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安倍暴走政治に対決 「戦争する国」許さぬ国民的共同をさらに―党国会議員団総会での志位委員長のあいさつ
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安倍暴走政治に対決 「戦争する国」許さぬ国民的共同をさらに―党国会議員団総会での志位委員長のあいさつ

2014-06-21 13:58

     日本共産党の志位和夫委員長が20日、国会議員団総会で行ったあいさつは次のとおりです。

    0bdc7f9fef4bf76b01b39f63af01d993f49855f0 連日の奮闘に心からの敬意を申し上げます。参議院ではこの後、秘密国会法案の採決が行われますが、日本共産党は国会を秘密法の“共犯者”とするこの悪法に、最後まで堂々と反対を貫いて奮闘するものです(拍手)。国会閉会にあたってあいさつをいたします。

     この国会は、安倍政権による国民の利益に背く暴走が突出した国会となりました。同時に、この暴走と正面から対決する日本共産党国会議員団の値打ちが輝いた国会ともなりました。私は、日本共産党議員団が果たしたかけがえない役割について、三つの点を強調したいと思います。

    安倍暴走政治の問題点の核心を突く――「自共対決」がいよいよ鮮明になった  

     第一は、国政の根本問題で、安倍暴走政治の問題点の核心を突く日本共産党ならではの論戦によって、「自共対決」の対決構図がいよいよ鮮明になったということです。

    集団的自衛権――自衛隊の「戦地」派兵という問題の核心を突く

     集団的自衛権をめぐっては、わが党は、自衛隊の「戦地」派兵という、この問題の核心を突く論戦を展開しました。わが党の国会論戦をつうじて、集団的自衛権の行使とは、日本の国を守ることでも、国民の命を守ることでもない、アフガニスタン戦争やイラク戦争のような戦争をアメリカが起こしたさいに、これまでの自衛隊派兵法に明記されていた「武力行使をしてはならない」「戦闘地域に行ってはならない」という歯止めが外され、自衛隊が「戦地」にまで行って軍事支援を行う――アメリカの戦争のために日本の若者の血を流させるということが、その正体だということが明らかになりました。

     ここにこそ問題の核心があることは、最近のメディアの報道でも裏付けられています。朝日新聞(6月15日付)では、「平和貢献のはずが 戦場だった 後方支援 独軍55人死亡」の見出しで、ドイツ軍を例に、アフガン戦争ではNATO諸国が「後方支援」のつもりで参加したが、たとえ「後方支援」であっても戦場で行えば、戦闘に巻き込まれ犠牲者が出たことを、生々しく明らかにしています。

     わが党が追及してきたこの問題にこそ、集団的自衛権行使の一番の現実的危険があることを広く国民に知らせ、この憲法破壊の企てを打ち破るために、引き続き力をつくそうではありませんか。(拍手)

    消費税大増税――庶民に大増税、大企業に大減税という異常な不公正をただす

     消費税大増税をめぐっては、わが党は、庶民に巨額の負担増を強いながら、大企業には復興特別法人税廃止、投資減税、法人税率の引き下げなど、大減税の大盤振る舞いを進めるという異常な不公正を、正面からただしました。これは、「社会保障のため」「財政再建のため」という政府のキャンペーンの偽りを根本から暴き、消費税増税の真相を突く、わが党ならではの論戦でした。

     わが党が、本会議の質問でも、衆参の予算委員会の質問でも、大増税の不当性を追及するとともに、党の「経済提言」が明らかにした「応能負担に基づく税制改革」と「大企業の内部留保を活用した経済改革」という二つの柱からなる抜本的対案を示してたたかったことは、今後のたたかいにとっていよいよ重要であることも、強調しておきたいと思います。

    「野党再編」――この離合集散からは新しいものは何も生まれない

     こうした国政の根本問題に、他の野党はどういう態度をとったか。かつての日本軍国主義による侵略戦争は、日本共産党以外のすべての政党が「大政翼賛会」に合流して推進されました。同じような光景がいまの国会を覆っています。

     この国会では、憲法9条改定の条件づくりを目的とした改憲手続き法の改定が強行されました。この重大法案を、日本共産党、社民党以外のすべての政党の共同提案で、まともな審議時間も保障せずに押し通したことは、国会の「翼賛」化を象徴する出来事となったことを、きびしく指摘しておきたいと思います。

     またぞろ「野党再編」の動きが起こっていますが、安倍政権の「翼賛」政党に堕落した政党が、どのような離合集散をしようと、そこから新しいものは何も生まれない、このような政党に日本の未来を託すことはできないということを、私は、はっきりと言っておきたいと思います。

     戦前を彷彿(ほうふつ)とさせる「翼賛」状況ですが、国会に日本共産党という存在があるかぎり、戦前には決して戻ることはありません。安倍暴走政治に正面から対決し、どの問題でも国民の立場からの対案を示し、国民と共同してたたかう――「対決」「対案」「共同」という立場を堅持・発展させ、さらに奮闘しようではありませんか。(拍手)

    躍進した国会議員団が、国会と政治を動かす仕事をおこなった

     第二は、昨年の参議院選挙で躍進した国会議員団が、国民のたたかいと一体に、国会と政治を動かす仕事を行ったということであります。

     参院選での躍進がどれだけの変化をつくったか。昨年の通常国会では、参議院本会議でわが党が質問・討論に立てたのはわずか3回でした。ところが今年の通常国会では、11人全員が登壇し、質問・討論は24回にも及びました。躍進はまさに国会の様相を変えたのです。

    ブラック企業規制法案、秘密法廃止法案――二つの法案提起の意義

     わが党は、参議院選挙で獲得した議案提案権を行使して、この国会に二つの法案を提起してたたかいました。

     一つは、昨年の臨時国会に引き続いて、国会冒頭にブラック企業規制法案を提出しました。この法案にそくしたわが党の国会論戦によって、すでに現実政治を動かしていることはきわめて重要であります。

     厚生労働省は、昨年から今年にかけて、わが党の提起を受け、5千を超える事業所への立ち入り検査と違法行為などへの是正措置の実施、求人票に離職者数を明示することを要請したのに続き、「固定残業代制」の問題では、虚偽や誇大な求人広告を掲載しないようとの要請に加えて、不適正求人の調査と是正指導など、一連の対策にのりだしています。そして、ブラック企業規制法案は、来国会への継続審議となりました。これはわが党が提起したブラック企業規制法案に、相手が誰であれ否定できない道理があることを示すものであり、その実現をめざして引き続き奮闘したいと思います。

     いま一つ、日本共産党は、社民党、無所属議員と共同で、秘密保護法廃止法案を、国会終盤に提出しました。これは、国会を秘密保全体制に組み込む秘密国会法案が自公によって強引に持ち出されるもとで、秘密法廃止という、問題を根本から断つ方策を指し示すものとなりました。

     そしてこの法案提出は、何よりも、この希代の悪法の廃止を願う多数の市民の願いにこたえたものでありました。「『秘密保護法』廃止へ! 実行委員会」は、法案提出後、緊急院内集会を開き、「秘密保護法廃止法案の提出を歓迎する声明」を発表し、「廃止法案の提案のために、努力された関係国会議員の皆さんに心から感謝します」「次の国会において、……より多くの国会議員の皆さんの賛同を得て廃止法案の提案が実現するように、今後も努力を継続していきます」と表明しました。国民運動と力をあわせ、希代の悪法の施行を許さず、廃止までともに奮闘しようではありませんか。(拍手)

    悪法とのせめぎあい――根拠と道理を崩す論戦は今後に生きる

     この国会では、数多くの悪法が、与党の“数の暴力”で、あるいは「翼賛」化した一部野党との共同で、強行されました。

     しかし、日本共産党国会議員団の奮闘によって、どの悪法もその根拠が崩され、道理が立たないことが明らかにされたことは重要であります。

     国会の最終盤に、自公などによって医療・介護総合法が強行されました。しかしこの強行は、法案の根幹に関わる問題で論拠が崩壊し、ボロボロになっての強行となりました。介護保険利用料2割負担の根拠がデタラメだったことが判明し、政府は前代未聞の謝罪と撤回に追い込まれました。昨年の政府・厚生労働省の介護保険部会でこの説明に疑問を投げかけていたある委員は、参考人質疑で「驚きと怒りを覚える。介護保険部会に差し戻すべきだ」とのべました。この法案のデタラメぶりを根底から明らかにし、ギリギリまで追い込んだ論戦は、必ずや今後、医療・介護改悪とたたかい、その充実をめざす国民のたたかいに生きる力になると確信するものであります。(拍手)

     特筆すべきは、政府が今国会での強行を狙った労働者派遣法大改悪法案を、審議未了・廃案に追い込んだということです。これは全労連と連合などナショナルセンターの違いを超えた国民共同のたたかいの重要な成果です。「生涯ハケン」「正社員ゼロ」に道を開くこの悪法の根をたち、派遣法の抜本改正をかちとるために、引き続き力をつくそうではありませんか。(拍手)

    日本軍「慰安婦」問題――「河野談話」見直し勢力に痛打

     この国会では、歴史を改ざんする勢力とのたたかいも重要な課題となりました。日本軍「慰安婦」問題で、軍の強制と関与を認めた「河野談話」を葬ろうという動きが、「維新の会」など一部野党から提起され、安倍政権がそれに迎合するもとで、わが党は、それを全面的に論破する見解を発表しました。見解の発表は、内外メディアにも注目され、この問題での潮目を変える力ともなりました。「河野談話」見直し派からのわが党の見解に対する反論は、今日に至るまでも一切なされていません。

     政府は、「検証」なるものを行いましたが、見直し派が求めていた元「慰安婦」からの聞き取り調査の「検証」はできず、「日韓両政府の事前のすり合わせ」なるものについても、“最終的な談話は日本側が主体的に決定した”との見方を打ち出しました。これを受けて政府は、「河野談話」の見直しはせず、継承するという立場をあらためて示しました。これらは、「河野談話」見直しを画策した「靖国」派への痛打となるものであります。

     日本共産党は、日本政府による被害者への謝罪・賠償、事実にたった歴史教育の実施など、この問題の解決にむけて、引き続き力をつくすものであります。(拍手)

    国民のたたかいとの共同が、あらゆる分野で前進した国会に

     第三に、この国会は、国民のたたかいとの共同があらゆる分野で前進した国会となりました。安倍暴走政治に対する国民の怒りの声が、国会にいて聞こえない日がないくらい、国民のたたかいの新たな高揚が実感されました。

     この国会の初日が秘密法反対の国会包囲行動で始まり、終盤の17日には集団的自衛権反対の大集会が行われたことに象徴されるように、国会包囲の大規模な行動が繰り返し展開されました。秘密法反対、憲法擁護、原発ゼロ、社会保障充実、労働法制改悪反対など、各分野の行動が波状的に国会を取り囲み、数千人から数万人規模のものだけを数えても、その回数は実に9回におよびました。

     そうした行動と並行して、官邸前行動が粘り強く続けられました。「再稼働反対」「原発ゼロ」をめざす官邸前行動は、2012年3月29日に始まってから今年5月2日で100回を数え、2年以上にわたって続けられています。「原発ゼロ」だけでなく、TPP(環太平洋連携協定)反対、貧困打開、憲法擁護など、さまざまの課題で官邸前抗議行動が取り組まれ、安倍政権の暴走への抗議の声が、絶え間なく国会に鳴り響く状況がつくられています。

     社会の進歩は、支配勢力と国民との客観的矛盾が深刻になるだけでは現実のものとなりません。社会変革の主人公である国民のなかに、「社会を変えよう」という自覚性・自発性・主体性が成長・発展してこそ、それは現実のものとなります。

     この点で、さまざまな分野で国民運動が発展し、それが国会を包囲し、全国に広がっていることは、日本の大きな希望であります。

     日本共産党は、この動きと固く連帯し、その発展に貢献するたたかいに意気高く取り組む決意をあらためて表明するものであります。(拍手)

    国民運動、「躍進月間」――国会議員団が全党のたたかいの先頭に

     今日で国会は事実上の閉会となりますが、私たち国会議員団が団結して、つぎの二つの仕事に取り組もうということを訴えたいと思います。

     一つは、あらゆる国民運動の発展の先頭に立つことであります。とくに集団的自衛権をめぐっては、当面、行使容認の「閣議決定」を許さないたたかいに力をつくしますが、かりにそれが強行されたとしても、与党の密室協議をつうじての一片の「閣議決定」だけで自衛隊を動かせるわけでは決してありません。自衛隊の海外派兵を具体化する法案とのたたかいが大問題になってきます。このたたかいは、長期にわたるたたかいとなるという展望をもち、国会議員団の知恵と力を総結集し、国民的共同を広げて、「海外で戦争する国」づくりを絶対に許さないというたたかいを発展させようではありませんか。(拍手)

     いま一つは、「党創立92周年・いっせい地方選挙勝利をめざす躍進月間」を必ず成功させることであります。この間、国会議員団が先頭に立って、全国遊説に取り組んできましたが、どこでも参加者の顔が明るい。昨年の都議選・参院選の躍進を心から喜び、いっせい地方選挙でさらに大きく躍進の花を開かせようという決意がみなぎるという状況があります。国会議員団が団結し、情勢の大局を語り、党の役割を語り、広く入党をよびかけ、全党と心一つに目標総達成の先頭に立つことをよびかけるものです。

     どうか健康に留意して活躍され、秋の臨時国会では、それぞれが豊かな成果を持ち寄って顔をあわせることを願って、閉会にあたってのあいさつといたします。(大きな拍手)

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