5cd179bc82f4362f7c9856e766a75a7ab33385c1
プロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回のテーマはWWEのコーチに就任したケンドー・カシンです



<1記事から購入できる連載記事! クリックすると試し読みできます!>

日本のプロレスを変えた「浅井嘉浩」という男

革命戦士・長州力、笑顔でリングを降りる――

追悼・青木篤志さん

望月成晃×小佐野景浩〜空手家がプロレスラーになるまで〜

三銃士、四天王、UWF、邪道…平成のプロレスを変えた5つの勝負


ジャイアント馬場没20年追善興行と飯塚高史引退試合

北尾はなぜ大成しなかったのか■柴田惣一☓小佐野景浩 マスコミ大御所第2弾


柴田惣一☓小佐野景浩 プロレスマスコミ大御所対談「スクープ合戦はガチンコの闘いだった」


多発するプロレスラーのケガを考える


愛すべき元横綱・輪島が戦った全日本プロレスの2年間

全日本プロレスの「うっかり八兵衛」が明かす全日本秘話


プロレスラーが憧れたプロレスラー、マサ斎藤さん


あの日の全日本プロレス、SWSを語ろう■北原光騎×小佐野景浩


最後まで全日本プロレスを愛した馬場元子さん

中邑真輔、棚橋弘至、柴田勝頼……新・闘魂三銃士

最後のムーンサルトプレス……天才・武藤敬司

縁の下の力持ち!! 坂口征二の荒鷲人生

WARからイッテンヨンへ! ライオン・ハート時代のクリス・ジェリコ

「情」で生きる佐々木健介の激烈人生! 

プロレスラーで初めて大臣になった男、馳浩

大森隆男のワイルドな全日本プロレスLOVE 

暴走親方、諏・訪・魔!!

嗚呼、阿修羅・原……修羅ごときそのレスラー人生!!


冬木弘道は「俺はやっぱり死ぬんだな」とニヤリと笑った…

完全無欠のプロレスラー!! ジャンボ鶴田

超獣ブルーザー・ブロディ

【涙のカリスマ】大仁田厚の邪道プロレス人生

“四天王プロレス”の光と影――三沢光晴

癌に勝った絶対王者・小橋建太

“プロレス巨大組織”NWAとは何だったのか?

呪われたIWGPが最高権威になるまで

悲運の闘将ラッシャー木村、耐えぬき続けた人生 

燃える男、アニマル浜口――!!

“天龍番”が感傷に浸れなかった天龍源一郎引退試合

全日本プロレスを二度は裏切れない……」秋山準

馬場死去、三沢離脱……その後の全日本プロレス


ジョー樋口、和田京平…全日本プロレスを支えたレフェリーたち 

我らが英雄ザ・ファンクスの凄み! 

猪木を超えられなかった藤波辰爾――プロレス職人と野心の時代

レスラーの野心が謎を生み出す……SWSに狂わされた男たち!

「俺のほうがUWFより強い!」 誇り高き仮面貴族ミル・マスカラス

プロレス史上最も過酷な闘い! G1クライマックス

『週刊ゴング』の創刊と休刊まで……闘いのゴングはこうして鳴った!

80年代タイガー、90年代ライガー! ジュニアヘビー級の歴史!!

“リングの現実”に殉じたNOAHの栄枯必衰

昭和のプロレスを支えた影の実力者! さらば永源遥――!!

史上最も愛されたヒール! 黒い呪術師アブドーラ・ザ・ブッチャー

輪島、北尾、曙……プロレスラーになった横綱たち!!

全日本プロレスのすべてを知る男、渕正信

鈴木みのるを変えた“全日本プロレスイズム”

高山善廣が「帝王」と呼ばれるまで

「プロレス取材の難しさ」

一寸先はハプニング人生! アントニオ猪木!!

オシャレでスマートな昭和の頑固親父! グレート小鹿



――
小佐野さん!本題に入る前に今年のG1クライマックスは何大会くらい観戦されたんですか?

小佐野 大田区体育館、後楽園ホール……4大会は現場に行ったかな。G1は日本全国を回ってやってるし、すべて現地で見るのは大変だよね。なにしろ今年の開幕戦はテキサス州ダラスだったしね(笑)。

――
ワールドワイドなイベントになっちゃいましたね(笑)。

小佐野
 G1の結果だけしか確認してないと星取表はどの選手も似たような点数だから、いろいろと言いたがる人も出てくると思うんだけど、みんな凄い試合をやってるんだよね。シングルマッチの連戦が続くわけでしょ。よくまあこんなに過酷なシリーズを乗り越えたよなあって。

――
どの試合も配信もされて注目度が高いですからヘタな試合はできないですよね。

小佐野
 いまの新日本で手なんか抜いたら、あっという間に置いていかれちゃうからね。今回初優勝し
た飯伏(幸太)なんて開幕戦で足をやっちゃってるし、オスプレイだって2戦目のあとに首に痺れがきちゃって途中欠場の可能性もあったけど、それでも最後まで完走したからね。

――
心・体・技が整ったプロレスラーじゃないとG1は乗り切れないってことですね。

小佐野
 大変だと思うよ。いまのG1のイメージって、全日本の四天王プロレス時代のチャンピオンカーニバルに近いのかな。三沢光晴、川田利明、小橋健太、田上明だけじゃなくて、スタン・ハンセンやスティーブ・ウイリアムスの外国人レスラーたちも充実していて。あのときもみんなヒーヒー言いながら戦っていたよね。

――
いまの新日本は四天王プロレスとはスタイルは異なりますけど、ハイレベルなことをやってますもんね。KENTAも日本マット復帰後がこんな過酷なシリーズを乗り切って。

小佐野
 しばらく休んでいたわけだからね。本当によく乗り切ったと思う。あといまの新日本の何が強いって選手層が厚すぎることだよ。今回G1不出場だった鈴木みのるは4試合目くらいに出ていたし、G1の最終日なんて40人以上も試合に出てるわけだから。他の団体はちょっと太刀打ちできないよ。

――
G1が終わったと思ったらJ-CUPがアメリカで開催されて。

小佐野
 その次はイギリスでオカダ・カズチカvs鈴木みのるのIWGP タイトルマッチがあるでしょう。鈴木みのるはイギリスでもチャンピオン(RPWブリティッシュ・ヘビー級&タッグ王座)だったけど、日本でやっている流れをそのままイギリスに持っていくわけだから。あくまで日本がベースだけど、いまの新日本はどこの国でやるかはそこまで重要じゃなくなってるのかもしれないよね。

――
それにどの団体の流れも早いから情報量が多すぎて追いつかないですよね。

小佐野
 だから行ける会場はなるべく行くようにしてるんだけど、ちょっと見逃すとわかんなくなっちゃうから。いまは本当に団体が多いからねぇ。すべての団体をフォローできているマスコミはいないよね、たぶん。

――
どの団体も扱う媒体はあるんでしょうけど、個人は難しいでしょうねぇ。

小佐野
 それは私が週刊誌をやっていた時代からそうなんだけどね。『週刊ゴング』が創刊した84年のときに全日本プロレス担当記者になったけど、行けるときは新日本の会場には顔を出して。 でも、当時は新日本と全日本の2団体時代だからできた話なんだけどね。

――
90年代に入っちゃうと多団体時代に突入しちゃいますもんね。

小佐野
 いまなんてスポーツ新聞のプロレス担当記者が新しく来ると戸惑ってるもんね。いろんな団体があってどれも違うから(笑)。
だからプロレス大賞なんかも困っちゃうだろうね。全部の団体をちゃんと見ることは物理的に無可能だから。

――
プロレス大賞から漏れちゃうケースも出てくるわけですね。

小佐野
 今年はドラゴンゲートをちゃんと見てるようにはしてるんだけどね。解説の仕事をやっている全日本でさえ流れが早いからけっこう大変。地方でタイトルマッチをやること多いから、どこで防衛戦をやったとか詳細を把握するのはあたりまえとして、先日ボディガーがベルトを巻いて入場してきたんですよ。何日か前に大日本プロレスの大阪大会でBJWタッグ王座を獲ったんだけど、アナウンサーに聞かれて答えに詰まっちゃったもんね。「……これなんのベルトだっけ?」って。

――
他団体の動きも押さえなきゃいけないと(笑)。

小佐野
 全日本の選手は他団体に出ることが多いし、逆に他団体選手が参戦することも多いでしょ。この前も全日本のジュニアタッグリーグにドラゲーのヨースケ♡サンタマリアが参戦したときはマリアの技をとにかく覚えなきゃならないと。 たとえば鉄柱越しの場外プランチャーは「上からマリア」なんですよ(笑)。

――
全女中継でアナウンサーの志生野(温夫)さんがどんな技でも「投げたー!」とか一括して実況してましたけど、そんなわけにはいかないと(笑)。

小佐野
 いろいろと勉強になりますね(笑)。

――
さて、今月のテーマはWWEパフォーマンスセンターのコーチに電撃就任したケンドー・カシン(石澤常光)です。

小佐野 今年に入ってからNXTの新人育成コーチを臨時でやっていただけど、今回正式に契約したということだね。しかし、凄いよね、イッシーは。不思議な人生を送ってるよ。

――
自由気ままにプロレス界を泳いでますよね(笑)。

小佐野
 私が彼に初めて会ったのは新日本プロレス入団記者会見。その頃の『週刊ゴング』の新日本担当はGK金沢くんだったんだけど、たしか金沢くんが他の取材で行けなくて、私がピンチヒッターだったんですよ。

――
石澤常光は新日本のレスリング部門・闘魂クラブ所属だったんですよね。

小佐野
 彼は闘魂クラブの第1号だからね。馳浩はイッシーが欲しくて闘魂クラブを作ったんだから。
イッシーはレスリングでオリンピックを目指していて、その時点ではまだプロレスラーになるつもりはなかったけど、新日本の社員として働きながらオリンピックを目指すと。そのあとに中西学も闘魂クラブに入ってきてね。

――
犬猿の仲の2人ですね(笑)。この関係もどこまで本当に仲が悪いのかが伝わりづらくって。

小佐野
 本当にダメなんだよ。本当に関係は悪い。

――
仲のいい時期もあったんですか?

小佐野
 ない。

――
断言!(笑)。

小佐野
 以前永田裕志、中西学、藤田和之と「チームJAPAN」というユニットを結成したででしょ。あのときは大人の姿勢でやっていたけど、基本的にはダメだね。

――カシンvs中西のエピソードで一番面白かったのは、中西さんの結婚式にカシンが代理人として中西さんとなんの接点もない人間を送り込んだあげく、ご祝儀が縁起でもない数字の4万円だったことですね。中西さんは現金書留で送り返したそうですけど(笑)。

小佐野
 ハハハハハハハ。ちょうどいまから1年前に天龍さんとカシンのトークショーの司会をやったんだけど。天龍プロジェクトの紋奈代表が大のカシンファンだったこともあって組まれた企画でね。2人が控室で「新日本時代最後に会ったのはいつか」という話をしていて。天龍さんが「あのとき中西がいて……」と言ったら「じゃあボクはいませんね!」って食い気味にキッパリと否定していたね(笑)。

――
あの中西学と一緒にいるわけがないと(笑)。

小佐野
 もともとカシンのほうが一方的に中西を嫌っていて。人間って嫌われれば嫌いになるから中西もイヤになったんだろうね。

――
ネタなのか本気なのかわかりづらいどころってありますよね。

小佐野
 ケンドー・カシンという摩訶不思議なマスクマンのキャラクターと、素顔の石澤常光の頑固さがないまぜになってるから、いろいろと伝わりづらいんだろうね。若手の頃も素直な人だったけど、頑固なところもあって。海外修行に行くことが決まったときかな。「よかったね。帰ってきたらメインイベントだね」と軽く言ったら「いや、ボクは第1試合に誇りを持ってますから」と。固く言ってきたわけじゃないけんだけどね。

――
もともとプロレスファンだったんですよね。

小佐野
 ルチャリブレが好きだったり、昔の『ゴング』も読んでいたり。2016年10月の大仁田厚の引退試合の対戦相手だったでしょ。そのときに着てきたオリジナル Tシャツの表は『ゴング』の表紙、裏は『ゴング』の記事というやつで。

――
カシンはいろんなネタTシャツを作ってきますよね(笑)。

小佐野
 私はそのとき解説だったんだけど、しゃべる時間がなかったから言わなかったんだけど、永田裕志が子供の頃に「大仁田厚、頑張れ!」というハガキをゴングメイトに送ったその記事がTシャツの裏にプリントアウトされてる。表紙はそのときの『ゴング』なんですよ(笑)。

――
マニアックすぎますよ!(笑)。

小佐野
 そんなの『ゴング』を編集している人間にしか気がつかないんだけどね。永田は「それだけは言わないでくれ」というのにわざわざTシャツにしてくる(笑)。

――
相手が嫌がる過去を引っ張り出してきますよね。
この続きと、朝倉海、ケンドー・カシン、ボクシング解放、狂気GCW、AEWベルト盗難などの記事が550円(税込み)でまとめて読める「13万字・記事23本の詰め合わせセット」はコチラ 

https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1817475

この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事85円から購入できます!