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ぼくの奥さんのスミちゃんが亡くなってから、早いもので三年が経つんだね。
今でもときどき思い出すのは、スミちゃんが作ってくれるお味噌汁の味。
ぼくは彼女と一緒になったとき、「料理が上手になろうなんて考えなくていいからね」と伝えた。
仕事柄、いつも外で誰かに食事をご馳走したりされたりしているから、せっかくスミちゃんが作ってくれた料理を「お腹がいっぱいで食べられない」というのが嫌だったからだ。
なので、彼女はぼくが(神奈川県の)二宮の家にときどき帰った時も、豪華な食事は決して作らなかった。
でも、そのとき作ってくれるアジの開きやお茶漬けは、いつも、素朴だけれど心に沁みるようにほっとする味だった。

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最終更新日:2023-09-29 18:00
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