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4月18日、デラウェア州ウィルミントンの裁判所で、賠償金額16億ドル(約2160億円)の裁判が始まるはずだった。
2020年の大統領選挙で、「ドミニオン社の投票集計機がドナルド・トランプ票をジョー・バイデン票に書き換えた」と報道した保守系テレビ局FOXニュースをドミニオン社が訴えたのだ。
だが、裁判にはならなかった。その日の午後、FOXがドミニオン社に史上最高規模の7億8750万ドル(約1063億円)を支払うことで和解したからだ。
ドミニオン社の投票機が票を盗んだと言い出したのはトランプの弁護士ルディ・ジュリアーニとシドニー・パウエルだった。ありえない陰謀論だった。なぜなら、アメリカでは、どの会社の集計機がどの地区の票を集計したか公表されているからだ。ジュリアーニが票を盗んだと主張するペンシルヴェニア州でドミニオンが集計したのは14の郡だが、12の郡ではトランプが勝っているのだ。
また、トランプの弁護士たちはFOXニュースに出演して「ドミニオンの幹部は民主党下院議長ナンシー・ペロシの首席補佐官であり、民主党のファインスタイン上院議員の夫はドミニオンの大株主だ」と語ったが、それもデタラメだった。
アメリカで名誉毀損が成立するためには、中傷した側に「Actual Malice(実際の悪意)」があったことを証明しないとならない。この場合、トランプ側の主張が嘘だと知りつつ、故意にそれを放送したということを。
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最終更新日:2024-04-26 18:00
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