結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2018年3月20日 Vol.312
はじめに
結城浩です。
いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
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《サイン本無料プレゼント》の話。
『数学ガール/ポアンカレ予想』が2018年4月に刊行予定です。
刊行を記念し、みなさんの応援に感謝をこめて 《サイン本無料プレゼント》を企画しました。
ぜひ、以下のリンクをお読みの上、ご応募ください!
◆『数学ガール/ポアンカレ予想』《サイン本無料プレゼント》
https://snap.textfile.org/20180314090041/
刊行開始よりも前に抽選を行いますので、 すでに書店さんへご予約なさった方もご応募してくださいね。
ちなみに、いつものパターンですと、 当選確率は数パーセントくらいです。
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『数学ガール/ポアンカレ予想』の話。
「結城メルマガ」執筆中に書影が届きました! 今回の表紙も素敵です!
表紙・イラスト:たなか鮎子さん/ 装丁・デザイン:米谷テツヤさん
実際の刊行準備はどうなっているかといいますと、 現在は結城の手元に再校ゲラが届いている状態。 予定通りなら、今週末に再校読み合わせがあります。 そこまでいったら、 原稿に関しては結城の手をほぼ離れることになります。
ほんとうのラストスパートになります。 ぜひ、応援してくださいね。
◆『数学ガール/ポアンカレ予想』
http://www.hyuki.com/girl/poincare.html
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志望校へ行けなかった話。
質問
大学受験に失敗しました。 正確にいうと、高校三年生の夏前に体調を崩して二〜三ヶ月、 家か病院にこもる生活を余儀なくされ、 秋から復学したのですが、 それでも受験勉強はしばらく体調的にできず、 しかたなく受験校を地元の国立大学に下げました。
高校一年二年ではたくさん勉強し、 青春=勉強になっていたのですが結局志望校には行けず、 自分が積み上げた努力がすべて崩れたようでつらいですし、 友達のかつて僕の志望校だった大学の合格を聞くたびに、 友を妬むという醜い自分もいて自分が嫌です。
過去の挫折を断ち切り心機一転、 新しく勉強に取り組むにはどうすればいいでしょうか。
アドバイスお願いします。
回答
体調を崩して志望校に行けなかったとのこと、 それは、本当に本当につらいことだと思います。 お察しいたします。
そんな中で心機一転、 新たな気持ちで勉学に向かおうとする態度は、 この上なく立派なことだと心から思います。
残念ながら、つらい気持ちをガラリと変える魔法はありません。 しかし、あなたの強い味方として「時間」がいます。
いまのあなたは、つらい気持ちと、 がんばろうという気持ちを持っています。 その両方の気持ちが長い時間を掛けて 「あなた」という一つの人格の中で熟成されていくなら、 それを通して、
現在のつらさを通らなければ、
決して手に入らなかった「あなた」
を手に入れることができるのです。
挫折を断ち切って進もうとするのも大事です。 しかし、あなたが「いま」をしっかり受け止め、 その上で進むなら、 現在のあなたには挫折にしか見えないことが、 未来のあなたには違う意味を持ってくるかもしれません。
受験ではありませんでしたが、 私自身も挫折したことがあります。 何十年も前の話です。 その頃を現在から振り返ると、
あの経験がなかったら、
現在の私もなかった。
と思います。
もちろん、その当時はそんなふうには絶対に思えなかった。 達観することはできなかった。できるわけがありません。 つらい状況を通過している真っ最中には無理です。
しかし、 挫折でこの上なくつらい気持ちを通過した後、 その挫折の意味を変えてくれるのが「時間」です。
つらさも、くやしさも、ねたみも、 自負も、希望も、ありとあらゆるものを抱え、 熟成させて、じっくりと足を踏みしめて進んでいきましょう。
つらい中にあっても、 心機一転がんばりたいと考える「あなた」には、 それができます。
「時間」を味方につけて、大きく成長してください。 大変だと思いますが、応援しています。
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それではそろそろ、 今回の結城メルマガを始めましょう。
どうぞ、ごゆっくりお読みください!
目次
- はじめに
- 再発見の発想法 - プレースホルダ
- 学び四態 - 学ぶときの心がけ
- 勉強が得意な生徒と苦手な生徒の違い - 教えるときの心がけ
- 「こうすればいい」とわかっているのに実行に移せない - Q&A
- おわりに
この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。