猪瀬直樹東京都知事に対する医療法人「徳洲会」グループからの裏献金疑惑を審議していた都議会総務委員会は17日、「総務委員会(の調査)では限界があり、(地方自治法100条に基づく)百条委員会も視野に、新たな対応を考えざるを得ない」として、同委員会での調査を打ち切ることを決めました。
これを受けて都議会は18日に議会運営委員会を開き、20日に特別委員会を設置する臨時会の招集を知事に求める方向です。
この日、委員3人が質疑した後、質疑を中断して理事会を開催。再開後、全会一致で総務委の質疑打ち切りを決めました。
委員会終了後、日本共産党都議団の大山とも子幹事長は、記者団に「総務委員会での知事の答弁は言を左右にし、誠意も感じられないもので、資料も黒塗りが目立ちました。私たちは、証人喚問も偽証の告発もできる百条委員会を設置して真相を究明することを、いち早く提案してきました。百条委を設置できるよう頑張りたい」と語りました。
資産十分、「借金」は不要
徳留都議追及 猪瀬氏「自分の財産よく知らぬ」
日本共産党の徳留道信東京都議は、16日の都議会総務委員会で、猪瀬直樹知事が医療法人「徳洲会」グループから受けた5000万円の裏献金疑惑を追及しました。
徳留氏は、猪瀬知事が裏献金発覚直後の記者会見で「資金提供という形で応援してもらうことになった」と説明していたにもかかわらず、その後「生活のため」「個人事務所の運転資金」などと変更したことを批判。知事の自宅(町田市)と個人事務所「オフィスイノセ」(港区)の登記簿では、合計3億円の根抵当権が設定されていることを挙げ「運転資金などは3億円まで銀行から借り入れできるではないか」と指摘。資産は十分あり、生活資金や事務所の運転資金のためであれば、徳洲会から資金提供を受ける必要性はなかったと追及しました。
猪瀬知事は徳留氏の指摘を否定できず「自分の財産については、あんまりよく知りません」とごまかし、「銀行からお金を借りるのにはすぐにはできない。それなりの手続きや時間を要する」と述べました。
猪瀬氏は、徳洲会から5000万円を受け取った翌日(昨年11月21日)に知事選立候補を表明しており、この資金提供が知事選出馬の大きなきっかけになったことは明らかです。猪瀬氏が、資産は十分にあるとの徳留氏の指摘を否定できなかったことで、徳洲会からの資金提供が知事選のための資金調達であった疑いが、いっそう深まりました。
このほか徳留氏は、猪瀬氏が徳洲会グループの徳田毅衆院議員から現金を受領後、自宅に直行したと説明したのはうそで、実際には猪瀬氏の資金管理団体のあるオフィスイノセに立ち寄っていたことを追及しました。
さらに、5000万円を公用車で自宅に持ち帰ったこと、特別秘書に返金させた際には公用車を使っていたことを指摘。徳留氏の追及に、猪瀬氏は「知事の代わりに仕事をしてくれた」などと開き直りました。