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ほぼ週刊若者論テキストマイニング 第8回:コミティア新刊『「新しい生き方」は誰のため?』サンプル(古市憲寿)
2014-11-28 14:40ほぼ週刊若者論テキストマイニング第8回:コミティア新刊『「新しい生き方」は誰のため?』サンプル(古市憲寿)本記事は、2014年11月23日の「コミティア110」にて発行した『「新しい生き方」は誰のため?:統計学から見た若者論・若者向け自己啓発言説の現在――平成日本若者論史12』のサンプルです。現在、Kindle版が配信中です。http://www.amazon.co.jp/dp/B00Q604LUI/1.1 はじめにまえがきでも述べたとおり、本書では、若い世代向けの論説や、あるいは若い世代において支持されているとされている著者の言説を、統計学的な分析によって検討を行い、その位相を明らかにするものである。まず、採り上げる著者は、メディア発の若者論の論客として有名な古市憲寿、そしてインターネット発で若い世代から支持されているとされる論客や、若い世代向けの自己啓発言説を発表している論客として、イ -
ほぼ週刊若者論テキストマイニング 第7回:古市憲寿(第6回)とイケダハヤト(第4回)はどう違うか?
2014-11-11 11:50ほぼ週刊若者論テキストマイニング第7回:古市憲寿(第6回)とイケダハヤト(第4回)はどう違うか?今回のテキストマイニングは、第4回で検討したイケダハヤト氏と、第6回で検討した古市憲寿氏について、その特徴を比較してみたいと思います。使用する辞書データは第6回と同様のものです。第4回のイケダハヤト分析:http://ch.nicovideo.jp/article/ar653978第6回の古市憲寿分析:http://ch.nicovideo.jp/article/ar639643以前、私は「若手論客」と呼ばれる人たちについて、その特徴について「生き方」と「働き方」が売り物になっている、としたことがあります。例えば古市氏については、氏の出世作となった『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社、2011年)においては、古市氏の考える「若者」の生き方について述べた本となりました。そのほか、古市氏には(今回の -
ほぼ週刊若者論テキストマイニング 第6回:古市憲寿『絶望の国の幸福な若者たち』ほか3冊
2014-10-29 18:00ほぼ週刊若者論テキストマイニング第6回:古市憲寿『絶望の国の幸福な若者たち』ほか3冊「サンシャインクリエイション65」(2014年10月26日、池袋・サンシャインシティ)で配布したサークルペーパーを加筆・再構成しております。今回分析したのは、若者論において「若者」代表としての地位を確立してしまっている、社会学者の古市憲寿氏の著作『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社、2011年/書籍1とする)、『僕たちの前途』(講談社、2012年)の文庫版である『働き方は「自分」で決める』(講談社文庫、2014年/書籍2とする)、そして氏の社会時評集である『だから日本はズレている』(新潮新書、2014年/書籍3とする)です。古市氏は、個々に挙げた『絶望の国の幸福な若者たち』において、ロスジェネ的な「苦境に立つ若者」のイメージを逆転させた「幸福な若者」という像を提示して話題になりました。「若者」を「新しさ」と -
ほぼ週刊若者論テキストマイニング 第5回:中川淳一郎『ウェブはバカと暇人のもの』ほか5冊
2014-10-15 19:30「第10回東方紅楼夢」(2014年10月12日、インテックス大阪)で配布したサークルペーパーを編集しております。今回分析するのは、小学館のニュースサイト「NEWSポストセブン」などをはじめとする、ネットニュース編集者である中川淳一郎氏です。中川氏は博報堂を退社後、テレビ雑誌などの編集者を経て、2006年よりニュースサイトの編集者を行っていますが、氏がネットニュースの編集を行う過程で知ったネットの「現実」について述べたのが、今回分析する『ウェブはバカと暇人のもの――現場からのネット敗北宣言』(光文社新書、2009年)であり、ベストセラーになりました。その後中川氏はインターネットにおける「バカ」に関する論考をいくつか刊行しています(そして本稿ではそれを分析します)。私が中川氏の言説に初めて出会ったのは、2009年12月に刊行された『今、ウェブは退化中ですが何か?――クリック無間地獄に落ちた人た -
ほぼ週刊若者論テキストマイニング 第4回:イケダハヤト『年収150万円で僕らは自由に生きていく』ほか3冊
2014-10-08 00:20【当初の予定より変更してお送りします】私がテキストマイニング企画を始めたきっかけですが、『「ヤンキー」論の奇妙な位相――平成日本若者論史9』(仙台コミケ216)でテキストマイニングソフト「KH Coder」に触れてテキストマイニング沼にはまってしまったことが最大の理由です(笑)。ただ、『「若者の右傾化」論を総括する――平成日本若者論史11』(仙台コミケ217/コミックマーケット86)などで香山リカの著書十数冊を分析したことで、次のことに関心を持つようになりました。第一に、言説空間の可視化です。南後由和が指摘するように(南後由和[2010])(ついでに南後の議論を紹介した紅楼夢新刊『天狗組のメディアの世界を覗く旅』でも述べたとおり――ステマ乙)、現代の「文化人」という存在は、それまでの教養主義的なイメージと、現在のメディア環境に適応した大衆主義的なイメージを併存させつつ、出版、テレビ、インタ -
ほぼ週刊若者論テキストマイニング 第2回:北田暁大『嗤う日本の「ナショナリズム」』
2014-09-10 03:301ほぼ週刊若者論テキストマイニング第2回:北田暁大『嗤う日本の「ナショナリズム」』\QRK(急にリクエストが来たので)/いや驚きました。8月31日の「コミティア109」のサークルペーパーで、鈴木謙介氏の『サブカル・ニッポンの新自由主義――既得権批判が若者を追い込む』(ちくま新書、2008年)のテキストマイニングをやる、ということをコミティアの会場に向かう東北新幹線の車内で宣伝したら、なんと過去に私が『おまえが若者を語るな!』(角川Oneテーマ21、2008年)で批判した、社会学者の北田暁大氏からリクエストが来てしまい…。
【訂正】コミティアのサークルペーパーでは、鈴木謙介氏の『サブカル・ニッポンの新自由主義』(ちくま新書、2008年)のテキストマイニングを行っています。若者論本のテキストマイニングは今後も続けていく予定です。 pic.twitter.com/RZU2rPTJ0A
― 後藤和智 -
ほぼ週刊若者論テキストマイニング 第1回:鈴木謙介『サブカル・ニッポンの新自由主義』
2014-09-02 01:40ほぼ週刊若者論テキストマイニング第1回:鈴木謙介『サブカル・ニッポンの新自由主義』ブログコンセプト変更のお知らせ2014年9月より、弊ブロマガ「後藤和智の若者論と統計学っぽいブロマガ」では、「ほぼ週刊若者論テキストマイニング」と称して、若者論に関する単数または複数の本の計量テキスト分析を行っていきます。原則として毎週月曜日~火曜日に更新する予定です。若者論テキストマイニング――鈴木謙介『サブカル・ニッポンの新自由主義』(ちくま新書、2008年)「コミティア109」(8月31日・東京ビッグサイト)のサークルペーパーの転載です。今回は、『「若者の右傾化」論を総括する――平成日本若者論史11』(後藤和智事務所OffLine、2014年/仙台コミケ217)で使おうとして結局使わなかった、鈴木謙介『サブカル・ニッポンの新自由主義――既得権批判が若者を追い込む』(ちくま新書、2008年)を分析してみよ -
第43回:【政策/科学・統計】東京都知事選「論点の論点」――「ポリタス」寄稿記事を分析してみた
2014-02-26 07:00後藤和智の若者論と統計学っぽいブロマガ第43回:【政策/科学・統計】東京都知事選「論点の論点」――「ポリタス」寄稿記事を分析してみた今回は、2014年2月9日に行われた東京都知事選挙に先立って、津田大介氏が主宰する政治系ウェブサイト「ポリタス」(http://politas.jp/)に寄稿された記事89本を分析し、このサイトにおいて何が論じられ、そしてサイトがどのような問題点を抱えていたのかということを統計学の視点から明らかにしてみたいと思います。このサイトには私も「福祉/労働/青少年、そして「選挙」に対する姿勢について」(http://politas.jp/articles/71)という記事を寄稿しており、またメールマガジン『津田大介の「メディアの現場」』でも配信されているのですが、見た感じあまり人気に上ることはなく、ツイッターでの言及数は150程度、フェイスブックでの「いいね!」数も3 -
第41回:【思潮/科学・統計】2014年成人の日社説分析速報
2014-01-25 22:00後藤和智の若者論と統計学っぽいブロマガ第41回:【思潮/科学・統計】2014年成人の日社説分析速報念願の番組の1つに(声は出せませんでしたが)出演できましたよ!1月13日、TBSラジオにて放送の「荻上チキ・Session-22」!同日の番組で、本年の成人の日社説13紙ぶんのレビュー+総評を提供させていただきました。そしてそれをめぐって荻上チキ、飯田泰之、松谷創一郎の各氏が話をしてくださったりといろいろと嬉しい時間を過ごさせていただきました!しかも今回の依頼をいただいたきっかけが、昨年の「杜の奇跡20」で出した同人誌『統計学で解き明かす成人の日社説の変遷――平成日本若者論史5』という、なぜか商業新刊である『「あいつらは自分たちとは違う」という病――不毛な「世代論」からの脱却』(日本図書センター)を差し置いての抜擢であるという。同人誌がきっかけでラジオのコメント提供、というのはかなり珍しいと思 -
第29回:【科学・統計】レビュー系サイト・同人誌のための多変量解析入門(最終回)
2013-09-06 07:30後藤和智の若者論と統計学っぽいブロマガ第29回:【科学・統計】レビュー系サイト・同人誌のための多変量解析入門(最終回:テキストマイニング)この連載企画も最後となります。この連載企画の締めとして、テキストマイニングという手法について解説します。テキストマイニングとは、テキストデータを単語ごとなどに分け、それをもとにして統計解析を行う手法のことです。特に動詞や名詞などの品詞(形態素)ごとに分ける手法を形態素解析と言い、通常のテキストマイニングはこの形態素解析によって得られた手法を元に行うのが一般的です。この連載では、フリーの統計ソフト「R」を使って分析を行ってきましたが、形態素解析もRで可能です。用いるのはフリーの形態素解析ツール「MeCab」と、これをR上で動かせるようにするツール「RMeCab」です。MeCabとRMeCabはそれぞれ次のサイトから取得します。なお、前提としてRをインストー
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