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2014年2月の記事 6件

業務で使えるオープンソース(101)「メッセージ」

振り返ってみると2011年9月のプレミアムの記事として次のインターネットの主戦場としてメッセージを取り上げています。2011年06月にはLINEがリリースされ、2014年02月現在で3.5億人を突破しているとのことです。 2011年当時はメッセージとしてグループメッセージ(チャット)系に注目が集まっていましたが、今はより密なメッセージ交換に人気が集まっています。LINEしかり、先日Facebookに買収されたWhatsApps然りです。 そのような状況化において現在メッセージに求められている技術要件を考えてみたいと思います。 セキュリティ 特にオープンソース・ソフトウェアではそうなのですがセキュリティに対して敏感になっています。NSAの通信傍受の件もあり、自分のメッセージが容易に盗み見られる環境下において、安心して利用するためには十分なセキュリティが施されている必要があります。 また、密なメッセージになればなるほどプライバシーを含んだメッセージがやり取りされるようになりため、その取り扱いには十分な注意が必要と言えます。 バックアップ 個人的な情報をやり取りしているため欠かせないのがバックアップです。特にネット系のサービスは買収されてサービス自体が終わってしまったり、個人データの取り扱いが不透明な場合もありますので自分のデータは自分で管理するように努めないといけません。 バックアップを考えるとオープンソース・ソフトウェアを使うメリットは大きいと思われます。ただし広範囲での利用が難しい場合があるので、利用人数を考えた上で導入する必要があるでしょう。 マルチデバイス/プラットフォーム スマートフォンをメインにはじまったメッセージ系アプリも徐々にPC版、Web版と広がりを見せ始めています。利用スタイルは人それぞれなので、利用できる機器が増えることはそれだけメッセージ量の増大につながるはずです。 Web APIを公開するのは一つの手段になるでしょう。セキュリティに考慮した上で導入しなければならないので注意が必要ですが、OAuth2や2段階認証と同時に導入することでセキュアな運用が可能になるはずです。 テキスト/写真/音声/動画 日本のメッセージ系アプリの大きな収益源になっているのがスタンプで、もはやメッセージ系アプリはテキスト、写真を扱うにとどまっていません。WhatsAppは音声サポートを発表しました。これはもはやインターネット電話の土俵になってきています。 Google+もハングアウトを使って動画チャットが可能になり、メッセージというコンセプトの基に様々なデータが集約されてきています。オンライン上では公開されないデータのトラフィック量はさらに増大する傾向にあるでしょう。  

使えるWebサービス・オープンソース(21)「監視」

今回のテーマは監視です。ファイルの変更監視ではなく、Webサーバやネットワーク、各種サーバサイドサービスの監視ツールを紹介します。 Webサービスを提供しているのであれば、監視は必須と言えます。簡易的な死活監視はもちろん、そのリソースの利用状況を監視することで問題の早期発見と解決ができたり、安定運用に努めることができるようになるでしょう。 Webサービス Cloud Monitoring - Server, App & Website Monitoring by Rackspace Rackspaceの提供するモニタリングサービスで、サーバはRackspace内で管理されていなくとも使えます。APIを使ってカスタマイズしたり、オートスケール(この場合はRackspace内にサーバがないといけないようですが)にも対応しています。 Amazon CloudWatch (リソースとアプリケーションのモニタリング) | アマゾン ウェブ サービス(AWS 日本語) AWS内のサービスであればCloudWatchが使えます。リソースの状況が細かくモニタリングできますので、トラブルシューティングに使ったり、トレンドを掴んで早期対応ができるようになります。また、EC2インスタンスのオートスケールにも対応しています。 海外ではモニタリングをいわゆるXaaS化し、Web APIでカスタマイズできるようにしていますが、日本製のサービスではまだそこまで提供されるものはないようです。 AlertMe | 【無料】サーバー監視 | インターネットセキュリティのセキュアスター GMOによるWebサイトの死活監視サービスです。無料で10ホストまで登録できます。 無料のサーバ監視、ネットワーク監視のことならデータホテルパトロール データホテル(旧ライブドア)によるWebサイトやネットワーク機器の監視するサービスです。ポート監視、DNSレコード監視などが行えるようになっています。  

業務で使えるオープンソース(100)「ナレッジベース」

今回のテーマは「ナレッジベース」です。社内で培われる知識、経験を蓄積することは同じことの繰り返しを防止したり、経験則を振り返ることで別な場面で役立てるといったメリットがあります。 個々人の暗黙知にするのではなく、もっと広く社内の知識を伝搬するためにどういった方法があるか、どういったソフトウェアが活用できるのかを見ていきます。 やり方 手法としては大きく分けて、権威型と現場型の二つに分けて考えられます。前者は質問する人と答える人がはっきり分かれています。そのため適切な答えが得られやすいですが、回答する人が分からない問題に対しては弱かったり、回答する人の負担が大きくなってしまいます。 後者はユーザ同士の相互助け合いになります。幅広い問題に取り組める一方、誰でもできる=誰もやらないになりがちで、回答が得られないこともしばしばです。どちらが自社に合っているか、適切に判断しましょう。 Wiki Wikiは権威型と現場型のミックスと言えます。そのためWikiを導入した当初はナレッジがまとまる、ともてはやされたのですが記法を覚えたりする手間や書くことに対する意義が見いだせずに放置されてしまうケースが多かったようです。 また、この手のナレッジ蓄積に採用されるWikiエンジンは階層化に対応しているものが多く、どのような階層を構築するのがベストか悩んでしまって書き始められないことが多いです。そのため、最初は権威型で階層を切り、その中で決められた人が責任をもって記述するといったスタイルが企業にはマッチしていると思われます。 FAQ/ヘルプデスク 社内FAQもまた浸透しづらいサービスです。権威型の典型であるため、予め質問事項を作る作業が生じます。その手の業務に深く浸透し、熟練している人ですらなかなか初級者、中級者の質問というのは思い浮かばないものです。 もしやるのであれば社内のヘルプデスク、チケットシステムと連携し、その中から良くある質問をピックアップして予め回答しておくという使い方が良いかと思います。いずれにせよ、この仕組みは企業が十分に大きい(社員が1,000人を越えるくらい)でないと回らないでしょう。 Q&A FAQが権威型だったのに対して、Q&Aは現場型で分からない事項に対してだけ回答すれば良いという疑問駆動型のサービスです。そのため回答する側にとっても負担が少なく、導入する企業が多いようです。 問題は得てして質問者が「何を質問すれば良いか分からない」という状態になったり、そもそもの前提知識がなさすぎると言う場合があります。また、過去の回答を見返さないために同じ質問が繰り返しされることで回答者のストレスが増える傾向にあります。 ドキュメント/マニュアル 最低限の知識を貯える上でドキュメント、マニュアルは便利です。例えば無印良品では徹底したマニュアル化が進められており、どの店舗、どの従業員であっても同じ判断が下せるようになっています。 分厚いドキュメントを全て書き上げるというのは作成者にとっても大きな負担であるため、なるべく薄く、カテゴライズするのが良いでしょう。そうすることで更新コストを下げ、必要なところだけ学べるようになります。 SNS 社内SNSはコミュニケーション促進のために導入されるケースが多いので、その中で普段の業務の中で感じている疑問点や問題が解決される可能性があります。ただしコミュニケーションといっても様々な形式があるため、確実にナレッジ蓄積に働くとは限りません。 SNSの導入目的をはっきりさせ、そのための場所であると定義することが必要です。それでいてなお、その通りに進むかどうかは従業員次第といったところでしょう。  

使えるWebサービス・オープンソース(20)「Selenium」

今回のテーマはSeleniumです。Webテストツールとして知られている本ソフトウェアですが、それだけにクラウドでサービス提供しているものも多いです。外部サービスを使うか、ローカルで立てるか、様々なソフトウェアを見比べてみましょう。使い方は人それぞれです。 Webサービス Sauce Labs: Selenium Testing, Mobile Testing, JS Unit Testing and More Selenium/JavaScript/モバイルアプリのテストをクラウド提供するサービスです。JavaScriptのユニットテストを多数のブラウザでテストしてくれるのは便利かも知れません。 Nerrvana - easy Selenium testing in the cloud 予め作成してあるSeleniumのテストコードをアップロードし、定期的に実行させるサービスです。Java/PHP/Python/Ruby/Perlといった言語に対応しています。 Cloud based cross browser, load and performance tests with Selenium | Scaleborn こちらも予め作成してあるコードを実行しますが、その結果レポートがリアルタイムに見られるのが特徴となっています。 Selenium Testing in the cloud - Run your cross browser tests in our online Selenium Grid Appiumを使ってiOSアプリのテストにも対応しています。またVPNを利用することでローカル開発環境にもアクセスできます。  

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著者イメージ

MOONGIFT中津川篤司

1978年生まれ。オープンソース紹介サイト「MOONGIFT」管理人。プログラマ、SE、ITマネージャを経て、オープンソースのビジネス活用を推進する。現在は独立し、Webサービスのコンサルティング、プロデュースを行う。

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