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解説テキスト 『人生のあれこれ』5.1〜相談から見えてくること〜
2016-03-29 17:00220pt2014年12月に掲載されたブロマガを基に編集しています。
僕が、相談された人の人生について色々な角度から尋ね始めると、だんだんその人
の人生が、浮き彫りになってきます。 そして、相談している人の表情もだんだん変わっていきます。 相談していることがら一つ、といった単体の話ではなく、もっと大きな人生の流れの中で、今までいったい何があって、どう乗り越えて現在に至ったのか。 例えば、どんな家庭で育って、どういう幼少期を過ごし、学校ではどんな思い出があって、14才の頃は、どう過ごしていたのか…。★「14才」というのは理由があるのですか? 実は会話をしている内容は、ごく当たり前のことばかりです。 でも、僕の興味の持ち方が普通ではないからでしょうか、話してくれる方も、だんだん熱が入っていきます。 実は僕の興味は、聞いているその人の人生すべてにあります。 だから、ちょうど事件の鍵を握っている容疑者に執拗な質問を浴びせかける刑事のように、僕の質問が途切れることはありません。 また、人の人生の面白さというのは、その人の一般的な評価や立場などに一切影響されないので、この人の人生は面白いけど、この人の人生はつまらない、ということは、ないんですね。 そんなわけで、質問攻めにあって、答えているうちに明らかになっていく、その人の人生…。 実に、山あり谷あり、です。 特別なことなどなく、平凡な人生だと思っていてる人でも、心の中には、大きな嵐や光に満ちた幸せ、とんでもなく傷ついた記憶や、予期しなかった幸運などが、いくらでもあって、その連続が人生ですからね。 そんな風に会話がどんどん弾むうちに、先ほど書いたように、その人の表情が変わっていくのですが、それがどのように変わっていくのかを説明すると、「驚き」なんです。 再認識、というのかな。 つまり、僕からの質問攻めで明らかになっていったその人の人生、まあ、まだまだ先が長いですから半生でよすね、その半生を、ここまで掘り起こして、見つめ直し、そこに何らかの意味が浮かび上がってくる、というような経験を、日頃はあまりしていないからなのでしょう。 珍しくそんなことをして、浮き彫りになった自分の半生から、はっきりと見えてくるものがあるから、驚くわけです。 では、僕の質問に答えているうちにはっきりと見えてくるもの。 それは結局、何なのでしょうか。
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解説テキスト「大切なのは上下じゃなくて、色 …」&「当たり前に知っていたいことを、超適当に!」
2016-03-22 17:00220pt2014年5月5日に掲載されたブロマガを基に編集しております。
【最近想うこと】
「大切なのは上下じゃなくて、色なんだ」
偏差値に代表されるように、上下のランクってあるでしょ?
世の中、学校や会社、チームや団体、あるいは国や自治体まで、どんな組織も、やろうと思えば色々な尺度でランク付けが可能だ。 1位、18位、86位、203位・・・。
これが上下。
一方で色、つまりカラーってあるでしょ?
性格とかキャラみたいなものが組織にもあって、それが個性やあり方を表している。 それぞれの好みもあって・・・。
これが色。
今日伝えたいのは、その、上下よりも色の方が大事、という話。
例えばある若者がいて、ちゃんと将来の目標があって、でもそれを実現するのはなかなか難しい。
で、その高い目標を実現するにはAという組織に入るのが一番いいのだけど、現在の自分の実力を考えると、すぐにAという組織の一員となるのは難しそう…。
で、彼はとりあえず、3ランクくらい下のDという組織に入ることを考える…。
これって、上下の発想から生まれた考え方。
違うちがう、そうじゃないんだよ〜、という話をしようと思うんですよ。
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最近、20代前半の人たちと話す機会が多い。
僕がそうだからか、クリエイターや表現者が多い。
みんな自分なりの目標や理想がちゃんとあって、迷ったり悩んだりしながらも何とか前進しよう、と真剣に毎日を過ごしている。
僕が彼ら彼女らに共感して話をするのは、同じ年頃の自分を思い出すと、思い当たることがたくさんあるからだろう。
だからなるべく力になりたい、と思い、一人ひとりじっくり話を聞いて、それぞれにぴったりとあったアドバイスをするようにしている。
色々なアドバイスをするんだけど、最終的には、自分を信じて、思うまま、やれる限りやってみた方が良いよ、と勧めることが多い。
きっと、それだけ世間の常識や固定概念に縛られがちな時代というか、世代というか、そんな感じになっているのだろう。
僕の考えだと、その一因となっていのは、一般的な職業の世界なら就職難、クリエイターや表現者などスペシャリストの世界なら、専門学校や養成所など育成機関の充実。
どちらも「世の中に出るにはこういう人であるべきだ」「就職するにはこのような条件を満たさなければダメだ」「職業としていくためにはここをおさえなければいけない」といった情報や、大人たちの言葉が溢れているからだと思う。
しかもそういう情報が、ネットでいくらでも手に入る。
そしてその情報は、同じ目標を持つ若者の間でどんどん拡散していく。
しかも、これは現実そうだからしようがないことなんだけど「今の世の中は厳しい、だから夢のようなことを実現しようとする余裕なんてない」という空気も、強く蔓延している。
若い彼ら彼女らと話していて、そういう「世間からの圧迫感」を感じ取るたびに、僕は、このままではいけない、と強く思う。
だって、考えてみて欲しい。 終戦直後の日本は、もっともっと厳しい状況下にあったはずだ。 -
解説テキスト『100年残る音楽の魅力 ~ YOSHIKIの限りない可能性3』
2016-03-15 17:00220pt2013年10月21日に掲載されたブロマガを基に編集しております。1988年夏。 河口湖の合宿で「メジャーキー(長調)の名曲バラード」の誕生を待っていた僕をある夜、YOSHIKIが「すぐに部屋に来て!」と呼びました。
もしや、と予感がして、急いでYOSHIKIの部屋に入ると、 「ねえ、曲できたから、聴いて」と、YOSHIKI。
(きっと、そうだ!) 咄嗟に、期待と不安を隠し、 「ああ、あのメジャーのバラード?」とさりげなく聞くと、 「そうそう。まだサビしかはっきり決まってないんだけど、聴いて欲しくて」 (とうとうこの日が来たか…) 僕の心は、激しく揺れました。 バラードは、メジャーキーのバラードと2人で決めていましたから、YOSHIKIとしては初めての試みになるはずです。今まで聴いたことのない、YOSHIKIのメジャーバラード。 たくさんの名曲を聴き、共有して、しかも、そのどんな曲とも似てない、まったく新しい名曲を生もう、と決めた。 そんな、普通のアーティストには不可能に近いことを、ちゃんと目標にして、合宿に入った。 何日も待ったけど、いよいよその名曲のサビができた、というYOSHIKI。 この曲を聴けば、僕の考えが正しかったかどうか、決まるんだ・・・。 もし期待はずれの曲だったら、僕はどうするんだろう・・・。 本当に、僕が心の中で描いているXの未来はあるんだろうか・・・。 いや、もし期待通りの曲だったら、これからどれだけ凄いことが始まるんだろう・・・。 そういったことを、一瞬のうちに頭の中に浮かべ、でもそれとは裏腹にあくまで軽く明るい雰囲気で、「おー!聴かせて、聴かせて!!」と答え、イスに座る。 「津田さん、いい? 弾くからね 」
合宿中の、シンプルな宿泊施設の一室。 調律も怪しい、アップライトピアノ。 まだ23才のミュージシャンが、気を使わない26才のディレクターにオリジナル曲を聴かせるためだけの、ラフな演奏。 でも・・・。 -
解説テキスト『100年残る音楽の魅力 ~ YOSHIKIの限りない可能性1〜2』
2016-03-08 17:00220pt2013年10月に更新されたブロマガをもとに編集しております。音楽業界の中で僕が、才能あるアーティストを見つけて世に送り出す
立場になっていた時に出会ったのが、YOSHIKIでした。 当初はエックスというバンドのリーダー、またはドラムスという位置づけで受けとめていたのですが、ちょうどその当時、彼らがレコーディングしていたインディーズアルバム「VANISHING VISION」の制作中音源を預かった時のこと。会社に戻ってから聴くのがもどかしく、地下鉄に乗ってすぐにヘッドホンで聴き始めた途端、僕は驚きました。 作曲者のYOSHIKIが、選ばれた人間だと気づいたからです。 まだまだ僕の感覚では荒さが目立ちましたし、彼自身が、納得のいく名曲を生み出せていると思っていないのでは、という印象を感じ取りましたが、とにかく圧倒的な曲を生むことのできる、数少ない選ばれた才能の人間だということは、音源を聴いてすぐにわかりました。 「YOSHIKIは、現代のベートーベンかも知れないな・・・」そう思ったことを覚えています。 「すべての始まり」など過去、エックスについて僕が書いてきた文章の中では、あまり触れていませんが、「YOSHIKIが現代のベートーベンになること」が、その頃から僕の大きな、そしてとても大切な目標になりました。 2人で音楽についてゆっくり話を始めてみると、やはり思っていた通りでした。
とにかく自分自身が心の底から感動できる作品を生み出したいこと。
そのために命をかける、という強い想いで音楽をやっていること。
まだ、100%納得のいく作品を生み出せているわけではないこと。
その想いに応えるように、僕は話しました。
自分が、心が泣くようなとてつもない名曲が好きで、それを生む才能を求めて生きていること。 紛れもなく、YOSHIKIがその一人であること。
だからバンドのあり方やジャンル、偏見などには一切とらわれずに、とにかくYOSHIKI
自身が納得のできる名曲を生むことを、一番大事にして欲しいこと。
そして僕達は、ふたつのイメージを共有しました。
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解説テキスト 『人生のあれこれ』5.0
2016-03-01 17:00220pt
2013年12月に掲載されたブロマガを基に編集しております。
ブロマガに関するメッセージを募ったところ、少しずつメッセージが届き始めました。(掲載当時)
ありがとうございます。
せっかくですから、今後はそれぞれにお答えしながら、話を進めていきたいと思います。
ではまず今回は、部下の叱り方についての質問から・・・
Q. 職場で部下ができまして、部下を叱る事がよくあるのですが、 どうもうまく伝わってない気がします。
もし津田さんでしたら叱る時、どんなところに気を使いますか?
A. まずは自分が部下のことをよく理解することから始めると思います。 そして、なるべく部下本人が自分で考えるように気をつけて叱ります。
ちょっと答えの説明をしてみたいと思います。 ① 部下のことを理解する 叱る時に大事なのは、その部下に叱られた理由と意味を理解してもらい、正しい対応を教えてあげることですよね。
となると、まずそこがちゃんと部下に届くようにすることが先決だと思います。
そのためには、まずその部下の気持ちや、いま部下がおかれている状況をよく理解したい、と僕は考えます。
叱られてしまうような結果を生んでいる、何か明確な理由や原因がその部下にはあるのかも知れません。
その部下に適した叱り方が、あるかも知れません。
そもそも、叱られること自体が部下にとって何か特別に心の負担になっているのかも知れません。
また、叱ることの、その先も大事ですよね。
叱ったことで始まる、部下の成長です。
そもそも叱るのは、起きてしまった事態の収拾と、その部下が叱られることのないような人になることが目的でしょう。
となると、部下がどういう気持ちで仕事をしているのか、どんな仕事をしたいのか、どんな生き方をしたいのか、どんな悩みをかかえているのか、など、部下の内面が分かればわかるほど、伝えたいことをしっかり伝えることができると思います。
そのためにも、部下の気持ちや心の中をちゃんと理解してから、 叱られたことで部下が気づいて、観えてくるその未来を共有しながら、 話をしていくと良いと思います。★部下の気持ちや心の中を理解するには、ある程度コミュニケーションや時間が必要ですよね。そもそも部下と話すきっかけを作るのにいい方法はありますか?
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