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<菊地成孔の日記 2021年4月4日 午前4時記す>
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<菊地成孔の日記 2021年4月4日 午前4時記す>

2021-04-04 10:00
  • 59

 もう解散したので、バックヤードの話を少々しても良いだろうと思う。バックヤードの話のが演奏よりも、時間換算して数千倍あるのは言うまでもない。僕はステージ上でオルガン弾いたり、指揮したり、最近はカウベル叩いたりしているけれども、最も細心の注意を払っているのは実はタイムキープだ(因みにぺぺでも)。

 

 コロナ以前の世界でも「もう、やりたいだけやっちゃいましょうよ」なんて言う粋な計らいをするクラブはなかった。全ての楽団は充てがわれたランニングタイムを遵守しないといけない。

 

 増してやコロナ禍の中では、完全撤収時間が厳格に決められるようになり、「やりたいだけやり切って、尚且つ時間は守る」というライブショー・ビジネスの基本が、さらに厳しいものになった。<会場を借り切って、無観客配信>というのは、僕はやらないが、アレだってさすがに家飲みみたいにはいかないだろう。

 
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他49件のコメントを表示
userPhoto 菊地成孔(著者)

>>44

LUCKY様

あの番組まだミラーボールズ使ってるんですね笑、知らなかったです笑。

人生は素晴らしいです。いろんなことがあるからです。今後ともヨロシクお願いします!

No.51 44ヶ月前

菊地様

解散ライブ、ありがとうございました。
お伝えしたい言葉は色々と浮かぶのですが、今ここで活字にし書き込める自信がありません。
単純な感想としては、2007年の解散ライブで、サークルラインからハードコアピースへの展開で、胸が掻きむしられクソ絶頂な体験をしてから、ずっとそれを凌駕する体験を欲してきましたが、まさかその100万倍の体験を同じバンドの解散ライブで体験すると思わなかったことにつきます。ありがとうございました。ポリリズムについて、劣等感、理解、快楽を教えてくれたのはdcprgです。

No.52 44ヶ月前

解散ライブありがとうございました。長い旅路の果てに合流できた幸運に感謝します。僕は10数年間共に旅をさせていただいたのですが、2019年からは妻も合流し(Blaze公演のときはまだ夫婦ではなかったですが…今回ふたりでパンTシャツで行きました笑)、共にミラーボールを回せたことは、我々にとっても一生忘れない記憶になりました。
僕の思い出話をさせていただくと、DateCoursePentagonRoyalGardenとの出会いはStain'Aliveがリリースされる少し前に、当時交流があった方にDCPRG3/GRPCD2のライブ盤をコピーしたCD-Rをいただいたことがきっかけでした。当時なんかよくわかんないとんでもないものをもらったな…と思ったことを今でもよく覚えています。でも、不思議と惹かれるものがあり、よくわからないと思いながらも10数年の旅路を共にさせていただくことができました。
解散ライブでの前口上を聞きながら、あぁ、そうだった、DCPRGのライブ前に菊地さんがサイトにアップする文章が好きだったんだと思い出しました。特に印象に残っているのが、恵比寿リキッドの時かな?吉本ばななさんが文章中に登場していたと記憶しています。言葉は違えども、結局菊地さんが音楽と共に伝えたいことはきっと変わっていないんだろうなぁと感じ、少し目頭が熱くなるのを感じていました。
このような時代にあって、最近は以前に比べ愛や人間にとって根源的なもの、そして継承、伝えることについて僕個人としても考えるようになりました。
解散ライブからの帰り道、妻と話していたことは、なんでもいいから音楽はしていこう!ということでした。みんなが思ってるよりずーっとカンタンだって誰かが言ってたし。
演奏も今よりできるようになって、菊地さんの学校ができたら合流したいものです。これからの活動も東京から少し離れたところから応援させていただきます。

No.53 44ヶ月前
userPhoto 菊地成孔(著者)

>>45

 伊澤様

 その人にとって、最初のダンスミュージックが何だったか?と言うのは、最初の恋愛提唱が誰だったか?と並んで、極論的にはその人の人生を支配します。また、その反極には、「最初のダンスミュージョックは何だって良い」と言う反極論が待っています。伊澤さんの最初のダンスミュージックが何だったかはうかがい知れませんが、我々のライブの中の、特に打楽器のソロに強く反応されるのは、プリミティヴに対してダイレクトであると言うことで、非常にダンス腰が強いと思います。ファイナルズは現在、活動を自粛しており、ODは放浪の旅に出ていますが笑、彼らのようなプリミティヴィティの低い音楽でも踊り狂っていただけることを楽しみにしております。

No.54 44ヶ月前
userPhoto 菊地成孔(著者)

>>46

 永劫と訳されるアイオーン(以下、「イーオン」)ですが、ここでは時間概念の1つとして扱っています。

 時間は「クロノス(共有時間=時計の時間。年月日等々)」「カイロス(主観時間=「そろそろ10分経ったかな?」「え?もう1時間経ってたの?」といった時間)」のバイリージョンだと思われがちですが、第三の時間リージョンとして「発生時間=イーオン」があります。

 発生時間について詳述すると、更に話がわからなくなる可能性があるので笑、極めて大雑把に、音楽におけるそれに特化して説明すると、音楽は時間芸術で、大抵クロノス性を持っているので、つまり、体感できやすい時間を持っています。リズムですね(打楽器とか、そういう意味ではなく、音楽はほとんどリズムを持っています)。

 なので、その曲の演奏が始まる前の視点に立つと、それがどんな音楽でも、開始された瞬間には時間が発生します。ものすごい新鮮さがありますよね。曲が始まった瞬間は。

 ただ、モノリズミックな音楽は、開始早々はイーオンのフレッシュネスがありますが、あっという間にそれはクロノス、やがてカイロスに回収されます。テクノやミニマルみたいなものは、それ(イーオンがカイロスに変換されて、聞き手が自らのない世界に耽る効果)を使って、聞き手が自己沈潜し、カイロス時間をも超えた、忘我の状況、一種のサイケデリアを起こさせようというもk的があるでしょうし、集団的なフリージャズも、あれは踊らせないので、物理的な意味での「場」の状況の感得が目的格になります。

 ポップスなどでは、歌詞の内容や、編曲上の展開、というのは、イーオンの保持を無意識的に目的化しているとも言い換えることができます。

 我々はイーオンの不断を目的としており、その手法としてクロスリズム、ポリリズムを全楽曲に、作曲の段階で組み込んであります。

 単純な話、発生した時間が4拍子と5拍子をあらかじめ持つ。というのは、立ち上がった瞬間の新政権が社会主義であると共に自由主義だったり、キスした瞬間の恋人が二重人格だったりするのと似ていて、発生性とクロノス非回収性が非常に高いです。

 更に我々は、演奏者が常にポリリズミックアプローチを仕掛けるようにマナー設定されているので、大人数が、どこでどうやって、どんな形のポリリズムを発生させるか予想ががつかないと同時に、途切れません。僕のオルガンとカウベルは、「この形でポリを出してくれ」という、一種の指標を示していて、暗号のようにメンバーに伝達されます。

 こうして、演奏中には不断にポリリズムが仕掛けられますので、つまり演奏開始によって発生した時間がクロノスやカイロスに回収される事を防ぎ(回収は悪ではないですが)、つまり「忘我」という自己沈潜さえ許さずに、演奏中の発生時間に従って新鮮さが凍結されたままダンス衝動につながるように我々は演奏しています。

 その構造的な極点が「キャッチ22」です。あれはマルチBPMですので、クロスリズムから発生するポリリズムのリージョンを超えています。軸となるBPMがメンバー数(11)あるので、11通りのBPMがある。ということとも違います。あれは極限値のポリリズムで、1対他の関係が、非常に大雑把に、最低でも1対10の累乗分あります。具体的にいうと、聞き手がドラムスの片方を軸に置いたとして、ドラムスとベースの関係、ドラムスとギターの関係、それらのネットワークされた諸関係、が聞こえます。

 更に、「キャッチ22」では、一回始まった演奏を中断し、完全な無音にして、もう一回リスタートさせることも使っています(他の曲では使っていません)。これは、冒頭にある「演奏開始時がもっともイーオンの発生量が高い」という事実を、何度も繰り返すことなので、えげつないイーオンへの追求ということになります。

 イーオン時間とダンス衝動が結びつく快楽が何をもたらすか?という問いについては、難しすぎて説明できませんが、僕はそれが、それまでのダンスミュージックが持っていたリラックやエクスタシー、忘我のサイケデリアとは全く別の精神的、肉体的効用を持っていると思っています。つまりイーオンの監督は、厳しい修行によって手に入る、難解な悟りとか、特殊な感受性とかではなく、我々の演奏に熱狂している方は全員感得していることなので、あなたも感得されています。ご理解いただけましたでしょうか?

No.55 44ヶ月前
userPhoto 菊地成孔(著者)

>>47

 バウハウスはそうですね、ペン大と違って、入試を厳しくしたいと思っていますので笑、ご精進ください笑

No.56 44ヶ月前
userPhoto 菊地成孔(著者)

>>48

 基本的に、ライブ版の編集は全部やっています。ただ、表記がインパルス! / ユニバーサル盤の時に、ちゃんとやろう。ということになった記憶がありますね。なので、(のちに詳述しますが)「7枚組ラストボックス」には一切編集の手入れていませんし、リテイクのオーヴァーダビングも一切していません。ライブで体感したまま。になっています。

 そして、おっしゃる通り、「スタジオ盤以上にライブ盤はミックスが難しい」です笑。ただ、「コツ」のようなものはなく、「聴きたい音」になるまでトライするしかありません。我々の場合は「ベースとキックとジャンベの低音、つまり低域の管理と維持」が常に問題になってきます。人間は高音の打点が多いのは咀嚼しますが、低音の打点が多いのは咀嚼しないので。

No.57 44ヶ月前
userPhoto 菊地成孔(著者)

>>49

 ありがとうございます!「モダンポリリズム講義」を全部見ていただくと、かなりの量、DC/PRGの楽曲の分析を行っていますので、まずはそちらをご覧いただけると良いと思います。

 とまれ「全曲解説」とかは大仕事になってしまうので笑、「ポップアナリーゼ / セカンドリローデッド」を初めて、自分の曲とか、藤井風の曲とか笑、リクエストを取って、多かった曲をやろうかな?と思っています。

No.58 44ヶ月前
userPhoto 菊地成孔(著者)

>>52

 ありがとうございます。我々が活動を始めた時、リスナーにポリリズムやクロスリズムのリテラシーはなく、それに関わる揺らぎについても無く、我々は全く理解されませんでした。「キャッチ22」はフリージャズで、プロの評論家までもが「じゃがたら(というバンドがあったんです)の影響」とか「渋さ知らズとの同時代性」とか、「オーネットのプライムタイム(というバンドがあったんです)のマネ」とか言ってました笑。ファイナルズをピチカートファイヴだとか東京事変とかいうアマチュアのレヴェルですね笑。

 その後、世界中の音楽がポリリズムやクロスリズムを標準装備としだすだろう。と僕は思っていて、ライブごとにオーディエンスのリテラシーの高さを感じ取っていましたところ、その通りになりました。特に、ニューチャプター組のジャズやヒップホップが、分析対象にされる強い力があったおかげで、だいぶ助かりました。また、僕自身も「モダンポリリズム講義」を編んで、実際に教える、という草の根運動もやってまして笑、その功も奏したかな、と思っています。

 劣等感は抱く必要ないと思いますが笑、理解が快楽をsyぷじさせたのであれば、それは最高です。今後も、あらゆる音楽をその耳で聞いてみてください!

No.59 44ヶ月前
userPhoto 菊地成孔(著者)

>>53

 ありがとうございます!音楽はみなさんが思っているより、はるかに簡単です。是非、演奏することで、世界の環境を良くしてください。僕の伝えたいことは、ティポグラフィカとグラウンドゼロが解散して以降は、ずっと1つだけです。それは、愛であって、音楽と人が愛でまぐわう事ですね。

No.60 44ヶ月前
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