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2度目の越年―「人間の復興」こそ中心に
2012-12-31 10:05主張
2度目の越年
「人間の復興」こそ中心に
東日本大震災の被災地は厳しい2度目の冬を迎えています。大地震と大津波、原発事故によって住み慣れた故郷を追われ、いまだに約32万人が避難生活を強いられて年を越します。震災直後の避難者約47万人の6割以上にあたる人たちが1年9カ月たっても“安住の地”を確保できない深刻な現実です。大規模な災害と立ち向かい生活再建と復興にむけて懸命な努力を続ける被災者を支えるため、政治が従来の枠を超えて支援することがいよいよ求められます。
住まいと暮らしの支えを
例年を上回る猛烈な寒波が年末の被災地を襲っています。プレハブ仮設住宅では、被災者が光熱費のかさむことを気にしつつ電気ごたつやエアコンなどで暖をとりますが、底冷えする室内を十分暖めるには限界があります。
隣家を隔てる壁は薄く、近所に迷惑をかけたくないと、小さな子どものいる家庭などは子どもの声が響かないよう -
「即時原発ゼロ」―安倍政権は民意踏みにじるな
2012-12-30 11:38主張
「即時原発ゼロ」
安倍政権は民意踏みにじるな
「安倍政権は原発を再稼働するな」「即時原発ゼロの実現を」―年末も押し迫った28日夜、東京・永田町の首相官邸は、真冬の冷え込みと降り出した雨さえはねかえす、熱い思いに包まれました。毎週金曜日夜の首相官邸前抗議を続けてきた、「首都圏反原発連合」の行動です。安倍晋三政権が発足して初めての抗議行動です。
安倍政権の危険浮き彫り
自民・公明連立の安倍政権が発足してわずかの間に、原発問題でのこの政権の危険性が浮き彫りになっています。
自民党はもともと、「脱原発は非現実的」と「原発ゼロ」を求める国民世論に背を向けてきました。歴代自民党政権が、安全抜きで全国に原発を建設してきた責任も、東京電力福島原発事故が引き起こしている深刻な事態にも目を向けない、言語道断な態度です。
安倍政権発足にあたって自民・公明が取り交わした連立合意も、「可能な限り原発依 -
検証 巨大メディアと総選挙報道
2012-12-29 11:15世論を誘導し選挙の公正汚す
検証 巨大メディアと総選挙報道
野党転落時の前回総選挙(2009年)よりも比例、小選挙区とも大幅に票を減らした自民党が「圧勝」した今回の総選挙。民意をゆがめる小選挙区制と並んで、巨大メディアの報道ぶりが、この結果に大きな影響を与えました。巨大メディアはいかに世論を誘導し、選挙の公正を汚したかを検証します。
公示前 「第三極」の動き垂れ流す
衆院が解散された11月16日から総選挙が公示された12月4日までの巨大メディアの報道の最大の特徴は、日本維新の会や未来の党などの「第三極」の動きを細大漏らさずに取り上げる「政局報道」に終始したことです。そして、それを民主・自民の「二大政党」に対する“対抗軸”であるかのように描きました。
たとえば「朝日」「読売」「毎日」など全国紙の解散から1週間の紙面をみると、1面や特集面・政治面の政治ニュースは判で押したように、民主・自 -
オスプレイ無法飛行―県民の不安を無視するのか
2012-12-29 10:57主張
オスプレイ無法飛行
県民の不安を無視するのか
日米両政府が米海兵隊の新型輸送機オスプレイを県民の反対を押し切って沖縄の普天間基地に強行配備してまもなく3カ月―。沖縄県と自治体の調査で、飛行ルールを定めた日米合意に違反している実態が明らかになりました。
オスプレイは沖縄全域で傍若無人な飛行をくりかえし、県民からは日米合意違反だとの訴えが相次いでいました。県などの実態調査はそれを裏付けたものです。オスプレイは墜落をくりかえしている危険な欠陥機です。県民は「いつ落ちてくるか」と不安を募らせています。政府が県民の不安を無視し続けるのは許されません。
6割以上もの合意違反
今回の県などの目視調査はオスプレイが普天間基地(宜野湾市)に配備された10月1日から11月30日にかけて県と県内27市町村の職員らが行ったものです。2カ月間で合計517件の目撃情報が集まり、そのうち61・5%の318件 -
株高の仕掛け人は海外投機筋
2012-12-28 11:51株高の仕掛け人は海外投機筋
「アベノミクス」の虚構
株価が日経平均で1万円を超えましたが、押し上げているのは海外の投機筋です。安倍晋三自民党総裁が主張する「大胆な金融緩和」は、国民に何の利益ももたらしていません。
東京証券取引所が毎週まとめている「投資部門別株式売買状況」を見ると、11月第2週以降、海外投資家だけが株を大きく買い越し、買った株が売った株を上回っています。国内の法人、個人が売り越した分を海外投資家が埋めている状況です。
安倍氏は「政策を発表しただけで株は上がり、円が下がった」と自画自賛しましたが、もうけたのはもっぱら海外の投機筋だけ、決して景気がよくなって株価が上がっているわけではありません。まして、雇用や生産など実体経済は何もよくなっていません。市場関係者はこの間、株価を押し上げたのが海外のヘッジファンドだとみています。
国内経済には今後、景気をよくするどころか、雇 -
国民多数の声を代弁し安倍自公政権と正面から対決
2012-12-28 11:39国民多数の声を代弁し安倍自公政権と正面から対決
共産党議員団総会 志位委員長のあいさつ
日本共産党の志位和夫委員長が26日、国会議員団総会で行ったあいさつは以下の通りです。
総選挙の結果について――自己分析をつぎの前進に生かしたい
みなさん、おはようございます。特別国会の開会にあたってごあいさつを申し上げます。まず、総選挙でのみなさんの大奮闘に心からの敬意をのべるものです。(拍手)
この総選挙で、私たちは、議席倍増を目指して奮闘しましたが、結果は9議席から8議席への後退となりました。情勢が求める躍進を果たせなかったことに対して、委員長としていたく責任を感じています。自己分析を行い、つぎの参議院選挙の前進・勝利に必ず生かしていく決意であります。
ただ、私たちが出発点としていた2010年参議院選挙との比較では、比例得票・得票率ともに、わずかではありますが前進という結果を得ることができ -
65歳継続雇用というが…―財界の危険な企てを許すな
2012-12-28 10:00主張
65歳継続雇用というが…
財界の危険な企てを許すな
65歳まで希望者全員を継続雇用することを企業に義務づけた改正高年齢者雇用安定法が、来年4月に施行されます。
年金の受給開始年齢が来年度以降、60歳から65歳に段階的に引き上げられるため、60歳で定年になったあと無年金、無収入におちいらないように雇用を確保するという趣旨です。年金の支給開始年齢を引き上げたのは政府ですから、それに対応した継続雇用制度をとるのは政府の最低限の責任です。
選別許した厚労省指針
しかし、この制度には見逃すわけにいかない問題点があります。希望者全員を雇用するというもっとも肝心な原則が保障されず、選別の可能性があることです。
高年齢者雇用安定法は、これまで65歳までの雇用確保のために「定年の引き上げ」「継続雇用制度の導入」「定年の定めの廃止」のいずれかの措置を企業に義務づけてきました。このうち問題になって -
安倍政権復活―国民の意思踏みにじるなら
2012-12-27 10:04主張
安倍政権復活
国民の意思踏みにじるなら
自民・公明連立の、安倍晋三政権が復活しました。政権交代などでいったん首相をやめた政治家が再び政権を担当するのは、吉田茂元首相いらいです。
安倍氏は総選挙中から、野党を体験し「自民党は変わった」と主張してきました。しかし、総選挙政策でも、公明党との連立政権合意でも、党・内閣の布陣でも、多少目先を変えただけで、中身は異常な大企業本位の経済政策と超タカ派ぶりの突出というのでは、国民との矛盾は避けられません。
政権投げ出した1度目
安倍氏が2006年9月に最初に政権を担当したときも、その前年に小泉純一郎首相が仕掛けた「郵政選挙」で自民・公明は衆院で3分の2を超す議席を確保していました。しかし、小泉「構造改革」による国民生活の破壊に加え、安倍首相が打ち出した「戦後レジーム(体制)からの脱却」を掲げた教育基本法の改悪や改憲策動でまたたく間に支持率が低 -
すき家 団交拒否謝罪
2012-12-26 11:36すき家 団交拒否謝罪
首都圏青年ユニオンと全面和解
労組“労働条件改善へ道”
牛丼チェーン最大手「すき家」を経営するゼンショーが団体交渉を拒否していた問題で、首都圏青年ユニオンは25日、厚生労働省で記者会見し、同社と全面和解したと発表しました。同社がこれまでの団交拒否を謝罪し、今後、誠実に団交に応じるなどの和解内容。労組側は「労働条件改善のために団交を通じて正常な労使関係の中で改善できる道を開いた」と和解の意義を強調し、引き続き活動を強めるとしています。
同社のアルバイト店員が労組に加入し、団交を始めたのは2006年7月。当初は同社も団交に応じ、解決しました。しかし、全国のアルバイト店員約6000人の残業代割り増し分の不払いを是正させた直後の07年2月以降、同社は団交をいっさい拒否していました。
団交拒否をめぐって、東京都労働委員会と中央労働委員会は不当労働行為として救済を命令。これ -
笹子トンネル事故 常識外れの中日本高速
2012-12-26 11:25笹子トンネル事故 常識外れの中日本高速
大震災後も目視点検のみ 、「仮設」用ボルトを本設に
現場監督経験者語る
安全を下請け任せにして、中日本高速道路は何をやっているのか―。9人が死亡した中央自動車道「笹子トンネル」(山梨県)天井板崩落事故。全国二十数本のトンネル工事に携わり現場をよく知る元現場監督者(51)が見た異常事態とは…。(遠藤寿人)
今回抜け落ちた天井のつり金具を最上部で支えるアンカーボルトが、トンネル天井部のコンクリート壁に穴をあけ、接着剤で固着した「ケミカルアンカーボルト」だったと聞いて、度肝を抜かれました。
ケミカルアンカーボルトは、あくまでもトンネルの内部で、重い荷物を移動させるために、天井にフックを取り付ける際など、「仮に」使用するものです。
通常、アンカーボルトは、トンネル天井部のコンクリートを打設する前に、中の鉄筋と溶接して一体化し、コンクリートの中に「埋め
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