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衆参ダブル選・秘密保護法・TPP/志位委員長が記者会見
日本共産党の志位和夫委員長は31日、国会内で記者会見し、国政上のさまざまな問題について記者団から問われ、次のように答えました。
●衆参ダブル選挙
自民党から衆参ダブル選挙実施の発言が相次いでいることについて志位氏は「とにかく自分たちに有利だろうからやってしまえというやり方は、まさに解散権を党略的に乱用するものであり邪道です」と強調しました。
さらに、「報道されているように、消費税10%への増税を先送りすることを理由にしてダブル選挙をやるということであれば、ますます面妖です。増税を2度も延期するということは、アベノミクスの破綻を自ら認めたことになる。それであれば、やるべきことは解散でなくて内閣総辞職でなければなりません」とも力説しました。
そのうえで、「もし早期の解散・総選挙になったとしても対応できるような準備を、野党全体としても日本共産党としても行う必要がある」と強調。現在、参院選1人区の野党共闘に全力をあげているが、それとともに衆院の小選挙区での野党共闘の態勢づくりが必要で、そのための協議に入ることが急務だと述べ、「小選挙区でも野党共闘を本格的に実現すれば、情勢の大きな激変が起こると思う」と表明しました。
●秘密保護法
志位氏は、秘密保護法の運用をチェックするとして衆参両院に設けられた情報監視審査会が30日に報告書を提出したことについて、「今度の報告書ではっきりしたのは、政府が何もかも秘密にし、質問しても答えないということです。国会に審査会という機構を設けたが、監視の機能が果たせないということが明瞭になっている」と指摘し、こう続けました。
「国権の最高機関は国会です。その国会が監視機構をつくっても、行政府が抵抗して秘密を明らかにしない。これはまさに、行政権力が暴走状態になっており、憲法違反の状況がここでもつくりだされているということです。秘密保護法は廃止する以外にないことがいよいよもって明らかになってきたと思います」
●TPP
環太平洋連携協定(TPP)承認案と関連法案の審議入りが目前となっていることについては、「政府・与党が弄(ろう)している二つのウソ」を徹底的に究明して批准阻止のたたかいを進めていきたいと表明しました。
志位氏は、TPP参加が自民党の選挙公約にも国会決議にも違反することが明瞭であるにもかかわらず、「政府は『違反ではない』とウソをついている」と指摘。さらに国内経済への影響に関する「政府試算」が、農林水産業へのマイナスの影響はほとんどないとし、国内総生産(GDP)引き上げ効果を過大に見積もっていることをあげて、「試算とは呼べない」と批判しました。
志位氏は「この二つのウソをついたまま、関税撤廃や『非関税障壁』の撤廃、農業、雇用、医療、政府調達、食の安全など、ありとあらゆる点で日本の主権を米国に売り渡すような重大な協定を批准することは絶対に許されない」と強調しました。 -
政府の待機児対策/「取り繕い」では打開できない
主張
政府の待機児対策
「取り繕い」では打開できない
保育所に入所を希望しながら入れなかった待機児童問題が深刻化するなか安倍晋三政権が「緊急対策」を決めました。待機児解消にまじめな態度を示さなかった安倍政権にたいする国民の怒りが急速に広がったことを受け、急きょ取りまとめたものです。しかし、既存の保育施設の定員拡大による「詰め込み」を中心にした対策ばかりで、保育士の処遇改善も見送られたため、父母や保育士から失望と新たな怒りの声が上がっています。国は、安心で安全な保育を願う国民の声に応え、実効性ある措置を直ちにとるとともに、抜本対策に踏み出すべきです。
「弾力化」に不安相次ぐ
安倍政権の緊急対策の一つの柱は、「規制の弾力化」による「臨時的な受け入れ強化の推進」です。具体的には、自治体にたいし施設の保育士配置数や施設面積を緩和させて、子どもの受け入れ枠を広げることなどを求めています。
これは安全で良好な保育環境を保障する上で深刻な影響を引き起こしかねないやり方です。認可保育所の子ども受け入れ基準は、国が「1歳児6人に保育士1人」などと決めていますが、自治体によっては保育の質を保障するため「1歳児5人に保育士1人」と独自基準を定めているところもあります。施設面積も国の基準より広く設定している自治体もあります。
国の基準では十分子どもに目が届かず保育事故が起きたことなどの教訓を踏まえ、自治体が実態にそくして決めている基準です。本来なら国が基準を引き上げ、保育士の増員などをはかるべきなのに、“基準を下げ、子どもを押し込め”というのはあまりに乱暴です。
保育士からは「いまでも手いっぱい。これ以上の対応は厳しい」との声が続出し、自治体担当者からは「危険だ」と不安視する意見が出されています。定員19人以下の小規模保育施設の定員枠を22人に増やすことも、安全確保面で懸念されています。「とにかく詰め込む」というやり方は、安全な保育を求める父母の願いに反します。
関係者が怒りを募らせているのは、緊急対策に、保育士の賃金引き上げなど処遇改善策が盛り込まれなかったことです。安倍首相は5月に決める「1億総活躍プラン」で打ち出すとしていますが、対応が遅すぎます。待機児が解消できない大きな要因は、保育士の確保ができずに保育所増設がすすんでいないためです。やりがいを持って仕事についた保育士が人手不足や低賃金などで疲れ果て職場を辞めざるをえなくなる―。この悪循環を断ち切ることは、緊急課題であり、そこに国は責任をもつべきです。
日本共産党など野党は共同で、国の財源で保育士給与を月5万円引き上げるための処遇改善法案を国会に提出しました。保育士が安心して働ける職場づくりへ今こそ政治が役割を果たす時です。
深刻な実態直視してこそ
国は2万人超としてきた昨年4月の待機児数は、育児休業延長者などを含めれば8万人超にのぼると発表しました。子どもの預け先が見つからない親が職を失うなどの事態打開は一刻の猶予もできません。国は抜本対策の検討を急ぐと同時に、緊急対策についても自治体任せにせず、公共施設を活用した臨時保育所整備への必要な支援など、安全に配慮したきめ細かい対応をとることが必要です。 -
批准強行狙う安倍政権止めよう/“TPPノー”国会包む/66団体と野党 座り込み・決起集会
いのちより大企業の利益を優先する環太平洋連携協定(TPP)にノーの声をつきつけようと、30日、「TPPを批准させない国会行動」が行われました。TPP協定の批准案と関連法案が4月5日にも審議入りし、安倍晋三内閣は今国会で批准を強行しようとしています。これを阻止しようと、700人が参加。国会前での座り込み、議員要請、決起集会、国会請願キャンドルデモをくり広げました。
主催は、TPPの危険を訴える第一線にたつ28氏が呼びかけ、66団体が賛同した「TPP批准阻止アクション実行委員会」です。
憲政記念館ホールでの決起集会では、「TPPを許さない、脱退するため最後の最後まで力を合わせよう」の発言に「ようし」との声と大きな拍手が起きました。
日本共産党、民進党、社民党、生活の党、無所属の議員が多数かけつけました。日本共産党の畠山和也衆院議員が「党派、立場の違いを超えてTPPを批准させない共同を」とあいさつしました。
前日本医師会会長でTPP阻止国民会議の原中勝征代表世話人が開会あいさつ。TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会の醍醐聡氏ら呼びかけ人は、一部企業・投資家の利益のため、日本農業・農山村を崩壊させ、食の安全、医療、経済主権をも侵すTPP協定の危険な内容を告発。批准阻止へたたかう決意を表明しました。
各分野・地域から10人が発言。岩手県県民会議役員で岩手県農協中央会の畠山房郎常務や農民連の白石淳一会長が、国会決議と公約を違反して農業つぶしを強行する安倍内閣を批判しました。
TPPに反対するアメリカ、ニュージーランドの活動家からも連帯メッセージがよせられました。
これに先立つ、議員会館前での座り込み行動には、北海道や九州など全国各地から参加。TPPに反対する「ママデモ」の声に合わせて、「国民無視した批准はやめろ」などと力強くコールしました。
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