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  • テレビ健康診断 第768回 亀和田 武「涙目で奔走する竹内涼真が最大の魅力」『テセウスの船』TBS系 21:00~(3/22放送終了)

    2020-03-26 05:00  
     元号が変わって間もない平成元年、雪深い北国の音臼(おとうす)村で、小学生ら二十一人が被害に遭う無差別殺人事件がおきた。
     殺人犯として逮捕されたのは、実直な駐在所の警察官、佐野文吾(鈴木亮平)だった。文吾の家族は激しいバッシングを浴び、世間から身を隠して生きる。
     三人姉弟の末っ子が田村心(しん)(竹内涼真)。田村は母、和子(榮倉奈々)の旧姓だ。由紀(上野樹里)という伴侶も得たが、子供を産んだ直後に、彼女は体調を崩して亡くなった。
     父は一貫して無実を主張し、再審を請求している。由紀も文吾のえん罪を確信していたと知り、心はついに事件と向き合う。
     事件現場となった音臼小学校跡地に着くと同時にタイムスリップで、心は事件発生直前の村に転移する。
     父の無実の罪を晴らし、無差別殺人も阻止するため、心は平成元年の寒村で奔走する。真犯人が村のどこかにいる。父の無実をこれまで信じてやれなかった後悔で、いつも目を泣き腫(は)らしている心さん。 
  • テレビ健康診断 第765回 亀和田武「小銭のやり取りの描写でリアリティが増している」『コタキ兄弟と四苦八苦』テレビ東京系 金 24:12~

    2020-03-05 05:00  
     なんて贅沢なドラマなんだろう。『コタキ兄弟と四苦八苦』の主役は古舘寛治と滝藤賢一の二人で、監督は山下敦弘。
     そしてそして、脚本は野木亜紀子である。どんなドラマを手がけてもハズレなし。高度の娯楽性を維持しつつ、さらに視聴者の意表をつく展開を提供する。そんな野木のオリジナル脚本を、テレビ東京の深夜ドラマで観ることが出来るとは、贅沢の極みだ。
     古滝家の兄が古舘で、弟は滝藤。二人の名字の頭をとって「古滝」。こんな内輪っぽいネーミングもどこか楽しい。予備校教師だった兄は堅物で神経質。弟は気ままなプータローだ。
     そんないい加減な奴にかぎって、いい嫁さんと娘がいたりするが、さすがに嫁さんも愛想をつかし、家を叩きだされて、独身の兄の家に転がり込む。 
  • テレビ健康診断 第762回 亀和田 武「明るく一途で健気な主人公がぴたり清原果耶に重なる」『螢草 菜々の剣』NHK総合 土 18:05~

    2020-02-13 05:00  
     時代劇って、いまひとつ興味が湧かなくって。そんな私が、今期のNHK土曜時代ドラマ『螢草 菜々の剣』は楽しく観ている。
     と書くと、勘のいい読者に突っこまれそうだ。オマエのお目当ては、ヒロイン役の清原果耶だな、きっと。バレバレですね。
    『俺の話は長い』で生田斗真の姪、春海(はるみ)を演じた彼女の清々しさと存在感に、ハートをわし掴みにされちゃってね。録画を繰り返し観てるとき、『螢草』放映の朗報を目にした。
     しかし所詮、にわかですから。このドラマが昨年夏に放映されたBS時代劇の再編集版だと知らなかった。でも私同様に初見の人もいると思うので、『螢草』とカヤちゃんの魅力を、じっくり考えましょうよ。 
  • テレビ健康診断 第759回 亀和田 武「黒島結菜が疫病神なんて信じないけどね」『スカーレット』NHK総合 月~土 8:00~

    2020-01-23 05:00  
     ここまで好調をキープしていたNHKの朝ドラ『スカーレット』だが、年が明けた一月の第二週で視聴率が大きくダウンした。
     早速“犯人探し”が始まり、週の半ばから新キャストで登場した松永三津を演じる黒島結菜に疑惑の目が向けられた。
     ヒロイン喜美子(戸田恵梨香)と夫の八郎(松下洸平)が築きあげてきた平穏な家庭に、いきなり尊敬する八郎の弟子になりたいと押しかけ、夫婦の間がギクシャクし始め、視聴者が離れたのではないか、と。
     このところ朝ドラとは、とんと無縁だった私だが、ネットに「黒島結菜は疫病神!?」なんて文字が躍るのを見ると、よし、自分の目で確かめてやろうじゃないかという気になった。 
  • テレビ健康診断 第756回 亀和田 武「2019年に巡りあった『傑作』を超えたドラマ」『俺の話は長い』日本テレビ系 放送終了

    2019-12-26 05:00  
     一年も残すところ僅か、そんな季節に腸(はらわた)よじれるほど笑えて、しかも爽やかな余韻を伝えてよこすドラマに巡りあえるとはね。
     いや、年の初めの『3年A組 今から皆さんは、人質です』に始まり、春は『きのう何食べた?』、夏の『凪のお暇(いとま)』と毎期、傑作ドラマはあった。
     だけどね、『俺の話は長い』って、良く出来たドラマとか、笑えて泣ける傑作っていう範疇を超えた、意表を突くドラマなんだ。
     主人公の岸辺満(みつる/生田斗真)は珈琲専門店を開くが九か月で頓挫。以来、無職のまま三十一歳になる筋金入りのニート青年だ。 
  • テレビ健康診断 第753回 亀和田 武「東大クイズ研が苦戦する番組の作り方が巧いね」『東大王 2時間SP』TBS系 11/27(水)放送

    2019-12-05 05:00  
     今年になって『東大王』を観る機会が増えた。
     夏井いつき先生の絶妙な俳句添削トークに聞き惚れる『プレバト』と系列局も同じ、放映日も一日違いの同時間帯で出演者も重なる。これが大きな要因かな。
     昔はクイズ番組って、けっこう好きだった。児玉清さん司会の視聴者参加型番組『パネルクイズ アタック25』とかね。『世界ふしぎ発見!』も、ある時期まではよく観ていた。
     でも、月に二、三回は、黒柳徹子さんが全問正解って、どうよ。そんな気持ちが膨らんでいく。
     物知りタレントが毎回優勝するマンネリ感に飽きが湧いた。それと黒柳さん、よく予習してるんだ。 
  • テレビ健康診断 第750回 亀和田 武 「サラッとした演出が効果的 静かな感動を誘う『屁理屈ドラマ』」『俺の話は長い』日本テレビ系 土 22:00~

    2019-11-14 05:00  
     ともかく気持ち良く笑える、屁理屈ドラマの稀にみる傑作といえばよいか。
     無職生活もすでに六年、今年で三十一歳になる岸辺満(生田斗真)を巡る家族ドラマでもある。父の死後は、一人で喫茶店を切り盛りする母の房枝(原田美枝子)の手伝いもせず、バイト仕事すらしない。
    「お母さんはミツルに甘過ぎるのよ」。気の強い姉の秋葉綾子(小池栄子)が責めても、房枝は「あの子だって、いつか働く気になるわよ」と笑うだけ。
     ミツルは挫折したコーヒー青年だ。好きが高じて、一流大学を中退して珈琲専門店を開くが、マニア度が高過ぎ、客に敬遠されて九か月で閉店。以来、ニート生活を続けている。 
  • テレビ健康診断 第747回 亀和田 武「12年ぶりの人気ドラマ復活。変わらないものと変わったもの。」『時効警察はじめました』テレビ朝日系 金 23:15~

    2019-10-24 05:00  
     時効になった事件を趣味で捜査する霧山修一朗(オダギリジョー)が、再び総武警察署に帰ってきた。
     FBIに出向して十二年目の帰国だ。総武署の時効管理課もずいぶん雰囲気が変わったかもしれない。
     そんな杞憂も一瞬に吹き飛んだ。課長の熊本(岩松了)をはじめ、誰もが下らないギャグを乱発し、それを受けてのオーバーな反応に精力を費している。
    「灯台下(もと)暗しと、大正デモクラシーって似てる?」
     馬鹿でしょ。凶悪事件が解決しないわけだ。と、それは措いといて――署員の容貌も十二年前と同じだ。霧山の相棒だった交通課の三日月しずか(麻生久美子)の顔や声もほとんど変化なし。三日月君、若い。 
  • テレビ健康診断 第744回 亀和田 武 「今季の良作ドラマの舞台“西東京”の魅力」『セミオトコ』テレビ朝日系 放送終了

    2019-10-03 05:00  
     今年の夏は耐えられないほどの暑さだったけど、ドラマの世界はなんて素晴らしかったんだ!『セミオトコ』の山田涼介を真似て、私もそう叫んでみたい。
     石原さとみ『Heaven?~ご苦楽レストラン』の設定は、もろC級ドラマだ。しかし石原の地力が、C級ならではのチープな魅力を回を追うごとに引きだし、最後まで楽しめた。次は『アンナチュラル』級の作品を用意してね。
     多部未華子の『これは経費で落ちません!』も典型的なB級ドラマだけど、そんな縛りがあっても多部ちゃんは手を抜かず、A級の芝居を見せてくれた。性的な匂いが稀薄な役者だからか、経理部の女性社員、伊藤沙莉や江口のりことの暑苦しくない友情が快い。
     そしてそして、東京西地区を舞台に、三十歳前後の女性の心理をシリアス、かつ爽やかに描いた二本のドラマがクオリティの高さで毎回、満足させてくれた。 
  • テレビ健康診断 第741回 亀和田 武「難役を笑いとシリアスとりまぜ演じる多部ちゃん」『これは経費で落ちません!』NHK総合 金 22:00~

    2019-09-12 05:00  
     うちの会社にも森若さんのような人がいれば。『これは経費で落ちません!』を見て、そう思う視聴者も少なくないだろう。
     石鹸メーカーの経理部で働く森若沙名子(多部未華子)の職場での日々を描く“お仕事ドラマ”だが、意外や見どころ一杯で、見るものを飽きさせない。
     社員が提出する膨大な領収書や請求書の中に、ときおり森若さんが「んっ?」と違和感を覚えるものが混じっている。不正や隠ぺいの微かな匂いとでもいったらいいか。領収書に記載された数字が、どこか怪しげにユラユラ動いている。
     経理という一見、地味な職場で起きている、小さいけれど、それゆえに厄介なサスペンスと向き合い、処理していく“経理の森若さん”の姿が格好よく、さすが多部ちゃんである。