ違うと思うので、他では当てはまらないこともあるかと思います。・マウスは低学年には辛いです。力の弱い子どもが、マウスでとても小さい目標をクリックするのは大変です。ドラッグとかさらに大変です。とはいえ、子どもはなんとかやってしまうので、まあいいと言えばいいですが。・最近のタブレットの普及を考えれば、今の子ども達が大きくなるにつれ、今のパソコンが必要になるのは、相当後です。今のところビジネスではパソコンが排除される見通しは立っていませんから、小学校でパソコンを触っておくのはいいことだと思いますが、本当なら幼い子でも楽なタッチパネルにしたいところです。・とはいえ、学校は予算が限られています。今頑張ってタッチパネルにしたとして、でも数年後には陳腐化するかもしれません。ですから、ほいほい機器を変えていくわけにはいかないでしょう。機材だけならリースとかあるかもしれませんが、その度に何をどの機材でどう教えるのかということをほいほい変えていくのは困難です。つまり学校では常に時代遅れの機材を触ることになるので、その部分は諦めて、でもその中で社会に出てからも必要な情報教育の基礎を学べるよう工夫が必要でしょう。・ところで、ローマ字は今議論して欲しいです。小学校で英語をという話になっています。一方でローマ字なんて、とりあえず自分の名前書ければ、一通り英語やってから学んでも、何の問題もないと思います。むしろ、ローマ字は英語の発音を覚えるのを阻害すると思うので、積極的に遅らせてほしいと思います。今パソコンの授業では3年生の後半でローマ字を習うとともに、キーボードのローマ字入力をすることになっています。 しかし、キーボードのローマ字入力こそ、今後もっとも廃れていく技術です。iPhoneのフリック入力や、タブレットでのかな入力など、文字の入力方法は多様化していますし、つまり、キーボードは相当大きくなってから覚えても問題ありません。もしかしたら、キーボード自体なくなっている可能性もありません。 しかも、こどもだったら、うろ覚えのローマ字入力より、かな入力のが早いですし、大人は覚えられなくてかな入力敬遠しますが、子どもからやるんだったら、かな入力の方がタイプ量が少なくいいに決まっています。ちなみに私は30歳後半くらいだったか、かな入力に切り替えました。やろうと思えばできるもんです。 つまり、この点でもローマ字の必要性はありません。でも、3、4年の子は慣れないローマ字入力で時間を浪費しています。ここは早くかな入力に変わってほしいなあと思っています。費用もかかりませんし。・授業の内容は、以前あったイベントの写真を貼付けタイトルと文章を添えるといったものや、イベントへの招待状を作る、「リサイクル」などをキーワードにインターネットを調べてまとめるというものなどです。つまり、文書作成、プレゼン作成、調査であり、無難な内容ですし、ころころ変えるものではないでしょう。・今の状況を見渡すと、現時点での理想は、それらの授業内容を維持したまま、タブレットに移行することでしょうか。高学年くらいから、キーボードを接続してかな入力で入力するのでしょうか。これで、低学年のマウスの苦労もなくなるし、ローマ字入力の苦労もなくなります。 なので機器入れ替えのタイミングではノートパソコンではなくタブレットがいいのだと思います。 この形態がすぐに陳腐化するのであれば問題ですが、そうでなければ、タッチパネルノートパソコンで、まあ似たようなものですから、いずれにせよこの辺りかなあと思います。 少なくともこれらの形態に移行すれば、子ども達の入力に関するストレスはかなり軽減されるはずであり、この形態であれば多少陳腐化しても長く使っていいのではないかと思います。 ここまではがんばって入れ替えていくのがいいのではないでしょうか。  

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  • 日本企業が新しい挑戦をしたがらない最大の理由

    2014-10-30 23:45  
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     日本の企業は新しい挑戦をなかなかしないからだめだだめだと良く批判されますが、日本人はそんなに新しい挑戦が嫌いなのでしょうか。 でも、そんな好き嫌いの前に、日本の企業が新しいことを始めるのを妨害している大きな大きな問題があります。 それは、みんな働き過ぎです。 たとえば最近ドローンが話題です。こんなの。
     会社で、もしかしたら新規事業でドローンを活用してなにかできるかもしれないとします。もし、チームの中にドローン持ってる人いたら、持ってきてもらってみんなで体感できます。ちなみに写真のは私が実際に持ってる奴です。本体が500円玉くらいの小さいやつ。うちの子達はラジコンヘリが好きで兄弟合わせて多分4つくらい持ってるんですが、最近おもちゃ屋につき合わされた時、その写真のが安売りされてて、でも子ども達はお小遣いが足りず、私が魔が差して買ってしまいました……。 そんな風にチームにおもちゃでもドローンを楽しんでいる人がいたら、早速、実際に何ができるか調べるのは捗ることでしょう。会社に持ってきてみんなで見ることもできます。でもチームにドローン持ってる人いなかったらいきなりハードル上がります。 そもそも、ドローンもっている人なら、「あ、もしかしてうちの新規事業で使えるかも」と思いつきやすいですが、そうでなければなかなか思いつかないことでしょう。 このひたすらイノベーションが求められる時代、社員一人一人がクリエイティブであることが求められますが、もし、毎日残業で家と会社の往復、週末はぐったり、なんて人がクリエイティブであり続けられるでしょうか? ドローンのおもちゃは安いのは数千円からあります。お金の問題ではありません。きちんと仕事以外の時間がある社員がいれば、誰かは手を出すことでしょう。 会社がクリエイティブであるかどうかは、社員達が会社の外でどれだけいろんなことをやっているかということにかかっています。 facebookを始めて4年くらい経ちますが、それではっきりと分かったことは、クリエイティブであり続けようとする人は仕事以外のアクティビティが高いです。そういう人に、朝から晩まで仕事して週末ぐったりなんて人いません(短期的にはありますよ。むしろ短期的には没頭しているのではないかと)。むしろクリエイティビティの源泉を枯渇させないために、かなり真剣に仕事以外のアクティビティをこなしていると思います。 仕事の中でクリエイティビティの源泉を満たせるならいいのですが、世の中そんなに甘くなく、仕事以外も生活のためにしなければならないくらいの危機感があると思います。 もしも、会社のチームにそういう雰囲気がなく、みんな仕事に没頭しているようであれば、チームのクリエイティビティが枯渇する危機感を持った方がいいでしょう。恐らく、そういう雰囲気のところに仕事以外のアクティビティに危機感を持って取り組んでいる人はいません。なぜなら、仕事ばっかりしてるな〜という人は、クリエイティブであり続けようという危機感を持っていないように見えませんから、そういう人ばかりのところにはいられません。 かくして、仕事ばかりしているチームは、クリエイティビティが枯渇します。いわゆるマンネリに落ちこみ、革新的な成果をあげられなくなります。ドローンが流行っているのを見て、なにかできるかもなーと思っても、遠い存在でアクションへのハードルは高いでしょう。 さらに、効率化も、クリエイティビティの源泉の敵です。たとえば出張。いろんなところへ早く行けるようになりましたから、日帰り出張の範囲は随分広がりました。 でもそれはクリエイティビティの敵です。出張したからには、その土地に触れるべきです。 

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  • [S]破壊的イノベータに釣られて調べたら京都の観光戦略が完璧過ぎる件

    2014-10-29 22:45  
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     いつもとちがう水曜日、ミラフツネタではないけど、前回の続きで気楽な話題の[S]です。 破壊的イノベータだからといって、煽りはもう流行らない  の続きです。 実績のある破壊的イノベータが、しかしインタビューで煽っていたので、かっとして京都のこと調べたら、実は京都すごかったです。 ちょっと調べるだけで、京都はとても戦略的に観光客を増やしてることが分かりますし、今後間違いなく外国人を増やしていくであろうことが簡単に推測できます。元記事の人がこれを知らないわけがないので、やっぱり煽ってんだなあと思わざるを得ません。残念です。 問題になったのは、京都の観光客が全体5162万人中で、うち外国人宿泊者数は113万人で 2.2% と驚異的な低さです。確かに問題といえば問題です。 まず、国内外を含めて年間5162万人の観光客というのは世界的にみても、おそらくトップクラスです。各観光都市の国内外含めた観光客数というのは、一つにまとまっていないようで、単純には比較できませんが、たとえば以下のようになっています。 パリ: 全体 3230万人、うち外国人 1550万人(2013年)。市の人口 225万人(2011年) ニューヨーク: 全体 4870万人、うち外国人 970万人 (2010年)。市の人口 841万人(2013年) 京都: 全体 5162万人、うち外国人 113万人(2013年)。市の人口 147万人(2010年) 東京: 全体 5億600万人、うち外国人 681万人(2013年)。23区の人口 914万人(2014年) これ、東京のデータって本当なんでしょうか。ビジネス旅行も含んでるのかなあ。 この他でパリやニューヨークに匹敵しそうなのはロンドンなんですが、すぐ出て来なかったので調べてません。中国やインドにも国内観光客が多いとこありそうですよね。 いずれにせよ、元の記事で数字を出さずに書かれた「京都は世界一の観光スポット」というのも、東京を省けば、これまた嘘ではないのです。国内だけで世界トップクラスの観光客が来るのですから、今まで外国人が手薄でも当然といえば当然です。 しかし、京都は手を緩めません。調べてたら、こんなデータが出てきました。まずはこれ。 (京都観光総合調査平成25年より)
     2003年は月の繁閑差が3.3倍だったのが、10年後の2013年には1.2倍に。そのかいあって、観光客数はほぼ順調に伸びています。 

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  • 破壊的イノベータだからといって、煽りはもう流行らない

    2014-10-28 23:45  
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     ネットで、かなり好感を持って受け入れられている、 お・も・て・な・しは日本人の自己満足か という記事、私のところにも昨日だったか次の一節の引用と共に流れてきました。京都は世界一の観光スポットだと言われるけど、なぜ年間200万人しか来ないのか。あれほどの文化財を有しているのに、大英博物館に来る外国人の数の半分にもならないですよね。
     最初に読むことになったこの一節、私は、読んだ瞬間かなり頭に来ました。 しかし、記事をざっと読んでみるとすばらしい取り組みも書かれていて、ただのアジる記事ではありません。なんでこんなこと書いたんだろうと思いながら、まず、その頭に来た部分を調べました。 いろんな調査の寄せ集めなので、単純に比較するわけにはいきませんが、いろいろ並べてみますと、まず、京都の年間観光客数は 2013年で 5162万で、うち外国人宿泊者数は113万人です。一方大英博物館の2013年入場者数は670万人、そのうち外国人は56%くらいらしいので、外国人入場者数は375万人くらいということになります。 ちょっと使っている数字が違うようですが、「京都にくる外国人は大英博物館に来る外国人の数の半分にもならず200万人」ということ自体はあってます。 でも、この全体のデータを聞いてどう思いましたか?  かたや全体では観光客が年間5000万人を超える都市と年間670万人の博物館を、その全体数には触れずに比較していると分かったとき、なにか釈然としなくないですか? これは典型的なアジり方だからです。 だから、私は京都の年間観光客数も大英博物館の年間入場者数も全然知らなかったけど、読んだ瞬間拒否反応が起きましたし、調べてみたらやっぱり重要なデータが隠されていました。 しかしこの記事を読むと、伝統技術を扱う老舗小西美術工藝社で今までの常識に囚われない革新的な経営改革をしている方で、成果もかなりあげられているようです。すごい破壊的イノベータなんだと思います。 だから、普通に誠実に話せばいいと思うのですが、破壊的イノベータとして誇張しなければならないという考えなのでしょうか。 こんなデータを隠して話すのですから、7ページもあっていろいろ面白そうなこと書いてあるんですけど、全部疑って読まないといけないし、自分に取り込むなら、全部調べないといけません。それが本業に関わることなら調べますけど、私にとってクリティカルな問題ではないので、読んだ端から廃棄しなくてはいかず、結局読み終わった後何が書いてあるか本当に覚えていません。さらに、大胆な改革はしているけど、目先の成果だけ追い求めているのではないかと他人事ながら心配になります。 日本は日本ができてから1300年ほど国の名前も変わらなかったような持続的な、悪くいえば変化しにくい国ですから、常識に囚われず大胆な変化を起こす、破壊的イノベータというのは貴重な存在です。 でも破壊のために煽るのは、もう時代遅れです。現在は、持続的な経済活動ができる人間社会に変化していこうとする時代です。アジって煽って変化したとしても、それが持続的な人間活動に繋がるわけがないので、そんな変化は些末です。 ではどういう破壊的イノベータならいいんだといえば、真っ先に駒崎弘樹さんが思い浮かびます。破壊することにまったく躊躇してないけど、煽るようなことをしているのを見たことがありません。たまに一部分が切り取られて炎上するメッセージがありますけど、その元を見に行けばきちんとした調査や考察があります。ですから、炎上したらむしろ、ホントはなにを言いたいんだろうと探しに行きますし、いつもきちんとしたメッセージがあります。 破壊的イノベータであっても、アジることなく誠実に話すのが、これからの破壊的イノベータの姿です。 さて、それはそれとして京都の観光客が全体5162万人中で、うち外国人宿泊者数は113万人で 2.2% と驚異的な低さです。確かに問題といえば問題です。 ということで、少し調べてみました。 私は昔から京都の観光への取り組みは怖いくらいすごいと思っていました。例えば 1991年に開通した嵐山トロッコ。 

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  • その成功者の現象は浮かれた業界のバブル特有の現象

    2014-10-27 23:30  
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     成功者とジレンマ  成功しても、だいたい連中は同じ悪事をする。金であったり女であったり。人は、うまくいったと慢心したとき、悪事を繰り返す傾向があると思う。そのかなりの部分は、子供のころから持っていたコンプレックスやトラウマが、成功によって何でも出来るという万能感、多幸感を引き金として、行動に溢れ出てくる。
     と、成功者が同じパターンで悪さをするという記事なのですが、最後に 浮かれた業界のバブル特有の現象なのかもしれん。
    と断っています。世の中の成功者の多くがそうだと即断はできません。 日本に「成功者」がどれくらいいるかざっくり言うと多分1万人とかです。 順番に言うととりあえずの才能だけで10人に一人になれます。長男とかなんか詩で県の佳作かなんか取ってきて、調べたら応募10人に一人くらいでした。「おー、詩の才能あるんだね」と言ってあります。次の話と一緒に。 その程度のちょっとした才能がある人が訓練をすると100人に一人くらいのレベルになります。いわゆる"1万時間の法則"とかいうやつでしょうか。これは全市民100人に対してではなく、例えばサッカーなら、サッカーを目指す人100人中の一人という意味です。 100人に一人くらいになるとその世界を選べるようになります。メジャーな分野ならプロとして生活できるような意味です。本当にサッカーでそのとおりかは調べてません。だいたいの目安です。子どもには「10人に一人は才能でなるけど、100人に一人には相当の努力(1万時間)が必要。そこまで行くと世界が広がる。」と言ってあります。世の中には100人に一人の才能の人もいるでしょうけど、まあなかなかいないし、教育上は関係ない話です。 そのレベル人たちの100人に一人くらい、ものすごい人が出てきます。つまり1万人に一人くらいです。この辺からはその分野の人からは「成功者」と呼ばれるクラスになってきます。 各分野に「成功者」はいますから、結局国民の1万人に一人が「成功者」で、つまり1億人の1万分の1で1万人くらいいることになります。 一方「成功者とジレンマ」でクローズアップされたネット業界でしょうか、での「成功者」と言われているのは何人くらいでしょう。100人よりは多いとして全体の数%です。残り90%以上、違う分野の「成功者」がいます。 私の回りには、十分お金を持っていて、自分のやりたい仕事をのびのび長年やっていて、その分野ではかなり知られているという人が何人もいますし、その人たちを「成功者」と呼ばずにだれを「成功者」と言えばいいのか分かりませんし、でも、そういう人で、調べられて悪事が出てきて失脚した人なんて一人もいません。「成功者とジレンマ」に描かれている「成功者」に会ったことがありません。 もちろん、私の知ってる世界なんて極わずかですから、「成功者とジレンマ」に描かれている「成功者」の方が大多数で私の知ってる「成功者」が例外なのかもしれませんが、そうだとしても、こっちの水は甘いからみんなこっちに来なよと言いたいです。 「成功者とジレンマ」に描かれている世界に特徴があるとすれば、それは恐らく、前回の 【未来への鉄則2】事業のスロー度  の中で話題にした、「誰が北極点に最初に到達するか」というような早い者勝ち競争の世界ではないかと思います。 でも世の中の事業って、大半は速すぎず遅すぎない適切な速度で運ばなければならないものです。事業のスピードと書くと速いことが良いという意味と区別が着かないので、事業のスロー度と表現しています。 

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  • 【未来への鉄則2】事業のスロー度

    2014-10-24 23:45  
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    ミライ: 7月19日【未来への鉄則1】以来だいぶ開いてしまいましたが、今日は【未来への鉄則】第2回です。フツクロウ: 久々じゃのう。ミライ: はい。前回もこんなやりとりをしたような……。フツクロウ: ホッホ。ノーコメントじゃ!ミライ: さて、未来に手戻りしないように常に意識しなければならない【未来への鉄則】、第2回の今日のテーマは、「事業のスロー度」……。「スピード」ではなく「スロー度」ですか?フツクロウ: ホじゃ。普通、事業のスピードというと、速ければ速いほど良いとして、ひたすらスピートを求めがちじゃが、この時代、そんな単純な時代はとうに終わっておる。ミライ: というと?フツクロウ: 地域活性のような事業では、急いでやりすぎると地域全体が付いて来れなくなる。聞いたところによると、アフリカなどで、外貨獲得のために欧米がツアー事業の立ち上げを支援したりするのじゃが、2年くらいで現地にガイドを育成して終わりというようなものでは、英語ができる人に仕事がたくさん行くようになるだけで、地域の他の人には波及せずむしろ格差を広げてしまうといった弊害が出るそうじゃ。ミライ: 短期間の支援ではうまくいかないということですね。フツクロウ: ホウじゃ。徳島の上勝町は葉っぱビジネスで有名じゃが、地域の産業が壊滅してから葉っぱビジネスが立ち上がるまで20年以上かかっておる。そもそも地域の復興のためで、おばあちゃんたちが末永くできる事業が必要であるから、スピードばかり重視しても、おばあちゃんたちは付いていけない。 だからといって慈善事業をしたのではない。中には年収1000万円を超える人もいるから、立派なビジネスになった。 では、もっと急激に立ち上げればもっと大きなビジネスになったろうか。そうとは思えん。葉っぱビジネスはしかるべき早さで立ち上がったから、成功したのじゃろう。ミライ: 事業はあまり早くやりすぎるなということですか?フツクロウ: 事業によって違うのじゃ。例えば iPhone のような事業は、でっかく出して煽って煽ってみんなが一刻も早く買うように仕向ける。最初は元気な人間が買って弱者との格差ができる。しかし、普及することによって、価格も安く、そしてアプリを作れる人がたくさんできた。今、障害者や高齢者子どもなどいわゆる弱者それぞれにむけてのアプリが無数にできてきておる。もしもiPhoneを障害者向けから作ったとしても、大きく高価でなかなか発展はしなかったじゃろう。 しかし、逆に障害者向けをじっくりきっちり作ることで高齢者などより広いマーケットに出て行くものもある。事業それぞれなんじゃ。ミライ: なるほど。そのわりにはネットでは事業をすばやく立ち上げることばかり強調されているような気がしますが。フツクロウ: ホじゃの。ネットではどうしても派手な事業が目立つからの。そういう事業は「誰が最初に北極点に到達するか!」みたい分かりやすいんじゃが、それがあたかも全ての事業についてあてはまるかのように書かれてしまっておるの。 そういう話はあくまでいわゆるベンチャー企業じゃ。簡単にいえば、ベンチャーキャピタルが投資を考えるような事業じゃの。しかし、ベンチャーキャピタルが投資する案件は極わずか。そのようなものが他にもある程度あるにしても、世の中の事業にはスロー度をわきまえたものがたくさんありそうなことが想像できるじゃろう。 これからはかたくなにスピードを求めるのでなく、適切な「スロー度」かを検証しなければならない。もちろん、それでスピード勝負となればもうスピードじゃ。ミライ: ベンチャーキャピタルは投資先を探してるけどなかなかないって言いますもんね。フツクロウ: ホのとおりじゃ。一気に大きくなるビジネスモデルを持つ起業はそんなにないということじゃ。その代わりにクラウドファンディングや、市民ファンドのようなものが発展しているのは、ベンチャーキャピタルではカバーできないような起業があるからで、しかもそれらは将来大きくならないというわけではないんじゃな。ミライ: ビジネスモデルを考える時には事業のスロー度をきちんと考えないといけないし、それはそのまま資金調達の最適な方法にも直結しているわけですね! どういったものがスピード勝負じゃないんでしょう。 

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  • 浅草のど真ん中に泊まる

    2014-10-23 23:45  
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     これは、「未来の普通」地方都市の魅力に迫ろう シリーズの一つとしてお送りします。   地方である広島県は福山に引っ越したことで、今度は逆に東京に出張することになるわけで、これまでも、 【緩募】ホテルの「ちょい止め」シャワー情報   *六*女子・受験生必見。東京千代田の隠れ家ホテル「庭のホテル」に泊まってみた  といった記事を書いてきました。東京にはいろんな宿があるので、それらをいろいろ楽しめるのは地方暮らしの醍醐味! 今回は初めて浅草の旅館に泊まりました。 実は昨今東京のホテル混んでます。去年の春くらいから混むようになって、じりじり料金も上がってます。でもって、この時期は受験シーズンに並んで特に混みます。なんでだろう? 出身の京都もこれから紅葉の時期でめちゃめちゃ混むんですが、東京はなぜ? で、出張はわりと直前に決まることが多いのですが、今回はもうなんか絶望的な感じで埋まっていました。こうなったら次に挑戦するのは当日出てくるのに賭けます。ちなみにそれでもダメなら電話という手もあるし、さっさと知り合いの家にお願いすることもあるので、まあなんとかなるのです。 今朝、未明に起きトラベルサイトをチェック、さらに広島空港でチェック、毎回出物が変わる修羅場状態。1万円超えは覚悟して、あるいは利便を妥協して予約すべきかするかと悩み抜くも見送り。 今度は羽田空港でチェック。そして、出てきたのは浅草駅近の旅館指月でした。2〜3人部屋が空いてしまったようで、予約。この修羅場状態で1万円しないという神料金。後で落ち着いて調べたら通常料金とほとんど変わりませんでした。 普段はそんな高いとこ泊まりませんから、こういう非常事態ならではのチョイスです。 さて、仕事も終わり食事も終わり、浅草へ。銀座線浅草駅を降りると、なんと地下街が。
     こんなとこあったんですね。そう言えば夜の浅草は初めてかも。今日はお腹いっぱいで無念の通過。 そして、私の知ってる浅草はもう店じまい済みでした。

     そして旅館に到着。とても上品なお姉さんに、部屋まで案内されました。案内されるのなんて久しぶり!!  そして、ババーン。和室。 
     そして、お菓子に右から書かれた文字! ザ・旅館。

     そしてなんと、最上階の浴場は、窓からスカイツリーが見えます。(写真はないです) おまけ的に、むっちゃ静か。19時くらいに入ってあれこれしたので、他の人はまだ食事で外出中だったのでしょうか。浴場も貸し切り状態。予約はいっぱいらしいのですが。ビジネス客ならではのたなぼた幸運。 コンビニついでの散歩も楽しかったし。 当日予約粘ったかいがありました。 

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  • 糸井さんの内容読んだらやっぱり「40歳は惑わず」だった件。

    2014-10-21 23:45  
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     「40歳は、惑う。」 という、企画が始まったようです。「論語」の言葉をもじって、今は逆ではないかという提案なのですが、冒頭の糸井重里さんのメッセージが、結局「40歳は惑わず」でした。 全体的には、40代のもがいている人生のことが書かれていて、一見「40歳は、惑う。」に沿っているように見えますが、もがくとは溺れないように必死にもがいているのであって、迷ってなんていません。他にも、30代とは違う辛さを経験したとは書いてありますが、どこにも迷ったとか、惑ったとか書いてありません。 しかも、「40歳は惑わず」であったことは、言葉は違うけど高らかに宣言しています。 でも、40歳を超えた途端、 「今までの円の中だけにいる」ことができなくなる。 自分でもうすうす、 いままでのままじゃ通用しないと感づいている。
     そして、その時、過去の延長線上でもがくのでなく、ぼくはゼロになることを意識するよう心掛けた。
    のです。このリスタートの決断と実行こそが「惑わず」の決断です。コピーライターという円の中から飛び出る決断。そのことで、それから10年辛かったと書いてありますが、飛び出なきゃ良かったと惑っていることはありません。 なぜこんなに敏感に反応しているかと、自分にぴったり重なるからです。東京でずっとフルタイムの仕事を続けることはできましたが、41歳で福山に移りました。収入は減りましたが、新しい土地で新しい挑戦を始めたのです。楽しいけど辛いけど、迷わずもがいてやり通すまでです。惑ってたら家族が路頭に迷います(苦笑 (収入減ると言えばちょうどえふしんさんの記事が話題ですね。「年収を下げて経験を買いに行く」 えふしん氏の「転職」論に共感集まる) 糸井重里さんほど成功はしていませんが、ですから心境はぴったり重なっていて、なので、「40歳は、惑う。」というタイトルが引っかかって仕方ありません。たしかに決断するまでは悩みますが、それでも決断することが40歳(私は+1歳くらいだったけど)でのイベントです。 この企画、これからいろんな方のエッセイ載せていかれるのでしょうか。最初に糸井さんがここまで「惑わず」なの書いて、この後いったいどうなるんでしょうか。他人事ですけど心配です。 基本「惑わず」かもしれないけど、それでもこんな惑いはあるよねみたいなエピソードが入っていれば、むしろ絶賛したと思うのですが、どこにもそんな要素ないですし。そういう惑いがあるなら、ぜひ読んで参考にしたいですし。今後が本当に気になります。 さて、それはさて置き、20代、30代の人は、40代がこうなるということを知って準備すべきだと思います。そういう話は良く語られます。こないだもこんな記事がありました。 男40代、人生の危機を救う2つの処方箋  紀元前の論語の時代から分かりきっているのですから、皆さんも淡々と準備すべきです。 どうせ40歳になったら、「『今までの円の中だけにいる』ことができなくなる。」んです。人によっては、課長・部長といわゆる管理職を上がっていくことで、今までの円から出て行きます。絶対そのレールに乗るんだというのも一つの選択でしょう。独立するというのも手です。その枠にもはまらないなら、さらに工夫が必要です。 

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  • 勉強できる子が持つちょっと変わった共感力とは!?

    2014-10-20 23:45  
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     今日ちょっと話をしていて初めて気付いたのですが、勉強できる子には普通の共感力というのとは違うけど、やはり共感力とでもいうべき能力があります。 たとえば、今まであまり興味のなかった教科なのに、先生が面白かったのでその教科が好きになったという経験をすることがあります。 私は理系で歴史は苦手なのですが、世界史の授業は先生たちの話が面白くて好きでした。二学期になって、夏休みヨーロッパに行ってきましたという世界史の先生がそのときの写真を授業で紹介してくれました。その中の一つがルーブルのダビデ像が普通の正面の写真だったのですが、「こんな写真は他にいくらでもある。どうしてお尻の写真を撮らなかったのか今でも悔やまれる」と後悔していました。 授業が面白いというのは、技術もありますが、こんな風にそれが好きで仕方ないという人もあります。 そして勉強できる子ってのは、この熱い語りを聞くのが好きだったり、上手だったりします。今NHK朝ドラ「マッサン」で、主人公のマッサンがウイスキーで熱く語り出すと止まらなくなり、周りが止めるという場面が何度も出てきていますが、こういうときに自分の知らないような話題でも、ほいほい聞いてしまうのです。そのまま話されているととりとめがなくなりますが、相づちを打ちながら質問をして会話にし、自分が付いていけるようにします。 そうやって対話しているうち、聞いている本人も十分に面白くなっていて、十分興味の対象にしています。 そういう子は勉強もいやいややっているわけではなく、面白いからやるわけで、成績も伸びますし、大学にも受かります。 自分の好きな話を延々されても興味ないことは聞きたくないっていうことは良くあると思いますが、少なくとも一人は面白いと思っているわけですから、道ばたで突然足元にある石よりは面白い可能性が高いわけです。情報のキュレーションが行われていると言えばいいのでしょうか。 もともとは好奇心の強さからでしょうか、でも、人が熱く語っているのをなんでも面白く聞こうとするこの力は、共感力と言えるでしょう。ありていに言うと、おたくな話に共感する力でしょうか。 つまり、正確には、その相手に共感しているわけではなく、その語られている対象に共感しているのかもしれませんが、話している側からすれば、話聞いてくれるわけで嫌な話ではありません。 この人の語る話題に共感する力、どうやらいわゆる人に共感する力と関係があるようなないような不思議な感じなのです。普通に人に対する共感力の高い人でも、特定の話題に対して「それ興味ない」という場合は露骨に回避することはあります。逆にあんまり人とのコミュニケーションを積極的に取らないような人でも、知らない分野の話に好奇心を示して熱心に聞く人もいます。 その時上手に質問するというのは、コミュニケーション能力そのもののようにも見えます。 が、そうやって観察すると人に共感しようとするのと語られている内容に共感しようとするのでは対話の仕方が違いますし、単に内容を理解したいと質問すると一方的で、話す方も心地良くないこともあります。これはこれで大変そうです。 この人の語る話題に共感する力は、今でいういわゆるコラボの力そのものです。異分野同士で、お互い全然違ってまるごと理解することは難しいけど、同じ目標とか互いに共感できるところで共感してコラボするわけですが、たとえばデザイナーとエンジニアがコラボする時に、デザインやエンジニアリングの技術の点でも、相手がどういうところにこだわっていいものにしようとしているのか、その理解が深ければ相手に合わせて自分の技術を発揮して、より良いコラボができます。 高い人への共感力で互いにどんなに意気投合しても、相手の技術に全く理解を示さなくてはいいものはできません。 つまり共感力には二つあります。人への共感と、文化学問技術などへの共感です。後者の能力が高い人は、自然に勉強が嫌いではなくなり、成績も上がります。後者はいわゆる好奇心に似ていますが、単に好奇心が強い場合は、人を介するか関係なく本やネットや自然を相手にどんどん好奇心を発揮しますが、ここでの共感力は、誰かが伝えようとする面白さに共感する力です。人によっては話し方が下手でも、その人が面白いと思うなら何か面白い要素があるはずで、それを知らずにはいられないという力です。 では、この文化学問技術などへの共感の力はどうやったら鍛えられるのでしょうか。それがあれば学校が楽になりそうです。 

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  • 中小企業の社長が経済活性の秘策をつぶやいた。

    2014-10-18 01:15  
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     昨日は兵庫県は日本海の浜坂(有名な余部鉄橋の近くです)に出張しました。そこで、とある中小食品会社の紹介を受け、さっそく訪問。そこの社長さんとコラボでどんなビジネスができそうか情報交換して、次のアクションを決め、そろそろおいとましようという頃、社長さんがこんな感じのことをおっしゃいました。 せっかく出会ったからには、なんか商売にせな意味ないし、なんかしましょう
     11年前に産学連携のポストで日本に帰って来てから、様々な業種の方と無数にお会いしました。 「これをきっかけに何か面白いことをしましょう」みたいな言葉は定番で数えきれないほど聞きましたが、それをちょっともじっただけなんですけど、初対面でこの言葉を聞いたのは初めてです。 おお。今ニッポンに必要なのはこの言葉だ!と思いました。 実際こういう人たちが日本の経済を支えているんだと痛感します。今は周りに元気な中小企業の人がたくさんいて、この欲望の乏しい社会でなんとか人々が「買いたい!」と思う商品を作り上げています。そうやってなんとかこうとか、社会が回り続けています。 そして時代はコラボでイノベーションする時代。逆に言えば、この忙しい現代、せっかく出会ったのなら、ぜひコラボしてイノベーション起こしたいものです。しかも、イノベーションなんて言葉でごまかさずに、せっかくであったのならなんとか商売にしよう、まさに今のニッポンを支える言葉です。 日本はどうしても、お金や商売には悪いイメージがあって、研究のようなビジネスでないところではお金の話にならないし、ビジネスであってもそのビジョンとかミッションの意義みたいなものばかり強調されます。 でも、何かが誰でも手頃なお金で手に入るようになることって、本当に本当に素晴らしいことです。そもそも何かを買うっていうことは、ある価値のものをその価値と等しいお金と交換していると誤解している人が多すぎです。違います。その人は、これをこの値段で買ったら得だと思うから買うのです。 例えばうちがゴーヤを育てて、いっぱい実をつけて、食べても食べてもなくならなくてうんざりしていたところ、隣の家がトマトで同じことになっていたら、お互い喜んで交換します。どっちも交換したくて交換したくてたまりません。 売買も同じ、基本的に、売りたくて仕方ない人と買いたくて仕方ない人の間でモノとお金を交換していて、つまり交換したら、どっちも得するのです。だから、もう、どんどんどんどん交換して(物々交換でも売買でも)、社会全体がどんどん得をすることで発展しているのです。 もちろん世の中には残念ながら一方だけが得をする交換もあり、そういうのがクローズアップされるためマイナスのイメージがつきまといますが、そんなのはわずかで、大半の売買は互いに得するからずっと回っているのです。 中小企業の社長さんはじめ、元気な人たちはみんなそれを肌身で感じていて、社会を元気にするには、ちょっとでも商売にすることだと一点の曇りもなく考えていて、日々努力されているわけです。一点の曇りもなく打ち込めるから、だから元気なのです。そのためには間違ったやり方で商売してはいけません。その瞬間曇りが出てしまいます。 もしも、そんな考えに賛同できないなら、もちろんそれも一つの立ち場ではありますが、ちょっと自分の生活を見直してみてください。 いやいや買っている物がないか。仕方ないから食べてる物がないか。あるならなんとかしてそれを排除できないかに注力しましょう。買うものは欲しくて仕方のないものばかりに少しでも近づけるのです。 あるいは、自分の仕事の商品が誰かの役に立っていると信じ込めるか。こんなもの売ってはいけないと思ってしまう仕事をしているなら、変えるか転職を真剣に検討しましょう。 身の回りを買いたくて仕方ない人と売りたくて仕方ない人の間の売買で埋め尽くしましょう。そこはとっても活気のある場所のはずです。 「なんか商売にせな意味ないし、なんかしましょう」と言ってもらえたのは、私たちがビジネスの話を持っていったからで、そうでなければさすがにその言葉は出なかったでしょう。そういう意味では、私たちもその言葉を持っていなかったけど、気持ちは持っていたのです。 ビジネスコンテストなど、ビジネスを考えている人にはたくさんお会いしますが、実は「せっかくやし、なんか商売にしよう」と考え抜いている人ばかりではないと感じます。そういう人は、何かすばらしい物やサービスを作りたい、お金は後からついてくるだろうとぼんやり考えているのではないかと思います。 しかし、ビジネスって、持続的に 

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