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アベノミクス もうけるのは誰―ユニクロの柳井氏の場合
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アベノミクス もうけるのは誰―ユニクロの柳井氏の場合

2013-05-11 11:57

    アベノミクス もうけるのは誰

    5カ月の資産増加額、全従業員給与10年分

    ユニクロの柳井氏の場合

     ユニクロを国内外に展開するファーストリテイリング社の柳井正氏の場合、今年4月22日までに、本人の保有株式の時価だけでも、4047億円増えています。2人の息子と妻の保有株式を合わせると、6140億円の増加です。

     さらに、柳井氏の場合、妻と共同でオランダに設立した資産管理会社と、息子2人のために一つずつ設立した資産管理会社があり、以上の3社が保有する株式も合わせれば、8548億円の資産増加となります。同社の昨年8月決算期の有価証券報告書によれば、販売費・一般管理費に占める「給与手当」は839億円となっています。柳井氏家族4人の5カ月間の資産増加額は、この従業員給与の10年分にも相当する計算です。

    平均で220万円弱

     この有価証券報告書によれば、海外を含むグループ企業全体の従業員総数は3万8339人、うち1万9485人は「準社員およびアルバイト」です。本社の正社員781人の平均給与年収は675万円となっていますが、アルバイトなどを含めた平均給与は220万円足らずです。

     10年前の2002年8月決算期の数字では、本社の正社員1631人の平均給与は597万円、アルバイトを含めたグループ全体の平均給与は240万円でした。昨年8月期の数字をこれと比べると、本社の正社員は給与を上げるかわりに人数を減らして「少数精鋭化」し、その一方で、もともと低い準社員やアルバイトの賃金をさらに引き下げて利益を上げてきたということがわかります。

     報道によれば、同社は、店長候補として採用した正社員の賃金体系を世界全体で同一にすることを計画しているそうです。これは、ユニクロ店舗が多数展開している中国などの賃金水準に合わせて、国内の賃金を引き下げていくことになります。

    低賃金化を公言

     柳井氏は、「朝日」(4月23日付)で、「将来は、年収1億円か100万円に分かれて、中間層が減っていく」と賃金格差の拡大を当然視し、「仕事を通じて付加価値がつけられないと、低賃金で働く途上国の人の賃金にフラット化するので、年収100万円のほうになっていくのは仕方がない」と、いっそうの低賃金化を公言しています。労働者を絞り上げて業績をあげ、株のもうけは自分の懐へ―こういう経営者を応援するのが「アベノミクス」なのです。
    (垣内亮 日本共産党政策委員会)
    (2013年5月8日付)

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