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レコーディングで大切なのは、素晴らしい演奏を良い音で録ること、そして限りない想像力を働かせて、録った音から新しい世界を創り出すことだ。
100年以上にわたるレコーディングという作業から、レコーディングに関わる人たちは、新しい音のデファクト・スタンダードをたくさん生み出してきた。
わかりやすい例として、ドラムスについて考えてみよう。
現在私たちが聴いているロックやポップスなどの音で、Kickまたはバスドラと呼ばれる、足でペダルを踏んで鳴らすドラムキットの中で一番大きなパーツの音は通常、音像の中心、つまり右でも左でもなく、ど真ん中のセンターで聞こえるようになっている。
けれど、モノラルからステレオに切り替わり始めた頃のビートルズの曲はもちろん、70年代まではドラムス自体が音像の右や左に位置しているレコードはたくさんある。
しかしいつの間にか、ドラムスはセンターにおかれ、その中でもKick(バスドラ)はそのど真ん中から聞こえるように位置するのが標準となった。
また、そのKick(バスドラ)の音についてもひとつ面白いことがある。
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