-
山田玲司のヤングサンデー 【第197号】細田守の「デジモン劇場版」
2018-07-30 07:00220pt━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
うーん・・
漫画の仕事がやばい。
仕事がないのもやばいんだけど、仕事量が多すぎるのも大変。
時間に追われながらの創作ってのは、終わってみると案外「いいもの」になってるんで、そこは心配してないのだけど「キャラクターの人間性」が把握できていない状態で描くのはダメなのよ。
「お前どんなやつ?」ってのが、作者にわかってないのに、その人を描くなんてできるわけがないのよ。
「漫画家がキャラを理解する」というのは、そのキャラが「どんな嘘をついているか」までわかっていて、それをどう誤魔化しているのかまで掴んでないといけないのよー。
そんなわけで、短期間に「キャラクター」を知るのは大変。 -
山田玲司のヤングサンデー 【第196号】ブエノス・アイレス
2018-07-23 07:00220pt19世紀、スペインから独立したアルゼンチンには、ヨーロッパ各国から移民が押し寄せた。
それも裕福な人々ではなく、新天地に夢を抱いた開拓者や、なんらかの事情で祖国にいられなくなった貧民、罪人、娼婦など、「棄民」とも呼ばれる人たちなどが中心となって。
旅客機のない時代、長い船旅を経て彼らが降り立ったのは、大河・ラ・プラタ河沿いの何もなかった平原に、植民都市として作られた当時人口5万人ほどの港町…。
彼らは独立政府と協力して、町を碁盤の目に整備し、南米にありながら最もヨーロッパに近いと言われる美しい都市を作り上げる。
その街こそ、それぞれの祖国へのノスタルジーとルサンチマンをカタチにした“南米のパリ”、アルゼンチンの首都、ブエノス・アイレスだった。 -
山田玲司のヤングサンデー 【第195号】「漫画で戦う」とは何か?
2018-07-16 07:00220pt僕は大学生の頃、付き合っていた彼女とケンカばかりしていた。
あまりに同じようなケンカが続くので、僕は「僕らは毎回このパターンでケンカになってる」という内容の漫画を1話分描いて彼女に読ませた。
口で何度説明してもわかってもらえないから「漫画」で伝えようとしたのだ。
そんな努力も虚しく彼女とは別れる事になるのだけど、今思うとこの時の僕の行動は、漫画家として「正しい」。
「言葉では伝わらないもの」を伝えてくれる力が漫画にはあるのだ。
先週の放送では「エンタメ」と「作家性」についての議論が盛り上がった。
漫画には「楽しませてくれるもの」と「人生を変えてくれる」ものがある。
これは漫画に限らず、映画やドラマや音楽、絵画、小説などにも当てはまる。
僕は「意味もなくくだらないもの」も好きだけれど、本当に探しているのは「自分の常識を変えてくれるもの」だ。
そしてそんなものを作ってみたいと思って生きてきた。 -
山田玲司のヤングサンデー 【第194号】「ミミズ君」とは何か?
2018-07-09 07:00220pt先週の放送の「ピングドラム解説」で、とうとう村上春樹作品の話になった。
村上春樹と言う人は圧倒的に売れる小説家で、しかも「ジャズ」だの「アメリカ文学」だの、やたらとオシャレなスノッブを効かせてくる芸風なもんだからアンチも多い。
主人公は(ほぼ確実に)世の中をバカにしていて、自分はそんな世界とは無関係でいようとする。
排他的で自己完結したその「主人公」は女やネコに逃げられるが、都合良くすぐに「次の女」が現れる。
そんな春樹が「鼻につく」のもわかる。 -
山田玲司のヤングサンデー 【第193号】「ハン・ソロ」嫌いと「サッカー嫌い」の共通点
2018-07-02 07:00220pt
1 / 1