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記事 49件
  • 人生エロエロ 第402回 みうらじゅん「白亜のキャッスル」

    2020-09-17 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
    “大人って何だろう?”
     結局、大人は子供の成れの果て。成人式を迎えようが、それがデビューではないはずだ。
     何かの辞書が貰えるとかで、いじましいな。大学のクラスメイトたちは喜び勇んで成人式に出席してた。
     一度、誘われたが、僕はいつもの調子で寝坊。
    「何やってんだよお前。しっかりしろよ」
     と後日、居酒屋で“もう大人”気取りのSに、上から目線で言われた。
     その話がいつの間にやら、
    「お前はまだ、女の魅力が分ってないな」
     の説教に変わり、
    「それくらい分るよ」
     と、言い返すと、
    「じゃ、どこ? どうせお前はオッパイ紀をまだウロチョロしてんだろ」
     などと、小馬鹿にした口調で言ってきた。 
  • 人生エロエロ 第401回 みうらじゅん「チンとレツ」

    2020-09-10 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
    「お前、ワイセツブツチンレツザイって知ってるけ?」と、中学校の昼休み時間、クラスメイトのIが聞いてきた。
     その頃、Iは僕が知る限り、世界で一番エロ話を振ってくる男だったので、当然、いやらしいことに違いないとは思ったが、「知らんけど」と、すぐさま返した。
     Iの場合、エロに関してはやたらプライドがあって、こちらが知ったかぶりするとムキになる傾向があったからだ。
    「大体、分るやろ? ヒントが入っとるんやし」
     Iはいつものドヤ顔となり、
    「わぁいせぇつぅぶつぅチンレツざぁい」
     と、今度はバカに教えるみたいにヒントであろう箇所を強調し言った。
     当然、最初聞いた時から“チン”の部分は気になっていた。僕が、
    「チンやろ」
     と、呆れたように答えると、「それでは半分しか点やれんな」と、Iは教師のような口振り。大層、ムカついた。 
  • 人生エロエロ 第400回 みうらじゅん「シミズ、シミーズ、シュミーズ」

    2020-09-03 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
    「おい、パンス、あらへんがな」
     と、父親がよく風呂上がりに言ったセリフ。
     関西で生まれ育った僕にとってその呼称は極自然だったし、パンツの最上級ぐらいに考えていた。
    「おい、シミチョロしとるがな」
     これも母親に向けて注意を促すように言ったものだが、より分り易く解説すると、“シミズがスカートの下からチョロっと出ている”の意である。
     僕はあの事件が起るまで、父親の言うことは全て正しいと思い込んでいた。
     ある日、高校のクラスメイトが「最近、うちの家、千本通りにパン屋始めよったんや。6時過ぎに来たらタダでパン食わしたるさかい」と、言った。
     その頃、僕は美大進学を目指し、偶然にもパン屋の近くの予備校に通っていたもので、よくご相伴にあずかった。
     当初の目的は店番をしてた友達と店を閉めた後のタダパンにあったが、ある日、シャッターの透き間をこじ開けて「カヨちゃんにもタダパン食べさせてぇー」と言って入って来たタンクトップにホットパンツ姿の女子にすり替った。 
  • 人生エロエロ 第399回 みうらじゅん「駄ジャレ大好き」

    2020-08-27 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     若い頃、あんなに嫌ってた駄ジャレが、やたら口から飛び出すようになった。
     特に似たような歳の者と喋ってる時が顕著だ。
    「いやぁー、もう、シコラス・ケイジだよ」
     とか、そんなの。
     駄ジャレを説明するほど虚しいことはないけど、ちなみにその出典は、ニコラス・ケイジ(米俳優)で、自慰行為の(シコる)と、捩(もじ)っているのである。
     つまらないでしょ?
     自分でも分っているのに何故、言ってしまうのか?
     かつては考えついたとしても、決して漏らさず、
    “この人、ダメだわぁー”
     と、思われないためにも、そこは確固たる意志を貫く。それがヤングというものだったはず。しかし、いつの間にか、とうの昔のヤングとなり、駄ジャレを口に溜め込むと、口臭の原因になるなどと御託を並べる。 
  • 人生エロエロ 第398回 みうらじゅん「ラスト・メッセージ」

    2020-08-19 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
    「あぁ、楽しかったァー」
     と、思わず言葉が漏れる時、それは友達と意気投合した日であり、彼女と肉体合体した日であり、もっと些細なことであっても、互いが楽しいと思えたことが何よりも嬉しい。
     だから、最後の一言は人生を総括して、「あぁ、楽しかったァー」にしようと決めた。
     それは何も“終活”の一環ではない。随分、昔から考えていたことだから。
     この先もいろんなことがあるだろうし、決して楽しいことばかりじゃないことは分ってる。でも、ここは多少、嘘が入ってもそう思い込む気持が大切だ。
    「今は、めっちゃ苦しくてしんどいけれど、あぁ、楽しかったァー」では、重要な箇所を言い切れず死んでしまう。そこは無理してでも、今の感情や、この世への未練など言わぬよう心掛け、終り良ければ全て良し方式に乗っかってみるつもり。 
  • 人生エロエロ 第397回 みうらじゅん「初恋のキミ」

    2020-08-06 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     いろいろあるのが人生だけど、その時の気持ちまでよーく覚えてるのは初恋と初体験である。でも、初恋の思い出というものは後に随分、美化してきた気がする。
     初恋の人と添い遂げたケースを『新婚さんいらっしゃい!』で何組か見たが、中には互いが初恋の相手で、しかも初体験がその相手という夫婦もいた。
     そんな初ものづくしのラブ・クレイジーこそが“赤い糸で結ばれてた運命の人”というものであろう。
     しかし、大概は初恋と言っても名ばかりで、どちらかが勝手に初片想いをしたに過ぎないわけで―― 
  • 人生エロエロ 第396回 みうらじゅん「走れ、みうら号」

    2020-07-30 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     長い間、自転車に乗れなかった。しかも、同時に小六までオネショが治らなかったもので、乗れないわ漏らすわの二重苦。ふだんは努めて陽気に振る舞っていたが、男の沽券と股間は既にズタボロであった。
     自転車はあったが、買って貰った時に付けた補助輪が何とも情けなく、たまに近所を走るとガアガアとチビッコ丸出しな音を立てるので、すぐに引き返した。
     だから、友達が「公園で野球やらへんけ?」と、誘いに来てもそんな無様な“みうら号”を出動さすわけにはいかず、グローブ片手に友達の乗る自転車の後を全速力で追い掛けた。
     当然、乗れないのは内緒。「お前、自転車、持ってへんだっけ?」と、聞かれても「今、修理に出してる」と、言い続けていた。
     それを大層、不憫に思った父親がオネショには漢方薬を。そして、自転車はある日突然、ひとり息子を千尋の谷へ突き落とすが如くの猛特訓を始めた。ちなみにその頃、テレビ漫画『巨人の星』が、我が家でも大ブーム。父親は星一徹を演じていたのだろう。何度も目の前で転倒する息子(この場合、僕は飛雄馬)にスポ根ならぬ、ジテ根を叩き込む。 
  • 人生エロエロ 第395回 みうらじゅん「誰だと思ってる?」

    2020-07-22 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     いわゆる“観光地”としての京都は、お寺以外ほとんど知らなかった。
     それでも「私、修学旅行でしか行ったことがない」と、かわいい女子に言われると、「今度、いっしょに行かへん? 案内するよ!」と、俄然ハッスルしてしまうのは男の性。結局、彼女の喜びそうな所なんてどこも浮かばなくて、彼女自らがガイドブックで探した観光スポットを巡る冬の一泊旅行となった。
     その道中で何度もくり返し言われる「何も知らないのね」に、元・京都人のメンツ丸潰れ。
     汚名返上とばかりに、「ココ、俺の中学の時の友達の家がやってる中華屋」とか挟んではいるものの、どれも彼女にはいらぬ情報とみえ、無視を決めた。 
  • 人生エロエロ 第394回 みうらじゅん「スクラッパー人生」

    2020-07-16 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     漫画家としてデビューしたのが'80年だから、同時期に始めた通称・エロスクラップも今年で40周年を迎えるのである。
     今では漫画はほとんど描いてないが、スクラップの方はキープオン。何故か歳を重ねるごとに作業は精力的となり、現在、639冊目に突入した。エロにもギネスがあればと思う。黎明期のただエロ写真を切って貼るのと違い、もはや長年に渡って培った匠の技で、パッと見は既存のエロ本と大差ない出来映え。いや、僕にはそれ以上のエロを作り上げてる自負すらある。 
  • 人生エロエロ 第393回 みうらじゅん「私がオジさんになっても」

    2020-07-09 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     又貸ししたつもりではなかった。
    「どういうつもりなの!?」
     と、彼女は突然、怒り出した。当初、どういうつもりも何も単に友達に貸しただけのことだと思い、
    「すぐに返して貰うから」
     と、答えたが、
    「そういうこと聞いてんじゃなくて、あれは私のものでしょ!! 分ってるわね」
     と言った。次の瞬間、僕の背筋に冷汗が流れた。
    「そりゃ、もちろん」
     便宜上、そう返したが、実は彼女に言われるまでそのことをすっかり忘れていたからだ。