-
【馬】このデータがホントなら日本の教育はすごくうまくいっている。
2013-02-14 07:00110pt【馬車目線】2013年1月第2号
ある論文のデータを可視化したら、日本の教育がすごくうまくいっているように見えたので、ご報告。 ちょっと記憶が定かではありませんが、最近次の論文を拾いました。確かツイッターです。前回、前々回と給与のこと調べてたところに流れて来たんだと思います。 貧困の世代間連鎖の実証研究─所得移動の観点からというもので、労働政策研究・研修機構 から2007年に発行されています。 この研究では、ある人の所得とその父親の所得を比較しています。親の所得が少ない時、子の所得はやはり少なくなるのか、そうでないのかという調査です。 その調査の生データのグラフがこちらです。
まず、本人と父の所得はz得点というものに変換されています。細かいところまではわかりませんが、0が平均所得と考えていいでしょう。そして各○はそれぞれのサンプルです。たとえば左上の方の人は、父の所得は少なかったが本人は高所得になった人です。 このグラフをじーーーっと見てても面白いのですが、もちょっと分かりやすくするために、このグラフを格子状に区切って、その中にある○の数を数えます。
密集しているところは正確には数えられないので、多少間違っているかもしれません。 これを等高線グラフにしたものが次です。
詳しくは後半に譲りますが、このグラフの左側は、稜線部分が水平になっていて、たとえ父の所得が少なくてもその子の所得は平均所得あたりを中心に分布していることを示しています。低い所得は連鎖してません!! 少しは連鎖するのかと思っていましたが、このグラフをみる限り連鎖しているとはとても言えません。 一方打って変わって、父所得得点が0.25以上の右半分では稜線は45度曲がり、所得が連鎖している様子が伺えます。 また元の○の散らばったグラフでもわかりますが、○は広く分布していて、つまり、子の所得は父の所得に関わらず、多いこともあれば少ないこともあります。左側については、子の所得は父の所得に関係ないと言っていいと思います。誰にでもチャンスがあるのです。 元論文にも書いてありますが、こういう調査は調査自体が非常に難しいそうです。自分の親の収入なんてみんな漠然としか知りませんからね。したがってこのデータそのものの信頼性にも慎重にならなくてはいけないし、海外との比較も難しそうです。 とはいうものの、このグラフの傾向だけでも信じるとすれば、これは日本という社会の仕組み、特に教育が均等な機会を与えるという点ではすごくうまく行っていたと言っていいのではないでしょうか。父の所得が少なくても、学校で学ぶことで、父の所得が普通の人と同じように稼げる可能性があるということです。 これは2007年の調査ですから、当時働いている人の子どもの頃の社会や教育がうまく機会を与えていたということです。今もうまくいっているのか大いに気になるところですが、調べる方法はあるのでしょうか。 この等高線グラフ、見慣れないとちょっと難しいかもしれないので、後半ではいろんなグラフも出しながら、もう少しいろいろ考えてみます。・併せてどうぞ【リチャード・ウィルキンソン「いかに経済格差が社会に支障をきたすか」に見る利他的行動の合理性】 経済格差をなくすことも住み良い社会に良いというお話 -
中小企業就職戦線変化アリ
2013-02-06 22:00すっかり就活の季節ですね。 一年前の情報ですが、「2013年卒マイナビ大学生就職意識調査」という調査があります。その紹介記事があります。 Business Media 誠:就活生の意識に変化、急速に進む大手企業離れそこでも引用されているグラフが印象的です。(クリックすると大きくなります)
赤が中小企業指向、緑が大企業指向です。ここ二年大企業企業指向が急速に減っています。これは実はかなり特徴的な動きです。 というのも、こういうのは通常だいたい景気で説明できます。たとえば左端の01年卒の調査はちょうどITバブルの頃ですから、大企業指向が低くなりがちです。みんな気が大きいんですね。 一方景気が悪くなればより安定した大企業指向になるのが自然です。 しかし、ここ数年は景気は激悪なのに、それでも大企業指向が大幅に減るというのは変わった変化です。 上記の記事では「意識の変化」と表現されていますが、それ -
【馬付】エレベータ開閉ボタンですさまじい創発が起こっている件
2013-01-30 07:00
エレベータの開閉ボタンが分かりにくい!ということで、デザイナー達がこうしては?と提案しあっている話題が超盛り上がってますね。(2/1追記:もう落ち着いてます念のため。)間違えやすい「エレベーターの開閉ボタン」をJAYPEGでデザイナーたちがリデザインしてみた - NAVER まとめ 提案される新しい開閉ボタンはひとつひとつなるほどと思うものばかりで、すごく脳みそを刺激されます。いろいろ見た中では、私にはこれが分かりやすかったです。
普通開くボタンは左にあるので、正確にはひっくり返したこれ。
でも、エレベーターの閉じる/開くボタンのUI改善 ~日本マーケット向けの決定打は『ひらく』ボタンの撤廃だ~ - キャズムを超えろ! とか読むと、開くボタンはなくすのもアリかもとか悩んでしまいます。 これだけアイデアが出てくるのは、やはり決定打がない問題だからかと思わなくもないですが、こうやって -
【馬付】雇用は国ではなく自治体が生み出せ。
2013-01-29 07:00
先日紹介した「庭のホテル」のレストランは今度一緒にニコニコ生放送してみようという知人と利用しました。そしてどんなことしようかといろいろ話し合ったのですが、結論としてその場そのものをニコ生すればよかったなぁという、盛り上がりでした。
というのもいろいろ話しているうち国に雇用は創出できないのではないかという話になったからです。その話は【馬車目線】に譲るとして、帰った後、ではどこが雇用を生み出すべきなのかスタッフで少し考えてみました。
そしたらちょうどいい例を思い出しました。松江市や島根県の Ruby に対する支援です。Ruby はまつもとゆきひろさんが開発したプログラミング言語で、ストレスなくプログラミングを楽しむことができるとエンジニアからの人気が高い言語です。この プログラム言語 Ruby に対して、まつもとさんが松江市に住んでいることがきっかけで、市や県が支援を始めたのです。行政 -
革命的な一石五鳥の共同一次面接。カカクコムなど。
2013-01-10 07:00
(ニコニコ動画の中の人が「『5人対1人』ではなく『5社対1人』の革新的な一次面接。」という、とても分かりやすい見出しで紹介してくださいました。ありがとうございます。) 鳥肌立つ取り組みですね。 新卒採用の1次面接、5社共同で カカクコムなど まず14年春新卒 カカクコム、デジタルガレージ、アイスタイル、アイティメディア、リッチメディアの5社が共同で新卒採用の1次面接を行うというもの。 ちょっと興奮しすぎてデメリット思いつかないくらい、画期的な仕組み。 ・同じクラスタの、でもそれぞれ個性ある会社の面接を5社いっぺんに受けられるとか、むちゃお得。特に地方の人にとっては、費用5分の1というとてつもない恩恵です。 ・面接側も5社の担当者がそれぞれの切り口で質問するのをお互い聞けるとか、面接者を丸裸にできちゃいます。 ・だからもう生の自分で勝負するしかないよね。5社5色の面接官の目をテクニックでか -
ときには戦い、近づく未来。ネット医薬品販売。そして漢方
2012-12-21 22:19一度は規制されたネット医薬品販売、再び認められるようです!時事ドットコム:国側の敗訴確定へ=ネット医薬品販売規制-来月11日に判決・最高裁 2009年6月1日から始まった規制、三年以上をかけてようやく打開が見えてきました。 規制が必要という理由も分からないではないですが、10年20年後もそれが続くわけもなく、問題があるなら乗り越えていくしかありません。 静かに進む変革で示したように、今の大きな変革は静かに進みがちです。初音ミクも既存の音楽産業と直接ぶつからないあさっての方向から流行ったので、ぶつからないうちに大きな勢力になっていました。 しかし、薬はそれ自体自由に販売できるものではなく、ネット販売は既成の店舗と直接競合するため、まともにぶつかってしまいました。一度は屈しましたが、執念の復活本当にお疲れ様です。ものによっては戦わないと手に入らない変革もあるのですね。 さて、ネット医薬品規制 -
なんで格差あんの? 一票の格差がすくい取ろうとしているもの
2012-12-18 13:15今回の選挙結果、びっくりしてる人も多いみたいですね。小選挙区のあり方について考えている人も多いようです。さて、選挙制度といえば、一票の格差もずいぶん話題になりました。一票の格差の話を聞くと、なんで一票の格差なんてあんの? さっさと公平に割ればいいじゃんと思うかもしれません。 そこで、次のようなグラフで、一票の格差の意味を可視化してみようと思います。都道府県の規模に基づく人口分布
まず各都道府県を人口で次の基準で分類します。都道府県の人口・面積・人口密度のランキングから頂きました。クラス1: 50-100万人 とても少ない。鳥取県など9県 クラス2:100-200万人 少ない。福島県など19県 クラス3:200-400万人 普通。茨城県など10府県 クラス4:400-800万人 多い。埼玉県など6道県 クラス5:800-1600万人 とても多い。東京都など3都府県 倍々の規模で分割して -
「みんなの予測」shuugi.in を検証してみる
2012-12-17 10:55衆議院選挙終わりました。年齢別投票率や国民審査の集計表が待ち遠しいです。 さて、もう一つ気になっていた、shuugi.in についての結果を見てみました。shuugi.in とは、各政党を仮想の市場で株のように売買することで、選挙結果を予測しようというサイトです。いわゆる集合知を利用した予測です。マスコミの世論調査だけでなく、こういう予測も見ることで、より多角的に予想できることが期待されています。ということで、結果。民主 57 70 70
自民 294 281 280
未来 9 11 10
公明 31 31 30
共産 8 17
みんな 18 19 10
社民 2 1
維新 54 30 50
国民 1 0
大地 1 2
改革 0 0
一つ目は、選挙後の議席です。二つ目は投票が締め切られた12月16日20:00頃の -
あなたに一番近い政党は? 最新判定傾向
2012-12-10 07:00先日紹介したもうチェックした? あなたに一番近い政党は?の日本政治.com 投票マッチング、テレビでも紹介されて大反響のようです。 マッチングを終えた時に一緒に出てくる「他の人の判定結果」がとても面白いので、また覗いてみました。結果はこちら。
民主党 10.5%
自由民主党 20.9%
日本未来の党 3.9%
公明党 2.6%
日本維新の会 20.9%
みんなの党 18.1%
日本共産党 3.1%
社会民主党 5.6%
国民新党 10.7%
新党大地・真民主 2.5%
新党改革 1.2% 国民新党の数値が伸び、新たに、新党大地・真民主、新党改革が表示されました。その3つを取り除くと、前回と構成比が変わらないので、それら3つの表示が加わったような印象です。国民新党が民主党をおさえて4位に入りました。 このデータと選挙日の出口調査で誰に投票したかというデータと比べたら面白そうですね。後、獲得議 -
もうチェックした? あなたに一番近い政党は?
2012-12-05 07:00これは今すぐやってみるべき。 日本政治.com 投票マッチング 20の政策に関する質問に答えると各党と自分の意見のマッチング具合を出してくれます。選挙区を入れると、小選挙区の候補者についてもマッチング順に並べて表示してくれます。 各政策ごとに各党の立場が書かれているので、個別に自分の意見と比較する事ができます。各政策についての解説も付くので、良く知らないテーマについて知ることもできます。候補検討捗ること間違いなしです。 私はいいなーと思っていたところが見事トップでした。でも個別に見ると一致した政策は20個中10個、マッチング度1から5の政党はほとんど差がありませんでした。なので、順位を鵜呑みにせずに、重要視したい政策についての一致度を上位の政党について詳しくみるといいのではないでしょうか。
みんなの結果が面白い
とても面白いのが「他の人の判定結果」。
数字出てないとこ書いとくと、日本
1 / 1