閉じる
閉じる
×
私の古くからの友人にそれはそれは美しい人がいた。類稀なる外見とは裏腹にその心はとても臆病で繊細で穏やかだったものだから、そもそも人の興味を引くことそのものや、幅広い年齢層の異性から向けられる狂信的なまでの妄執、身に覚えのない噂や勝手な嫉妬に必要以上に苦しめられていたようだった。健康と引き換えに体重を大幅に増やすことでその子はやっと自由になり、持って生まれたギフトというのは、必ずしもその人を幸せにするものではないらしいと、その時私は知った。『ダイヤモンドの功罪』は、そんな望んでもいないのに与えられてしまった規格外の才能によって辺りが焼け野原にされる様をねっとりとじっとりと描いている。
この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。
入会して購読
チャンネルに入会して、購読者になればこのチャンネルの全記事が読めます。
入会者特典:当月に発行された記事はチャンネル月額会員限定です。
週刊文春デジタル
更新頻度:
毎週水,木曜日
最終更新日:2024-04-26 18:00
チャンネル月額:
¥880
(税込)
ニコニコポイントで購入
この記事は月額会員限定の記事です。都度購入はできません。