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記事 50件
  • 人生エロエロ 第570回 みうらじゅん「不適切な工場」

    2024-02-22 05:00 3時間前 
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     どうも、お久しぶりです。みなさん、お変りはありませんでしょうか。金玉工場の工員Aです。
     うちの工場が斜陽の一途をたどっていることは既にお話しさせて頂きましたので御存知かと思いますが、張りを失った外観には、若かりし頃の面影は一切ありません。
     兎角、大筒の形状ばかりに注目は集まりますが、それだけじゃ、弾丸が込められてないピストルと同じ。大人のおもちゃに過ぎません。
     肝心な精子を製造、出荷しているのは、縁の下の力持ち、うちの工場なんですから。
     外壁に刻まれた“Since1970”は、精通した年、すなわち工場の創業年です。
     それから半世紀近くも昼夜問わず、我々は働き詰めでした。 
  • 人生エロエロ 第569回 みうらじゅん「超人チョーさん!」

    2024-02-15 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     昨今、老いるショック効果であろう、自然と朝早く目が醒めるようになった。
     しかし、当然、体力の低下は否めず、起き上がる時はひと苦労。何度か「よっこいしょ!」(僕の場合、それに「しょういち!」が加わる)の掛け声がいる。
     取り敢えず居間のテレビをつけ、ぼんやり観ているのだが、先日、ふと“あの人”のことが気になって、8時10分にチャンネルをNHK・Eテレに切り替えた。
     それは『いないいないばあっ!』という1996年から放送してる朝の幼児向け番組である。
     そこに登場するのは少女と、着ぐるみのキャラ『ワンワン』。その中にあの人が入っておられるからだ。 
  • 人生エロエロ 第568回 みうらじゅん「“がん”or“かり”?」

    2024-02-08 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     切手を夢中になって集めていたのは小学生の頃。
    “日本切手カタログ”という専門誌で自分の持っている切手の価値を調べるのが、また、楽しかった。
     今で言うトレーディング・カード(トレカ)のようなもの。僕は決して売ったりはしなかったけど、クラスメイトの同志に、
    「この国定公園シリーズ3枚とではどうや?」などと、交換条件を出した。
     当然、狙いは先方の持つ価値がある切手だが、そうはうまくはいかない。先方もそのカタログを熟読していたからだ。
    「お前、何アホなこと言うとるんや。この“にしあまね”はなぁー」
     と、すぐさま切手講釈が始まってしまう。
    『西周』と書いて、にしあまね。何の偉業を成し遂げた人なのかは知らないけど、文化人シリーズ切手の中ではズバ抜けて価値が高かった。 
  • 人生エロエロ 第567回 みうらじゅん「『あさりちゃん』の宝庫」

    2024-02-01 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     これといった用事もないのに家を出て、ぶらり散歩をする。そんなぶらりに昔から憧れはあるが、どうも性に合わないらしい。
     散歩は好きな方だが、その道中でついついぶらりに反する、目的ってやつを捜してしまう。
     貧乏性ってやつであろうか、目的を見つけ、それなりの達成感が欲しくなる。
     JRはそんな僕のような者に時折、スタンプラリーというものを用意してくれるが、電車を利用しているようでは散歩とは言い難い。
     しかし、ふだんはほとんど自宅と仕事場の往復だけ。
     これでは足腰が弱ってしまう。
     現在、66歳。その対策として週に1度くらい散歩を心掛けているのだが、ぶらりのセンスは一向に身に付かない。 
  • 人生エロエロ 第566回 みうらじゅん「ミネタン、グッジョブ!」

    2024-01-25 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     昨年の12月20日に映画『アイデン&ティティ』20周年記念のイベントを催した。場所は当時、上映された映画館にしたかったのだが、今は無く、せめて初上映日にだけは合わせたいと、平日だったけど渋谷のライブハウスをお借りした。
     その映画の主演に抜擢されたのがバンド“GOING STEADY”を解散して間もなかった峯田和伸、通称“ミネタン”(たぶん僕らしか呼んでないだろうけど)。
     ミネタンが監督の田口トモロヲ氏と、原作者の僕に「今年、20周年ですよ、何かやりましょうよ」と、声を掛けてくれたのだ。
    「もう、そんなになるか」 
  • 人生エロエロ 第565回 みうらじゅん「巡礼の地」

    2024-01-18 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     30代初めの頃だった。
    「次号、篠山さんのページに登場が決ったよ」
     と、『ドリブ』って雑誌の編集長から電話があった。
     突然の話に、
    「僕なんかでいいんですかぁ~」
     と、驚き、返した。
    「これで、みうら君も一流だね」
     と、編集長は言うのだが、一体、何に於いての一流なのかはよく分らない。
     ま、そんなことより、篠山紀信さんにポートレイトを撮って頂けるチャンスが遂に回ってきたのだ。
    「長年、うちで連載してくれてるから、その御褒美みたいなもんだよ」
     と、今度は笑いながら言った。
     きっと編集長の権限で僕を抜擢してくれたのだろう。どうにせよ、とても嬉しかった。 
  • 人生エロエロ 第564回 みうらじゅん「切ないダンカン」

    2024-01-10 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     そのレコードアルバムのジャケ写は大きなフードの付いた防寒服姿のポール・サイモン。サイモン&ガーファンクルを解散し、'72年に出したソロアルバム『ポール・サイモン』がそれである。
     当時、深夜のラジオからよく、その中の一曲、『ダンカンの歌』が流れてきて、僕はわけも分らず切ない気持ちになったものだ。サイモン&ガーファンクル時代のヒット曲『コンドルは飛んで行く』に似たフォークロアな演奏。行ったことなどないが、アンデスの寒空が頭に浮んでくる。 
  • 人生エロエロ 《番外編》 みうらじゅん「僕たちファミコン世代! “いっき”にハマったクソゲーの世界」

    2023-12-27 05:00  
    「クソゲー」=名作の対義語とは限らない!? その名付け親たる本人が、クソゲーの魅力に目覚めた当時の思い出を振り返る。 
  • 人生エロエロ 第563回 みうらじゅん「仏像しりとり」

    2023-12-21 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
     仏像しりとりを思い付いたので、ちょっと聞いて貰えます?
     先ずは阿弥陀如来(あみだにょらい)から。
     それに続く(い)は、韋駄天(いだてん)、飯縄権現(いいづなごんげん)、一字金輪仏頂尊(いちじきんりんぶつちょうそん)、岩戸観音(いわとかんのん)が浮ぶが、どれもおしりに(ん)が付く。
     要するに、天・権現・尊・観音・上人は使えないわけだ。じゃ、ここは十二神将から、因達羅大将(いんだらたいしょう)で。
     (う)は、烏瑟沙摩明王(うすさまみょうおう)(う)、雨寶童子(うほうどうじ)(じ)、地蔵菩薩(じぞうぼさつ)(つ)だとスムーズ。
     ここは、どうしてもメジャーどころの地蔵菩薩でいきたいところだが、続く(つ)が出ない。 
  • 人生エロエロ 第562回 みうらじゅん「チョメチョメのチャンス」

    2023-12-14 05:00  
     人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
    「バイト先で知り合ったコと××してさー」
     そんな話を耳にした。
     ちなみに××は“チョメチョメ”と、発音する。
     当時、よく深夜番組などで、俳優でタレントの山城新伍さんが言っていた隠語である。
     僕は美大に入るまで、ほとんどバイトというものをしたことがなかった。
     それでクラスメイトからは、ひとりっ子で甘やかされて育ったせいだなどと批判されたこともある。
     しかし、このチョメチョメ話は、聞き捨てならない。