「赤旗」日曜版 文書を入手
自民党や同党の政治資金団体・国民政治協会(国政協)が参院選前、ゼネコンの業界団体、日本建設業連合会(日建連)に4億7100万円もの政治献金を請求していたことが、「しんぶん赤旗」日曜版編集部入手の文書で分かりました。文書は、巨大公共事業をふくむ安倍内閣の経済政策「アベノミクス」の推進を掲げて献金を求めており、政策を金で売る最悪の利権政治です。(詳報は日曜版7日号)
日曜版編集部が入手したのは自民党と国政協が2月、日建連に出した文書です(別項)。
石破茂幹事長をはじめ、総務会長、政調会長などが連名で出した自民党文書はアベノミクスの「3本柱」の政策を説明。「夏には、参議院選挙が行われます」と明記したうえで、国政協からの「お願い」に「御高配」を、と要求しています。
国政協文書は、「自由民主党は、…『強(きょう)靭(じん)な国土』の建設へと全力で立ち向かって」いると強調。その「政策遂行を支援するため」として、「一、金 四億七千壱百萬円也」(4億7100万円)と数字も示して献金請求しています。
自民党の国土強靭化計画は、高速道路など大型公共事業に10年間で200兆円を投資するもの。その具体化は、アベノミクスの「機動的な財政政策」でもおこなわれています。
大型公共事業の原資は税金で、そこから巨額献金を吸い上げること自体、政党の姿勢が問われる重要問題です。
自民党は毎年のように日建連に献金要請をしていますが、金額が明記された同党の“献金請求書”が明らかになるのは初めてです。
日建連事務局は「自民党から献金要請があったのは事実だが、各社が自主的に判断すること」と答えました。
一方、国政協は時事通信社の取材に対し文書送付の事実を認めました。
「最悪の利権政治だ」
党首討論 志位委員長が首相批判
日本共産党の志位和夫委員長は3日に都内で行われた党首討論会で、「しんぶん赤旗」日曜版が入手した政治献金の要請文を示し、「政治を金で売る最悪の利権政治だ」と安倍晋三首相に迫りました。
志位氏は、国民政治協会が文書で「自由民主党は、『強靱(きょうじん)な国土』の建設へと全力で立ち向かっております」と述べ、こうした「政策遂行を支援するため」として、4億7100万円の金額まで明示して献金を求めていることを指摘。自民党の掲げる「国土強靭化」が10年間で200兆円の巨額の公共事業を進めるものと述べました。
その上で、「まるで請求書。見返りに金額まで明示して政治献金を求める文字通り政治を金で売る最悪の利権政治だ」と述べ、安倍首相に見解をただしました。
安倍首相は「文書を見たこともないのでなんとも言えない」と答えました。
志位氏は「日本建設業連合会の事務局も、『赤旗』の取材に要請を受けた事実をコメントしている。だから、(文書は)間違いのないものだ。聞いたのは4億7100万円という金額を明記して献金を求めることの是非だ」と批判しました。