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記事 24件
  • 宇垣総裁のマンガ党宣言! 宇垣美里 第064回「雑談から導かれる、それぞれの真実」

    2022-01-13 05:00  
    『ミステリと言う勿(なか)れ』は変わった物語だ。事件は起こるけど主人公は刑事でも探偵でもない。謎は解いてもそこに使命感はなく、犯人が分かれども正義の名のもとに断罪することもない。淡々とただ興味の赴くままに考えるうちにたどり着いてしまったひとつしかない“事実”。題名の通り、ただのミステリとは思う勿れ。
     天然パーマのふわふわヘアーが特徴的な大学生の久能整(ととのう)は、ある日独り暮らしのアパートで大好きなカレーを作っていたところ、突然訪問してきた警察官に任意同行を求められてしまう。 
  • 宇垣総裁のマンガ党宣言!《特別対談》よしながふみ×宇垣美里 「マンガは生活必需品です!」

    2021-12-23 05:00  
    新刊『今日もマンガを読んでいる』を上梓した宇垣さんが、敬愛する漫画家、よしながふみさんと初対面。完結を迎えた『大奥』をはじめ、漫画についてたっぷり語りました! 
  • 宇垣総裁のマンガ党宣言! 宇垣美里 第063回「今日に満足するまで続く夜ふかし」

    2021-12-09 05:00  
     ついつい夜ふかしをしてしまう。読みたいマンガがあるから、ドラマの続きが気になるから、なんかだらだらしたくて……学生の頃からひどい夜型。明日早起きしてやればいいことも、翌日後悔することも分かっているのに、しんと静まり返った世界が心地よくて、寝たらその日が終わってしまうのがなんだか怖くて、限界が来るまで今日も今日とて起きている。それは今日という日に満足していないからだ、と指摘したのは自由でかわいい吸血鬼だった。『よふかしのうた』はそんな夜ふかしの魅力に取り憑かれた者たちの物語だ。 
  • 宇垣総裁のマンガ党宣言! 宇垣美里 第062回「今なら分かる、嘘に込められた『愛』」

    2021-11-25 05:00  
     うんと幼かった頃、潔癖が服を着て歩いているようなタイプだった私は、些細な嘘も許せなかった。その人のことを思ってついた嘘など偽善にすぎず、真実のみが傷を癒すものだと。老いて同じことを繰り返し尋ねる祖母に対し、根気強くさも初めて聞いたかのように返答し続ける大人たちになぜ彼女に現状をきちんと伝えないのかと怒ってすらいた。あの頃の大人と同い年くらいになった今、本当のことを伝えることだけが愛情ではないと理解できるようになった。 
  • 宇垣総裁のマンガ党宣言! 宇垣美里 第061回「私たちのごはんはどこから来るのか」

    2021-11-11 05:00  
     国産牛と和牛の違いって知ってる? 季節ごとに変わる牛乳の味の違いは? テントウムシは益虫? それとも害虫? もしあなたが知らないというのなら、ぜひ『百姓貴族』を手に取ってもらいたい。
     曾祖父の代から酪農と畑作を営む北海道の専業農家に生まれ、漫画家になるまでは実家で農業に従事していたという作者の想像を絶する経験が、専門知識も交えてコミカルに描かれている。町育ちの私からするとついつい本当かなあ、なんて驚いてしまうようなハチャメチャな描写も、作者曰く全てノンフィクションとのこと。 
  • 宇垣総裁のマンガ党宣言! 宇垣美里 第060回「コンプレックスも含めて、あたし」

    2021-10-28 05:00  
     その昔、可愛らしいと思われるのが嫌でスタッズのじゃらじゃらついたトゲトゲの服ばかりを着ていた。胸の豊かな友人は「バカだと思われるから」とサラシを巻いて勉強していた。つくづくルッキズムというものは誰のことも幸せにしない価値観だなと思う。『青に、ふれる。』はそんな人の見た目やコンプレックスについてがっつりと向き合った作品だ。
     生まれつき右目の周りに「太田母斑(おおたぼはん)」と呼ばれる青いアザを持つ女子高生の青山瑠璃子は、アザのことで周りに気を遣わせないよう、常に明るく笑顔を絶やさず生きてきた。 
  • 宇垣総裁のマンガ党宣言! 宇垣美里 第059回「性被害から『助かる』ための長い旅」

    2021-10-14 05:00  
    「女ってだけでいい目みてるんだから、それくらいいいじゃん」
     まだ内定者だった頃、黒いワンボックスカーに追いかけられて怖かった、という話をしていた時に同期の男子が吐いた言葉だ。いまだに思い出す度に体が震える。これからどんな努力をしても、どんな辛い目にあっても、全部女なんだから当たり前だと言われるのかと絶望した瞬間だった。
     痴漢された時、異常なボディタッチを受けた時、料理が好きだと話して「女の子だもんね~」と雑なくくりをされた時、いつも自分が肉塊のように扱われている気がしていた。女であることが嫌いなわけじゃないのに、そんな扱いを許す脆弱な肉体が心底憎かった。 
  • 宇垣総裁のマンガ党宣言! 宇垣美里 第058回「少女と化け物との異文化交流」

    2021-09-30 05:00  
     ハリー・ポッターはお好きだろうか? ダレン・シャンは? イギリスの濃霧の奥に微かに漂う魔術の香り、いたずら好きの妖精や巨大な空飛ぶドラゴン! そんな重厚なファンタジーの世界を愛する人は、きっと『魔法使いの嫁』の詩的な世界観にずぶずぶとはまってしまうに違いない。
     十五歳の羽鳥智世(はとりちせ)は幼い頃から「他の人には見えないモノ」が見えた。そのために身寄りも生きる希望も失った彼女は、求められるままに自らを異界の住人が集う裏オークションに出品。そんなチセを競り落としたのは、動物の骨でできた頭部を持つ、ヒトならざる魔法使い・エリアスだった。 
  • 宇垣総裁のマンガ党宣言! 宇垣美里 第057回「セリフが刺さる、芸能界お仕事漫画」

    2021-09-16 05:00  
    「芸能人の子どもに生まれ変わりたーい」なんて冗談みたいな願望、誰しも一度は抱いたことがあるのではないだろうか。見目麗しい芸能人カップルに子どもが生まれたというニュースを見て、パソコンに映りこむ連勤でへとへとボロボロな自分に舌打ちしつつ、まるでハワイ行きたい、みたいなノリでそう叫んだことが、私は何度かある。『【推しの子】』はそんなオタクの願望そのままに、主人公が文字通り「推しの子」に転生するという物語だ。
     地方都市で働く産婦人科医のゴローはアイドルグループ「B小町」のエース・アイの大ファン。ある日アイが患者としてゴローの勤務先に来院し、彼女が双子を身ごもっていることを知る。 
  • 宇垣総裁のマンガ党宣言! 宇垣美里 第056回「必ず訪れる『老後』と『死』を思う」

    2021-09-02 05:00  
     今年三十歳になった。まだ結婚しないの? 子どもいないと老後寂しいよ? とか言われる度にしっかり“うるせえな”という顔をしている。なんで結婚すれば、子どもがいれば寂しくなくて幸せでいられると妄信できるんだろう? 圧倒的にホスピタリティの精神に欠けているという己の欠点をしっかりと自覚している私は、一緒にいることで他者を幸せにしてあげられるとも幸せにしてもらえるとも思っていない。そもそも、人は自分で自分のことを幸せにするしかない。だから、『ひとりでしにたい』はある意味私の本望とも言える。