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記事 21件
  • [S]PCから自由に回転数を制御できるモータを作った

    2015-04-30 23:45  
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     いつもとちょっと違うのはいつも水曜ですが休みだったので、本日[S]です。今回はどういつもと違うかというと、すいません、容赦なく専門的な内容が入ります。もしかしたら誰かの役に立つかもしれないので。 ちょっと仕事で回転数を制御できるモータが欲しくなったので、ちょこちょこっとそのへんのモジュール組み合わせて作ろうと思い、ググり始めたところ、意外にすっきりした答えを見つけられず、多分数時間悩みました。 結局自分の頭で「よし、arduino と PWM DCモータドライバモジュールを組み合わせて作ってみよう」と考えだし、部品の注文開始。 あれ、でもよく考えたら arduino (アルデュイーノ。小さなコンピュータ)は昔子供に触らせてみようかと買って、でもお蔵入りになった奴がどっかにあったはず、あと、モータドライバもとりあえず子供が科学実験教室でもらったのがあるはず。モータはとりあえず、ザ・マブチモーター。 arduinoを見つけるのは大変でした。家中のダンボールをひっくり返しても見つけられず、諦め切れずにもう一度最初開いた箱を見たらありました。だって小さいんだもん。 そして、子供にお願いしてとりあえずモータドライバとザ・マブチモーターも借り、適当に組み合わせて、思い立ってその日のうちに動き始めました。 arduinoというのはすごくて、まさにこういうことに使われることを想定しているので、簡単にモータを回せます。arduinoを動かすにはUSBでPCにつなぎます。PCにアプリをインストールして立ち上げるととりあえずひな形が出てきます。それに、   analogWrite(6,255); の一行加えてコンパイルして、arduino に書き込んでやれば(それぞれボタン押すだけ)、動いちゃいます。255の数字のとこ変えると回転速度も変わります。 傍らで、本格的に使うための部品も注文し、揃ったところで組み直しました。やりたいことはこんなこと。 ・PCで回転速度を変えられる ・回転数を把握したい ・できれば指示した回転数に制御したい で、できたのものはこんな感じ。
     手前には、いわゆるコンピュータ用のケースファンと呼ばれるもの。回転数検出用のセンサがあるので今回のやりたいことにばっちり。 配線用のブレッドボードの上、左側は、MD10C という PWM DCモータドライバ。右側は Arduino Uno。下のタッパの中には 12V電源。これらのモジュール間をただ配線するだけ。唯一雑音防止に、ファンの白線と黒線の間、赤線と黒線の間に青い小さなコンデンサを入れたのが唯一の部品。 プログラムの方はファンの信号線を INPUT_PULLUP モード、つまりプルアップして読むことで、プルアップ抵抗すら省けてます(実は 1kΩ以下の小さな抵抗しか見つけられなくて、困り果てて調べたらプルアップモードを発見したのは内緒)。つまり、    pinMode(12,INPUT_PULLUP); あと、MsTimer2というモジュールを追加して、 250ms ごとにタイマを起動して、その間の回転数を読み取っています。1秒に4回しか制御しないので、完全に安定するわけではありませんが、簡単な P 制御もいれて、指定回転数にすることもできました。 ということで最初に欲しかったものがモジュールの組み合わせだけで実現できました。なお実は反対周りもやりたかったのですが、市販のケースファンで逆回りできるの見つけられませんでした。残念。 いやー、便利。個人でPCからモータを制御したいときの未来の普通だね。 というのも、できてしまえば簡単だったのですが、ググる限りこの組み合わせで作っている例はなく、この組み合わせに思い至るまでに数時間かかったのです。 マイコンの方は Arduino 以前のものが多く、プログラミングの手間が結構かかりそう。Arduinoだと PWM信号を出すのに analogWrite(6,255);  で済むところを全部自分で書かないといけないとか。 

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  • どこでも誰でも電気を作れる時代

    2015-04-29 03:00  
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     昨日、最近のは夜追い出される大学があると知り、とてもびっくりしました。私は学生の頃週末にしか家に帰りませんでしたから、そんなんで研究ができるか!と反射的に拒絶反応を起こしました。 しかし、よくよく考えてみれば、今はもうどこでも研究ができる時代。装置が必要な実験はどこでもというわけにはいきませんが、研究は実験だけではありません。なんといっても私自身がSOHOで空港だろうがカフェだろうがどこでも仕事だけでなく研究しているわけで、どこでも研究できる能力というのは今後求められていくのかもしれません。であれば、学生の頃から夜は大学を追い出され、研究したければ外でもできる体制自分で作れ!ってのは、ある意味今の時代にあった方向かもしれません。 もう、研究はどこでもできる時代です。 さて、話はぶっ飛びますが、こんな記事を見かけました。 焦点:日本でも存在感増す太陽光発電、世界的ブーム到来か | Reuters  そろそろ太陽光発電が採算に合いそうだという話です。新幹線や高速道路で移動していると、日に日に太陽光発電が増えていて、普及してるなあと実感できます。 もちろん買取価格という政策あっての話ではありますが、大手の電力会社ではなく、行けると思う人たちが自分たちで設置しています。離島で導入なんて話もあります。エネルギーの地産地消です。 家庭でも導入が進んでいます。もうあと一押しして手軽な蓄電システムができれば夜もカバーできますから、さらに普及すると思います。 つまり、どこでもエネルギーを得られる時代になりつつあります。 コンパクトシティみたいな議論がありますが、実は過渡期で、少し先はもっと分散する可能性があります。電気は作ればいい、燃料は買ってくればいい、水は井戸と浄水器とかいくらでもやりようがあります。携帯の電波が届いてればネットできるし、宅配便が万が一来るのを渋っても、ちょっと離れたコンビニまで取りにいればいいだけです。道さえあれば、どこにでも不自由なく住める時代がきつつあります。 もしもインターネットがなかったら…昭和のビジネスを再現してみた という面白い企画があったのですが、なんでも手作業でそれぞれが大変なので、分業が進んでいました。でも、今は、自分でなんでもできる時代になってきました。 さて、一方で、最近こんな記事も。 2030年の発電コスト「原発が最安」 経産省試算 - 朝日新聞デジタル  国の調査では、やはり原発が一番安い!という試算だそうです。 

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  • 学生が無料で入居できる老人ホームの可能性

    2015-04-28 01:45  
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     オランダにある老人ホームでは、学生が無料で入居できる これは素晴らしい取り組みです。きっと未来の普通です。 160人の高齢者が生活するという老人ホームに、6人の学生が無料で入居しているそうです。条件は「毎月30時間、高齢の入居者と共に時間を過ごすこと」。他に食事の準備、コンピューターの使い方の指導といった学生がボランティアで提供するサービスもあるけど、基本的には「良き隣人」であることが求められているそうです。外の世界をホームに持ち込むことで、高齢者は活気にあふれているそうです。孫と一緒に暮らすようなもんですね。 なんか似たようなことは考えることがあるだけに、これくらいぴたっといろいろはまっていると、まさに「その手があったか」という感じです。 たとえば、「崖の上のポニョ」。老人ホームと保育園が隣り合ってて、ゆるーくつながっているようで、ああそういうのいいなあとか。でも、下手に関わると事故とかがなとかいろいろ考えてしまうので、学生がタダで老人ホームに住めるというのはなかなかうまくできてるなあとほんと感心します。 この話、日本もどこか始めないでしょうか。もしかすると法律が邪魔するような悪寒がしますが、そこは最初はなんとかうまく建てつけて。とりあえず1軒でも始めれば、日本風にいろいろ工夫ができて、日本でもうまく回っていったりしないでしょうか。 とりあえず、160人に6人という比率も出てますから、経費の試算とかもすぐできますよね。 この話を聞いて、一番良さそうと思ったのは、記事には明らかには書いてないですけど、ここに暮らす学生さんにとっても、メリットがあるだろうということです。 

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  • 非正規賃金アップにつながる生協の調査

    2015-04-25 01:45  
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     ファーストフードの「時給1500円」にあげろというデモがあるなど非正規社員の賃金の話題を最近よく耳にします。 そんな中、とても興味深い記事を読みました。 同じ仕事でも賃金3割以上カット「正規vs.非正規格差」は永久に不滅ですか  最近人手不足で、非正規社員の賃金も上がってきているが、正社員の方の上げ幅の方が大きい。 正規社員への雇用の転換が促されているが、今や非正規社員の割合は38%で、正規社員への転換がたとえ進んだとしても、正規と非正規の間の格差を無視するわけにはいかない。 だから、きちんと、「同一労働同一賃金」を進めるべきであるという内容です。 そしてその中で、生協の興味深い取り組みが紹介されています。きちんと職務の内容を分析してみると、正社員の時給2153円に対し、非正規社員は1671円が適切だが、実際は1024円、つまり600円以上低いという結果が出たそうなのです。 正社員の方が職務の内容が上なため、差があるのは仕方ないせいでうやむやになってるけど、ちゃんと評価したら、やっぱりちょっと低すぎだよねという結果。 この調査何気にすごく大事ではないかと思います。結局企業側だけが悪いわけではなく、働く方もなんとなくこんなもんというイメージがあります。実際時給1024円で求人すれば人は集まるでしょう。その社会全体のなんとなくが「正規vs.非正規格差」を長引かせてしまっています。 ここでたまに出す大福の例に似ています。きちんと原価計算せずになんとなくこれくらいだしと値段を設定して、道の駅で大福を売り始める。最初少ししか売れないときはあまり儲けがなくても仕方ないかと続けますが、いくら売れだしても全然儲からず息切れしてしまう。 自分の時給はいくらが適切かなんて簡単には計算できませんから、並ぶ求人を見て同じような仕事が同じような時給なら、「こんなもんか」と思うしかありません。でも実際はきちんと分析すると仕事の内容以上に差があるわけです。  

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  • 村上春樹に言われても、苦労は買ってはいけない

    2015-04-23 23:30  
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     村上春樹さんの期間限定公式サイトいいですよね。全部読んでいる訳ではないのですが、シェアとかで流れてくるものは読んでます。結構なるほどとうならされること度々です。 以前読んだのどんなのがあったかと、今見に行ったら、ものすごい量答えているんですね。昨日だけで39件。数え間違えてなければ……。以前読んだの見つけられませんでした(苦笑 さて、そんなお世話になっているサイトではあるのですが、ちょっと揚げ足取りを。 感受性の磨きかたを教えてください 「痛い思いをして、身体で覚えていくしかない」ということです。ある程度痛い思いをしないと身につかないことってあるんです。
      これ長々と書いてありますけど、いわゆる「苦労は買ってでもしろ」です。おじさんたちが若者にいう常套句「苦労は買ってでもしろ」。 私はこの問題のエキスパートなので、断言します。苦労は買う必要ありません。幼い頃からこの言葉を浴びせ続けられて早46歳。一番言われたのは大学で東京で出てきた頃。よく転がり込んでいた居酒屋で、おじさんたちにお酒をおごってもらう代償が、この言葉を真面目に聞くことでした(笑 その頃は、でも真面目に「苦労は買わない」といけないのかと悩んでました。人に比べれば苦労らしい苦労はしたことがありませんでしたから。しかし、実際のところじゃあ苦労はどうやって買えというのか具体的な方法は思いつきません。そもそも、なんで今苦労してないのに、わざわざ苦労しなくてはいけないのか、どうしても説得力のある考え方がわかりません。ぶっちゃけここまでしてくれてる親にどう言えばいいか分かりません。 そんなこんなで私は結局苦労を買ったことがありません。そのことをずっと悩んでいるので、私はこの問題のエキスパートです。 そして今なら答えはわかります。買う必要なんて全くありません。どうせ苦労は向こうからやってきますwww むしろ私は「避けられる苦労は避けて、まじで」と言います。 苦労を避けるのが最優先じゃないですよ? やりたいことがあれば、多少の困難があろうとも突き進んでいかなければなりません。でも、なんていうか、やりたいことをやるから苦労するわけではないんです。もちろんそれで苦労する確率はあがるかもしれませんが、苦労を避けるために無難な道を選んでいても来る時には来ます。どうせきます。だから、苦労したくないから、苦労しそうなやりたい道を避けるのは愚かなことです。めちゃくちゃ楽しくもあるわけですから。 でも苦労を買わないなら、その苦労が向こうからやってくるまで、何をすればいいのでしょう。それまでは何をやってても一人前ではないのでしょうか? 

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  • [S]JALのCAさんたちの「踊ってみた」が素敵すぎる

    2015-04-22 22:00  
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     いつもとちょっと違う水曜、今回は短い記事[S]です。  もうすぐ「ニコニコ超会議2015」ですが、協賛出展するJALから、CAさんたちの「踊ってみた」が投稿されました。
     これほんと楽しいですね。何と言ってもニコニコ動画ならでは、初音ミクの歌だし。 格納庫のでっかい飛行機の前とか、航空会社の立場を生かしまくった場面もあるし、衣装も、個人的には微妙ですが、わざわざ準備をする気合の入れよう! そして何と言っても素敵な笑顔。毎月のように飛行機乗ってるので、CAさんたちのプロの笑顔ってのはいつもすごいなと感心するばかりですが、その笑顔のプロが踊ってみたをやるとこうなるのかと感激しまくり。 そしてそれが終わると、JALのニコニコ超会議ブースのホームページに誘導される。 なんてすがすがしい広告。東京の人にはピンとこないかもしれませんが、ニコニコ超会議には飛行機で訪れる人も多いでしょう。こんな「踊ってみた」を見せられたら、おお〜、今度のニコニコ超会議はJALで行くか〜って素で思うに違いありません。 私自身はニコニコ超会議にはいきませんが普段月一くらいで飛行機使っています。 

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  • 調理中が怖い?「チンする前に開ける」のが怖い?

    2015-04-22 02:30  
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     ネタバレありの記事です。しかもタイトルで。すいません。 先日こんな記事を見かけました。 天文学者を悩ませていた謎の電波シグナル。その発信源は意外なものだった。  これなんとなく謎だった時にも読んでたので、「おおどうだった?」とワクワクしながら読みました。 原因はなんと電子レンジ、しかも普通の電子レンジの状態ではなく、電子レンジで温める時間を設定したものの、チンとなる前に取り出しちゃったせっかちな職員によるもの
    だったのです。 さてさて、この記事に対する反応としてよく見られたのは、チンとなる前に電子レンジを開けたら危険かも!?というものでした。開ければ消えますが、消える一瞬ぶわっと出ているわけです。 私はそれ全然気にしてませんでした。ちなみに入れると自動で温め温度設定するやつで、でもそれだと子供には熱くなりすぎるので、うちだと途中で開けるのはしょっちゅうなんですが。 一方、電子レンジ使ってると無線LANが使えなくなるので、つまり使ってる時にわずかに漏れてるのが気持ちわるーということで、最近ちょっと電子レンジの位置を変えたりしてます。違うとこではそやって気にしているわけです。 天文学者にしてみれば、電子レンジ使ってる時にいつも問題あるならすぐわかるでしょうし、でもたまに、せっかちな職員がいるときだけ発生するイベントなので謎を解明するのに、随分時間がかかってしまいました。でも、それは天文観測には影響あるでしょうが、開ければ一瞬で消えるので、私は気にならず、笑い話として受け止めてました。 とりあえず、現在のところ、通常の電化製品の利用で電磁波の悪影響はないそうです。 たとえばここに資料があります。 家電製品からの電磁波の実態と影響とはいえ、長期的な影響を含めいろいろ研究されているようなので、親としては気になります。 そんな中でも、レンジをぱっと開けることについてはそれほど問題ないと思っている自分がいるわけで、みんなそれぞれ気になるところが違うのかーと新鮮でした。今後も気にしないかもしれないし、開ける前にぴってストップ押せばいいだけの話ですから、習慣になるかやってみようかなとも思います。 ちょっとした記事で、ネットのおかげで、自分が気にしてなかったところを気付くことができて、面白い時代だなあと思います。 それにしても電磁波の話、公式にはさっきのサイトのような感じで、大丈夫で終わってしまうのですが、一方で悪影響があるかもしれないということについては、そりゃあもうわんさかいろんな説があります。 どうしてこんなに騒動になるのでしょう。 一番大きい理由は目に見えないからでしょう。電化製品から出てるらしいとは聞いていても、実際に自分の家にあるものがどれくらい出してるとか測ることはほとんどありません。 さらに厄介なのは、ちゃんと測ることがそこそこに難しいということがありそうです。 

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  • 子供たちへのメッセージ15/4/15編(その4)

    2015-04-20 23:30  
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     子供たちへのメッセージ15/4/15編(その3)  の続きです。 子供たちへのメッセージ15/4/15編は今日で終わりです。 最後に、学ぶことについて、学者が学問の目指す人にいう言葉が、他の人には役に立たないことについて考えます。 かつての右肩上がりに成長していた時代にはよくわからなかったことですが、持続的な社会になろうという今、学者さんたちが何気なくいう言葉が自分たちに当てはまるか一度考え直す必要があります。 たとえば次の言葉。4日前のツイートから。
    勉強なんかしててもオリジナルな事は出来ないし、勉強すらしなければ、オリジナルなことなんかできるわけがない、二番煎じ以前で終わる。
    ― Ken ITO 伊東 乾 (@itokenstein) 2015, 4月 16
     私たちは学者さんたちのこのような言葉を何度も聞いていますし、これが当たり前のように思っています。 しかし、この言葉は、上位1%あるいはもっと少ない人、学問を志す人にだけ必要な言葉です。 世の中の99%の人はオリジナルなことなんてする必要がありません。でも、私たちの周りには解決したい小さな問題がわんさかあります。例えば地域の交通弱者が普段の交通に困っているとします。かつてはバスがありましたが、それが回らなくなってしまいました。かといって、それに代わる全国どこでも通用するような普遍的な解決方法があるわけではありません。 しかも、こんな地域の問題を1%のエリートがやってきて見事に解決してくれるわけではありません。その地域の人が勉強して、何番煎じだろうが他の地域やあるいは外国でやられているような方法を自分たちの地域にすこしカスタマイズして回る仕組みにしなくてはいけません。 その地域のためにカスタマイズしたのであれば、それはそれでオリジナルではあるのですが、それは結果であって、学問のようにオリジナルを目指す必要はまったくありません。目的が違います。こちらの目的には、地域の交通に困っている人を助けること。他のと全く同じかもしれません。それでもかまいません。オリジナルかどうかなんてどうでもいいことです。 つまり「勉強しても、オリジナルなことしなくてもいいし、勉強して何番煎じだろうがやってのけて身の回りの問題を解決しよう!」というのが、99%の人にとって必要な、つまり学校でいうべきことです。その中から超飛び抜けた人たちには別途、さっきの言葉をあげればいいのです。それ以外の人にあげても、勉強が嫌になる人を増やすだけです。 もう一つ。やはり4日前のブログから。 「自分の頭で考えるなんてやめたほうがいい」という研究者の話。
    「そうですね、若い研究者や学生にありがちなんですが、よく調べもしないで、「私はこう思った」って言うんですよね。」
    「なるほど」
    「そんなこと、とうの昔に他の人が考えていて、「もうそんな研究は山ほどあるよ」っていっても、自説にこだわるんです。もう、そういう奴は「バカ」って呼んでいいと思いますね。」

      これも学問の世界という、全世界共通のプラットフォームの世界、上位1%の世界の話でしかありません。 身の回りの小さな問題を解くには、「自分の頭で考える」ことが決定的な役目をします。なぜなら、その地域の問題を根本的に内包するからです。 プレゼンサイト TED の中でも屈指の感動的なプレゼンの一つにこんなのがあります。 ウィリアム・カムクァンバ: 私がやって見せた風力発電 電気も満足にない地域に暮らすカムクァンバが自転車の発電機を使って風力発電をし、電灯を灯したり携帯電話を充電したりとQOLが向上したというお話です。 自転車の発電機を使って風力発電なんて、オリジナリティはありません。日本ならちょっとした小学生でも作ってしまうでしょう。 でも、これは彼が自分の頭で考えたから実現できたのです。発電の方法なんて無数にあります。その中からどれなら自分の集められる部品でできるか、それは自分でできる方法か、といった無数の拘束条件のもとで可能な方法を見つけなければなりません。 その逆の立場のプレゼンもあります。 エルネスト・シロッリ 「人を助けたいなら 黙って聞こう!」 これは見るとめちゃめちゃ面白くネタバレいやなので、具体的に書きませんが、外から支援しようとして失敗する例が出てきます。しかも現地の人たちはそれは失敗すると分かっていたそうです。 

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  • 子供たちへのメッセージ15/4/15編(その3)

    2015-04-18 02:00  
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     子供たちへのメッセージ15/4/15編(その2)   今の子供達のみなさんは大人のなる頃には、多くの人が「答えがあるかどうかわからない問題」に取り組む仕事につくことになります。その訓練として今学校で「答えがある問題」を解いていますから、「最低限の努力」で乗り越えてしまうと、「答えがあるかどうかわからない問題」を解く力は付きません。 しかし、ゲームなど「最低限の努力」を誘導する誘惑は世の中に沢山あります。親もその要因の一つです。「余計なことをするな」というメッセージは、勉強に対しても余計な勉強をするなというメッセージを子供に送ってしまっています。 さらに大人たちが子供に仕掛けてしまう罠もあります。 いつも大人と一緒にいる子供 少子化が進んでいること、子供が巻き込まれる事件の顕在化によって、子供は子供だけでいる機会が昔よりも遥かに少なくなっています。 それだけ親と子供の仲は良くなってるみたいで、それ自体は悪いこととは考えられていません。長男は小五になりましたが、私たち親と過ごす時間も多いです。自分の小五の頃とはあまりにも違い、そんな風に思っていなかったので、嬉しい誤算です。 しかし、そうやって子供たちは学校なども含め、大人といる時間が多いです。ということは、子供は大人の価値観にさらされる時間が長くなります。 もちろんそれに反発して行動して怒られることもあるでしょうが、問題は常に大人の物差しにさらされているということです。 この変化の激しい時代、いまの大人の価値基準の中には将来役に立たないものも多いでしょう。ですから、子供であるみなさんは自分たちの価値観を純粋にもちあがっておく必要があります。その価値観がいまの大人の価値観と合っているのか合っていないのかなんて比較がすでに将来への障害です。未来は未来。未来の価値観は、今の価値観とは切り離して作り出すのが一番です。 ですから、いつも大人が近くにいるのはどうかなと思います。しかし、時代はそれを邪魔しているのです。 大人の価値観に合わせていくということ その延長として、つまり、大半の時間を大人が近くにいる中で過ごすということは、大人の価値観を受け入れていくのかとか、いかないのかとかそんなことが問題になってきます。 こう漫画とか読んでても、「いつまで子供してんだよ、大人になれよ」みたいな台詞が飛び交う青春漫画があったりするわけですが、それはそれだけ、大人の世界が身近にあるからです。 十分大人の世界が遠ければ、「いつまで子供してんだよ、大人になれよ」こんなこと言い合う必要ありません。自分たちの価値観を、大人の価値観で測ることなく抱え続ければいいのです。 それが新しい時代にあった価値観を、より早く広めることになります。 つまり、みなさんはもっと多くの時間を大人のいないところで過ごす必要があります。 しかし、ここに最後の大きな罠があります。 罠1:ゲーム再び 今の子供達みなさんも、子供しかいない時間はもちろんあります。でも、実はその時間ゲームしてませんか? 将来必要な力を身につけるのを阻害するゲームです。 しかも、実は意外に思うかもしれませんが、大人たちは、子供がゲームばかりしているのを受け入れています。高額課金の問題さえ抑えておけば 

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  • 子供たちへのメッセージ15/4/15編(その2)

    2015-04-17 01:00  
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     子供たちへのメッセージ15/4/15編(その1)   今の子供達が大人になる頃には、みんなそれぞれの実力に合わせて、「答えがあるかどうかわからない問題を解く」ことが仕事になります。「答えのある問題」はみんな人工知能が対応するからです。 学校で勉強をするとき、嫌いな科目を中心に最低限の努力で努力しようとするものですが、それが主要科目の多くに広がってはいけません。今学校で「答えがきちんとある問題」を学んでいるのは、「答えがあるかどうかわからない問題を解く」ための基礎訓練に過ぎないのですから。 しかし、今みなさんの周りにはたくさんの罠があり、「最低限努力」で世を渡る癖がついてしまう危険がいっぱいです。 罠1:ゲーム ゲームは面白いです。46の私だって大好きです。しかし、スマホとかのゲームは閉じた世界で、やれば成果が出るように作ってあります。努力が必ず報われることが大事な要素です。 さらに、ゲームを忙しい中たくさんこなすため、みなさんは「最低限努力」で最大の成果が得られることに心血を注いでいないでしょうか。攻略サイトを緻密に読んだりしませんか? パズドラはまずリセマラに全力を注ぎませんでしたか?  ゲームはそういうところに力を注ぐと報酬があります。 しかし、「答えがあるかどうかわからない問題」に対し、「最低限努力」は無力です。そんなアプローチで解くのは不可能です。ついでに努力が報われる保証も全くありません。失敗したという結果も成果の一部ではありますが、めいいっぱい努力したのに大失敗なんてことは成功することよりはるかに多い世界です。 学校の勉強をゲーミフィケーションで楽しくする手法が発達してきていますから、学校の勉強の点数そのものはあがっていくと思いますが、その一方で、学校の勉強の先の能力が求められる時代に変わってきてしまっているという現実もあるのです。 罠2:親 親は子供を見ていると、その手際の悪さに、つい、「余計なことせずにさっさとしなさい」と口を挟みます。宿題をしているときに、消しゴムほじっていたりすると。 でも、これは、一方で「最低限努力」を大いに助長します。漢字の書き取りの宿題をしているとします。消しゴムほじってたら余計なことですから、「余計なことせず」とたしなめられます。でもそれは同時に、「余計に」漢字を覚えることも阻害します。子供からすればどちらも「余計」です。終わったけど、隣のページの漢字も気になった時、どうしましょう。いつも「余計なことするな」と言われている子は、思わず躊躇するかもしれません。「余計なこと」ですから。 塾の先生に話を聞いていると、「その単語習ってない」とか「その漢字習ってない」と言われることがよくあるそうです。中には習ってないことを懸命に示そうと教科書を調べる子もいて、先生からすればその努力があれば、それくらい覚えられちゃうよ?と苦笑いするしかありません。 しかし、そのルーツには親の「余計なことするな」が横たわっているかもしれないのです。 能面作戦 この「余計なことをしない」という戦略は、社会でとても有効です。その一つの現れが「無反応」です。塾や学校で、先生が授業をしている間、生徒全員が全員能面になってまったく反応しないということがよくあるそうです。 

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