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記事 49件
  • 人生エロエロ 第445回 みうらじゅん「鼻で笑う」

    2021-07-29 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
    “天狗の赤は茹でた蟹
     天狗の鼻は伸びたナニ?
     天狗の下駄をはいた夜に
     天狗の山は闇の国
     テンと張ってグー
     テンと張ってグー
     LONGEST NOSE No.1♪”
     みなさん御存知のようにと言いたいところだがこの歌は、みなさん御存知ないとは思うけど、僕が20年ほど前に作詞・作曲した『ロンゲスト・ノーズNo.1』の一節。
     その頃のマイブームが“天狗”で、日夜、天狗のことばっか考えてたもんでとうとうCDまで発売するに至ったのだった。 
  • 人生エロエロ 第444回 みうらじゅん「Help!」

    2021-07-21 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     向うからローリング・ストーンズのメンバーを乗せた船がやって来た。
     船着場近くにはこれから始まるワールド・ツアーの意気込みを聞こうと多くの記者が詰め掛けていた。
     大体のことはミック・ジャガーさんが語ったが、
    「もう、お金も十分過ぎるほどあるのにまだ、ツアーを続ける理由は何ですか?」
     などと、否定的とも取れる質問に及んだ時、長年の相棒であるキース・リチャーズさんはその木目のような顔の皺を緩ませ、
    「女を濡らしたいからさ」
     と、答えた。
     僕はその答えになってない答えに対し、流石(ストーンズだけに)だと思ったし、ケンイコスギ(コレ“権威濃過ぎ”ね)に陥らないためにもロケンロール!同様、キープ・オン・ロケンバーカ!の必要性を感じた。 
  • 人生エロエロ 第443回 みうらじゅん「ジェラス・ガイのころ」

    2021-07-15 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
    「女子高時代の英語の先生がカッコ良かったからもう、恋しちゃって、それで英語が上達したのよ」
     と、彼女が言った。
     確かに得意科目になるにはそんな理由も大きいだろうが、僕はムスッとして、
    「カッコイイって、どんな?」
     と、聞いた。
    「イギリス人でね、だから私のはイギリス英語なの」
     そんなことは聞いていないし、アメリカ英語との違いもよく分らん。
     その時、僕の頭に浮かんでいたのは“英語は寝て待て”だ。そりゃ、その外国人教師とつき合っていれば容易に英会話が上達したはずだ。 
  • 人生エロエロ 第442回 みうらじゅん「マガジン少年」

    2021-07-08 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
    「あんた、全然、勉強やる気あらへんなぁ」
     日頃からオカンが言うだけあって、小学校の成績はすこぶる悪かった。
     その頃、僕はやる気を雑誌作りの方に費やしていたのでそれは仕方ない。
     愛読してた『少年マガジン』や『少年画報』などを参考に作業を続けてた。
     当然、メインは漫画だが連載モノもあれば四コマもある。読みものページには“ノンちゃん雲に乗る”のパロディ小説“ジュンちゃん地獄へ行く”も載せた。 
  • 人生エロエロ 第441回 みうらじゅん「キングが2人」

    2021-07-01 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
    “千の顔を持つ男”とは、プロレスラー、ミル・マスカラスの日本でのキャッチフレーズだ。
     試合毎にマスクを変えることからそう呼ばれたが、実際、スペイン語でミルは“千”、マスカラスは“仮面”の意味だという。
     リングでのしなやかな動きと、くり出される超絶カッコイイ空中殺法に僕もすっかりハマり、プロレス誌『ゴング』に付いたマスカラスのピンナップポスターを自室の壁に貼っては崇めていた。
     今、思うとそんなスーパースターが千枚くらいのマスクを持っていたとしても何の不思議もないが、僕はその頃、まだ中学生。
    “いくら何でも千は言い過ぎやろ?”と、疑っていたのも事実である。 
  • 人生エロエロ 第440回 みうらじゅん「哀れなザッパ」

    2021-06-24 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     若い頃、ロックを聴いてガツンとやられたクチだから、変態呼ばわりされることにさほど抵抗がない。
     いや、むしろそれに成れず、随分ノーマルな考えやニュートラルな立場に悩んできたというのが正直なところである。
    「コレ、相当、変態だから」と、学生時代の友人Kがうちに遊びに来た際、持参したフランク・ザッパのレコードアルバム数枚。
    「お前は絶対、気に入ると思うよ」
     と、床の上に広げたが、どれもひどい邦題が帯に書かれてあり、ちょっと引いた。 
  • 人生エロエロ 第439回 みうらじゅん「大ブレイク前夜」

    2021-06-17 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     吉本の大﨑さんがまだ、マネージャーをしていた頃「絶対、気に入ると思うわ」と、紹介されたのがダウンタウンだった。
     公開生放送の『4時ですよ~だ』という番組を視察を兼ねて見に行った。
     会場は二人のトークが聞えないくらい歓声が飛びかっていて、既に大阪ではアイドル的人気だった。
     基本はボソボソとしたトークなのだが、話の展開が従来の漫才と全く違う。ボケ役の松本人志(通称・松ちゃん)にマニアックな要素があり、僕は大﨑さんが言う通り、すっかりファンとなった。ある小説誌に『ダウンタウン巡礼の旅』と、題した紀行文も書いた。それはビートルズのゆかりの地を訪ねる風に、彼らの故郷、尼崎や、劇場近くのよく行ってたであろう定食屋などを一日がかりで調査して回ったものである。
     そんな縁もあり、大阪で『働けダウンタウン』という深夜番組が始まった時、僕はレギュラー陣の一人となって、毎週、ワクワクしながら新幹線に乗り込んだ。 
  • 人生エロエロ 第438回 みうらじゅん「亀の持ち主」

    2021-06-10 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
    “UMA(ユーマ)”とは、謎の未確認動物を意味する和製英語の頭文字を取った呼称。
     ネス湖のネッシーや、ヒマラヤ山脈のイエティがその代表格だが、日本のツチノコ、河童、人面犬などもしかりである。
     確認が取れていないことがUMAたる所以だとすると、この件はどうだろう?
     まだ、僕が小学校低学年の頃、あるお菓子メーカーのチョコの空き箱を集め送ると、抽選で当時、存在自体珍しかったミドリガメ(どうやら本当はアカミミガメの亜種だったらしい)が当るという企画があった。
     何よりも、生きたままそれが送られてくるということが話題だったが、中には「死んどったらどうすんねん」という、否定的な意見もあった。当然、僕も応募したのだが結局、まわりの誰一人それを手に入れることは出来なかった。 それから随分経ち、大学時代。友達となつかし話に花が咲き、例のミドリガメに話が及んだ時「ボク、それ、当ってなー」と、Kが言い出して驚いた。 
  • 人生エロエロ 第437回 みうらじゅん「裏本ショッピング」

    2021-06-03 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     いい大人なら、
    「ちょっと行きつけの」
     と言えば、今夜のシメに小粋なバーにでも誘ってくるところだろうが、僕の友人には誰一人、そんな奴はいない。Kに至っては、それが居酒屋でもなく、フーゾクでもなく、シメはいつもエロ本屋だった。
     かと言って行きつけの店など特にない。ひとりでは恥ずかしくて入れない。でも、せっかく来た新宿。
    「土産ぐらいは欲しい」
     と、観光客のように言うが、そこは独身貴族。帰ってからのオカズが欲しくて堪らないのだ。
     僕も嫌いな方じゃない。むしろ好きだけど、その夜はちょっと気が進まなかった。それはKがその頃、裏の世界で話題だった“裏本”ってやつを見てみたいと言い出したからだ。
     裏本とは、無修正のエロ本。要するにモロエロである。
     上品ぶるわけじゃないが、僕は好みじゃなかった。
     でも、つき合いの良さも友人の証し。しばらく歌舞伎町を二人で徘徊し、ようやく見つけた“裏本有り〼”の看板。
     先ず、嫌な予感がしたのはその店が古びた雑居ビルの地下にあったことだ。 
  • 人生エロエロ 第436回 みうらじゅん「寝バイク教習」

    2021-05-27 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     Nはバイク好きで、車体に“刀”と明記されたでっかいバイクに乗っていた。
     それで突然、うちのマンションに来ては「これからええとこ行かへんけ?」などと、遠出のフーゾクに誘ってきたりもした。
     そもそも頭蓋骨からしてニヤけてるのか、会いに来る時のNはいつも、満面に笑みを浮べてた。
     そんな天性の陽気さが大好きだったし、ガッカリはさせたくない。僕は大概「ええけど」と答え、バイクの後部座席に乗っかった。
    「お前は乗り上手やな。ホンマ、ノリノリや」
     Nがそう言って褒めてくれるのも嬉しかった。