• このエントリーをはてなブックマークに追加

チャンネルと同時入会でプレミアムが初月無料!(0円)

記事 49件
  • いまなんつった? 第608回 宮藤官九郎「マジですか!ギャグですか!」

    2020-10-29 05:00 21時間前 
    『俺の家の話』の話をしてなかった。すっかり忘れてました。
     先日発表になりましたが、来年の1月からTBSさんで『いだてん』以来の連続ドラマを書きます。
     長瀬智也くんとは沢山の作品を作って来たような印象ですが、実はドラマは2000年の『池袋ウエストゲートパーク』、2005年『タイガー&ドラゴン』、そして2010年『うぬぼれ刑事』の3本しかやってません。なんと10年ぶり。その間に長瀬くんは他の作家さんと数々のドラマを生み、特に僕は『泣くな、はらちゃん』が大好きで、『TOO YOUNG TO DIE!』を撮る際に、ずいぶん影響を受けてるなと自覚したものです。
     長瀬くんも40代になり、僕は50代に突入して、過去に縛られず、今書きたいこと、今演じたい役を、お互いぶつけ合おうと思っています。まだ書いてないけど。こんな機会を与えて下さったTBS磯山晶プロデューサーに感謝です。 
  • いまなんつった? 第607回 宮藤官九郎「ですよね」

    2020-10-22 05:00  
     カーテンコールで客席が明るくなると「ですよね」って思う。
     空席があります。
     最初に売り出した50%はとっくに完売している。追加の50%も好調に売れてはいるのだが、制作さん曰く「最初の50%を買った人の中に、来ない人が結構いるようです」
     分かります。1席ずつ空けて座る安心感と快適さに馴れちゃうと、隣に人がいるってだけで緊張しちゃいますよね。
     思えば演劇人生30年、大小さまざまな公演に関わって来たけど、お客さんが入らないという経験を殆どして来ませんでした。 
  • いまなんつった? 第606回 宮藤官九郎「ありえねえから」

    2020-10-15 05:00  
    “世知辛い”が増している気がします。老若男女もれなくギスギスしてる。
     ファミレスで執筆してたら、背中合わせの4人掛けの席に家族連れが座った。5歳くらいの男の子と乳幼児と30代半ばの両親。
     赤ちゃんが泣き出すたびにお母さんは食事を中断し、立ち上がり抱っこして揺らす。5歳の兄は、お母さんの愛情が分散してしまったのが気に入らないのか、玩具をわざと床に投げつけてはお父さんに注意されている。騒々しいけど、それ以上に微笑ましい。こっちもキャリア20年超えのファミレスライター。気にしないモードに入ればやり過ごせます。
     ところが、通路挟んだ席のご婦人が露骨に嫌な顔をして「うるせえな」と吐き捨てたのです。最初はギリ聞こえないくらいの声量で。それでも静かにならないと、今度は聞こえよがしにこう言った。
    「子供連れてくんなよ」 
  • いまなんつった? 第605回 宮藤官九郎「しもきたざわ!」

    2020-10-08 05:00  
     自分の書く台詞は覚えやすいと思っていました。実際、役者さんにそう言われたこともあるし、わりと自信あった。
     10月6日に初日を迎えた『獣道一直線!!!』(PARCO劇場他)。今回は演出を担当しないからと、いつもより出番も台詞も増やした。なんせ覚えやすいと定評のある俺が書いた台詞だ。ボイスメモに録音してランニングしながら毎日聞いて復唱してれば自然に頭に入ると思ったんだけど……。
     全然覚えやすくない!
     むしろ他人が書いた台詞の方が覚えやすいぞ。なぜだ。こだわりなく機械的に覚えられるからだ。覚えてから意味を考え、演技を調整できる。
     だが自分で書いた台詞はそうはいかない。 
  • いまなんつった? 第604回 宮藤官九郎「決まってないですね」

    2020-10-01 05:00  
     初めて講談の台本を書きました。先日WOWOWで放送された『劇場の灯を消すな!』という番組の中で、荒川良々くんが演じた『本多劇場物語』。25分に及ぶ大作です。
     監修はあの神田伯山先生。バカのふりして頼んだらご快諾頂いてしまった。参った。初めてのキャッチボールの相手が大谷翔平くらいの暴挙だ。伯山先生の『中村仲蔵』をベースに、俳優を志し上京した本多一夫氏が下北沢に本多劇場をオープンするまでの一代記。
     荒川くんとは過去に新作落語を作ったことがあるので、講談もいけるだろうと踏んだが、甘かった。まず台本の書き方が分からない。あの「ババン!」っていう、騒音おばさんが持ってた蒲団叩きみたいな棒はどういうタイミングで入れるんだ? 講談の動画を幾つか見たけど、法則が分からない。
    「張り扇ですか? 決まってないですね」
     張り扇っていうんだ。知ってるフリで頷いたけど内心穏やかじゃない。決まってない? マジか。台本に書き込んじゃったよ。 
  • いまなんつった? 第603回 宮藤官九郎「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」

    2020-09-24 05:00  
     困ったことにラジオが面白過ぎて舞台のセリフを覚える時間がありません。
     ナイツ&中川家の新番組と『たまむすび』が被ってる時点で平日の5時間をラジオに奪われる。くそ、Radikoが無ければどっちか諦めるのに。悩ましい。
     そんな中、TBSラジオの改編に伴い月曜日のパーソナリティを務めていた『ACTION』が終了します。1年半か。うーむ。ようやく自分なりに楽しみ方が分かって来たところだったので残念です。が、これまでの番組終了と比べ、後味の悪さはない。清々しいもんです。なぜだろう。初めてプロデューサーから、面と向かって終了を宣告されたからです。 
  • いまなんつった? 第602回 宮藤官九郎「なぜ結婚したんでしょうね」

    2020-09-17 05:00  
     舞台の稽古が始まってしまった。
     自ら演出を担当する公演にチョロっと出るパターンが続いたので、純粋に俳優として舞台に立つのは、検索したら5年ぶりでした。
     異常な緊張を日々感じています。何しろ台詞が多い。書いたのは自分なので誰にも文句は言えないんだけど、なんでこんなに書いちゃったんだろう。執筆時の精神状態を思い返してみる。
     過信していたわけじゃない。むしろ逆。大好きな俳優5人の大好きな部分を最大限に活かそう。その過程でこぼれた、誰が言ってもいい、でも誰かが言わなきゃ物語が進行しない台詞を、6人目の良くわからない貧相な中堅俳優、つまり俺に振っちゃおう。自己評価の低さが、この状況を招いているのか。 
  • いまなんつった? 第601回 宮藤官九郎「無理だって!」

    2020-09-10 05:00  
     内海桂子師匠を浅草の寄席で観たのは去年の秋でした。
     照明が眩しいようで、お着物に、レイ・チャールズのような渋いサングラスをかけ、弟子のナイツさんに付き添われ登場、なぞかけのような歌を披露されました。本来ツッコミである桂子師匠がボケ倒し、ナイツのお二人が優しくつっこんで笑いに転換する師弟愛。同行した奥さんと「すごいもの観たね」と興奮しました。ちょうど作詞していたグループ魂の新曲『それでも生きなきゃ死んじゃう音頭』にご登場願った。
     ♪ショーケンさんもエンケンさんも
     ♪津川もミチロウも死んじゃった
     ♪内海桂子はノットデッド~
     今となっては不謹慎と言われても仕方ない。が、僕としては最大の讃辞のつもりだったし、何しろ東京漫才界の重鎮です。シャレの解る御方だと信じて、許諾を取るために桂子師匠の担当の方に問い合わせました。 
  • いまなんつった? 第600回 宮藤官九郎「どうすりゃいいのよ~」

    2020-09-03 05:00  
     600回です。
     あと400回で1000回です。スクワットだったら無理だけど、連載だったら続けられそうです。
     ジェンダーという言葉を聞くと後頭部がムズムズします。それじゃいけない。向き合わなきゃ。頭では分かってるんだけど、二次関数やX軸Y軸と同じで、根本的な苦手意識が拭えません。結果、自分の作品で性的な問題を扱う時に「これは、ジェンダー方面の方からお叱りを受けるんじゃないか?」とビクビクしてしまう。「ジェンダー方面」って言い方が、すでにダメな気がする。
     去年の『いだてん』でも、人見絹枝さんや前畑秀子さんのエピソードを扱う際は気を遣った。 
  • いまなんつった? 第599回 宮藤官九郎「超クール!」

    2020-08-27 05:00  
     大学(日大芸術学部放送学科)で受けた講義で、やけに記憶に残っているものがあります。
     カナダの学者、マーシャル・マクルーハンが1960年代に発表した『メディア論』。
     あれは何だったんだろう。30年経った今も理解できない。ネットを駆使して調べても「なるほど!」と膝を打つには至りません。
     マクルーハン曰く、メディアにはホットとクールがあるんだそうです。
     ホットメディア=映画、ラジオ、写真。
     クールメディア=テレビ、電話、マンガ。
     先生が黒板にそう書いたのを見て、俺は進む道を間違えてしまったのか? と不安になった。映画はホットでテレビがクール? はあ? 意味が分からない。