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記事 26件
  • 加藤一二三九段がそのまま受け入れられる社会

    2017-06-30 23:45  
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     生きながらにして伝説加藤一二三九段引退しました。最後の対局、終わった直後感想戦もせずに出てくとこ、タイムシフトでみました。 私が将棋を知った小学生の頃はまだ羽生善治とかいなくて(私が1歳歳上)、中原誠全盛の頃です。いや、中原こそ至高と思ってたので、その後まさか7冠やる天才が出てこようとは思ってもいなかった頃です。でもって、デビューにして連勝新記録を達成する天才が出てこようとは。 その中原十六世名人は、加藤一二三九段よりずっと歳下でしたし、とうの昔に引退しているわけで、なのに加藤一二三はまだ現役!!! 本当に生きながらにして伝説です。長生きするもんだ。 そんな加藤先生。負けたら、感想戦もせず片付けもせず帰ってしまいました。とにかく将棋が好きで、とにかく悔しいのでしょうか。負け越しが続いてもこれだけ長く続けられたのは、ただただ将棋が好きなのかなあと思います。 ただ負けた後の振る舞いについては、注目も浴びていただけに少なからず批判もあるようです。 どうかおおごとになりませんように。いや加藤先生らしいですから。 将棋の棋士って、人工知能に負けるようになってからむしろ注目されてます。人工知能との対戦が始まったことで、ニコ動を中心に将棋ファン以外の人が注目するようになりました。 加藤先生もテレビで引っ張りだこです。そんな中とてもいいなと思うのが、彼らがぶっちゃけ「変人」としていられることです。彼らは人類の中でももっとも「とんがっている」人たちであって、普通ではありません。 が、なんかテレビとかに出るようなとんがった人は、なんか「人格者」であることも要求されます。スポーツの世界とか。 まあテレビに出るくらいの人だからその必要もあるのかもしれませんが、それで肝心の本業のパフォーマンスが落ちるのを私たちは望んでいるんでしょうか。 そんな中、将棋の棋士達は、「変わってる」というのをそのまま受け入れられているような感じがします。 テレビに限らず、このまま「とんがった人」が「変わった人」のままメディアに出られるような社会が発展して欲しいです。 だって、もっとそういう人たちもっと見たいです。今は、「とんがっていて」「人格者になんてなれない」人は、メディアを避けてます。みんなバカじゃないですから。メディアなんてひたすらやばいとこで、出ない方が無難な時代です。 今日の加藤九段にしても、すでにテレビに引っ張りだこで、終局後はしっかり感想戦もやってメディアに出た方が「売れる」のなんて明らかなんですが、もちろん彼はそんなことよりも、いつもの彼を貫いたのです。 それこそが彼らが「とんがっている」ことの証なのですから。 今後も棋士が棋士のままでテレビなどで活躍して、他の「とんがった人」たちもどんどんメディアで見られるようになってほしいです。《ワンポイントミライ》(?)ミライ: そういう意味でニコ動の果たしている役割って時代を象徴していますよね!(ヨイショ!フツクロウ: ホホウ? 

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  • 液浸技術でPCが静かになる?

    2017-06-29 20:45  
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     先日こんな記事が目に留まりしました。 サーバを丸ごと液浸して消費電力を30%削減! 斬新な冷却技術でデータセンターに革命を : FUJITSU JOURNAL(富士通ジャーナル)  記事自体は去年の8月のものなんですが、コンビュータの液冷化確実に進んでますよね。私も15年以上前アメリカにいた頃、CPUの放熱を水でできないかなあとラジエターやらいろいろ買い込んだことを覚えています。やるとしたら水だったので、結局危ないから実行しなかったのですが。 それがついに丸ごと液浸しちゃええええという時代。 きっと静かですよね。SOHOなので開発用のでかいPCを家に設置したりするのですが、とにかくうるさい。家族に「なんでそんなうるさいの」と指摘されるくらいです。 その記事の図を見ると、その代わりに室外機になるようです。 要はエアコンと同じです! それってもしかして、普通のオフィスでも使えるんじゃないですか? 室外機なんて普通に設置できますから、そこからホース引っ張ってPCに繋げればOK。エアコンの冷媒は、密閉しないといけないので手軽に着脱できませんが、この液浸技術では水道のホースをつなぐような感覚でいけそうです。 そしたらPC静かになりそうです。 逆にデータセンターとなると、床にかかる重量すごそうです。 データセンターから入る技術だとは思いますが、その後はオフィスでも手軽に使える技術に発展するでしょう。《ワンポイントミライ》(?)ミライ: ごにょごにょして、通常のエアコンといろいろ共通化できるかもしませんね。フツクロウ: ホウホウ。ミライ: 効率悪くなっちゃいますけどね。 

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  • [S] 藤井四段の賞金のただ一つの使い道

    2017-06-28 22:00  
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     いつもとちょっと違う水曜、今回は気楽に書き始める短い記事[S]です。   藤井四段、見事に新記録です。今までの連勝記録では連勝が続くにつれ連勝する方にプレッシャーがかかりますが、今回はデビュー直後で対戦相手はまったく戦ったことのない棋士のため、むしろ対戦相手に大きなプレッシャーがかかっています。29連勝の相手となった増田四段は、対戦前に「勝つためには一手のミスも許されない、完璧な将棋を指さなければいけないと思っています。」と語ったそうですが、その時点で負けです。藤井四段も別に「完璧な」将棋は指していませんよ? 次は棋界随一(?)の藤井四段研究家である佐々木五段です。そんなことで大成するのか?という長期的不安はさておき、今藤井四段を破るとしたら、佐々木五段は最有力候補でしょう。日曜が楽しみです。 さて、そんな藤井四段は着々と勝ちを重ね、どんどん賞金が舞い込んでいます。 その賞金をどうするか。 そりゃがんがんコンピュータにつぎ込むでしょう。ハイパフォーマンスなサーバーを自宅に構築、研究したいところを24時間研究させるのです(もちろんクラウドコンピューティングでもいいです)。 たとえば、毎日行われている対局を解析したり、次の対局者の過去の棋譜を調べて傾向調べたり。序盤の新手を作るのに活用したり。 今もAIを活用しているとのことですが、どんどんいいコンピュータにして、徹底的に活用して欲しいです!《ワンポイントミライ》(?)ミライ: ある意味、コンピュータがどハマりしますね。フツクロウ: ホ? 

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  • スピード違反の特区はやめて。

    2017-06-27 22:30  
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     やっぱり、疑惑になるじゃないですか。 加計学園獣医学部の建築費見積もりが「相場の2倍近く」に、森友学園と同じ補助金不正の可能性が指摘される | BUZZAP!(バザップ!) まあ、鳥インフルエンザとかを扱う「バイオセーフティーレベル3(BSL3)」施設を建築するということで通常よりは単価が高いでしょうから、とりあえずは説明を聞きたいところではありますが、もしそれが本当で妥当だとしても、最初からその説明がついてなくては困ります。なぜ倍なのか。 そんなことが起こってしまうのは、スケジュールがタイトすぎたから。 改革をスピード感を持ってやるというのは大切なことですが、スピード違反をするとそれにつけこむ人が必ず出てきます。森友問題でもあったように、税金を不正に取得しようというやつは必ずいて、そのために長い年月をかけて不正を防ぐ仕組みを作り上げてきたのですから、それをスキップしようとすれば、即座にその穴をつこうとする人が現れるのです。 今回が仮に妥当な見積もりであれば幸運なことですが、スピード違反の改革をすればこういうことが起こるということを再認識し、政府から自治体にゴリ押ししないでください。そうならないよう制度の見直しも必要かと思います。 さて、自民党へ。 この状況は容易に、大学建設業者の選定を入札でなく随意にしてしかも業者の言い値にするために、政府が「急いでやれ」圧力をかけたという構図が想像できてしまいます。もしそんなことが起こっていたら、前代未聞の国による自治体カツアゲ事件です。96億円とすると市民一人当たり6万円以上。笑って済まされる話ではありません。きちっと疑惑を全容解明して、万が一今回の見積もりが水増しされていてさらに政府が片棒担いでいたらきちっと自浄してください。でなければ、自民党は自治体からカツアゲする党になります。 あと、いろいろ落ち着いたら、3選許可をやめた方がいいと思います。どんな素晴らしい首相でも長くなるとそれを利用する人が出てきてしまいます。そのための党則だったわけですから。 都民ファーストの会へ。 今回の選挙でどれほどの勢力になるかわかりませんが、選挙後は自治体のための党として都政の改革をお願いします。情報公開を進めてください。またこれからの自治体と国との関わりの手本となってください。今治市は私が住んでいる街ではありませんが、国にこんなゴリ押しされるのは困ります。それが結果として素晴らしいものなのだとしても。《ワンポイントミライ》(?)ミライ: 疑惑が本当だとしたら、わかりやすすぎて、やっばり根拠ある数字なんでしょうか。早く解明して欲しいです。フツクロウ: ホッホ。 

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  • 安倍政権今後の展開7つのパターン

    2017-06-26 22:30  
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     加計問題が引きずり、今後いろんな展開が起こりうる情勢になりました。 どんな展開がありそうなのでしょうか。 1 つつがなく3選
     この瞬間こそ騒がれている加計問題ですが、結局犯罪というわけでもなく、そのまま追求も尻すぼみ、急落した支持率も回復、そのまま来年9月の総裁選もつつがなく再選され、改憲まっしぐらです。派生としては、無選挙当選はまずいと直前に別候補が立つかもしれませんが、あくまで当て馬、安倍3選は変わりません。  2 ガチンコ総裁選
     1同様にこのまま安倍政権が持ち直して政権維持するものの、来年9月の総裁選で3選を阻むべくガチンコ候補が立ちます。しかし、去年3選ありを認めてから、内外ともに安倍さんの3選が既定路線です。ガチンコで勝負するには、自民党として早くからガチンコをやるんだという雰囲気を盛り上げる必要があります。そのためには7月の都議選終わったら、ポスト安倍を意識した動きを始めることになりそうです。 3 安倍降ろし
     今回の騒動の一番特徴的なのは、騒動の根幹には安倍さんしかいないということです。要は「安倍トモファースト」という疑いだけが問題であり、安倍さんさえ辞めれば自民党本体は特に国民からお咎めを受けるような状況ではありません。 自民党議員はみな当然そのことに気づいていますから、何かをきっかけに安倍降ろしが始まれば、一気に辞任圧力がかかるでしょう。 4 衆議院解散
     3安倍降ろしが始まった場合、安倍さんもただ辞めさせられるのはたまったものではありませんから、やけくそに衆議院を解散する可能性があります。もしそれで勝てれば1に戻る可能性もあります。 5 「小池新党」に流れる
     ここにきて事態を複雑にする動きが始まっています。「小池新党」です。すでに小池知事に同調してる国会議員が5人以上いるそうで、都議選で都民ファーストの会(都民F)が惨敗しない限り、都議選後に「小池新党」ができそうな情勢です。 仮に都議選で都民Fが大きな勢力になった場合、安倍さんは衆議院解散がしにくくなります。今この瞬間なら解散して選挙をしても、受け皿となる野党がなく、惨敗しなくてすむかもしれませんが、「小池新党」ができてしまうと、その時の流れによっては小選挙区でばたばたと破れて、政権交代までおきかねません。 となると、解散しにくくなります。そこで批判が収まらないまま安倍さんが辞任しない場合、自民党を見限って「小池新党」に合流する議員が出始めます。 6 自民党分裂
     数名でも「小池新党」に議員が流れると、「自民党は泥舟」というイメージができます。自民党議員としてはそのまま泥舟に乗っていると、次の衆議院選挙で一気に敗北する可能性があります。かといって、自民党といういわば政界のメインプレーヤから降りるのも勇気のいることです。 その場合、分裂してしまうという手があります。たとえば石破さんなんかは、ポスト安倍を伺うような議員ですから、自民党を離党して「小池新党」に合流なんて選択肢はありませんが、自民党の支持率があまりにも落ちるようですと、「自分たちはその自民党とは違う自民党だ」と分裂するのです。 今そんなこと言っても石破さんに付いてくる議員は少なそうですが、今後はどうなるかわかりません。 公明党が連携を解消してきてしまうと、日本維新の会との連立を維持していても、292人の自民党議員のうち 73人以上が分裂すると過半数を割ってしまいます。 7 完全に流動化
     さて、いろんな選択肢を考えましたが、実際は、これら5つの可能性をにらんで、各議員がめいめいに行動を起こすということです。地元の議員のブログとか見てると「共謀罪」も「加計問題」にも一切触れません。明らかに1以外の可能性を意識していることでしょう。 普通の展開と違って、「小池新党」という新しい勢力がちらちらしているため、議員たちの動きがバラバラになりそうです。そうなると、すっきりとした政局は見込めず一寸先は闇の流動化が起こります。自民党が3つにも4つにも分裂することだってあるかもしれません。そうなれば衆議院解散は不可避です。選挙後の勢力はどうなるのでしょうか。 まとめ 
     都議選で自民が負けてなんらかのけじめが必要になり、「1 つつがなく3選」ではまずいとなると、自民党が3つにも4つにも分裂するくらい政局が溶けてしまう可能性すらあるのです。 政局から目が離せない日々が続きそうです。(2017/6/27 追記:  都議選「自民大敗」で麻生「ワンポイント首相」の可能性(新潮社 フォーサイト) - Yahoo!ニュース に麻生さんの「ワンボイント首相」という可能性が紹介されていました。安倍さんの健康不安説もまことしやかに流れてますし。 3の派生とも言えますが、目の前の事態を収束させるには良さそうです。とりあえずは「ワンボイント首相」で乗り切り、落ち着いて総裁選をし、分裂や流出を防ごうというものです。自民党としては上記のように政局が溶けちゃうのは大問題ですから。「小池新党」の勢いが強いと、この流れにうまく乗せることができず、上記のような事態になるのでしょう)《ワンポイントミライ》(?)ミライ: 森友問題は籠池氏一人が悪者になって終わりかなという感じでしたが、その時からくすぶっていた加計問題とうとうここまできましたね。3月頃には加計学園も問題じゃないかという声はありました。フツクロウ: ホウじゃな。 

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  • 官僚がどういう人がとってもよくわかる前川前事務次官の記者会見

    2017-06-23 23:45  
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     官僚という職業の人と会ったことがなくて、でなんとなく悪者っぽくて気味悪い人は、今日の前川前事務次官の記者会見を見るといいと思います。 【ノーカット】前川喜平前文部科学事務次官 記者会見 6月23日 ちょっと前出た「立ちすくむ国家」レポートでは、官僚がどういう議論をしているか垣間見えましたが、 「立ちすくむ国家」レポートが日本を動かした  今回の前川前事務次官の記者会見は官僚と呼ばれる人たちが普段どんな感じなのか、よくにじみ出ていると思います。 長いので、最初のプレゼンある程度聞いて、適当につまみ食いするのでもいいと思います。どこ見ても彼は態度が変わりませんから。 昔産学連携の仕事をしている時は、文科省の方といろいろやりとりありました。大学が企業と従来よりも深く連携してプロジェクトを興していこうというもので、つまり今までと違うやり方をすることが前提です。そのためにはいわゆる規制緩和しなくてはいけません。安易に緩和してしまうと簡単に不正もできてしまいますから、慎重に緩和しなくてはいけませんが、だからといって「前例ないからできません」とかいう話ではありません。そんなこと言ったら、そもそも「産学連携」やらないってことですから。 私が直接やりとりしたのは、もちろん事務次官なんてトップの人ではなく若い担当の方ですが、その行動原理は前川氏とほとんど同じです。頭の回転が早く、知識も豊富、勉強も良くする、決められた法律やルールの範囲でミッションを遂行するというものです。 前川氏の記者会見では、プレゼンから質疑応答まで、論理が破綻しません。そしてそれは少なくとも私が直接関わった官僚の方みんなそうです。そういう枠の中でミッションをするのが仕事なのですから。 官僚がどんな人たちか知らない人は、ぜひ動画をつまみ食いしてみてください。そういう人たちが仕事をしているところです。 最後の「個人の尊厳、国民主権」というメッセージで、後輩に個人を大事にしてほしいと語っていました。 私はそれは痛感していて、国家公務員なんて今の所、滅私奉公な典型的なブラック企業です。いくらやりがいがあるとはいえ、いくら国のためとはいえ、自分を犠牲にしすぎで、今子供が国家公務員になるって言ったら、反対します。 もちょっとまともな働き方ができるようになるには、先日の「立ちすくむ国家」レポート同様、官僚と国民がもっともっと交流することだと思います。そうすれば、官僚ももっと国民主権な仕事をしやすくもなりますし。 ぜひ動画つまみ食いしてみてください。《ワンポイントミライ》(?)ミライ: 今回の記者会見、全官僚が泣いた、って感じですかね。フツクロウ: ホッホ。ミライ: 文科省だけじゃなくて、他省の官僚さんたちもみんな見るでしょうし。 

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  • 藤井聡太四段はなぜ28連勝できたのか。

    2017-06-22 21:45  
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     あれよあれよと言う間にデビュー後負けなしで史上最多28連勝した藤井聡太四段。とてつもない記録です。 藤井四段はなぜ28連勝もできてしまったのか。 明らかに今までの棋士とは「質の違う」強さを持っているからです。藤井四段にしても、プロになってどれだけもまれるかと思ってたのに、始めてみたらほいほい勝って、自分自身でもあっけに取られているのではないでしょうか。 21世紀生まれ最初の棋士という象徴的なデビューを果たした藤井四段は、今までの棋士とどう質が違うのか。その背後には、やはり人間より強いソフトがあるのではないでしょうか。 なにしろ要は本当に将棋に強い人間たちと対戦する前に、人間より強いAIで切磋琢磨しているのです。 将棋の対局を見ていると、Ponanza の予想手を見て解説者は「この手は人間には思いつかないですね」とか「この手は人間には指せないですね」とコメントすることがよくあります。人間同士の対局や経験の中で、プロ棋士たちの間に培われたいわば「直感」です。 しかし、AIにとって、そんな常識は関係ありません。あくまで一つの候補手で淡々と読むだけです。藤井四段は、その AI の並べる候補手で育っているわけですから、AIの「直感」に近い「直感」を持っているのでしょう。もし、自分の手を「この手は人間には思いつかないですね」とか「この手は人間には指せないですね」とか言われても、ピンとこないかもしれません。あえていえば人間には読むのが大変な手とか、少しでも間違えると逆転されてしまう勝負手といったものはありますが、今までの人間同士では、「それは指しにくい手」とされて、可能性はあるけどあんまり読まれることのなかった手が膨大にあり、しかし藤井四段は、そういうのを「分け隔てなく」読んでいるのでしょう。 実際序盤の進め方はAIに近いそうです。古い定跡が頭に染み着く前に、AIの序盤を覚えてしまったのです。 また終盤の粘る力も大きいのではないでしょうか。必至をかけられて絶体絶命だったのに、攻め続ける中でそれを解除して逆転したこともあります。AIはどんなに劣勢でも、それがどんなに無様でも必ずなにか手を考えてきます。そんなAIに最後まで勝ち切るのは大変でしょうし、逆にAIのように粘れば逆転できる 最後まで勝ち切る訓練をしていれば、逆に劣勢のときでも、AIのように粘ることができるでしょう。28連勝の中には完全に劣勢であったものの逆転しているものもいくつかあります。 さらに時間の使い方も正直です。読み筋に入っている時はほいほい指しているようです。最近の棋士はわりとそういう傾向にあるかもしれません。 その場合逆に読んでいる時は、「ああこれは読み筋じゃなかったのか」と相手にばれますから、人間同士で対戦する場合は、読み筋に入っていてもわざと時間を使って相手に心を読まれないようにしたりするもんですが、まあ最近の人はむしろ AI との読み合いが多いでしょうから、そんな駆け引きに時間を使うのには慣れてないでしょう。 以上のように質の違う強さだということは、すでに全棋士が意識していることでしょう。 そしてそれ自体が武器になります。 羽生三冠と同じように、藤井四段が指せばそれがどんなに悪手に見えようと、「なにかあるのではないか」と疑ってしまいます。そして変な風に指してしまい逆転される。「聡太マジック」です。 序盤中盤から従来の定跡に縛られない手を指してきますから、考慮時間を浪費しがちになります。 終盤優勢に進めていてもまったく諦めることなく粘ってきますから、間違えるわけにはいきませんが、すでに時間は使い果たしていて1分将棋になっていたりすると、間違えずに勝つのは大変です。 藤井四段が勝てば勝つほど、相手にかかるプレッシャーは大きくなることでしょう。 藤井四段も一度でも負ければ、もっと気楽にさせるのかもしれませんが、ここまできたらどこまで伸ばせるのか、一局一局集中力は高まるでしょうし、ついでに一気に自分のスタイルを築きあげていくことでしょう。いったいどこまで連勝が伸びるのか、また、たとえ負けたとしても、どれかの棋戦では勝ち続けて優勝やタイトル挑戦に行ける可能性は非常に高いのではないでしょうか。それもまた大記録になりそうです。 逆に彼に対抗できるとしたら、彼より若い人ということでしょうか。AIがなくとも彼はものすごい天才であることは間違いありません。それでも、これからの若い世代で、彼と同じようにAIで訓練して同じように強くなる人が量産されるのかもしれません。はたまた藤井四段は今までの天才棋士と同じように滅多に現れることがないのか。これからの将棋界から目が離せません。 まずは新記録のかかった次戦が楽しみです。《ワンポイントミライ》(?)ミライ: 囲碁の世界では、 囲碁AI、AlphoGoに3戦全敗した柯潔棋士がその後7連勝してるとか。 【中国話題】柯潔、AlphaGo後7連勝…2017中国交通産業グループ杯優勝 - 【nitro15】 フツクロウ: ホホウ。 

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  • [S] JALネット接続無料永続化記念、キラーコンテンツはこれ!

    2017-06-21 00:15  
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     いつもとちょっと違う水曜、今回は気楽に書き始める短い記事[S]です。  JAL、国内線機内のネット接続無料を永続  :日本経済新聞  15分無料から、全区間無料キャンペーンに移行していたJAL国内線のネット接続。 なんと永続化! ということで、とっておきのキラーコンテンツを紹介します。それは、 flightradar24 地図の上に今飛んでる飛行機がリアルタイムに表示されるやつ。 もちろん自機もありますから、それ見てれば自分がどこ飛んでるかもわかるし、前後にどんな飛行機が飛んでるかもわかります。羽田空港に向こうって何機もの飛行機が行儀よく並んで降りていく様には、ぐっとくるものがあります。 さらにすごいのは、3D表示。今自分が飛んでいるところを、飛行機視点(パイロット視点よりもっと360度)で見ることができます。小さい窓からその一部だけ見えて、確かに3D表示の通りであることを確認できます。飛行機に乗っていて自分が本当に見たかった景色を、パイロットですら見れない景色を、スマホの中で見ることができるのです! このリアル-VR体験(??)、オススメです。ぜひ試してみてください! (なんかアプリ入れちゃうと3D表示視点変えられないかも。わかってないだけかもしれませんが)《ワンポイントミライ》(?)ミライ: 画像がないだと?フツクロウ: ホッホ。 

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  • 砂漠でも水が得られる装置の発明で楽園の妄想が捗る

    2017-06-20 08:00  
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     4月頃の記事なのですが、毎日ネタが多くて後回しになっていました。 乾いた空気から水を取り出す装置、太陽光で動作 - MITとUCバークレーが開発 | マイナビニュース   乾いた空気からでも水を取り出せるというのです。 大きさがわからないのですが、(英語の記事も見てみたのですがわかりませんでした)仮にこの装置が10cm x 10cm として、1日で2.8リットルの水。 日本人の平均値から一人1日280リットル必要とすると、100倍必要で、つまり1m x 1m の装置があれば、日本人としての生活ができてしまいます。毎日風呂に入るような。砂漠でも。 今とても気候が良くて、雨の降らない6月はこんなに快適なのかと。こないだの日曜、天気の良さにふらふら車ででかけたら、どこも車がたくさんで、あー、みんな気候が良くて外出してるんだなあと。 アメリカのサンディエゴに住んでた時も、もともと砂漠みたいなとこで、でもコロラド川から水運んできて住めるようになってて、そうするととにかく楽園なのです。 ですから、この装置が実用化したら、楽園が一気に増えます。水さえあれば楽園なところはこの地球上にいくらでもあります。装置には太陽光か必要ですが、砂漠っぽいとこなら太陽ならいくらでもあります! 世界規模でみても、すでに人口増加は止まる方向に行っているなかで、突然住む場所が一気に増えるというボーナス。自動運転もできるようになって、街を広く作っても移動は自由です。砂漠に作られる街は、ゆったりと暮らせる今以上の楽園です。高層ビルなんかいりません。むしろ水生成装置が置けなくてだめです。空が広い街。 がんばってお金持ちになって老後はそんな街で暮らしたいです!《ワンポイントミライ》(?)ミライ: 水は確保できて、下水処理もその場でできる技術できてますし、電力は太陽光で、蓄電も実用化に目処立ってるし、通信は携帯技術で線いらないし。フツクロウ: ホッホ。ミライ: あとは、道さえあれば 

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  • 加計問題は「3期9年」を認めたから起こった

    2017-06-19 08:00  
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     加計問題、文書が出たからって、いったい何が問題なのでしょうか。 今の疑惑を概ね認めたところで、法律に明確に違反するようなものが出てくるのかというと、そこまであからさまなものは今のところなさそうにみえます。まあ獣医学部の建築会社から賄賂もらってたとかあったら明確に犯罪ですが。 とはいえ、たとえば、なぜ来年4月開校にこだわったのかというと、やっぱり京産大とか他を諦めさせるため?と邪推できますし、さらに地域を限定するような制約を増やしたりとか、ある意味ちょっとやりすぎてる勢いです。 むしろ本当に悪巧みをするなら、京産大にも立候補させて、その上で加計学園を選んでおけば、たとえ裏で様々な操作があったとしても、より疑われにくいですよね。いわゆる出来レースを組むのです。そんなことができないくらい加計学園は条件が悪かったのでしょうか? いずれにせよ、総務省としては獣医学部を新設するなら加計学園であるべきであるという何か信念があるかもしれませんし、そこは総理の意向を忖度してしまっているのかもしれませんし、そういう信念をゴリ押ししてしまった結末を今見ているのかもしれません。 ただし、それがどのような信念であれ、結果としてそれが首相のお友達の学校というのは、それだけで疑惑の対象になるものであって、当然通常よりさらに厳密な手続きを踏むべきところです。 それが今回なされなかった。首相の友達の学園なのに、手続きはむしろゴリ押しになってしまった。 これは、官僚組織が普通に動いていれば、起こりません。だってどうせ後で問題になりますから。今問題になっているように。 でも、なぜ起こったか。 それは去年、自民党が総裁任期「3期9年」を決定したからです。 自民、総裁任期「3期9年」を決定  :日本経済新聞  任期が2年も残っているのに早々と安倍3期を可能にしました。 ご覧のように官僚の人事は官邸が決めることになってしまっていますから、当時からいえば5年間、官僚は安倍さんの言う通りにしないといけないことになります。任期切れが間近なら、たとえ官邸に反発して更迭されようと、政府が入れ替われば返り咲くこともできるかもしれません。しかし、まだ5年首相が変わらないとなったら、当面はもういうなりしかありません。 安倍首相は前川前次官に「なぜ反対しなかったか」と不満を述べていますが、 安倍首相、前川前次官を批判=「なぜ反対しなかったか」:時事ドットコム  これはある意味真実で、内々に異議があれば、もっと「ちゃんと」加計学園に決められたかもしれません。 で、こういうのをぜーんぶ紐解いていくと、結局「3期9年」が悪いということになっていきます。官僚人事を官邸が決めるというのも、リーダーシップを持ってものごとを進めるためにはいいことかもしれません。でも、そこに「3期9年」の長期政権が対するとバランスが崩れてしまっているのです。安倍さんの場合は首相が2回目ということで、2回目の最初の立ち上がりも極めて迅速でした。「3期9年」は実質10年以上の重みがあるでしょう。 今回のすべて、仮に、首相の圧力はなく、実は官僚たちの忖度の塊で、首相の友達学園に対してずさんな手続きに邁進してしまったとしたら、それは「3期9年」のせいなのです。仮に首相からの圧力があったとしてそれに反発できなかったとしたら、それはやはり「3期9年」のせいなのです。 で、このことにおそらく自民党は気づいています。首相に力が集まりすぎて、いろんなところに歪みが出ていることに。そもそも「3期9年」があっさり決まったのも、「首相に力が集まりすぎ」てたからです。さらにはなにがあっても支持率が落ちないのも「首相に力が集まりすぎ」てるからです。 でも、その歪みが今一気に噴出してしまいました。これがいままでと同じように一過性で、しばらくしたらまた支持率が戻りなにごともなかったようになる可能性はあります。 しかし、自民党はすでに相当な危機感を持っていると思います。「3期9年」はまずいと。今後もそれを見越して方々が「忖度」しすぎて、同じような問題を起こすことでしょう。 が、「3期9年」は決めてしまった。それは単純な制度の変更ではなく、事実上党内で安倍再選を前倒しで信任してしまっています。次の総裁選で、もちろん対抗馬くらいは立てないとなるでしょうが、それは直前の動きで、対して票も集められないでしょう。そういう出来レースが想定されているのです。 そういうストーリーだったのに、「3期9年」はまずいという空気が生まれてしまいました。本気で総裁選で安倍か否かを問うのなら、今から対抗馬を育てなければなりません。 その時点で党内には大きな軋みがうまれ始めます。そうなってしまえば、来年の総裁選まであれこれ軋むよりも、さっさと安倍さんを退陣させた方がダメージが少ないという思惑も生まれます。もし安倍降ろしが始まってしまったら、止めるのはかなり難しくなるでしょう。 これが、「怪文書発言」の真相です。文書が出てしまえば、否定のしようのないところから、否定し始めたのは、この問題がたとえ贈収賄犯罪のようなものがなかったとしても、政府にしてみれば、自分たちを転覆させかねない問題だとわかっているのです。ですから徹底的に否定したのです。 《ワンポイントミライ》(?)ミライ: 今までのように官僚を押さえつけられなくなったことも大きいですね。フツクロウ: 更迭したら、暴露されるからの。 

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