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上杉隆の「ニッポンの問題点」【ひとを幸福にしない記憶力】
2022-10-24 19:30385ptいったい記憶力の良さというものは人を不幸にしかしない。
突出した記憶力を持ち、秀才の集まる東京大学出身の中でも群を抜いた天才
といわれた鳩山邦夫氏。その鳩山氏に仕えた5年間の秘書時代は、厳しい時
代ではあったが、知的には幸福な期間だった。
「君は、オレと少し同じだからわかる。その記憶力は人間関係において君を
不幸にすることが多いぞ。普通のつもりでも理解されない。苦しいぞ」
鳩山事務所に入った最初の3年間は、自宅か事務所に泊まり込み、年間の休
日日数はゼロ。最初に休みをもらったのは父の急死した翌日、葬式の準備の
ためだった。
その間の2年半、出勤時刻は6時、終業時刻は24時すぎごろ(事務所クローズ
の定刻は23時)。ただ、その時間に終業したことはなく、土・日・祝日も、
お盆も正月もないため、
そのため、途中から随行秘書となった私は、一日24時間のうちの実に寝てい
る時間以外(といっても、軽井沢などの別荘や地方出張だと幽霊嫌いの邦夫
氏の命令で同部屋に寝かされる)は、車の中も、食事の時も、他の政治家と
の会食も、党の会合も、家族と過ごす休日も、研究対象の蝶々採集の時もす
べて、ふたりでの行動となっていた。
「さっきも君は、○○たち(同僚秘書)はわざと覚えていないふりをしてい
ると思って、彼らを責めただろう。(はい)。だがな、残念ながら、彼らは
本当に覚えていないんだよ。そして、それが普通だ。いいか、忘れるなよ、
君の方が異常なんだ」
鳩山氏の記憶力は驚異的だ。高校時代、現役生にも関わらず、駿台の全国模
試で連続一位を取り続け、ほとんど受験勉強をすることなしに一校だけ受け
た東京大学にストレートで合格した。私も自分では記憶力(=日本では頭)
が良いと小さいころから言われ続けてきたが、鳩山氏のそれには到底及ばな
い。
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上杉隆の「ニッポンの問題点」【核戦争の引き金】クリミア大橋爆破でプーチンはどうするのか?
2022-10-12 21:00385pt10月8日早朝、巨大な火炎とともにクリミア大橋(ケルチ海峡大橋)の一部が崩れ落ちた。全長19キロメートル、ロシア本土とクリミア半島を結ぶ要衝の橋である。巨大な爆発は、橋桁を吹き飛ばし、走行していた貨物列車を炎上させ、少なくとも3名の命を奪った。
10月7日、この日はプーチン大統領の70回目の誕生日であった。BBCによると、ロシアの独裁者のもとにも高価で前例のないプレゼントが贈られたようだ。
タジキスタンからはメロンの山、ベラルーシからは最新型トラクター、そして、戦火を交えるウクライナからのプレゼントだけは異質だった。翌早朝「プーチンの愛する橋(クリミア大橋)の爆破」という祝砲が届けられたのだ。
Ukraine war: Vladimir Putin gets a tractor for his 70th birthday Gifts for Russia's embattled president include a tractor from www.bbc.com
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上杉隆の「ニッポンの問題点」【五輪汚職】検察の反撃(3)「ステーキ店に関心を示すフランス当局」狙いは……】
2022-10-06 21:20385pt国葬が終われば、東京地検特捜部は最後の仕上げに動くだろう。
なにしろ特捜部の悲願は1976年以来の首相級の逮捕だ。当然、狙いはスポーツ(体育)利権のドンである森喜朗元首相だ。
国葬の日、大広ルートで新たに逮捕者が出た。高橋治之容疑者も三度目の逮捕となり、これで20日間(延長含む)の拘留は確定的になった。
大阪に本社がある大広は博報堂の100%小会社である。ちなみに、博報堂DYの「D」は大広、「Y」は読広のそれぞれ頭文字で、巨人・電通に対抗するスポーツ部門の強化のために作られた広告代理店の連合体である。
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