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記事 21件
  • 文字どおり砂上の楼閣に住む人類

    2016-09-30 20:00  
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     最近、木造高層ビルの話題を良く見るようになりました。 木造高層ビルが世界で流行 背景は? さて、冷静に考えると当たり前なのですが、今私たちの身の回りにある無数の鉄筋コンクリートのビルは、どれもこれも50年ほどすればなくなってしまいます。もちろん修繕していけば使い続けることもできるでしょうが、今50年ほど建った建物はどんどん建て替えをしています。どんどん技術は進歩していますから、多くの物は新しい技術で建て替えるのは当たり前のことです。 そんな中、歴史的に価値のある建造物は保存されていくことになるでしょうが、残念ながら現在の鉄筋コンクリートはすぐにぼろぼろになります。軍艦島の廃墟は有名ですが、閉山してからまだたった40年ほどです。今の時代の優れた建築物を後世に残していくのは、どれほど大変なことになるのでしょうか。 一方でローマンコンクリートで造られた建物は今でも残っています。コロッセオとかいろいろありますよね。 上で紹介した木造ビルも耐久性は鉄筋コンクリートよりはるかに長そうです。 爆発的な経済成長を続けた世界は、しかし、そのスピードに追いつくため、泡沫建築で砂上の楼閣を作りました。建物だけではありません。道路・橋・トンネル・堤防あらゆるインフラに及びます。それらの中には今次々と更新時期に突入し、私たち社会の大きな負担になっています。 これから、私たち人類は、新しい木造建築、ローマンコンクリートの再発明などを経て、もっと耐久性のある建物を建てていくことになります。 法隆寺を先頭に日本では古い建物がたくさんありますが、今の時代の建物が歴史的建造物として保護していくことになれば、相当苦労する事になるのではないでしょうか。 持続的な経済社会に移行するにあたって、今あるインフラの耐久性は短すぎます。これから耐久性の高いインフラが次々と開発され、50年後の私たちの街はすっかり形を変えることでしょう。《ワンポイントミライ》(?)ミライ: 木造高層ビルって、話には聞いていても実際にこの目で見るまでどんな感じかなかなか想像がつかないのです。フツクロウ: 早く見て見たいの。 

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  • [S] ドナルド・トランプは負けたのか

    2016-09-29 23:45  
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     木曜ですが、昨日通常運転だったので、今回は気楽に書き始める短い記事[S]です。  ヒラリー氏とトランプ氏の直接対決が始まり、ヒラリー圧勝とか、そしてヒラリーがどう優れていたのかといった記事がたくさん流れていました。 しかし、大切なのそこでしょうか? トランプ氏って共和党の代表になる前出てきたときから、要は威張り散らすおっさんじゃないですか。最初から。その時のイメージから今に至るまで、イメージはまったく変わりません。 つまりヒラリーとの直接対決の場でも、いつも通りの威張り散らすおっさんだったわけです。 ですから、当然ヒラリーの方が立派にこなすわけで、結果もごく当然の結果と言えるでしょう。 すると、考えなければいけないのは、別のことです。 それでもなぜトランプ氏は共和党の代表に勝ち上がってきたのかということです。 代表戦の時からただの威張り散らすおっさんで、「なんでこんな人が代表に勝ち上がるの???」とみんな思ったことでしょう。あのおっさんは、ずっとあの調子でも勝ち上がるのです。 発言が事実に基づいてなかろうが、過激な保守的主張をしていれば、それを心地よく受け止めて応援する人が大勢いるということです。 ヒラリー陣営は、トランプが事実に基づいてないことをリアルタイムに暴いていく正攻法だけでなく、トランプのように人々に心地よく聞こえる大風呂敷も準備すべきでしょう。その点についてトランプを徹底的に分析して活用するべきなのです。《ワンポイントミライ》(?)ミライ: なんとなく、アメリカから銃がなくならない話を思い出しますね。フツクロウ: ホウ。 

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  • 【馬】日本学術会議さん、主張すべきは「その110億円は返上しろ」でしょ?

    2016-09-28 23:30  
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    この記事はミライの【馬車目線】でお送りします。
    ミライ: はあああああ?フツクロウ: ホオオオ?ミライ: なんですか、これ、学術会議って実はバカばっかなんですか?????フツクロウ: 待て待てミライ。今「クローズアップ現代+」を見てたんじゃの。ミライ: ふー、ふー。はい。フツクロウ: でテーマは防衛省が110億円を大学の研究に提供するにあたって、大学は軍事研究とどうむかいあうべきかという話じゃな。ミライ: ふー、はい。フツクロウ: で、日本学術会議でもいろいろ議論しておるのを紹介しておったが、そこで怒っとるんじゃな。ミライ: そうです! 防衛のために研究してくれっていうけど、今なんかタイミング最悪で、政府として武器輸出するぜって言い出してるんですから、もう防衛のため「だけ」なんて保証は一切ないんです。 ずっと日本の防衛のために作ってた潜水艦だって、もういつ輸出されるか分からないじゃないですか。輸出されたら、それはいつ人を殺すか分からない兵器です。そんなの技術者として耐えられません。フツクロウ: それも非常に心配な案件じゃの。ミライ: そうです。でクロ現でその点に触れてないのも気になったんですが、日本学術会議でも議論してないんだったら、もうそれだけで意味不明です。 さらに、防衛省が用意してしまった110億円にどう対応するかって議論は、それはそれでいるかもしれないけど、そもそももっと根本的な警告を出すべきでしょ?フツクロウ: 警告とは?ミライ: そんな予算は返上して、他の省庁からの競争的資金にしろ! というべきです。フツクロウ: 他の。ミライ: そうです。防衛が目的であれば、その技術には普通に他にも用途があります。だから、そっちからやればいいんです。わかりやすいとこだと、消防や警察です。 番組の中では、船底に空気の泡出して性能アップみたいな研究でてましたけど、それだって「防衛」以外にいくらでも社会に役立つ技術です。だったら、その用途から始めればいいんです。そもそも防衛省が「デュアルユース」と高らかに言ってますから。「デュアル」の民間側から始めればいいんです。フツクロウ: ホウ。ミライ: できてしまった技術は、そりゃ防衛省が使うのだって仕方ありません。潜水艦の中では音のでないコーヒーカップとやらがあってとか聞きますし、もしそういうコーヒーカップを作った後に防衛省が採用してしまうとこまでは防ぎようがないです。 AIだって、研究結果はモノによっては即軍事応用可能でしょう。「怪しい人物を割り出して撃つ」とか。殺人兵器ですけど防衛のためならと正当化はいくらでもできてしまいますし、しかもその後輸出する気満々です。フツクロウ: まあ防ぎようがないの。ミライ: そうです。そうそれはアインシュタインと同じ悩みで、もうどうしようもない科学の業ですが、でも、防衛省110億円は全然違います。 これは明らかに科学者を軍事研究に手なづけるための餌です。フツクロウ: ま、そうじゃな。ミライ: それを受け入れるかどうかの各論はもちろんあるでしょうけど、「軍事研究はしない」と言ってきた日本学術会議は、 「そんな予算があるなら返上しろ、そして防衛に必要な技術はできたものから拾え、なければ金は出さずに『欲しい』とだけ言え。そうすれば研究者の誰かが他の研究費でやるかもしれん。 文科省の予算を減らして、防衛省の予算で釣ろうとするとは、恥を知れ」と宣言するかどうかを議論すべきでしょう?フツクロウ: 議論はしておきたいところじゃの。 

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  • 世界はいつ繰り返す金融危機から抜けるのか

    2016-09-27 22:45  
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     兼ねてから危ないと言われていたドイツ銀行がかなり苦境に陥っているようですが、ついに日米の株価に影響し始めました。 米国株:下落、金融株が安い-ドイツ銀への売りが飛び火   仮にドイツ銀行が破綻するとリーマンショックよりも大きな金融危機が訪れるとも言われています。 なんとか軟着陸してほしいものです。 それにしても今回のドイツ銀行の経営悪化には、やっぱりまたディリバティブなどの怪しい金融商品が関連しているとも言われます。 以前からミラフツでは、お金でお金を増やせない時代になったとしていますが、それを補強する状況になっています。 お金が勝手に増えない時代が来た(その1)   お金を投資して増えて帰ってくるには、どこかの誰かが付加価値を生み出さなくてはいけません。その総量は決まっていて、しかしそれに対して世界にはお金が余りまくっています。ディリバティブという金融商品は、本来はすばらしい商品なのかもしれませんが、結局お金の生まれないところからお金が生まれたように見せかけることに使われてしまっています。 おかねが余りまくっていることは、日本にも深刻な影響を及ぼしていて、国債の発行を減らさなければと言われているのに、国債をいくら発行しても足らない状況で、金利はほとんど0どころがマイナスにすらなっています。 このひどい状況を加速しているのは、各国の景気対策です。他の国はよくわかりませんが、日本では物価目標を2%に設定してしまったことで、あらゆる金融緩和政策が取られています。 しかし、なぜ物価目標を2%にしなければならないのでしょう。物価が変わらないというのは、毎回新型 iPhone が同じ値段で発売されるということです。でも、iPhone は着実に進化しています。物価が変わらなくても、世の中はどんどん便利になっています。 庶民にしてみれば、給料2%上がってインフレ2%すれば、日々の生活は変わりません。店で物売ってる人にしてみれば、値上げは怖いし、値下げも困るわけで、日常の経済活動において価格維持のインセンティブは強く働きます。昔の高度成長の頃はその辺がぐちゃぐちゃでしたが、低成長の時代ではみな価格維持したいのです。 そのような時代になったのに、物価目標2%に設定してばしゃばしゃお金を投入したところで、全然価格上昇になりません。 そうやってどんどん金融緩和政策を取ったところで、物価は上がりませんが、いつかやめていかなければなりません。しかし、止めようとすると、こんどは株価や為替がそれを許しません。そんなの直接いきなり影響するわけではないのに、各国中央銀行が金融政策を発表すると、株価や為替がとんでもない動きをします。この間は日銀発表直後2円近く円がいったりきたり動いています。2円というのは、空港などの為替レートは普通1日1回更新のところ、緊急にレートを変えるほどの変動です。つまり相場が金融政策を催促する時代です。そのためか先日はアメリカFRBは金利引き上げができそうな状況にもかかわらず、株価への影響を考え見送ったとされています。本末転倒です。 インフレ目標を設定したために、たいして効果もないのに金融緩和し、それをやめようとすると、相場がそれを許そうとしません。 結果、ただでさえお金が余っているのに、さらにどんどんお金が注ぎ込まれているのです。 それが金融危機の起こる理由です。だって、余ってどうしようもないお金は、チャラにするしかありません。 お金でお金を増やそうとするから、こういうことが起こります。お金でお金を増やそうとする人は、早く諦めてほしいものです。《ワンポイントミライ》(?)ミライ: ということで、GDP0成長を受け入れていこうって話になるんですよね。フツクロウ: ホウじゃ。 

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  • 安倍首相の「未来」は鬼が笑うか。

    2016-09-26 21:45  
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     今日の安倍首相の所信表明演説。びっくりしました。 安倍首相、「未来」を18回=「世界一」もキーワード―所信表明演説(時事通信) - Yahoo!ニュース  なんと「未来」がキーワード!! でも「未来」ってキーワードは一般的には受けが悪いです。長年「未来の普通」やってるから身にしみてますが、みんな「未来じゃなくて今が大変なんだよ!!!」ってわけで、なので「今でしょ」が爆発的に受けたりしたわけです。 政治家は未来を見据えた活動をしたいといくら志しても、選挙で落ちてはただの人ですから、どうしても今効果のある施策に陥りがちです。 ですから、演説でも「明るい未来」など心地よいフレーズとして使うことはあっても、演説全体のキーワードにするというのはなかなかできないことです。 あまりに絵空事をうそぶいては失笑を買ってしまうでしょう。 今回の所信表明演説の中で、安倍首相の「未来」は鬼が笑うようなないようなのか、分析してみようと思います。 第192国会における安倍内閣総理大臣 所信表明演説(全文)「憲法はどうあるべきか。それを決めるのは国民だ」 - 産経ニュース   1. 東北の未来
     「未来」がまず出てくるのは「はじめに」のところですが、これは「心地よいフレーズ」であって、誰でも使うやり方です。 具体的に「未来」が語られるのはまず東北に対して。 新しい東北の未来を切り開くために、二つあって、一つ目は観光の促進です。観光に関する「新しいチャレンジ」を支援するとあります。これは予算をつけるということでしょうから、未来の話をしつつ、今補助金出すよという、目の前ニンジンです。鬼は笑いません。 もう一つはぼやかしていますが、「未来のエネルギー社会」に向けて福島で新しい産業の集積をめざすとあります。ぴんとくる人には内容がわかるのかもしれませんが、わたしにはさっぱりです。「中間貯蔵施設の建設、除染など住民の帰還に向けた環境整備、廃炉・汚染水対策」をしっかりしますのが本題のようで、この部分はとってくっつけたように見えます。鬼は笑うというか、「?」って感じでしょうか。 2. 経済対策
     次に「未来」が語られるのは、経済対策についてです。 冒頭経済対策のキーワードは「未来への投資」
    と出てきますが、「投資」はすべて未来の結果に向けて行われますので、この未来に意味はありません。心地よいフレーズの代表格です。 と軽く鞘当てしながら、ここで目指しているのは、2020年、そしてその先の未来に向かって、誰もがその能力を存分に発揮できる社会を創る。
    という社会です。そのために「未来」と「1億総活躍」のキーワードを使って進められていますが、具体的に語られているのは労働待遇改善です。介護・保育・非正規などに触れられています。これは今の問題であり、鬼も笑うどころか、真剣にうなづいていることでしょう。 さらには「未来」である若者への投資の拡大に触れられています。未来といえば若者、若者といえば未来。若者支援では「未来」を使わないことはありません。 3. 地方創生
     地方創生でも未来が語られますが、ここは直球目の前ニンジンです。未来の内容は地方に丸投げで触れません。それぞれの地方が、自らのアイデアで、自らの未来を切り拓く。自治体による地方創生への挑戦を、新しい交付金によって応援します。(赤字筆者)
     鬼も満足でしょう。 4. 農林水産業
     夢や情熱を持って、農林水産業の「未来」に挑戦する。そうした皆さんを、全力で応援してまいります。
     農林水産業でも「未来」が語られました。ここでの「未来」は目下絶賛承認を目指している TPP です。TPPこそ日本農林水産業の未来! わかりやすい。あと構造改革も謳われていますが、おまけです。 鬼に有無を言わせない。 ちなみにミラフツ的にはTPPは時代遅れですが、それはまた別のお話。 5. 沖縄
     沖縄の未来を切り拓くため、ヘリパッド推進とのこと。ばりばり今の課題。 6. 韓国
     韓国との外交に触れ、「未来志向」といういつものフレーズが使われています。外交で今の問題をとりあえず棚上げにするために使われる大人の事情ってやつです。 このあと締めくくりに、「未来への架け橋」という心地よいフレーズが使われています。 18回も「未来」が使われるということで、まさか鬼が笑う話をしたのかと思いましたが、さすが現役首相、ちゃんと今の話につなげていました。 つまり「1億総活躍」と同じく、受けそうな言葉を使って、普段推進している政策の説明をしたことになります。 この「未来」という言葉は受けるのでしょうか。ブログ「未来の普通」を通して経験したことは、「未来」という言葉は受けが悪いという体感の連続であり、従って安倍首相の所信表明演説も受けないのではないのかなあと不安です。 もし、受けが良いなら、「未来の普通」での「未来」の扱い方がへったクソということであり、安倍首相の「未来」の使い方に多いに学ぶべきなのでしょう。 安倍首相の「未来」が国民に受けるのか、今後が気になります。《ワンポイントミライ》(?)ミライ: でも、ここでは「鬼が笑う話」をするんですよね!!フツクロウ: ホウじゃな。安倍さんは鬼の笑う話はせんかったが、ここは鬼の笑う話をする場所じゃな。ミライ: とはいいつつ、「鬼が笑う話」でもなるべく受けたいですよね。フツクロウ: ホの通りじゃ。そういう点で今回の安倍さんの「未来」の使い方にははっきりとした特徴があるの。 

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  • 熱い『ハイビーム論争』。都会の人は熱くならなくていいよ。

    2016-09-22 22:00  
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     ハイビーム使用を…横断死亡96%が「下向き」 の報道をきっかけに始まった『ハイビーム論争』。毎回薄々感じてましたけど、今回もものすごい熱量です。 私も以前都心に住んでてたまにレンタカーしてたので実感しますが、都会だとハイビームにする場面がありません。 ですから、本来はハイビームと言われても、「いやするとこないやろ」と思うでしょう。しかも、街中は街灯や周囲の灯りでハイビームにしなくても十分歩行者を認識できます。 ですから、この問題の中心は地方なんだと思います。 実際上の記事でも日本自動車連盟(JAF)の実験では、5人のドライバーが夜間に障害物のあるコースを時速80キロで走行したところ、障害物に気付いて停止できた場所は、100メートル先まで照らせるハイビームが平均82メートル手前だったのに対し、ロービームは平均5メートル手前だった。
     という実験が示されています。都会の街中を想定しているものではありません。地方のど中心地を少し離れた、でもそこそこ広く信号もほとんどない道がイメージされます。 暗い道ではそもそもハイビームでないと道がどこにあるのかよくわかりません。田舎だけでなく、地方でも街灯がなくわずかに民家の灯りしかないようなところでもです。知ってる道だからといってロービームでは、たまにしか出現しないレアな歩行者に気づくのは簡単ではありません。私はごく近所に「おまえこの道ロービームで走るとかブレイブだな」と思う道を具体的に思い浮かべることができます。 この問題の中心は地方なんです。 ですから、都会の人は「ふ〜ん」ととりあえずスルーしておけばいいと思います。日本のすべてのニュースが都会に関係があるわけではないのです。 都会でも暗い道ではどんどんハイビームにすればいいと思いますが、今は都会に住んでるわけではないので、私がとやかく言う問題ではありません。 ちなみに、地方に住んでると、歩いてると「わざわざ」ハイビームにされて「眩しいわ!!」とか思いますが、自分もたまたまロービームであれっ?と思ってハイビームにすることはありますし、もちろんその後ロービームに戻すようにはしてますが、要は安全確認であって、ハイビームにされてイラっとするけど、轢かれるよりははるかにマシです。 ましてや、今回これだけ大々的に報道され、警察も重点的に強化するというのですから、都会の方も暗い道では積極的につければいいのではないかと思います。眩しいのがとても苦手な人もいますので、人がいるとわかれば早めに下げるのも必要だとは思いますが。 ちなみに、前回も書きましたが、お高い車にはそういうのを避けるヘッドライトも出てきていますので、未来では自動化される話です(その次には自動運転になってしまいますが)。 今回「横断死亡96%が『下向き』」と言われると、即座に「いやもともと下向きにしてる人が多いから当たり前やろ」というツッコミが溢れました。確かにもし98%の人が下向きにしているのなら、むしろ下向きにしている方が横断死亡を起こしにくいということになります。 なので、古いデータではあるものの、ロービームにしてる人は86%という統計があったので、それを紹介したのが前回の記事です。 [S] 『下向き』は10倍危険!!!! 〜「横断死亡96%が『下向き』」を読み解く〜   もちろんこれも完全ではありません。先に示したようなむしろ上向きの方が危険ではないかという可能性を消した程度の話かもしれません。 たとえば、都会や地方の街中など歩行者も多くロービーム100%の地域で、横断死亡が沢山起きているということが考えられます。 仮にハイビームとロービームで横断死亡事故を起こす割合に差がない場合を考えます。 そして街中地域では100%ロービームとして、それ以外の地域では86%とします。 するとロービーム86%の地域では、ハイビームでの事故数9件から逆算して、ハイビーム・ロービーム合わせると64件になります(9 ÷ 14% × 86% + 9 = 64)。 全625件のうち、のこり561件が街中地域で起こっていることになります。 これが真実なのか、あるいはハイビームの方が何倍か安全で、それにしたがって、街中・それ以外で起こる横断死亡の割合がもっと違うのか、それは私が今持っている情報ではわかりません。 でも仮に、全625件のうち561件が全員ロービームの街中地域で起こっているのだとしたら、警察は「21日から始まる秋の全国交通安全運動の重点項目としてハイビーム使用を呼びかける」ことはしません。 だって現場知ってるのですから、それだったら街中の事故防止が多い!と感じて、そういうデータを取って示していくわけじゃないですか。今回もそもそも、(街中以外での)ロービームの事故が多いという知見があったから、わざわざ関連データをとって、今回重点項目にする「根拠」にしたわけです。私の示した561件は極端にしろ、今はハイビーム奨励の方が効果があると踏んでいるのです。 ただ、その「根拠」がずさんだっただけで・・・・・。 で、繰り返しですが、都会の人はこのずさんさにそんなに目くじら立てることないと思います。都会で運転している分には、変わらないと感じるのはよくあることだと思います。 でも暗い道ではがんがんつければいいと思うし、遠出した時には積極的にハイビームがいいと思います。とにかく人間は「レアキャラ」でいることの方が少ないですから、知らない道でロービームだと気づくことはできません。相手が酔っ払ってたら何があるかわかりません。遠出した時に、軽快に切り替えられるよう、都会でも練習しておいた方がいいとは思います。 なーんて議論も、早く自動で対向車を照らさないヘッドライトが普及して、消えてしまうのが一番ですが。(この記事は休日22日に公開しますので、明日23日はお休みです)《ワンポイントミライ》(?)ミライ: こういう隠れた都会・地方議論って、炎上しがちですよね。フツクロウ: ホウじゃのう。まあ、本当に都会でロービーム問題がないかもわからんがの。ミライ: あー、そうですね。そういう意味でも、もうちょっと細やかな発表が必要ですよね。 

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  • [S] 『下向き』は10倍危険!!!! 〜「横断死亡96%が『下向き』」を読み解く〜

    2016-09-21 13:00  
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     いつもとちょっと違う水曜、今回は気楽に書き始める記事[S]です。  ハイビーム使用を…横断死亡96%が「下向き」(読売新聞) 歩行者が夜間に道路を横断中、車にはねられた昨年1年間の全国の死亡事故625件のうち、96%の車のライトがロービームだったことが警察庁の調査でわかった。
    という記事がヤフートップなのですが、速攻で「そんなん96%の車がロービームかもしれんやん」というツッコミが飛びまくっています。 もし、普段96%の人がロービームで運転していて、ハイビームにしている人が4%しかいなければ、横断死亡を起こす確率は一緒でも、「横断死亡96%が『下向き』」になってしまいます。 したがって、普段どのくらいの人がロービーム運転しているかが極めて重要になります。 ということでググってみました。すぐにこんなのが見つかりました。 8割以上が法律違反!? ヘッドライトはハイビームが基本のワケ  2007年に茨城県警が「ヘッドライトの点灯方法」を調査したところ、約86%が「ライトはロービーム(下向き)で走行」と回答したという。 
     10年くらい前のデータではありますが、ハイビームは10%以上いそうですから、やはりハイビームの人の方が横断死亡事故を起こす可能性は低いようです。 どのくらいかを計算しておくと、 横断死亡625件のうち、ロービームは597件、ハイビームは9件(他に補助灯・無灯火がある)ということで、それぞれの割合は 95.5% と 1.44%。 普段ロービームで運転する人は 86%、ハイビームは 14% とすると、ロービームの人が事故を起こす割合がハイビームの人が事故を起こす割合の何倍かが計算できて、 (95.5% ÷ 86%) ÷ (1.44% ÷ 14%) = 10.8 10倍以上となります。厳密には補助灯・無灯火で走っている人もいるのでこの倍率は低くなります。このデータに基づけば、だいたい10倍程度と考えればよいでしょう。 ロービームは10倍危険です! こまめにハイビームにしましょう!(追記:特に、普段都会を中心に運転していてハイビームにする場面が全然ないと、遠出した時とかに忘れがちです)
    《ワンポイントミライ》(?)ミライ: ところで、自動車メーカはこの辺を自動化するスマートヘッドライトを開発しましたね(注:すいません、最初開発中と書きましたが、もう実用化されてました。たとえばこの記事)。フツクロウ: ホウじゃな。ミライ: もし、それが普及して、みんながハイビーム状態になったとしたら、どのくらい事故が減るか計算してみたんです。劇的に減ります! そりゃ「交通安全運動の重点項目としてハイビーム使用を呼びかける」のは当然って感じです。フツクロウ: ホホウ!? 

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  • 休学してるか退学してるかなんて、心底どうでもいいんですけど。

    2016-09-20 23:30  
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     大学を退学して起業しようとしている石田 祐希さんへのイケハヤさんの応援の一部が、むしろ応援になってなかったので、その部分をフォローしながら応援&宣伝です。 イケハヤさんのこちらの記事。 何者にもなれなかったサラリーマン、零細フリーの言葉に価値はない。  問題の部分。
    保険を用意している人は、他の人からの応援を得にくいんですよ。「起業するために大学やめました!」というAさんと、「休学して起業します!」というBさんのどちらを応援したいか、ということですね。
    ― イケダハヤト (@IHayato) 2016年9月17日
     休学せずにすぱっと退学している人の方が応援を得やすいとあります。 そんなの応援するかどうかにまるで関係ないと思います。 普段ビジネスプランのメンタリングやってますけど、少なくとも起業というフィールドで応援得ようと思ったら、何をしたいのかとか聞かせてくれないと応援しようがありません。 まだそこまで行ってない人だったら、まあその人の経験とかお人柄とか感じ取るとは思いますけど、休学か退学かとかひたすら優先順位低いです。 実際、うまく大学に席を残しながら進めたことで、研究開発を加速して成功している人とか知ってるので、どっちがいいかなんて、判断するとしても個別事例をあたらないと判断しようがありません。 しかも、一般論として、最近はなんでも小さく始めることができますから、休学とか退学とか考える前にアイデアあれば試すのがセオリーです。IT 技術などが発展しましたから。 例えば、大学生が Airbnb を思いついたとしたら、別にやってみればいいだけですよね? やってみたらうまくいきそうなので、本腰入れるときに休学か退学かという相談であれば、いろんな人が具体的に一緒に考えてくれるでしょう。でも、休学を選ぶと応援者が減るかは、個別事例で変わります( Airbnb の実際どう始まったかは昔読んだけど覚えてません。たとえ話です)。 しかし、石田さんが退学したのを批判したいわけではありません。 どうしても大学にいたくなかったから、まず退学したかったというなら、それはそうするしかなかったのだと思います。私はドクター取った後、逃げるようにアメリカのポスドクに行きました。その先など考えずに。 石田さんはとにかく大学を辞めたくて、でも辞めたからには目標が必要で、「起業」としたのではないでしょうか。 しかし、そういうのに批判が集まってしまいました。イケハヤさんとしては、そんな人を応援したいということで、冒頭の発言もあったのだと思います。
     でも、それは関係ないです。「退学を選んだから応援してもらいやすいかな」と思っても空振りになるでしょう。 批判が集まるのは明らかです。一般的に「起業」は目標にしてはいけないからです。まず解決したい問題があって、その問題を解決するにはいろんなアプローチがあって、その中のベストの方法をとるべきであり、まず「起業」ありきでは、成功率がずどんと落ちてしまうからです。 でも、目標が必要で、それが「起業」というのであれば、それもいいのです。それをきっかけに、解決したい問題を見つけられればいいのですから。 ただ、それがきっかけで、なにか事業のネタを思いついたら、いったん「起業」の枠を忘れ、きちんと冷静にどのような形態で進めるのがいいかを検討することが必要になります。そこを「起業」に固執すると成功率がずどんと落ちてしまいますから。そしてその辺を心配して批判が出てくるのは仕方のないことです。 つまり、退学してから「起業」を目標、そういう進め方はアリ、です。でもそれだけで批判は集まってしまうのも仕方のないことで、とりあえずスルーするしかナシ、です。 さらに退学したからって、無条件に応援が集まりやすいわけではありません。というか休学か退学かなんて些細な話です。気にする話ではありません。 でもって、いいビジネスプランができたら、ぜひ 「ビジネスプランコンテスト&クリニック」 に応募してください、ファイナリストに残ればメンターたちに磨いてもらえます。 お待ちしています!《ワンポイントミライ》(?)ミライ: 石田さんのブログ一通り目を通してみたんですけど。フツクロウ: ホウ。
     

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  • 知能は遺伝するけど所得はあんまり遺伝しない

    2016-09-16 21:45  
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     こんな記事を見かけました。 よくぞ言ってくれた「言ってはいけない格差の真実」  この記事では、知能は遺伝による部分が大きいので、それを無理に是正するような税金の投入をさらにすべきではないという意見だと受け取りました。 という意見の背景としては、「お金持ちが教育において優遇されているのは改めるべき」ということがあります。 しかし、3年前これを分析したら、そうとばかりは言えませんでした。 【馬】このデータがホントなら日本の教育はすごくうまくいっている。    父親の所得と子供の所得を比べた2007年の調査なのですが、父親の所得が高いところでは、子の所得が高くなる傾向が若干あるものの、父親の所得が普通やそれ以下のところでは、子の所得がどうなるかはほとんど決まっていません。 高額所得者は、子供にがっつり教育費をかけるという点で、子が再び所得が高くなる可能性は高くなります。それでも、上位25%の高層の子が再び高層になる割合は4割ほどしかありません。 そしてそのあたりの傾向以外では、子の所得は、親の所得にほとんど関係ありません。 教育がそのことにどれくらい関わっているのかはわかりませんが、とりあえずうまくいっていると言えます。 そもそも日本の義務教育は、優秀な人になんの特別扱いもしません。私が子供頃もそうでしたし、今、我が子供たちの公立学校を見ていてもそうです。 でも、金のあるやつだけ私立に行けるじゃないかと思うかもしれませんが、私は今長男が小六。この辺で一番優秀な中学は公立。完全に試験一発。その後に続く私立にしても、優秀な子には免除制度があります。まあお金持ちよりの学校はそれで入ってもお付き合いの出費が大変そうですが、そういう学校を避けて、同程度の学力の学校に行けばいいだけの話です。 大学にしても、トップクラスには、東大京大など国立があります。大学全体の話として将来返せなくなりがちな奨学金については、社会問題として今取り組みが始まっています。 結局のところ、今「知能は遺伝する」という事実を認めようが認めまいが、所得という点ではそんなに遺伝しないし、教育の機会という点では、貧富にかかわらず開かれています。以前はでも貧しい子は塾にいけないしとかありましたけど、今やスマホでeラーニングできますから、その点も解消されてしまいました。ごく一部のエリートだけが受けられるエリート教育とかあるのかもしれませんが、そんなの無視して構いません。 「よくぞ言ってくれた『言ってはいけない格差の真実』」とインパクトはあるのですが、言ったところでだから何?という感じがします。その記事の中でも言われていますが、知能は才能の一つでしかなく、それだけで所得が決まるわけではありません。 少なくとも日本では、親の所得が子の所得を決めているとまでは言えないのですから。《ワンポイントミライ》(?)ミライ: え〜〜〜と???? 昨日は、親の収入と子供の虫歯率は関係があるという話だったのに???フツクロウ: ホッホッホ。子供の虫歯率とその子の将来の所得が関係あるかないかはさっぱりわからんから、両立する話ぢゃ。ミライ: はっ、確かに。うーん、でもこれ、どう考えればいいんですか? 

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  • 貧困と子供の虫歯率が関連する真の理由

    2016-09-15 23:45  
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     舞田敏彦先生が貧困と子供の虫歯率が関連するというデータを載せています。 子どもの虫歯率 親の年収と相関  23区の虫歯率と平均収入を調べると見事に相関しているというデータで、以前から何度か取り上げてらっしゃいます。 で、なぜ「貧困家庭の子どもほど虫歯になりやすい」のか、改善するのはどうすればいいのかと考察されていますが、まわりくどいのではっきり書いてみようと思います。 子供がなぜ虫歯になるのか。それは、毎日親が仕上げ磨きをしないからです。 でもってこれは親にとって苦行とも言える、大変面倒な作業です。来る日も来る日も子供を膝の上に寝かせ、すべての歯をきれいに磨く。 この苦行をこなす親の子供は虫歯になりません。別に1週間に1回抜けても問題ないでしょう。 でも、それを親がさぼればさぼるほど、虫歯になりやすくなります。子供にも歯磨きは教えますが、まともに磨けるようになるのは簡単ではなく、一説には小学生の間は親の仕上げ磨きが必要とも言います。 それだけではありません。虫歯がなくても年に1,2回は歯医者に連れて行かなければなりません。定期検査を受け、歯垢を取り除き、フッ素コーティングをし、磨き残しがあれば親が指導を受けます。かなりの苦行です。 ジョン・デューイの『経験と教育』などでも言われるように、教育の理想的な目的は自制力の創造という考え方ができます。衝動を抑える力です。 この考え方は、虫歯率の例を見る限り整合性を現します。 教育の理想とされる自制力を備えた者は、社会で成功し高い収入を得る一方、子ができた時、面倒な仕上げ磨きを放棄することなく続けることができるのです。 それができるかできないかが虫歯率を決めるのであり、歯医者を無料にしても変えられないのです。治療だけでなく、定期健診が無料であってもです。毎日仕上げ磨きをし定期健診に連れて行くなどという面倒なことをできる自制心を持つ親の子供が虫歯にならないのです。《ワンポイントミライ》(?)ミライ: え、これって、まさにこないだ炎上した貧困女子学生を叩く話の根拠ですよね。『そうやって浪費するから進学費用がないんだろう』って。フツクロウ: ホノとおりじゃの。ミライ: 自分のお金を何に使うかという大論争がある裏で、お金と関係ないところで、自制と収入の相関が取れちゃってるということ?フツクロウ: ホウじゃな。 

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