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「後方支援」の実態/「命が危険」こそ国際的常識だ
2015-07-31 12:01主張
「後方支援」の実態
「命が危険」こそ国際的常識だ
参院で本格的な審議が始まった戦争法案は、海外で戦争をしている米軍をはじめ外国軍隊に対し、自衛隊が、従来は活動が禁止されていた「戦闘地域」であっても、輸送や補給などの「後方支援」(兵站〔へいたん〕)を行うことを可能にしています。政府は、「後方支援」は「安全な場所で行う」とか、「他国軍隊の武力行使と一体化しない」といった弁明を繰り返しています。しかし、日本共産党の小池晃副委員長が安保法制特別委員会の質問(29日)で示したように、政府の弁明は、戦争の実態からも、国際的な常識からも、あまりにかけ離れていることは明白です。戦争の現場で実際何が 安倍晋三首相は、戦争法案が定める「後方支援」について「危険を回避し、安全を確保することは当然だ。これは国際的な軍事常識と言ってもよい」「相手の攻撃対象となることは明らかといった指摘は当たらない」などと述 -
全国の大学 50以上に 戦争法案反対の声明・運動
2015-07-31 11:57大学教職員と学生を中心とした戦争法案に反対する声明発表や運動が、全国の50以上の大学に広がっています(30日現在)。教員たちの呼びかけが“発火点”となり、短期間で急速に賛同が広がり、学生たちとの共同がすすんでいるのが特徴です。 ◇ 取り組みを始めている大学のうち約8割は、政府・与党が戦争法案を衆院特別委員会で強行した15日以降に声明を発表しています。川島堅二学長も名を連ねた恵泉女学園大学(東京)の声明に「時の政権が解釈のみで憲法を空洞化することは、立憲主義への明白な挑戦であり、戦後民主主義をも根底から破壊するもの」とあるように大学人のあらたな怒りを呼び起こした形です。 早稲田大学では「安全保障関連法案の廃案を求める早稲田大学有志の会」が、5人の教員を発起人として20日に声明を発表。65人の教員・元教員が呼びかけ人となり、在学生からOBまで2226人(2 -
国民裏切るTPP交渉からの撤退を/志位委員長が会見で強く求める
2015-07-31 11:56日本共産党の志位和夫委員長は30日、国会内で記者会見し、「大筋合意」を目指しハワイで始まった環太平洋連携協定(TPP)交渉について「重大局面にきています。報道では日本政府が国民を裏切る譲歩につぐ譲歩を行っていると伝えられています。日本の農業、食の安全、経済主権を米国に売り渡すTPP交渉は、撤退しかないと強く求めたい」と表明しました。 TPP交渉でもっぱら報じられている中身は、コメについては日本への輸入枠をどれだけ増やすか、牛肉・豚肉は関税をどうやって引き下げるか、乳製品は無税または低関税の輸入枠をどれだけ増やすか、など譲歩につぐ譲歩です。 志位氏は、そのどれもが「農林水産物の重要品目について、引き続き再生産可能となるよう除外又は再協議の対象とすること。十年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めないこと」とした国会決議(2013年)に明らかに違反しているとのべ、「国内農業や地域経済 -
海外での武力行使 歯止めなし 中東想定し日米共同訓練/参院特別委 井上議員が追及
2015-07-31 11:40日本共産党の井上哲士議員は30日の参院安保法制特別委員会で、戦争法案を先取りする形で、自衛隊と米軍が海外での武力行使を想定した実戦的な共同訓練を行っていることを明らかにしました。井上氏は「歯止めなき海外での武力行使につながる」として法案を廃案にするよう主張しました。 共同訓練は、昨年1月から2月にかけて米カリフォルニア州にある米陸軍戦闘訓練センターで行われたもの。陸上自衛隊(約180人)がアジアで初めて参加し、96式装輪装甲車や74式戦車まで持ち込んで、イラク、アフガニスタンへの派兵を繰り返してきた米陸軍ストライカー戦闘旅団(約4000人)と戦闘訓練を行っています。 中谷元・防衛相は「あくまで陸自の練度の確認、日米の相互運用性の向上を目的にしたもの」と繰り返すだけですが、米軍公式サイトなどによると、同訓練センターは広大な砂漠地帯(鳥取砂丘の91倍の広さ)で、大小20の集落や巨大なモスクま -
TPP閣僚会合/合意ありきは国民への裏切り
2015-07-30 10:32主張
TPP閣僚会合
合意ありきは国民への裏切り
環太平洋連携協定(TPP)の大筋合意を目指すアメリカ、日本など交渉参加12カ国の閣僚会合がハワイで始まりました。 日本の安倍晋三政権は、「今回を最後の会合にしたい」(甘利明担当相)と合意に前のめりです。閣僚会合に並行する日米交渉で譲歩を繰り返すとともに、関税などをめぐって交渉が遅れているといわれたカナダなどにも譲歩を求め、交渉が遅れた国は除いても大筋合意をすすめる態度まで表明しています。日本国民には極端な秘密主義で譲歩の中身を明らかにせず、自国の権利を守る国に譲歩までを求める姿勢は異常です。大幅譲歩が前提の交渉 TPP交渉をめぐり取りざたされる情報では、日本政府が農産物の関税引き下げや輸入数量の拡大で、アメリカの要求にいかに譲歩するかが中心になっています。安倍首相や甘利担当相は国益を守る努力を口にしますが、その実現の保証はまったくありませ -
兵站は戦争そのもの 「命がけ」と米軍文書/アフガン・イラク 補給で死傷者3000人超 戦争法案 小池議員が追及
2015-07-30 10:25参院安保特委
「対テロ戦争の現場では兵站(へいたん)ほど狙われやすい。これが実態だ」―。日本共産党の小池晃議員は29日の参院安保法制特別委員会で、兵站がテロの格好の標的となったアフガニスタン戦争やイラク戦争の実態を突きつけて、これまでの歯止めを外して「戦闘地域」での兵站(後方支援)を行う戦争法案の危険性を浮き彫りにしました。 アフガン、イラクでの補給任務中の死傷者は、2003~07米会計年度の5年間、米陸軍だけで3046人に達しています。小池氏は、07年度に行われた米陸軍の補給任務のうち、燃料の輸送は24回に1人、水の輸送は29回に1人の割合で死傷者が出ていることを指摘。「戦場での燃料・水の補給は命がけ」と書いた米陸軍環境政策研究所のレポートを示し、「兵站がどれほど危険か認識しているのか」とただしました。 安倍晋三首相は「戦闘行為が発生しないと見込まれる場所を実施区域に指定した上で(自衛 -
首相補佐官暴言/違憲性の批判への開き直りだ
2015-07-29 10:49主張
首相補佐官暴言
違憲性の批判への開き直りだ
「法的安定性は関係ない」「(集団的自衛権行使が)日本を守るため必要な措置かどうかだ」―参院で戦争法案の審議が始まる直前飛び出した、首相側近で安全保障法制担当の礒崎陽輔首相補佐官の発言は、問答無用で違憲の法案の成立を目指す安倍晋三政権の危険な本音を浮き彫りにしたものです。戦争法案の違憲性が最大の焦点になり、国会では安倍首相らが「違憲ではない。法的安定性は守られている」と言い訳しているさなかに、足元から否定する発言が出てきたのです。違憲の法案は持ち出すこと自体許されません。安倍政権は戦争法案を撤回すべきです。“確信犯”としての本音 戦争法案は、自衛隊が戦闘地域まで出かけてアメリカの戦争を支援する点でも、戦闘が続く地域での治安維持活動への参加でも、政府がこれまで「行使できない」としてきた憲法解釈を変更して集団的自衛権を行使する点でも、武力の行使 -
兵たん 前方配置・戦闘力増進 「陸自教範」に明記/武力行使と一体そのもの
2015-07-29 10:47「戦争法案」では、イラク戦争のような戦争で、自衛隊が米軍などに弾薬や燃料の補給、武器の輸送などのいわゆる「後方支援」=「兵站(へいたん)」を行うとしています。安倍首相らは、それを「安全だ」と強弁しますが、本紙が入手した「陸自教範」では、兵站部隊は「できる限り前方で、主攻撃の支援に便利なように配置する」「(戦場での)戦闘力を維持・増進して作戦を支援する」などと“武力行使と一体不可分”の軍事行動であることを明記しています。 (山本眞直) 入手したのは、陸上自衛隊幕僚監部が監修した最新版「陸自教範 兵站」(2011年1月)です。兵站の役割について「作戦上必要とする物的資源などを確保し、適時適所に必要とする部隊などに提供するとともに、これを適切に管理して作戦・戦闘の基盤と可能性を付与する」と定義しています。 「教範」は、「陣地攻撃」での兵站運用について、「戦闘の終始を通じて衝撃力を維持・増進する -
戦争法案 参院審議/日本中に「反対」響かせ廃案へ
2015-07-28 10:52主張
戦争法案 参院審議
日本中に「反対」響かせ廃案へ
自民・公明の与党が強行採決で衆院を通過させた戦争法案について、参院で本会議質疑が行われ、審議が始まりました。日本共産党は、市田忠義副委員長が本会議での質問に立ち、法案が自衛隊の海外での武力行使に道を開く憲法違反の立法であることを明らかにし、「違憲立法反対」という国民多数の意思を踏みにじる安倍晋三政権の姿勢を厳しくただしました。憲法の重みかみしめる 衆院の審議で法案の違憲性が明らかになったにもかかわらず採決を強行したことで内閣支持率は急落し、法案に反対する国民の声もますます大きくなっています。ところが、安倍首相は「PKO(国連平和維持活動)法の時も、日米安保条約改定の時も、反対論があった」と居直り、国民の反対世論に耳を傾けようとしていません。 市田氏が「国民はいずれ怒りを忘却し、反対世論は沈静化する、あなたがそう思っているとするなら、 -
違憲立法に手を貸すのか/市田副委員長が廃案を要求 本会議/戦争法案 参院審議入り
2015-07-28 10:48「内閣が違憲立法を国会に提出し、それを批判する国民多数の声を踏みにじって衆議院での採決を強行したことは、憲法と国民主権の蹂躙(じゅうりん)そのものであり、立憲主義の原則に反する歴史的暴挙だ」―。戦争法案が参院で審議入りした27日の本会議で、日本共産党の市田忠義副委員長は壇上から安倍政権の政治姿勢を厳しく糾弾し、廃案を求めました。 「平和安全法制」とは名ばかりで、自衛隊の海外での武力行使を進める「違憲立法」であることが、衆院の論戦を通じて明々白々となった戦争法案―。 市田氏は与野党議員に向けて、「いま参議院は、違憲立法の成立に手を貸すかどうかが鋭く問われている」と問いかけたうえで、「政府・与党がどんなに耳を塞(ふさ)ごうとも、国民の声を遮ることは絶対にできない。国中に国民の声をとどろかせ、希代の悪法を廃案に追い込むために全力を尽くす」と力強く決意を表明しました。民主党の席からもたびたび拍手
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