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記事 7件
  • NO BORDER社長のある一日

    2013-05-29 08:00  
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    きょうも騒がしい朝だった。ここ数か月間、私の朝はいつもこんな調子で始まる。昨年7月、メディアカンパニー「NOBORDER」を立ち上げ、とくに今年4月、本格的に事業をスタートさせてからは連日こんな調子である。昨夜ベッドに入ったのも午前3時を過ぎていた。その前の日は車の中で寝ていた。その前も車の中だ。首から背中にかけて走る鈍痛はこのためだろうか。さて、きのうは日曜日だというのに、朝8時からからスタッフの自宅を訪れ、奥さんの作ったサラダとパンを頬張りながら、先週の「失敗」の洗い出し、お互いの作業確認、そして、今週すべきウェブ統合などの事業の打ち合わせを行っていたのだ。2時間の予定だった打ち合わせが4時間近くにも及んでいることに気付いたのは、私の次の予定を知らせるアラームが鳴ったからだった。前日、電話で1時間18分も怒鳴りあったからだろうか、スタッフとの話し合いそのものは静かに進んだ。そしてそのスタッフの家からさほど遠くない鮫洲の免許センターに更新手続きに向かった。右折禁止の反則があったため、2時間の講習である。講習の中で、福岡でこども3人が亡くなった橋の上の飲酒追突事故で、20年の実刑判決が下り、服役中であることを初めて知った。飲酒運転の罰則が強化され、行政や社会が違反者に厳しい対応で臨むことに異論はない。愛しいわが子をいっぺんに3人も失った父母の気持ちを思えば、数億円という示談金も頷ける。そんなことを考えながら教官の話を聞いていて浮かんだのは、若くしてバイク事故で命を落とした同級生Hの顔だった。 
  • トマトスープ理論 ハフポスト日本版の問題点(3)

    2013-05-15 08:00  
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    ハフポスト日本版がジャーナリズムではなく、単なるメディアを目指しているのならば、私たちは何も言うべきことはないだろう。 5月7日のトップ記事をみると、ハフポスト日本版の哀しい方針が見える。 〈安倍首相、ハフィントンポスト参加へ 安倍晋三首相がハフィントンポスト日本版にブロガーとして参加することが5月9日、決まりました。 安倍首相は同日午後、ハフィントンポスト米国本国版の創立者のアリアナ・ハフィントンと首相官邸で会談。日本が抱える様々な問題について議論を重ねた結果、ブロガー参加を快諾しました〉 安倍首相がブロガーとして寄稿する。そのことが問題とするのではない。元祖ハフポストも確かにそうやって大きくなってきた。 だが、まだカテゴリータグが4つしか存在せず(政治・経済・国際・社会)、執筆者も「ブロゴス」や「ヤフーニュース」と変わり映えのない人々を並べているだけの新鮮なはずのニュースサイトが、現職の最高権力者の投稿を嬉々として喧伝しているセンスを、私はどうしても理解できない。 ハフポストは、その設立からしてすでにジャーナリズム精神を捨ててしまったと誤解されてもいいのだろうか。
  • ハフィントンポスト日本版の問題点(2)

    2013-05-13 08:00  
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    ハフィントンポスト日本版の問題点はまだある。 朝日新聞がハフポストと提携した時点で、他の主要媒体、たとえばNHKや日経新聞の記者やジャーナリストは参加に二の足を踏むことになってしまった。 権威好きで、なんでも欲しがる朝日新聞の上層部の悪い癖がここでも出てしまったのだろう。 4年前、私は朝日の同じ幹部にハフポストなど米国のメディア事情を語った。その際の彼らの反応は無反応ではなく、ネットメディアに対する強烈な敵意だった。 ハフィントンポストのサイトを見せながらの説明中、忘れもしない彼らが吐いた言葉は次のようなものだった。
  • ハフポスト日本版に待ち受ける問題点(1)

    2013-05-12 08:00  
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    5月7日、予定通りハフィントンポスト日本版がローンチイベントを行なってスタートした。 最近多用されているローンチという言葉を使うあたり、新しさを感じる向きもあるかもしれないが、私はそうは思わない。 というのも、ハフポスト日本版のスタートがあまりに予想通りの問題点を孕んだまま、なんらそれらを解決せずに船出したことで、初めから暗雲の立ち込めているのが明らかだからである。 別に産まれたばかりのハフポストをくさそうというわけではない。新しいメディアの誕生は、閉塞した日本の言論空間に変化をもたらす意味で少なからず貢献するはずだ。 ただ、指摘しておきたいのは、今回の朝日新聞との提携自体はあまりプラスにはならないだろうということだ。 せっかくならば、ハフィントンの精神を活かした日本進出を行えばよかったのにとつくづく思う。きっとそれは、米国のメディア事情を知っている者であるならば共通した意見であろう。 ひとつの結論を言えば、今回のハフポスト日本版の誕生の裏には、朝日新聞幹部による、朝日新聞幹部のためのどうでもいい面子争いがある。 前社長の吉田慎一氏時代に決まったこの無意味で、古びた提携戦略は、木村伊量社長になっても見直されることなく、生煮えのまま突っ込んでいってしまった。 確かに朝日新聞はここ数年、ネットメディアへの進出を目論み、ツイッターやネットに詳しいという専門家やジャーナリストを呼んでアドバイスを受けていたのだが、まさしく今回はそれが問題の遠因となってしまったようだ。 仮に日本のネット界ではなく、米国のメディア事情に詳しい者ならば、ハフィントンポストが特定のメディア(朝日新聞)と組んだ時点で疑問を抱くことだろう。つまり、それは、多様性を重視するはずのハフポストの存在意義を、自ら否定することにつながるからに他ならない。 だが、その最初の具体的な矛盾すら乗り越えられずにハフポスト日本版はローンチしてしまった。
  • 安倍政権、誰がスピンをかけているのか?

    2013-05-10 12:00  
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    昨夜(5月8日)「日本構想フォーラム」波頭亮・主宰)があった。 ゲストは慶応大学ビジネススクール准教授の小幡績氏。キーノートスピーチのテーマは「アベノミクスからクロダノミクスへ 異次元の世界」、政府の金融政策を「アベノミクス」と「クロダノミクス」に分けている点が興味深い。 といいつつも、実は、私自身は東京FM『タイムライン』の出演があったため遅刻、小幡さんの話を聞いていない。その後の質疑応答の中で探り得たものだ。 すべてを超越したクロダノミクスによる市場の制圧は国債市場を混乱させ、不安定するだろうという指摘は納得のいくものだった。 私は鎮痛剤にも抗する痛みと闘いながらも、中央銀行による市場の制圧は歴史的にあったのだろうか、などと考えていた。 それを小幡さんに質問するのを忘れさせてしまったのは、フォーラムメンバーで新著『不格好経営 チームDeNAの挑戦』(日本経済新聞社)を出したばかりの南場智子さんの次の発言だった。 「安倍政権の戦略(スピン)は誰が考えているのかしら?」 政権のメディア戦略(スピンコントロール)は私の追ってきたテーマでもある。だが、南場さんの質問に答えられない。 その理由は二つある。
  • 猪瀬都知事とNYタイムズ 東京五輪招致の大きなミス

    2013-05-02 08:00  
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    2020年夏季五輪の東京招致活動において、東京都は大きなミスを犯してしまったようだ。 4月26日、ニューヨークタイムズはケン・ベルソン記者の署名原稿を掲載し、猪瀬直樹都知事が五輪招致におけるルールを破った可能性のあることを指摘した。 元招致委員のひとりは同じNYタイムズのインタビューに答えて、東京が負ったリスクが小さくないことを表明している。 問題はそれだけではないかもしれない。ライバル都市のイスタンブールに対して、差別的ともとれる発言があったことが招致委員に不快感を与え、招致活動に水を差すことが最大の懸念材料だ。 きのう(4月29日)猪瀬知事はツイッターでこうつぶやいている。 〈NYタイムズ記事の件。「他の立候補都市を批判する意図はまったく無く、このようなインタビューの文脈と異なる記事が出たことは非常に残念だ」コメント全文はFacebookをご覧ください〉 ここまで大きくなった問題をSNSで対応しようとしてもあまり意味はない。政治的に言えば、この時こそ、前都知事時代にフル回転していたメディアスピンを存分に使うべきなのだ。
  • フィフィ攻撃と陰謀論

    2013-05-01 10:12  
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    フィフィが攻撃されているという。その理由のひとつに陰謀論を広めたからだというものがあるようだ。 陰謀論は古くて新しい。最近では米国の世界支配と同時に語られる9・11や人工地震の陰謀論がある。 私自身、陰謀論を採用したことはないし、今後も与するつもりはない。しかし、陰謀論者を否定するつもりはない。 陰謀論は現実を知るチャンスの少ない者、あるいは当事者になりえない者、さらにあるいはジャーナリストであるならば取材の足りない者などがたびたび入り込む陥穽だ。 フィフィがそうだといっているわけではないが、当然ながら、現代でも多くの人々がこのカテゴリーに当てはまる。 情報通信の発達した現代日本でも、各分野で現実を知ることのできない者は、その知識の空白を陰謀という便利な方法によって埋めてしまう傾向にあるものだ。 最近では、テロ事件、TPP支配、原発マフィアなどが米国による陰謀論として語られがちだ。