記事 20件
  • ルービックキューブを自分の力で解く方法(その6)

    2016-02-15 23:15  
    31pt
     ルービックキューブを自分の力で解く方法(その5) の続きです。9. 手戻り
     無事に解き終わって、一夜明け、また解いてみようとしたのですが、上面のコーナーや辺を揃えていくのが一筋縄ではいきません。今の手順は辺とコーナーが相互に関わっていて、あっちを合わせたらこっちがずれるの繰り返しになりがちです。 やっててつまらないので、改良することにしました。 一番困るのは、せっかく辺のキューブの向きを合わせても、コーナーキューブをいじるとまた向きが変わってしまうことでした。 そこで proc.B を出発点に辺のキューブの向きを変えない手順を考えます。 proc.B は、すでに示したように次のような移動です。色は省きました。 
     3つのコーナーが位置を変えずに向きを変え、辺が一部向きを変えながら、ぐるっと回ります。 手順は次の通りでした。 

    記事を読む»

  • ルービックキューブを自分の力で解く方法(その5)

    2016-02-15 23:00  
    31pt
     ルービックキューブを自分の力で解く方法(その4)  の続きです。 後はこれをルービックキューブ上で行うだけです。慎重に数字をキューブに読み替えて、失敗しないよう途中の手順 (STS-) を書きとめながら、 進めたところ、
     完成!!!!!!!! ガチで嬉しかったです。 実のところ2回挫折しかけました。 最初これとは違う100均のルービックキューブでやっていたら、あるところからどうしても進みません。そこで、長男に確認してもらったところ、それは完成できないとのこと。 ルービックキューブはいったんばらして、適当に組み上げてしまうと、全部の面が揃わない場合があります。 100均のはすぐバラけるし、次男は1面揃うと満足してばらして全部揃えたりするので、しょっちゅうバラバラになっています。この時は元にはもどらない組み方がしてあったようです。一度心折れかけました。 長男のルービックキューブを借りて最初から。 もう一度心折れかけたのは、最後の3辺入れ替えに突き当たった時。 それでも諦めずにやってよかったです。数日前は独力で解けるとは思っていなかったので、感動ひとしおです。 ちなみに今となっては、こんなややこしいことしなくていい別解に気づいているのですが。後に書いてきます。 3辺入れ替えの手順を書いておきます。出発点は上にも出したこれです。
      

    記事を読む»

  • ルービックキューブを自分の力で解く方法(その4)

    2016-02-12 21:30  
    31pt
     ルービックキューブを自分の力で解く方法(その3)  の続きです。 さあ、この proc. A で3段目のキューブはどのように移動したでしょうか。ここにそのメモがあります。
     解説の図では移動の様子を色で示しましたが、手元のメモでは色の頭文字でメモっています。 結果として、4つのコーナーは8の字に移動していました。これは少しひねる (T-)と3つの入れ替えになっています! これでコーナーの移動ができそうです! なお、自分で解いていた時は、このあたりで手順に名前が必要になり、この手順は proc.A と名付けられました。遡って、前の手順は proc.B としました。名前とできた順番が逆なのはそのためです。 また基本要素である proc.X は、これを書き始めてからついた名前です(苦笑 それにしても、あれこれいじっていると新しい手が出てくるのは本当に楽しいものです。是非自分でもいろいろいじってみてほしいです。5. 最後の難関にたどり着くまで。
     さあこれで、コーナーキューブの位置を変える proc.A とコーナーの向きを変えつつ辺の位置と向きを変える proc.B ができました。これで基本的にはコーナーキューブの位置と向き、そして辺の向きまでは合わせられるはずです。 しかし、proc.Aはコーナーキューブの位置だけでなく、その向き、さらには辺の位置や向きも変えてしまいます。proc.Aとproc.Bを組み合わせて、3段目を揃えていくのは大変なことでした。 そこで私は、proc.A の改良を試みます。結果として、 proc.A を左右対称にした proc.A*とproc.A の逆手順 proc.A- を組み合わせると、3段目のすべてのキューブの向きを変えずにコーナーと辺の位置を動かすことができることを見つけます。そのメモ。
     ここで詳しく書かないのは、今となってはこれは使わないからです。後述のように今では proc.B の改良を使っているからです。 このときは、この proc.A の複合手順と、 proc.B をがむしゃらに組み合わせることで、ついに、最後の局面に到達したのです。しかし、それは難関でした。6. 最後の難関
     ついに、完成一歩手前まで来ました。 それは、上面の色は揃っていて、辺のキューブだけが入れ替わっている状態です。ここまでは、 proc.A の複合手順と、 proc.B の組み合わせで持ってこられます。
     このような状態です。奥の西側 (W) はすでに揃っています。 これをなんとかして揃えなければなりません。今までは、たまたまできた3段目しか変わらない手順が生み出す動きを利用して揃えてきたわけですが、それで行き着くとこまで行き着いてしまったわけです。 そのことは、解いている途中ももちろん気づいていましたが、それでも、最後の局面については淡い期待を持っていました。 それは、ここまで揃った時、このような3つの入れ替えでなく、十字型に入れ替わっていたなら、すでに構想があったのです。 でも不幸にも3つの入れ替えが現れてしまいました。 これは長男がやっていても最後によく出てくる場面です。長男が寝てなかったら諦めて教えてもらっていたかもしれません。 果たしてこれを解く手順を自分で作れるのか、夜は更けていきます。7. 十字型入れ替えの手順
     そのアプローチには2つ考えられました。  proc.A や proc.B は共に proc.X という要素手順の組み合わせです。1つは、あくまでこの要素手順の派生でひねり出すこと。 もう一つは、新たな要素手順から作り出すことです。 proc.X では、SS- とE-E という単独では元に戻ってしまう手順を組み合わせてSE-S-Eとすることで作られています。 その代わりに、S2E2と180度回転を組み合わせる要素手順も考えられます。 これは3回繰り返すと、つまり S2E2S2E2S2E2 とすると、辺キューブが2組縦に入れ替わります。
     この手順はさすがになんとなく覚えていました。市松模様とかも180度回転の組み合わせで作れますしね。 これを使えば、上面辺キューブの十字入れ替えは簡単です。奥の西面 (W) と北面 (N) の辺キューブを予め 180度回転で下面 (B) に持って行けばいいのです。つまり、 W2N2B2・S2E2S2E2S2E2・B2N2W2 です。 ですから、最終局面で十字に入れ替わっていたのなら、これで見事完成だったのです。 しかし、初めて最終局面にたどり着いた時、無情にも局面は3辺入れ替えでした。実際に目にする前までは、この上下入れ替えの応用ですぐできると思ったのですが、すぐには思いつきません。 しかし、 proc.X からの派生もすでにかなりいろいろ試していたので、3辺入れ替えに行けそうな組み合わせを編み出せる気がしません。(ただしこれ書いてるうちに、今ならできそうな気がしてきました。) どっちで行くかの迷いが一番苦しかったのですが、とりあえずまだあまり試していない上下入れ替えでなんとかしようと検討を続けました。8. ついに完成
     4つが入れ替える手順で、3つを入れ替えるには、少なくとももう一つキューブを参加させないといけません。それを検討したのがこのメモ。 

    記事を読む»

  • ルービックキューブを自分の力で解く方法(その3)

    2016-02-10 21:00  
    31pt
     ルービックキューブを自分の力で解く方法(その2)  の続きです。 この proc.B を揃っているルービックキューブに行うと、3段目は次のように変化します。
     側面は展開図のように平面に開いてます。 コーナーキューブの位置は変わらず、うち3つが時計回りに回転します。 辺のキューブは3つがぐるっと位置を変え、そのうち2つは向きも変えます。向きが変わるものは矢印に線で印がついています。 ついに、1,2段目を動かさない手順を見つけました。これを使えば3段目のコーナーの位置が揃っていれば向きを合わせることができます。 でも、これだけではとても3段目を揃えられません。4. 次の手順を探す
     proc.B ではコーナーキューブの位置が変わりません。そこで proc.X の他の組み合わせで1,2段目を変えないような手順がないか探します。  proc.X では、この図のように手前の Y字型のキューブだけが動きます。 
      ということは、ルービックキューブ全体をグルっと回しても、proc.Xの操作で同じキューブにしか影響が出ません。グルッと回すとは、たとえば上面 (T) を南面 (S) に、南面 (S) を東面 (E) に持っていくことです。


     このルービックキューブ全体を反時計回りに回す操作を G とします。Gの文字を反時計回りの矢印に見立てています。時計回りは G- です。 この操作Gを行ったあと proc.X を行っても、影響を受けるキューブは変わりません。 そこで、この操作を組み入れることで、次の操作 proc.A を生み出しました。 

    記事を読む»

  • ルービックキューブを自分の力で解く方法(その2)

    2016-02-09 23:00  
    31pt
     ルービックキューブを自分の力で解く方法(その1)  の続きです。 これで2段目まで揃います。 ちなみにこのように壊したくないキューブを退避させる方法で手順を考える他に、動かしたいキューブを迎えに行く方法で考えることもできます。3. 3段目に挑戦するために
     次は3段目です。3段目は2段目までを動かさない手順が必要です。でも、今までのようにじっと考えてもとても思いつくものではありません。少なくとも私には無理です。 なにか別の戦略が必要です。 例えば、コーナーキューブの向きだけ変える手順がほしいと思っても、どうやったらそんな手順ができるか想像もつきません。 なので、逆に考えます。 とにかく、1,2段目が動かない手順を見つけます。そして、その手順が3段目をどう変えているかを調べ、それを活用して揃えていくという戦略をとります。(2段目を揃える手をじっと考えて作れなければ、それもここと同じやり方で探します。) でも、1,2段目が動かない手順なんてどうやって作るんでしょうか。 そのためになにか手がかりになる単純な要素手順を探します。 たとえば、SS- と「行って帰る」だけでは元に戻ってしまいますが、SE-S-Eと二面の「行って帰る」を組み合わせてみます。すると、次の図のY字型の7つの灰色キューブだけが動きます。 
     これは使えそうです。この手順を proc.X としましょう。 この proc.X を利用して、Y字型の7つの灰色キューブのうち、1段目と2段目の2つのキューブが動かないような手順を見つければ、3段目を動かすのに使えそうです。 そこでじっと考えます。proc.X の後を観察すると、1段目と2段目の2つの灰色キューブは上段に上がってきます。

     ここで、proc.Xの逆手順を proc.X- とすると、それは E-SES- ですが、今その proc.X- をするとその2つは元の位置に戻ります。 

    記事を読む»

  • ルービックキューブを自分の力で解く方法(その1)

    2016-02-08 23:45  
    31pt
     最近小5の長男がルービックキューブを買い、はまっています。付属の攻略法を覚えて、2分かからず解けるようになりました。
     
     ルービックキューブが登場したのは、私がちょうど小学校の頃で、当時の攻略本を覚えて解いていました。 長男を傍で見ているうち、自分でも解きたくなりました。 しかし、攻略法を見てではありません。 今度は何も見ずに。 もちろん昔覚えた手順など綺麗に忘れています。必要な手順はすべて自分で開発しようというわけです。 は? あんなもん、自分だけで解けるわけないやん。はい、私も少し前までそう思っていました。長男が買った時も「普通攻略法見てやるし、自分で解ける人はなかなかいないんじゃないかなあ」と言ってました。 でも、結論から言うと、少し手間取りましたが、無事解けました。 できたときは素で声をあげて喜びました。 ということで、どうすれば自分の力だけでルービックキューブが解けるのか紹介しようと思います。 私自身が自分で作った具体的な手順は会員向けの部分に隠しておきます。 ですから、自分で解いてみたいという人は、ぜひこれを読んで解いてみてください。 パズルを自分で解くのって楽しいですよね! (会員の方は、一度ログアウトして隠して読んでください) 本当は自分の力だけで解いたわけではない
     自分の力で解いたと言いましたが、今回自分の力だけで解けたのは、理由があります。どうすれば自分の力で解けるかは昔教わっていたのです。それは小学時代に遡ります。 というのも、当時私は、いわゆる攻略本だけでなく、父親が大学から持って帰ってきたルービックキューブに関する論文も読んでいたのです。 検索してみました。多分これです。本文は見つけられませんでした。魔方体術免許皆伝--ルービック・キューブの完成法 
    著者 SYSTEM 5.
    数学セミナー.19(11) 1980.11、p2~15
     これは、どんな場合でもこの手順で解けるということを証明する論文で、専門的な内容ではありましたが、そういうことを証明できるのかと驚き、必死に読み解いて感動した記憶があります。 ただし、そこで構築された手順は長大で実用的ではなく、私が実際に揃えるときは市販の攻略本の手順を使っていました。 でも、今回、自分で解こうと思ったのは、その論文の手法を覚えていたからです。 それは、基本的な要素手順を組み合わせることで、より有益な動きを作り出していく手法です。具体的な手順はなに一つ覚えていませんが、ごく僅かな要素手順をうまく組み合わせれば有益な手順が出るということは知っていたのです。 これから書く手順も、ちまたの攻略法よりは効率が悪いですが、要素手順の組み合わせなので、なぜその手順でできるかということは分かりやすいです。このパズルはこういうパズルだったのかと、私の小学時代の感動がもしかしたら伝わるかもしれません。論文が私に伝えた感動を、誰かに伝えられるかも知れません。 では、実際のどうやって解いていったのか、振り返ってみます。0. 揃える方針
     6面を揃えるには、順番があります。普通は1段目を揃えて、2段目を揃えて、最後に3段目を揃えてという感じでしょうか。とりあえずそれでやってみることにしました。最後に書きますが、他の方針もありそうです。まだそれではできていませんが。 1. 1段目を揃える。
     例えば白の面を側面も合わせて揃えます。簡単なのでここの解き方は省略します。 そして、次に進む前に、手順の表記を決めます。手順のメモを取るのに必要ですし、いろんな手順を効率よく考えることができます。 まず面の名前を決めます。

     このように見えているとき、上を T (Top)、左側面を南の S (South)、右側面を東の E (East)、見えていませんが、底を B (Bottom)、Sの反対側を北の N (North)、Eの反対側を西の W (West) とします。 それぞれの面を時計回りに回すときは面の名前そのまま、すなわちたとえば S、反時計回りに回すときはマイナスをつけて、S- とします。例えば "SE-S-E" と書くと、上の絵の場合で、青の面を時計回り、赤の面を反時計回り、青の面を反時計回り、赤の面を時計回りの順で動かします。180度回すときには、 S2 と書きます。2. 二段目を揃える
     次に二段目を揃えます。 例えばこんな風に。
     これはじっと見て手順を作ります。目的の赤青の辺キューブを移動しようとすると、東面を反時計回りに動かすことが必要です。つまり、E- です。 しかし、単純にその操作をしては、動かしたくないものまで動いてしまいます。下の図の灰色のキューブです。

     なので予めどこかに退避させておきます。その手順はこうです。 W2B2・E-・B2W2 灰色キューブを退避させるには、B2ですが、それをすると反対側の1段目がそこに来てしまいます。そこでまず、W2でそれらを退避させ、B2で灰色キューブを退避させ、目的のキューブを移動(E-)して、元に戻します。これは右上から2段目に入れる方法ですが、左上から入れる方法も、同じように考えればできます。 さて、実はこれだけでは2段目は完成しません。これだと実は別の2段目を一つ破壊してしまいます。最初のうちはいいのですが、最終的には次の図の4つを動かさずに2段目を作らなくてはいけません。

     これも、私の場合はじーっと考えて作りました。灰色を退避させることで一段目の他のキューブも犠牲にならないように。 もし、じーっと見ても作れなければ、後の第3段を組む時を参考にしてください! さて、2段目を揃える具体的な手順はこうです。 

    記事を読む»

  • 「学校で浪費される無駄な10年をどーにかすべき論(意訳)」〜子供はだんだん勉強が好きになってる〜

    2016-02-05 23:45  
    31pt
     ちきりんさんの記事にインスパイアされました。そしたら、面白いデータも見つけました。 その記事とはこれです。  学校で浪費される無駄な10年をどーにかすべき論 タイトルはとてもするどいものの、内容は昭和視点だったので腑に落ちない人も多かったと思うので、意訳しておこうと思います。 この記事では、こんなことが書いてあります。 14歳から24歳の期間について、 2クラスにひとりくらい、中身的にはもはや子供ではないという子
    がいて、この期間に彼らが受ける「クラスの真ん中の子」にあわせた教育が、あまりに“かったるい”
    ために、成長曲線が鈍化してしまうのが、国として大きな損失だという話です。 いわゆる日本にはエリートを育てる仕組みがないという話です。 エリート育成の話が昭和の視点というのは後で取り上げるとして、「学校で浪費される無駄な10年をどーにかすべき」という点は確かに大きな問題です。 ただし、それがエリートだけの話というのは、昭和の視点です。今はそう思われていません。 今までの学校の授業は全員にとって“かったるい”のです。 賢い子にとってはわかりきってるし、遅れてる子にはチンプンカンプンだし、でも全てをカバーしようとするので、中くらいの子にとっても、わかりきってることや、分からなくて馬耳東風ところがたくさん。結果として、授業のごくわずかな部分だけしかそれぞれの子供にとって役に立ってない、と言われているのです。(元記事を見つけられません。すいません) で、そんなことは教育の世界の人は、みんな知ってるし、だから、みんな懸命に取り組んでます。自分のペースで勉強するにはどうすればいいかと。 草分けはなんといっても公文でしょう。ITもろくにない時代から自分のペースで勉強ができる仕組みを作ったことは画期的だと思います。ただ限界もあった中、今子供のペースに合わせた学習は急速に発展しています。個別指導の塾しかり、eラーニングしかり。まだ決定版みたいなものはできていませんが、日々着実に進化しています。 学校もただ手をこまねいてはいません。私はパソコン実習のボランティアに参加していますが、先生方を見ていると、子どもたちを熱中させる方法論はすでに確立されています。私は直接その方法論を知りませんが、観察していると大きく次の二点です。 ・最初段取り良く進める。説明は分かりやすく。 要は子どもたちを退屈させたり、置いてきぼりにしないことです。子どもたちを作業させるまでの段取りが悪いと、とたんに飽きる子が出てそれが伝搬します。とにかくそれを避ける。 また、わかりやすい説明も大事です。子供は(大人もですが)、わからないことができた瞬間集中力が途切れます。マウスでクリックするみたいな、慣れた人には当たり前なことでも、使ったことない人には全くわからないことです。そういうところを飛ばさず、誰でもできるように説明することが重要です。 そうやって、無事作業に入れば、子どもたちはその目の前の課題に熱中します。 ・必須の部分と自由の部分を明確にする。 作業では、「なにをしなければいけないか」を明確にします。また何を自由にしていいかもはっきりします。 低学年だと、あるイベントのときの写真をお絵かきソフトに取り込み、スタンプ機能で文章を添えること、までが必須。 あとはそのお絵かきソフトの中で、自由に描き加えて印刷して終わりです。 自由な部分での定番は、スタンプ機能で動物などの絵を加えたりすることですが、加えられる絵の種類や量は子供によってぜんぜん違います。 あるいは、お絵かきソフトのあらゆる機能を試す子もいれば、長い文章を書く子もいるし、さっさと終わらせて、そこは図書室なので本を読みふける子もいます。 このような環境が整った中では、子どもたちは申し分なく課題に取り組み、遺憾なく多様性を発揮します。みな優秀な生徒であり、私がそのパソコン実習を見る範囲では、どの子が算数や国語など主要科目の成績がいいかはまるで分かりません。 この子供を課題に取り組ませるテクニックは、若い先生ほど要領よくこなしているので、恐らく教育論が発展していて、それをきちんと学んでこられているのだと思います。 つまり、子供を授業に熱中させる方法論は確立してきているのです。それが、パソコン実習のように自由の部分を設定しやすいところでは十分実践されてきているのです。 今後は、そのノウハウを駆使して、算数・国語など主要科目も変革していく時なのです。 それは、この21世紀では、「2クラスにひとりくらい」のエリートを伸ばすより、効果は大きいです。 今の授業では、たとえば「クソ真面目に丁寧に綺麗な字を書く」子が授業についていけなくなります。自分のペースで勉強すれば、「いい成績」を取れる真面目な子だったとしても、です。 そういう取りこぼしを一気に拾っていくときなのです。塾や学校はその方向性を概ね見出していて、これからはどんどん突き進んでいくことでしょう。 時代は、エリートの「学校で浪費される無駄な10年」をなんとかしようという時代ではありません。それは昭和の文脈。 時代は、それどころか「全生徒」の「学校で浪費される無駄な10年」をなんとかしようとしているのです。 子供は勉強が好きになっている
     と、書いていたら、まさにそれを裏付けるデータを発見しました。ちょうど最近の記事です。 「いい大学を卒業すると幸せになれる」でネット紛糾 「お金と知識は邪魔にならない」と支持する声もあるが   まあ、その本文は楽しく読み飛ばしてください。PV稼ぐための煽りネタです。 見るべきは、その記事の元になっている調査、「第5回学習基本調査」データブックです。 本文最初のページが全てを物語っています。 
     子どもたちは、どんどん勉強が好きになっています。 さらに次のページ。
     
      授業がわかっている子もどんどん増えているのです。 塾も学校もその他もろもろ、みんな大いに誇っていいのではないでしょうか。 最近の学校ってどんどん授業うまくなってるよね、と感じてましたが、裏付けるデータは出ていたのです。 さきほどの記事では、以下の様な項目が増加していると書かれています。「いい大学を卒業すると将来、幸せになれる」「将来、一流の会社に入ったり、一流の仕事につきたい」「学校の勉強がお金持ちになるために役立つ」「できるだけいい学校に進めるよう成績を上げたい」 でも、それらはすべて、「授業がわかる」子が増え、「勉強が好きな」子が増えたら、増えるに決まっています。 このように、教え方はどんどん上手くなっているのです。 ですから、かつて識字率が99%になったように、やがて、義務教育の到達度が99%になるのです。 これはみんながテストで満点を取るという意味ではありません。義務教育の内容をある程度こなすことができるということです。 今、識字率99%と言っても、みんな漢字テスト100点取れるわけではありません。そこそこできるということと同じです。 読み書きがある程度できることが必要なように、義務教育の内容もある程度できることは必要です。 しかし、今はそれを学ぶ効率があまりにも悪く、「浪費される無駄な10年」と言われるし、達成率も99%になりません。 そこが今から変わり、99%が達成されます。それが達成されるということは、それを学ぶ時間もぐっと減るということです。その分、その他の今後必要とされる能力の学習に振り分けることができるのです。** さて、エリート養育の仕組みについては、以前も、取り上げました。 東大が抜かれたのは日本に金持ちがいないから。   日本にはエリート養育の仕組みはできないし、いりません。 仕組みがないことを私達エリートでない他人が心配する必要はありません。エリート養成の仕組みはエリートが作るものです。 ちきりんさんの記事でも、テニスとか将棋とかが例になっています。テニスはよく知りませんが、将棋には奨励会があって、特別な才能がある人を取り込み養成します。いわゆる英才教育です。要はその分野の人達が、自分たちを再生産するために自らその仕組みを作っていくわけです。 エリートもエリートが作ります。 上記のミラフツでシンガポール国立大学のエリート要請の例が出ました。そこでは、四つ星ホテルに泊まるような研修旅行があったりします。 そんな贅沢なもの国民の税金でできるわけがありません。エリート養成には、自分たちを再生産できるよう、金持ちたちがどーんと金を出す必要があります。 日本にはそんな金持ちたくさんいないし、また必要もありません。今は社会の隅々に社会問題が散らばっていて、少数のエリートで解決できません。無数のそこそこ力のある人が必要なのです。識字率ならぬ義務教育達成率を99%にするほうがよほど効果があるのです。 

    記事を読む»

  • 芸能界に覚せい剤は蔓延しているのか?

    2016-02-04 23:45  
    31pt
     断続的に起こる芸能界の覚せい剤問題。 私は全然縁がないので、芸能界って覚せい剤蔓延しているのかなあとイノセントに疑問に思いちょっと調べてみました。 毎年どれくらいの人が覚せい剤で使っているかは、ここにわかりやすいグラフが出ています。 薬物事犯検挙人員の年次別推移
     2011年までしかないですが、12000人くらいのようです。それにしても、大麻とかより圧倒的に多いんですね。へー。 で、捕まってないけど乱用している人がなん人くらいいるのかといるのは、このサイトにいろいろ書いてありました。 日本に薬物乱用者は何人いるのか?|乱用者数把握への試み 必ずしもみんな正直に答えるわけではないので、正確に把握するのは難しいようですが、覚せい剤の乱用者は約32万人だそうです。これは対象となる日本人(幼い子などは外されているようです)の0.3%に当たるそうです。 32万人とは、逮捕者1.2万人の25倍くらいです。 なお大麻の方は約136万人とのことで、覚せい剤よりはるかに多いようです。なのに、逮捕者は2,400人程度と、遥かに捕まりにくいようです。薬物やるなら大麻?(苦笑 さて、清原さんのような覚せい剤逮捕者が芸能界で一年に一人くらい出るとするならば、捕まっていないけど乱用している芸能人というのは、25人くらいいるという計算になります。蔓延しているというような数字ではないような。 その一方で、では、仮に捕まると大きく取り上げられるような話題性のある芸能人が日本に何人いるでしょう。仮に10000人いるとすると 25人は 0.25% で日本人全体の傾向とそれほど変わりません。 でも1万人はいないような気がします。 仮に1000人だとすると 2.5% になり、社会よりも何倍も蔓延していることになります。多分、1000人と10000人の間だと思うので、やはり若干社会の平均よりははびこっているという感じでしょうか。 とはいえ、仮に25人しかいないのだとしたら、想像しているのよりははるかに少ないです。 さて、この事件をきっかけに、またいろんな議論が起こっています。たとえばホリエモンさんのこれ。
    覚せい剤なんて1949年までは合法で町の薬局で買えたんだからね。何十年もの間。日本人が作った世界初の合成麻薬。違法となってるので暴力団の資金源になる。依存症になるのはアルコールも、ニコチンも覚せい...清原元選手:覚醒剤所持... https://t.co/fbAglVtSKH
    ― 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2016, 2月 3
     逮捕じゃなくて更生プログラムで支援すべきだろうという意見も多いです。確か、今回茂木健一郎さんも言ってたような。 この視点は今真剣に取り組むべき時期に来ていると思います。 TED に有名はプレゼンがあります。 「依存症」―間違いだらけの常識   見たことない人は見るといろいろ目から鱗だと思います。 ぶっちゃけスマホでも依存症になりますから、覚せい剤だから依存症になるわけではありません。一方ヘロインは、病院治療で摂取している人がたくさんいますが、誰一人依存症になりません。 依存する対象がスマホなら捕まらなくて、覚せい剤なら捕まるというのは、実はかなり変な話なのです。 

    記事を読む»

  • 未来の普通「赤ちゃんのいる老人介護デイサービス」

    2016-02-02 23:45  
    31pt
     見た瞬間、「そうか、これか!」と感動しました。 誰も書いてくれる人がいないので、「赤ちゃんのいる老人介護デイサービスのすごいところ」を書いてみます。|ワタナベ・J・フォックス|note(ノート)   仲間とともに、赤ちゃんのいる老人介護デイサービスを運営しています。
    赤ちゃんを連れて、スタッフは出勤してきます。普通です。現在は、運営しているメンバーも含めると、半分くらいが赤ちゃんを連れて仕事にきます。 基本的には、0歳から3歳までを赤ちゃんって呼んでます。4歳からは幼稚園に通う感じですね。 別に、託児所併設とかではなく、一緒にいます。
     昔、『崖の上のポニョ』を見た時から、老人と未就園児は一緒にいればいいのにと思っていました。宗介と隣の施設の老人たちとの交流はとてもほほえましいです。 なので、保育園と介護施設隣にすればいいんじゃないかなあ、でも現実はいろいろ問題があるのかなあとぼやっと考えていたのですが、そんなのよりもっとすごいやり方で、しかも、もう4年も運営されている! 絵空事ではなく、現実なのです。 これは保育園と介護施設を隣接させるのではなく、スタッフが子供をつれて出勤するのです。すごいコロンブスの卵。問題もあるでしょうが、すでに彼らが実践して、いろいろあぶりだしていることでしょう。これから始めるのは、ずっとバリアが低いことでしょう。 介護施設にタダで学生に住んでもらうという取り組みを見たことがあって、それも素晴らしいと思いましたが、これはさらにうまい仕組みではないでしょうか。 介護って仕事じゃなくて「暮らし」
     この仕組みのすごいところは、なんといっても、次の1文に集約されていると思います。いや、介護って仕事じゃなくて「暮らし」なんじゃないかって思います。
     介護を受ける人達にとって、それは美容院行くのとはまるで違います。毎日の暮らしそのものです。赤ちゃんや未就園児にとっても保育園は、人生そのものでしょう。であれば、その場は限りなく「暮らし」を演出できた方がいいのだと思います。その点で、本物の「赤ちゃん」がいることは、この上ない効果があるのではないでしょうか。高価な癒やしロボットもかなわないでしょう。 そのほかにも「すごいところ」が元記事にはたくさん書いてあります。素晴らしい。 他にもあります。親の立場だとおおっぴらに書けないかもしれませんが、 赤ちゃんがお母さんといられる
     赤ちゃんや子供にしても、こんなに素晴らしいことはありません。なにしろお母さん(あるいはお父さん)と一緒にいられるのですから。 この形態が広がれば、介護職は人気出ることでしょう。子供と一緒にいられる仕事として。 まだあります。これも当事者はおおっぴらには書きにくいことですが、 保育園代がかからない 介護職の給与は恵まれているわけではありません。保育園費は決して軽い負担ではありません。子供といられ、しかも保育園費もかからないとなれば、希望する人はたくさん出てくることでしょう。 しかし、それは単に一家族の家計の損得の話ではありません。 ある意味家事と似ています。私は子供の時、日本はこれからどんどん豊かになって、きっと家事はすべて家政婦さんがやるようになると思っていました。自分の家はいわゆる中流家庭でしたが、その中流家庭がすべて家政婦さんに任せるようになるのだろうと。 まあ子供の頃の呑気な妄想ですが、 

    記事を読む»

  • 囲碁で Google の人工知能があっさり勝ってしまって景気が悪い

    2016-02-01 22:45  
    31pt
     Google の人工知能が海外であっさりプロ囲碁棋士を破ってしまいましたね。ここに詳しい記事が出ています。  「囲碁の謎」を解いたグーグルの超知能は、人工知能の進化を10年早めた囲碁において、機械が最強の人間を打ち負かすにはあと10年は必要だろう──。そんな専門家たちの予想を、グーグルが4億ドルで買収したブレイン集団「DeepMind」は見事に裏切った。彼らはいかにして最強のコンピューターをつくり上げたのか。この快挙は、どんなAIの未来を指し示しているのか。
     囲碁の人工知能については、日本でも「第1回囲碁電王戦」などが開催されていますし、ここミラフツでもとりあげました。 [S]「第1回囲碁電王戦」を終えた結果、あと10年かかるらしい。   このときは、「10年はおおげさかと思いつつも、まだかなりかかるかなとは思いました。」と書いていて、まあ5年くらいかなあと思っていました。 Google が囲碁に乗り出しているというのは、どっかで読んでいたのですが、今調べてみると公式には派手に言ってなかったみたいですね。Google が「DeepMind」を買収したのが2014年の1月、この頃にはもう「DeepMind」は囲碁に取り組んでいたということでしょうか。 いずれにせよ、日本で「第1回囲碁電王戦」などのイベントをやりながら、人工知能の成長を最高のエンターテイメントコンテンツとして楽しもうとしていてた矢先に、こんなステルス的にあっさりプロを破ってしまいました。 えー。 人間と囲碁の戦い、楽しみにしてたのに。 

    記事を読む»