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記事 23件
  • 「いいね!」で学ぶ、世界一わかりやすいお金の仕組み(その1)

    2016-10-31 21:45  
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     古今東西、お金は古くから私たちの生活の中で極めて重要な役割を担ってきましたが、残念ながらその本質的な仕組みが理解されることはあまりありませんでした。 なぜなら、お金がないと生活できないとか、いろんな現実的な問題がお金の本質を覆い隠してしまうからです。 しかし、現代は、誰でもお金の本質を簡単に理解できる環境にあります。 実は、お金は、「いいね!」にすごく似たものです。Facebook などのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)で、「いいね!」の仕組みはすっかり私たちに馴染みのある仕組みになりました。 そして、お金というのは、この「いいね!」の仕組みにたった一つ条件をつけたものです。 その条件とは、「総量が決まっている」ということです。 つまり、お金とは総量が決まっている「いいね!」なのです。 まず「いいね!」の機能はどんなものでしょうか。誰かがこれはいいと思った投稿に「いいね!」をつけると、それで見た他の人でやっぱりいいと思ったものにはさらに「いいね!」がつきます。すごい投稿になると、「いいね!」が「いいね!」を呼んで、莫大な数の「いいね!」がつくことになります。 そうやって活発に「いいね!」が飛んでいる様子は、いわゆる「景気がいい」状態で、ユーザーたちはさらに、いろんな投稿を見たり「いいね!」をつける活動に勤しむことでしょう。 これはお金がブンブン回っている経済活動における「景気がいい」状態とそっくりです。 もしかしたら、将来のお金は、この「いいね!」と同じ仕組みになるかもしれません。 しかし、現状はそれでは少し問題があります。「いいね!」は誰でも好きなだけつけることができるからです。それだと、モノやサービスの売買としては機能しません(ただしそれは現状であって、将来はそこに工夫ができるかもしれません)。 そこで、お金では、総量が決まっているという条件が加わっています。それは、言い換えると「いいね!」をつけるためには、まず「いいね!」を稼がなくてはいけないということです。 ここはニコ動ですから、「いいね!」の代わりにマイリスで考えましょう。ある動画がとても気に入って、マイリスつけたい!と思ったら、まずは自分が何か面白い動画を作って、アップして、誰かにマイリスしてもらう必要があるのです。自分についたマイリスの分だけ、人の動画にマイリスがつけられるのです。 水樹奈々のコンサートに行きたい!と思ったら、たとえばコンビニでバイトしてチケット代を稼がないといけないのです。コンビニでバイトをするということは、コンビニでお客さんが買い物できるよう、レジをやったり、陳列したりということが必要で、お客さんはその働きに対して「いいね!」してくれているのです。その「いいね!」でコンサートのチケットを買って参加するというのは、そのコンサートに「いいね!」することになるのです。 この場合手元の「いいね!」には限りがありますから、SNSの「いいね!」と違って、「いいね!」をする先は厳選されることになります。厳選されたものだけに「いいね!」が付き、それが連鎖していくことで、本当に「いいね!」なものが生き残り、世界はさらにより豊かになっていきます。 これが経済活動の原点です。総量の決まっている「いいね!」を連鎖させることです。その活動が活発になれば「景気がよい」のです。(その2につづく)《ワンポイントミライ》(?)ミライ: おお! シリーズもの久々ですね! フツクロウ: ホッホ。ミライ: で、いきなりなんですけど、(ただしそれは現状であって、将来はそこに工夫ができるかもしれません)
     これ、今でもだいたいできると思うんですけど。総量を規制しない「いいね!」でモノやサービスのやりとりすること。フツクロウ: ホホウ! どうするんじゃ。 

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  • 働くママと育メンが日本の劣悪な労働環境を変える!

    2016-10-28 23:30  
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     日本の働く男性は全員読むべき。 部下が全員働くママになったら、私の残業時間が減ったという話  働くママがいかに優秀な働き手かということが克明に描かれています。 働くママは育児のためになかなか残業できないどころか、子供の急病などへの対応が必要です。家庭では、様々な家事をこなすためにマルチタスクのエキスパートでもあります。 その働くママが会社で働くと、無駄は省かれ、段取りもうまく、物事に優先順位がつけられ、自分たちだけでなく、上司である課長まで残業が減るのです。 はっきりいってこんなの、働くママがいなくたって、できなきゃおかしいのですが、日本はなぜか残業が多いようです。働き方が下手なのでしょう。 私はまずアメリカで働き始めて、そこではこの記事で描かれているような働き方が普通でしたし、ちなみに日本に帰ってきてからも、私が働いてたところでは、残業が常態化しているところはありませんでした。どの職場でも実験とか、論文とか、納期とか、期間限定で忙しい時はあって、そんなときは徹夜だってありますが、毎日残業とか、実は私にはわからない世界です。 なんでそんなことが起こるのか謎ですし、実際違う働き方をする人がいれば、変えられるものなのではないでしょうか。知りませんが。 そういえば、私はボーナスをもらったことがないと何度か書いてますが、残業代をもらったこともないです。サビ残ではなく、残業がつかない契約ばかりだったからです。毎日残業とか考えられないです。どこでも同僚に働くママもいて、やっぱり彼女たちはここに書かれているような働き方をしてましたし。 さらに子供ができてからは私も家事・育児の一部は担いましたから、やっぱり毎日だらだら残業するわけにはいきません。 ということで、男性も家事や育児にどんどん参加するといいでしょう。上のような仕事の力がどんどんつきます! 私の知らない世界では、残業が常態化しているようですが、働くママがどんどん進出し、男性も家事育児に参加することで、働くママと同じような行動をとるようになり、そんな世界は衰退するでしょう。日本は労働生産性は低いと言われますが、それだけで普通に良くなるのではないでしょうか。 その記事にもあるように、少なくとも無駄な業務フローとかいっぱいあります。あー、なんか見てて昭和のフローやってるなーと思うことは良くあります。 こんだけITが発達していて、私たち自身は生活の中で、どんどん取り入れてるじゃないですか。買い物の手間とかなんかも、ものすごい勢いで効率化されてます。 それに比べて非効率な職場は、なかなか進みません。経営者が歳の男性でそういうとこから取り残されてるからでしょうか?? 従業員が昭和のやり方しててなんで耐えられるのかさっぱりわかりません。従業員も、まあ給料もらえるならと、昭和なやり方でも耐えちゃうんでしょうか。でも働くママはそんなわけにはいかないのだ!ということなのかもしれません。 《ワンポイントミライ》(?)ミライ: 業務アプリって、ここに来て、一気に揃ってきましたよね。 ミラフツだと、ビジネス向けチャット「Slack」、請求書作成サービスの「Misoca」、クラウド経費精算サービス「Staple」とかを使ってますけど、とりあえず無料で始められますし、有料ってもべらぼうに高いわけでもないですし。フツクロウ: 一人会社はどんどんやりやすくなっとるし、総務をなくす会社も出とるしの。 

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  • 植物工場がなくてはならない存在になってきた。

    2016-10-27 23:45  
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     盛大に失敗。 少し前、こんな記事を書きました。 「夢の植物工場」が「現実の植物工場」になった   そしたら、その直後にこんな記事が流れてきて、書かなきゃ!と思ったのですがすっかり忘れてました……。 ついに出た「植物工場があって助かった」の声 
     まずは、植物工場からの仕入れを担当している飯野公敏商品部長のコメントから。「サンチュは量の心配をする必要がなくなった。値段も安定している。本当に助かっている」。これはけして大げさなセリフではない。
     スーパーに行けばすぐわかる。8月の台風と9月の日照不足が東北や関東産の野菜の成育に響き、レタスなど葉物野菜が不足したり、値段が高騰したりしている。

     家庭や小規模な飲食店では、その時手に入る食材で臨機応変に対応できます(ただし、小規模な「牛タン」とか「うなぎ」などの特定の食材に頼る店は、それらの食材の動向が死活問題になります)。 しかし、いつでもどこでも同じ価格でが求められる大手は、そんなわけにはいけません。焼肉屋のサンチュのようなものはその典型的な例でしょう。日持ちしない上、用途が限られる食材です。レタスとかは、絶対必要なら高値でも買うという選択肢がありますが、サンチュが不作になると、どんなに金を積んでもないものはないという状況も出そうです。 そんな中で高いと言われていた植物工場のサンチュを取り入れた事例です。いろいろ工夫して、コストもそれほど変わることもなく、そして最近の天候不順による野菜高騰でも安定して供給できているそうです。 前回の 「夢の植物工場」が「現実の植物工場」になった でも外食産業との相性の良さを解説しましたが、サンチュの例はまさにその好例です。 安定供給という点だけでなく、焼肉を巻くという用途にとっては、いわば植物工場の野菜は悪く言えば「へなへな」であることが利点になっているというところまで相思相愛。 15年くらい前から「植物工場くる!」と言われて、一時期こけそうな頃もあったけど、ついに活用されるべき分野で活用が始まってなによりです!《ワンポイントミライ》(?)ミライ: ここミラフツでもとり上げてきた植物工場いよいよ今の普通ですね!フツクロウ: ホッホ。 

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  • [S] トヨタの出すロボット楽しみ!

    2016-10-26 23:45  
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     いつもとちょっと違う水曜、今回は気楽に書く短い記事[S]です。  トヨタのロボットが3万9800円で登場 「KIROBO mini」個人向けに発売 - ITmedia ビジネスオンライン  ちょっと前の記事なのですが、トヨタが車とユーザーをつなぐロボットを出すというこの話、とても気に入りました。 「愛車」と呼ばれるくらい愛着のわく車。車と人間が対話するSFは普通にありますが、典型的には車と直接話すものでしょう。しかし、トヨタは、車を「アバター」を通して人間と会話させることを思いついたのです!  車に持ち運べる小サイズな上、「T-connect」などを通じた車との連携機能も搭載。急ブレーキ時に「あわわわ」と驚いたり、降車時に「置いていかないでー」と呼び掛けるといった会話に加え、走行距離データを把握して「きょうはたくさん走ったね」とねぎらう──といったコミュニケーションもできる。
     なるほどー。愛車のアバター化。 ロボットのこんな使い方があるんですね〜。 発売後の評判が楽しみです。《ワンポイントミライ》(?)ミライ: ここがいいです!本体のカメラで人の表情を認識し、推定した感情に合わせた会話や仕草などを行えるのが特徴。
     

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  • フリーランスの次は兼業!

    2016-10-25 23:45  
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     前回 とうとう『フリーランス』が普通に?  を書いたら、さっそく続きが出てきました! 安倍首相、副業についてガイドラインの制定含め検討に入る考え示す News i - TBSの動画ニュースサイト  安倍総理大臣は「柔軟な働き方」について改革を進めるため、企業が従業員の副業を認めるようガイドラインの制定も含め検討に入る考えを示しました。  「副業、兼業を認めている企業はいまだ極めて少ないわけであります。その普及をはかっていくことは極めて重要であると。ガイドラインの制定も含めて多様な政策手段について検討することをしたいと思います」(安倍首相)
     いやー、どうしちゃったんでしょうか。日本政府。 副業認めろって、政府から企業にお達しとか。 でも、 そのなかで安倍総理大臣は、企業が新たな商品やサービスを生み出すうえでの副業の有効性を指摘し、
    のあたり、確かに政府が景気をよくする実績を作るために、本当に必要な施策を打つ必要があるわけで、大企業の好む施策だけでは限界があることを認めてきたということでしょうか。 なにはともあれ、今後目が離せません!《ワンポイントミライ》(?)ミライ: なんか隔世の感がありますね。フツクロウ: ホウけ? 

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  • とうとう『フリーランス』が普通に?

    2016-10-24 22:00  
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     こんな話を見かけました。 「もっとフリーランスを!」 働き方改革で経産省(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース 経済産業省は働き方改革の一環として、会社と雇用契約を結ばないフリーランスや副業などの働き方を促進するため、新たな研究会を立ち上げます。
    経産省は、能力の高い人材が時間や場所に縛られずに働けるよう、来月に研究会を立ち上げ、年度内に議論を取りまとめる方針です。
     政府がフリーランスを促進しようととか。いやー、こんな時代が来るとは。ミラフツでは、というかそれが始まる前からスモールビジネスに注目し薦めてもきたし、自分も一人会社するまでになりましたが、ついに政府も考え始めるとは。ミラフツ最大の「未来の普通」になる事案かもしれません。 私は日本で博士取ってアメリカで働き始め、日本に帰ってきてからは正規雇用で働いたことがありません。結果人生で一度も「ボーナス」とやらをもらったことがありません(苦笑 最初のうちは口がなかったからというのがありますが、途中からは何度も正規雇用のお話をいただきながら、申し訳ないながらもすべて断ってまいりました。それほど日本の正規雇用は働く側にとっても極めて制約が多く、私の仕事の仕方にはなじみませんでした。 そんなことにどこか後ろめたさも感じますし、自分の好きにするために、自分で選ぶ道なので、「政府になんとかして!」とか思ったことは、一度もありません。ある意味思いもよりませんでした。その記事の中でも、 企業と対等な契約が結べているかどうかなど問題点も指摘 
    とあって、それは確かに問題になりえますが、そんな時には自分のネットワークの中から相談する人を見つけてとかいう発想で、なにか立法してほしいなあみたいなイメージはありませんでした。 そういう意味で、どこのどなたたちが働きかけてくれたのかよく知りませんが、こんな研究会の立ち上げにご尽力くださった方々ありがとうございます。 どんな立法や支援をするのかはともかく、 「フリーランスが知られていない」
    というのがそもそも大きな課題であり、この研究会の成果を通して、「能力の高い人材が時間や場所に縛られずに働ける」形としてフリーランスが認知されることこそがまさに大きな支援になるかと思います。 思いがけない形で私たちフリーランスの追い風になりそうなこの動き。注目していきたいと思います。《ワンポイントミライ》(?)ミライ: これはこれで、素晴らしい取り組みだと思うんですけど、フリーランスが実質派遣のように働く偽装請負にも切り込んで欲しいですよね。フツクロウ: 「企業と対等な契約が結べているか」のところに含まれているようには見えるがの。 

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  • [S] 明日の将棋の普通

    2016-10-21 23:45  
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     今日は金曜ですが、水・木と通常運転だったので、気楽に書く記事[S]です。  三浦九段の一連の騒動で、「技巧」というトップクラスの強さを誇る将棋ソフトが簡単にインストールできるとわかり、さっそくPCにインストールしてみました。 今コンピュータ同士で戦わせていますが、角換わりから双方がっちり固めて、53手終わって、評価値は0。これ決着つくんでしょうか。と思ったら、いよいよ開戦した模様です。 アンドロイドにもインストールできるそうですから、プロの将棋観戦は、あっという間に様変わりしそうです。 将棋のニコ生中継というと、竜王戦など一部を除いては、特に積極的にソフトの評価は参考にしてなくて、解説者がうんうん唸りながら局面を分析して解説してました。コメントにもソフトの評価を書き込む人はパラパラいる程度で、それを解説で取り上げる時もたまにあるくらいでした。 でも、最近ソフトの評価点の書き込み増えてるなーと思ったら、そういうわけだったんですね。 スマホに「技巧」入るんだったら、今後様相はがらっと変わるのではないでしょうか。 まず、プロ対局の隣で繰り広げられる検討会、その場でスマホ技巧を使わない理由がありません。検討会にくる棋士の数少なくなるかもしれません。 さらにその横で行われる大盤解説。その場でスマホ技巧片手に見る人は増えることでしょう。次の一手の予想では、ソフトの評価が意識されるでしょうから、まあ候補手はソフトの評価順を参考に、解説者の読みを加えながら示されることになりそうです。 それはニコ生でも同様でしょう。視聴者にはスマホ技巧片手に見る人が増えるわけですから、ニコ生解説もそれを参考に進めていくのではないでしょうか。ニコ生の方は Ponanza とかを用意して、比較しながらやるかもしれません。 今までももちろんそういう状況になっておかしくはなかったのですが、誰でもスマホで予想できるとなるとその影響力はまったく違います。 今回の騒動で、一気に有名になったスマホ将棋ソフト。プロ棋戦の観戦方法が一気に変化しそうです。《ワンポイントミライ》(?)ミライ: さっそくスマホに ShogiDroid ダウンロードしてみました。技巧だけでなくて浮かむ瀬や真やねうら王とかも簡単に使えるようになってるんですね。フツクロウ: こりゃすごいの。 

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  • ダークサイド、怖すぎ。

    2016-10-20 23:45  
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     将棋界では、三浦九段のスマホ不正疑惑が大騒ぎになっています。 辛いです。幼い頃から将棋は下手だったけど好きだったし、プロ棋士に憧れたし、大学生の頃は『羽生の頭脳』全部買って読んでました。それだけに今回の騒動はきついです。でも私はクロだと思っています。 一方でなにもかも三浦九段のせいにする気もありません。あの立場に追い込まれれば、多くの棋士が同じことをしたのではないかと思います。 ですから、もっと早く規制されていればと悔やまれますが、それ以上に技術の進歩が早く、一歩遅い結果となりました。 罪を憎んで人を憎まずで、この状況に向き合ってみようと思います。 今回の疑惑について白黒はっきりさせることはおそらく困難でしょう。「疑わしきは罰せず」ということで、将棋棋戦の最高峰である「竜王戦」を直前に、三浦挑戦者から休場届を出すことで処罰をかわそう道筋がつけられました。 しかし、それを三浦九段はしなかったために、協会側からの処分という形になってしまいました。 この処分については、「疑わしきは罰せず」の原則があるとはいえ、致し方ありません。『週刊文春』での渡辺竜王の発言が全てを語っています。 「竜王戦が始まってから疑惑が公になれば、シリーズは中断される可能性が高いと考えました。それだけでなく、タイトル戦を開催する各新聞社が“不正”を理由にスポンサー料の引き下げや、タイトル戦の中止を決めたら連盟自体の存続さえも危うくなると思ったのです。そんななかで最悪のシナリオは『疑惑を知りながら隠していたという事が発覚する事だ』と判断しました」
     今日発売された文春の特集によれば9月26日には、三浦九段もいる会議の場でスマホ持ち込み禁止が議案にかけられ、12月14日から運用されることが決まりました。 それだけ棋士達の不正への意識が向いている中、その後の10月3日のよりによって渡辺竜王との対戦、誰もが注目するような対戦で、他の棋士達がクロと確信するような行動に出てしまいました。そのようなタイミングで「李下に冠を正す」時点で、このような騒動になっても仕方ありません。 一度不正に手を染めてしまうと、かくも逃れられないものなのでしょうか。 その根底には、将棋ソフトがあまりにも異常な早さで発展したことがあります。 今年の7月にはアンドロイドでも手軽に最強の将棋ソフトの一つ「技巧」が扱えるようになったそうです。アンドロイドですからマシンパワー的に最大の強さは出せないかもしれませんが、もう誰でも魔が刺せば簡単に「カンニング」できてしまう状況が整ってしまっていたのです。 本当はもっと早く厳しい規制を設けるべきだったと悔やまれますが、技術の進歩のが早すぎました。9月26日の禁止議案についても、12月でなく即時運用にできていれば、三浦九段のさらなる不正行為を防げたかもしれません。 世間では本当にやったか決まっていないと考える人もいるようですが、残念ながら棋士の間では、もうクロ確定です。何十年も同じ仲間で指しあっている仲ですから、裁判所が提出を求めるような証拠はなくたって、彼らが確信するのに十分な証拠は揃っています。それでも、それを強弁することなく、公式にはクロ認定せず、直接の処分も下しませんでした。 一方でいわゆる「文春砲」を認める形で事実上のクロ認定を実行したあたりは、棋士達の並々ならぬ怒りにも似た決意を感じます。「文春砲」が打たれたことで、今後批判を受けるのは、三浦九段だけではなく、当然将棋界全体や、渡辺竜王たちにも、その矛先は向けられることでしょう。それも受け入れる覚悟を皆したのだと思います。 それにしても、今回の事件、スターウォーズのダークサイドがそのまま具象化したような、恐ろしい展開になってしまいました。 なぜ今回の不正を起こしたのが三浦九段なのかは、ファンなら誰でも推測がつきます。2013年の電王戦で人間側5人の棋士のラスボスとして当時最強と考えられた「GPS将棋」と対戦し、一手も悪手を打っていないとされながら完敗してしまったのです。この時価値観が根底から崩れたんだろうなと誰もが推測することでしょう。 実際、じゃあ、もうコンピュータ使って対局すればいいじゃんという考えもあるし、実際ニコ動ではそういう企画も行われています。弱い人間同士でやったって仕方ないじゃんと考えるのは自然なことです。 そのような状況ですから、規制がなければ、いずれ誰かは不正をしたことでしょう。実際三浦九段以外にもカンニング経験者はいるかもしれません。精神論ではなく、厳正な不正対策を講じていくべきです。一度でも手を染めてしまえば、三浦九段のように疑われても手を出してしまうのです。 絶対不正が無理という環境を作れば、プロ棋士達もカンニングの誘惑に惑わされることなく、対局に集中できます。 三浦九段が新年からすんなり復帰できるかはわかりませんが、新しい不正のできない体制のもと、ダークサイドから戻ってきて、地道に指し続けてほしいです。 それにしても、やはりダークサイドは恐ろしいものです。これだけ目をつけられてもやってしまうとは。12月からの規制は、逆に12月までは持ち込み可ですから、それまでは今のまま続けて問題ないと、脳内で自分に都合よいストーリーが生まれたのでしょうか。 ダークサイドから生還し、いつか平穏が取り戻されたとき、この事件がきちんと振り返られることを願います。人類の失敗百選の一つとして。どんな天才でもダークサイドの誘惑に負けることがあると。 最後ですけど、囲碁もいますぐ同等の規制を作ってほしいです。段階的であっても。おそらく数年で同じ状況になるでしょうから。《ワンポイントミライ》(?)ミライ: 『未来の普通』的にはこの事件はどう受け止めればいいんでしょうか。フツクロウ: ホウじゃな。人工知能があまりにも急速に発展することで、これから似たような問題があらゆる分野で起こるんじゃないかの。 人工知能が普及する過程で、今までの常識があらゆる分野でひっくり返っていくからの。 

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  • P: ムーアの法則、いまだ健在!

    2016-10-20 15:00  
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    ミラフツのピックアップ記事(?)
     ムーアの法則“延命”の鍵?:ゲート長1nmのトランジスタ、CNT活用で米が開発 - EE Times Japan   

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  • 着実に進む人工光合成

    2016-10-19 23:15  
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     また人工光合成に向けて発見があったようです。 CO2から簡単にエタノールを生成する方法が偶然みつかる。常温反応で高効率、低コストが特長 - Engadget Japanese   ナノテクノロジーを使って電気を通すと炭酸水がアルコールに変わるという技術。常温でできるそうです。 ですから、余った電気を高価な蓄電池を使わなくても、「貯めて」おくことができるという、実用化すれば画期的な技術です。 そもそも、電池というのは、最近世の中を騒がせているスマホ発火事件のように、実は結構危険なもので、大きな蓄電池になればそれだけ危険も増しますし、事故ったプリウスは感電するかもしれないから触るなみたいな話もあります。 その点、アルコールは、有史以来、人間がずっと付き合ってきている燃料であり、もちろん火がつけば危ないものではありますが、私たちの常識が通用する世界です。 ですから家庭で太陽光発電して、余った電気はアルコールにして、後で発電してもよし、車に使ってもよしなんて技術が確立したら、蓄電しようとか、法律で無理やり電力会社に売電しようとか、他の技術たとえば圧縮空気で貯めようとか、そんなの全部押しのけて、エネルギーを貯蓄する技術としてもっとも普及する可能性を秘めています。 一方で、これ以外のアプローチで、光合成をしようという競争も激しいです。今話題のユーグレナのように、藻でやろうという話もありますが、こういった競争で、この技術が一気に抜き出る可能性もあります。 人類は未だにようやく葉っぱ一枚作れたか作れていないか、 歴史的瞬間、人類が葉っぱ一枚作れた日  という、とてもアンバランスな技術の発展を遂げていますが、ここに来てようやく効率の良い人工光合成に向けて様々な発見が次々生まれています。 きっと、人工光合成技術は確立しますし、それは実は、現在の形での太陽光発電社会の終わりを引き起こすかもしれません。 実際はそれぞれ一長一短があり、使い分けられる可能性もありますが。 持続的な社会を目指す私たちではありますが、技術革新が激しすぎて、まだまだ持続的社会などに落ち着く暇がないというのが実際のところなのです。《ワンポイントミライ》(?)ミライ: むむ。こういうアルコールが量産されるなら、今のガソリン車がそのまま生き残る可能性もあるんですね。フツクロウ: ホウじゃな。じゃが、そういうアルコールを使った燃料電池を使って走る電気自動車が主流になる可能性もあるの。 

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