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記事 19件
  • 【馬】「言われたことだけやって!」→7秒後「言われなくてもやって!」、弁明します

    2015-05-30 00:15  
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    この記事は【馬車目線】(?)でお送りします。
     「言われたことだけやって!」→7秒後「言われなくてもやって!」 女性上司の理不尽説教に「うちの課長と同じだ」の声   ああすいません。なんかうちの子供にもこんな風に思われてるんだろうな。最初は「言われた事だけやって!」と怒っていたが、それから7秒後には「そんなの言われなくてもやって!」と真逆のことを言う。
     ちょっと弁明させてください。 「言われた事だけやって!」は「余計なことはするな」って言いたくて、 「そんなの言われなくてもやって!」は「やるべきことは自発的やれ」って言いたいんです。 でも、もうこっちも興奮しちゃって、「どう考えてもおかしいやろ」みたいな言葉の対をぶつけてしまいます。 しかしですね。これ親子くらい毎日のようにこのやり取りを繰り返していると、まあこれくらいの言葉の選び間違いは子供の方もわかることができて、ちゃんと「あー今いらんことしたんやな」「あー、今の内に宿題やれってことやな」とか頭では何言われてるかわかっていることでしょう。 だからといって、そこで子供がその通りにするかは、まったく別の話です。「いらんことすな」と言われても、やりたいことはやりたいし、いくら宿題やらなとわかっていても、「今じゃない」と全身で拒否したいときはしたいのです。 そんなとき、子ども側だって意味不明な言い逃れします。なんかおなか痛いとか。それも面倒ならガン無視してきます。下手に言い訳しても論破されますからね。 だからお互い様です。ちょっとくらい言葉選び間違えたって、子供は意味分かってるし、だからといってそれを素直に認めるわけにはいかないのです。 ですから、女性上司の理不尽説教にしても、電話の先の相手は意味全部分かっているかもしれません。この記事で取り上げられている愉快なツイートを書いた人だって、そんなことはわかり切っているかもしれません。 この虚々実々のやりとり、不毛でしょうか。 親子の話に戻りますが、子供は親の言うとおりにしていれません。子供がやりたいことなんて、ほぼすべてが「いらんこと」ですから、親が「いらんことすな」と言い続ける合間を縫ってやるしかありません。宿題をしなければいけないことは知っていますが、そんなことよりも本人にとって「今やらないといけないこと」だってあります。 上司と部下の間でもそうでしょう。サボりたいとかそういうことだけでなく、会社のことを自分なりに考えれば、上司が考える「いらんこと」を一切せず、上司が考える「やるべきこと」を優先的にしているわけにはいきません。 が、それを正面切って、相手を論破する労力があれば、適当に聞いてるような聞いてないような態度でいて、適当にいなす方が効率がいいでしょう。となると上司側にしても、いつも非の打ち所のない正しい表現で語っていては、部下も逃げ道がありません。「言われたことだけやって!」→7秒後「言われなくてもやって!」
    くらいつっこみどころ作っておいたほうが部下も、真の意味で自分で考えて行動できます。 上でちらっと子供がガン無視する話書きましたけど、しかたありません。彼らは私に口で勝てるわけがありませんから。その辺は彼らは恐ろしいほどに間合いを本能的に感じて行動に反映します。彼らも言う時は言います。それは、私が納得する可能性があるときです。でもその可能性がないような「まずい」状況の時はやはり無謀な戦いはしてきません。あるいは「なんかおなかいたい」です。病は気からといいますが、実際本当に「なんかおなかいたい」んだろうなと感心してしまいます(苦笑 「いらんことすな」「言われなくてもしろ」は親と上司がひたすらいい続けることなんだと思います。既存の組織の代表として、この組織ではどうあるべかという「標準」を示す続ける存在なのです。 最近の子供たちは大人に見守られている時間の割合が非常に多くなり、「いらんことすな」「言われなくてもしろ」の矯正を受ける時間が多いです。そのため本当にそれに従って、「いらんこと」をしない子供が増えています。 子供や部下は親や上司の「標準」がなにかを知ることは大事ですが、それに完全に従うことばかりではいけません。 しかし、子供や部下にその「標準」に耳を傾けすぎるな適当に聞いとけと指導できる「親や上司」はいません。矛盾してしまいます。 

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  • 歴史的瞬間、人類が葉っぱ一枚作れた日

    2015-05-29 00:30  
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     突然できたなあとびっくりすると共に、人類が新たな一歩を踏み出したと勝手に認定して感慨にふけっています。 人類はついに光合成を手に入れた!人工の葉が酸素を作り出す奇跡 | FUTURUS(フトゥールス)  天然絹から取り出したタンパク質に植物から取り出した葉緑体を封じ込めて、その葉緑体に光合成を行わせることで人工の葉っぱを作ることができたという話です。 水を循環させる仕組みも作ってあり、光合成に必要な水を供給しながら光に当てると、その水と大気中の二酸化炭素から酸素を作り出すそうです。その時に糖類ができるようで、それは循環させている水で回収するようです。回収しないとすぐにそれら生成物で葉緑体が動かなくなりそうです。(参考サイト(英語)) この人工の葉っぱのニュースを人類の新たな一歩と大げさに言うのは、単に個人的な思い入れからです。 はっきりしたことは覚えていませんが高校から大学の頃でしょうか。私は理系でしたが、ポジティブな向上心から、「科学はものすごい発展しているように見えるけど、実は葉っぱ一枚作れていない、科学なんてまだまだだ」と思っていました。今までの科学を悪く言いたいわけではなくて、自分が科学の世界に進んでも、やれることはまだまだたくさんあるという意味です。 別に私自身が葉っぱを作りたかったわけではありません。作り方も、生命工学を駆使して植物の葉っぱを培養してもよし、半導体技術を使って人工光合成をしてもよし、でも葉っぱと呼べるものはまだないと当時思っていたのです。 それから約30年。人工光合成の世界には進んでいませんが、人工光合成の話題を見かけたら気にして読んでました。ずっとまだまだだなあと思っていました。 が、突然「アガリ」級の成果が発表されたのです。葉緑体を利用してますから、もちろん光合成が行われ、しかも見た目も葉っぱそっくり。まさに人類が「葉っぱ一枚」を作った瞬間です。 タイムマシンに乗ったような感覚です。たとえば子供の頃から、宇宙戦艦ヤマトのような空飛ぶ戦艦とか、仮面ライダーのような変身とか、鉄腕アトムやドラえもんのようなロボットとか、大人になる頃にはできると思っていたものは一向にできていません。所詮人生なんてそんなもんかと思いがちですが、「葉っぱ一枚」に関しては、昔思い描いていたものが現実になったわけです。 ということで大変ひとりよがりな「人類の新たな一歩」なのですが、ひとりよがりなりに、「葉っぱ一枚」というのは科学にとって象徴的なステップだと考えています。 なぜか。高度成長期の頃は、科学の象徴的な成果は機械でした。巨大な機械が作り出す、ビル、橋などの様々なインフラ、自動車、列車、飛行機などの乗り物、生活品や加工食品を安価に生み出す生産機械、まさに工業の時代です。そして現在の科学の象徴的な成果は情報。バソコン、携帯、スマートフォンなどのデバイスのおかげで情報サービスが爆発的に発展しています。 そして、「人工の葉っぱ」こそ、次の科学の爆発的な発展を象徴するできごとなのです。次は人や自然と調和する科学です。 機械って危ないじゃないですか。車に轢かれて死ぬとか、農機具に巻き込まれて死ぬとか。今どんどんロボットが実用化されていますが、ロボットと人が近づくにつれ、ロボットと人がぶつかる問題が出てくることでしょう。ですから、今後はやらかく軽いロボットも発展します。ちょっとくらい人とぶつかっても平気なように。それは難しいです。ロボットの骨組みがしなると、自分の姿勢を把握するのがより大変になりますし。 

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  • [S]ご当地ウンチで走る軽トラレースとかどうでしょう

    2015-05-27 22:45  
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     いつもとちょっと違う水曜、今回は気楽に書き始める短い記事[S]です。  ウンチで走るバス、最高速度を記録   牛のフンを原料とするバイオメタンで走るバスが、自己最高記録、時速123.57kmを出したそうです。 動画は、この英語サイトで見られますが、牛ペイントのバス、なかなか迫力があっていいです。 これ、なんかレースにすると面白そうです。 日本にはたくさんのブランド牛がありますから、産地ごとの牛糞を使ってバイオメタン作って、軽トラをバイオメタンで走るように改造してレースをするみたいな感じです。それぞれの地区の高専とかが中心になってチーム作ればいいのではないでしょうか。 元記事のバスも牛ペイントした上でスポンサーのステッカーばしばし貼ってますが、そんな感じで、そのブランド牛を模したペイントにご当地萌えキャラで痛車化した後、スポンサーのステッカーばしばしみたいな、忙しそうな見た目になりそうです。 松阪牛・神戸牛・米沢牛など有名どころの糞が勝つのか、はたまたあまり知られていないブランドの糞が勝つのかとても気になります。 しかも勝ったら宣伝になりそうです。レースに勝つ糞をするブランド牛ってなんかとても力が付きそうだし美味しそうです。ついでに「ご当地ウンチ」、語呂がいいです。  

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  • 【馬】現代の病「くれくれ病」になってませんか。

    2015-05-27 00:15  
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    この記事は【馬車目線】(?)でお送りします。
     こんな記事を見かけました。翻訳ものです。 誰か、オンデマンドでない不便なサービスを作ってほしい…本当に充実した人生のために   最近なんでもオンデマンド、欲しい時にすぐに手に入るようになったけど、それは人間を堕落させるから、不便なサービスを作って欲しい、たとえば Amazon で注文したものを隣町まで行かないと受け取れないとか、といった感じの内容です。 言いたいことは分からないでもないですが、これは深刻な現代病に少なくとも2つかかっています。 もし、この記事を読んで「ふんふん、その通りだ」と思ったら、同じ病気にかかっている可能性があります。こんな病気にかからないようしっかりチェックしてみようと思います。1) なんでもオンデマンドに手に入るという錯覚 日々どんどん便利になりますから、なんでもオンデマンドに手に入るようになると錯覚してしまいますが、そんな世だからこそ、オンデマンドで手に入らないものに価値が置かれるようになりました。 ライブはその典型です。音楽そのものはとても安価に聞くことができるようになりましたが、その分ライブに人気が出て、アーティスト達もライブに力を入れています。バーチャルリアリティなどが発達することで、ライブのような臨場感を再現する技術はどんどん発達するでしょうが、どんなに発達しようとも、それゆえに、アーティストのいる会場で、アーティストと同じ空気を吸いながら、ほかのファンと共にライブを楽しむことの価値は格別なものとなります。ライブなんて不便の象徴でしょう。その日、その場所に行かないといけません。どんなに技術が発達しても、逆にそれではできないことに価値を見出していくのです。 google の位置ゲーム、ingress もその例でしょう。歩き回らないとゲームが進まないという不便さをゲームにし、それが大人気となっているのです。 つまり、便利になったらなったで、その分不便なものに価値が出ているわけで、わざわざ「Amazon で注文したものを隣町まで行かないと受け取れない」なんてサービスを人に強制する必要はありません。そんなことしなくても、不便だからもてはやされるサービスがいくらでもあるのです。 世の中には便利になって空いた時間を不便なことに振り分けている人がたくさんいて、そこにちゃんとマーケットが生まれているのです。その需要にこの著者は気づいてません。「なんでもオンデマンドに手に入って人間が堕落する」と思っていますが、周りには不便なサービスをもてはやしている人がいくらでもいるのです。2) 不便なサービスを作ってという「くれくれ」病 仮になんでもオンデマンドに手に入る状況が良くないとして、だから、 ingress のように不便はビジネスチャンスだと言うなら、すっと読んだんだと思います。あるいは、自分の生活があまりに便利になりすぎたので、日常にこんな不便を取り入れてみました、というのも、よくある感じのお話です。 

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  • 「自動車業界は1985年のIBMと同じ道を辿ろうとしている」のか

    2015-05-25 23:00  
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     「自動車業界は1985年のIBMと同じ道を辿ろうとしている」と記事を見かけました。 自動車業界は1985年のIBMと同じ道を辿ろうとしている   かつて、IBMのパソコンはハードウェアを掌握し、市場を独占していましたが、Mircosoft が Windows を市場に投入すると、パソコンは IBM社製かどうかは関係なくなり、 Windows かどうかが問題になりました。「プラットフォームを掌握しなければ、パソコンのハードウェアはコモディティに過ぎない。それでは利潤も少なく、競争は激しい。自社の運命をコントールすることはできない」
     今自動車業界は、ダッシュボードに Google のAndroid Auto や Apple の CarPlay を搭載することに同意しているそうです。その状況を見て、これは最終的に車の鍵をシリコンバレーに明け渡すことになりかねない。車はコモディティになり、その車がCarPlayやAndroid Autoを搭載していれば、どの自動車で運転するかは気にならなくなるかもしれない。
     と心配しています。 ま一見まことしやかに見えるこの記事、果たしてそうでしょうか。 現在スマートフォンには Android と iPhone しかない状況を見ると確かにOSがいかに重要で、ハードウェアはコモディティでしかないと考えることでしょう。 しかし、これからずっとスマートフォンで重要なことは、 Android か iPhone かでしょうか。 最近話題になっている一続きの記事があります。 「スマホを使ったPOSレジ」に思う事 〜お返事的なモノ〜 - 飲食店をやってます。  レジシステムをスマートフォンを利用したものに変えようと思ったけど、いまのところまだ不便で、既存の専用機で更新したという話です。 追加注文の多い居酒屋形態だそうで、そうするとまずスマホを立ち上げる動作に時間がかかりすぎることや、メニューを選ぶのも従来の専用ボタンのものより時間がかかる点などが問題だそうで、今後に期待だそうです。 まあ今後、普通のスマホを使ったレジシステムもどんどん発展していくでしょうが、もう一つの方向性として、Android などを積んだ専用ハードが出る可能性があります。iPhone の偽物がすぐに出回るように、ハードウェアを組み上げることはどんどん簡単になっています。ですから、あまりコストに負担かけることなく、立ち上がりの早い、物理キーを備えた Android 端末を作ることはそんなに難しいことではなくなっています。 最近「ガラホ」が話題になっています。いわゆるガラケーはもう廃止するけど、ガラケーと見た目は同じで中身は Android の端末を作るということです。 Android 端末は今まで見た目はどれもこれも似ていましたが、それだけでは社会のニーズを全てカバーできず、ガラケーのような端末を作るという話が出てきているのです。 それと同じように、見た目はレジ専用機だけど中身はAndroid という端末も出てくるかもしれません。 さらにこんな話題もあります。 Huawei、わずか10KバイトのIoT向けOS「LiteOS」を発表   スマホのような端末の OS とは、今は iOS か Android ですが、OS だって、それら二つである必要はありません。iOS であればたとえば App Store のような販売プラットフォームが大きな役目を果たしますが、それはたとえば Amazon だって構いません。 また端末がガラケーのような見た目になるのであれば、インターフェイスも従来の Android とも iOS とも違いますから、タイミングによっては、上記の LiteOS だって構わなかったはずです。 つまり、今後ハードのバラエティが増え、インターフェイスも多様化することが予想される中、 OS だってもうどこでもいい時代になってきていて、ヒトと直接触れる分、ハードの形こそが選択理由に大きく関わる可能性があるのです。 そこで、冒頭の自動車業界に戻りましょう。自動車は、スマホよりも、その種類ははるかに多用です。セダン、ワゴン、SUV、軽、さらには軽トラいろんな車種があります。 

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  • リーマンショック後最高になった高卒の就職率も地道にさかのぼってみた

    2015-05-23 00:15  
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     前回の、 リーマンショック後最高になった大卒の就職率を地道にさかのぼってみた   に引き続いて、高校卒業後の進路も地道にさかのぼってみました。 就職率、高卒については、文部科学省の平成27年3月高等学校卒業者の就職状況に関する調査に1976年からの統計があります。そのグラフを引用すると、次のようになっています。
     バブル崩壊前は、97%前後の高い就職率を保っていましたが、崩壊後86%まで落ち込みます。2000年以降次第に回復し、リーマンショックでいったん落ち込むものの今年ついに 97.5% とかつての高い水準に戻りました。 とりあえずはほっと一息というところです。 さて、高卒についても、前回のように学校基本調査を調べてみました。年次データとして一つの表になっているものは貧相なので、地道に各年のエクセルから抜き出していきます。昔の方は、飛び飛びに 1958年、1970年、1980年を拾い、1989年からは2014年まで全て拾いました。 まずは生グラフ。

     1992 年をピークに高卒者は減っているようです。主な進路は大学、専修学校、就職、どこにも行かないです。 まず大学については90年代から、入学者がほぼ一定なのが目を引きます。高卒者は減っているというのに。子供が減っても、大学が定員分取り続けている様子が明らかです。 専修学校については、昔はひとまとめにデータが取られていましたが、1991年からは専門課程と一般課程に分けられています。専門課程への進学者は微減傾向であるもののそれほど少なくなってはいませんが、一般課程の方はピーク時の1/5くらいになっています。 次に、百分率にしたものです。
     印象的なのは、60%から80%にかけてある線、これは大学や専修学校などなんらかの学校に進学した人の割合です。つまり高校を出ても学費がかかるところに行っているという割合です。一貫して上昇し、最近は75%くらいで落ち着いています。つまり景気にまったく左右されていません。景気が良かろうが悪かろうが、高卒の4分の3はどこかの学校に進んでいるのです。 大学や専修学校の学費を少し調べてみましたが、それぞれいろいろで、どっちだから安いというわけではなさそうです。つまり、親としては、高校出てもなんらかの学費がいるとあらかじめ覚悟している人はしているわけで、その時の景気によって変わるわけではないということでしょうか。 あとで書きますが、就職する人の割合は景気で変わっています。 自分で学費を稼ぐ人もいるとは思いますが、なんか、親心が現れているグラフと言えるかもしれません。 その上、就職者や「左記以外の者」は、別途取り出してみましょう。 
     途中から「一時的な仕事に就いた者」が増えますが、データの様子から見て、「左記以外の者」に含めました。合わせて「就職・進学しなかった者」としています。 なお、大卒のデータと違って、正規雇用か非正規雇用のデータはありません。 「就職者」「就職・進学しなかった者」はいわゆる就職率に連動しています。景気が悪くなれば「就職者」は増え、「就職・進学しなかった者」減ります。景気が良くなればその逆です。 進学のデータは景気にあまり左右されませんでしたが、こちらはされています。つまり、進学する人は景気に左右されず進学し、しない人は就職しようとするが、景気によって就職率は変わるという構造のようです。 いずれにせよ、行き場のなかった人の割合は5%程度まで落ち込み、これはバブル景気の頃と変わりませんから、社会としての下限に近づいていると考えられます。 少子化によって人手不足になっているといいます。これからも景気の浮沈によって、行き場のなかった人の割合も上下するでしょうが、失われた20年の間に日本社会が経験した極端に低い就職率の落ち込み方は、これからはしないでほしいものです。 ところでこれらのデータを見て、今後大学がどうなっていくのか改めて考えてみようと思います。 小学生の子供が二人いますので、今後の大学の姿というのは、もっとも気になる未来の一つです。今までもなんどか取り上げていました。 教育費はこのまま上がり続けて少子化が進む?   教育は無償化するのか。3つのポイント   サイバー大学が見せる10年後の大学   【馬】どうなってる? 10年後の大学   毎回問題としているのは、高い学費を払って大学に行っても元が取れなくなってきているという問題です。 返さなくてはいけない奨学金をとってまで、大学に行っても、それに見合った高い給料が得られず返せないという話を良く聞くようになりました。いったい大学ってなんなのと存在意義が問われるところにきているのです。 さて今回の大卒・高卒進路のデータを見て考えられたことです。 ・高校卒業段階では「行き場のなかった人」というのは、バブルの頃の水準5%程度に戻ってきています。一方で大学卒業では、「行き場のなかった人」はまだ10%以上おり、かつての5%強の水準の倍です。その様子をグラフにすると次のようになります。

     これはつまり、大学に行ったからといって、その後の進路が有利になるわけではないという最近の状況を色濃く反映しているのではないでしょうか。 あるいは、大学への進学率が増えたことで、高卒段階ではとりあえず大学行っとけと進んだけど、大学を出るときに行き場に困る人が増えているのかもしれません。 いずれにせよ、漫然と大学に行っても将来が良くなるというわけではないことは親子共々肝に銘じておく必要があるのではないでしょうか。  

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  • リーマンショック後最高になった大卒の就職率を地道にさかのぼってみた

    2015-05-21 23:15  
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     先日、今春が96.7%とリーマンショック後最高になったと報じられました。 就職率:今春大卒 リーマン後最高 - 毎日新聞  文部科学省の平成26年度大学等卒業者の就職状況調査によれば、バブル崩壊後2001年に91.9%まで下がった後、いったん2008年に96.9%まで回復しました。 しかし、リーマンショックで2011年に91.0%とバブル崩壊後最悪にまで落ちましたが、この春 96.7%と2008年の水準まで回復したのです。 とりあえずはほっと一息というところでしょうか。 もっと昔はどうだったのでしょう。実はこの統計はバブル崩壊後の 1999年からしかないため、バブル崩壊前はどうだったのか知ることはできません。 そこで、1948年からある学校基本調査を調べてみました。年次データで一つの表にはなってはいないので地道に各年調べています。昔の方は、飛び飛びに 1958年、1970年、1980年を拾い、1989年からは2014年まで全て拾いました。 まずは生グラフ。
     下から大きなものとしては、大学院などに進学した人進学者、就職した人正規の職員等、就職しなかった人左記以外の者となっています。 進学者は2010年までは増加してその後減少に転じてるんですね。知りませんでした。  同様のグラフで百分率に直したもの。
     90%から70%の間をうねうねしている線が、いわゆる就職率に連動した線です。進学や就職する人の割合がハブル崩壊頃に最高になり、その後低下して回復するものの、リーマンショックでまた落ち込み、回復してきた様子がわかります。 さて、冒頭の就職率というのは、「就職を希望している人のうち、どれだけの人数が就職したか」といういまいち微妙な定義なのですが、このグラフから「左記以外の者」、つまり「不詳・死亡」を除いて大学卒業後行き場のなかった人の割合を取り出すと次のようになります。 
     バブル崩壊の頃もっとも低く5%ほどになった後、20%以上まで跳ね上がって、10%近くまで回復するも、リーマンショックで15%を超え、今また10%を目指して下がっているという変化です。 実は元記事の就職率96.7%という数字を見て、もう現実的な上限に来ているのかなというのを確かめたくて調べ始めたのですが、実際はまだ10人に一人以上の人が大学を出た後進路がなかったということのようです。96.7%というと残り 3.3% である一方、この「左記以外の者」は10%以上いるわけです。その一部は「就職を希望していない」人なのかもしれませんが、少し無理があるような気がします。この辺のギャップがどうして起こるのか気になるところです。 バブル崩壊頃の5%という低さは当時の異常な状況を思い出すに低すぎるとも考えられます。実際、すでに「売り手市場」と言われて始めている現在も、「それでもバブルの頃のように安易に採用基準を下げたりしない」という企業の声はよく取り上げられています。そう考えると今後10%前後が理想的な状況と考えられるようになるのかもしれません。 さらに、もう一つ調べようと思うきっかけになったのは、就職する人のうちの正社員がどれくらいかということでした。 

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  • [S]これからソーラー道路が流行りそうな一つの理由

    2015-05-20 23:30  
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     いつもとちょっと違う水曜、今回は気楽に書き始める短い記事[S]です。 違う話題から入りますけど、水族館のイルカ問題、今後は水族館同士で協力して繁殖体制を作っていくとのことですが、そのメッカというか拠点が太地町になっていくかもしれないですね。 さて、オランダに、自転車専用道路に太陽電池を敷き詰めたところがあるそうです。 オランダに誕生したソーラー道路は予想以上の電力を生み出していた!   これ、当然専用の敷地で太陽光発電をする場合に比べて発電量は落ちてしまいますが、これ、結構はやるのではないでしょうか。 なぜなら、道路が持続的になるからです。 つまり、ある程度発電できて、売電できて、その売り上げで普段の道と太陽電池のメンテや、初期費用の回収や、あわよくば設備更新の費用が出れば、今後税金を使うことなくその道をずっと維持することができるのです。 メンテは道路と電池一度にできて効率良さそうです。そもそも普段自転車が通るので、埃かぶりっぱなしということはなさそうです。道路として定期的に洗っていたのならそのペースで洗えばいいし、もっと頻繁にすることでお得なら(掃除することで増える収入で掃除費用を出せるなら)増やせばいいし、それは道路を使う利用者にとってもいいことです。 道路が痛めばすなわち電池も痛みますから補修が必要です。道路がちょっと壊れてもすぐに直すというわけにはいかないかもしれませんが、電池が壊れたとなれば直すことになりますから、道路を使う利用者にとっても嬉しいです。 

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  • 世界を変えるか、中小企業が開発した新ボールベアリング

    2015-05-19 23:45  
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    ミライ: フツクロウさん。日本の中小企業が革新的なボールベアリングを開発したと話題です! 滑り摩擦をなくしたオイルフリーなベアリングを開発フツクロウ: ホホウ。これはすごそうじゃの。ところで、ボールベアリングとは一言で言うとなんじゃ。ミライ: え、え、えーと。車輪をスムースに回すために、軸と車輪の間をたくさんの小さい球で埋めてあるやつです! wikipedia の動画による原理図です。
    フツクロウ: ホッホッホッ。唐突に振った割には、コンパクトにまとめたの。ミライ: 焦りました。フツクロウ: ふむふむ。その原理図では、理想的な状況としてボールが離れて並んでおるが、現実には互いにボールがぶつかって大きな摩擦が発生してしまうから、保持器と呼ばれるガイドでボールを等間隔に並べるため、摩擦が発生したり、グリスを使うために粘ったりする問題があった。ミライ: はい。フツクロウ: それを外輪の内側1カ所にボールを減速する場所を設けることで、後ろの球との距離を縮まり、場合によってはぶつかるが、その後元のスピードに戻ることで必ず後ろの球と離れることができるようにして、保持器を取り除いたというのがこの新しいボールベアリングなんじゃな。ミライ: そうです! 最初は 2007 年頃に開発されたようですが、(多分最近)標準品の販売を開始したり、さっき紹介した動画がバズり始めたり、しかも海外でも話題になっているようで、大ブレーク前夜って感じです。 海外「今後が楽しみ!」日本企業が開発した画期的な基礎部品に海外が仰天 フツクロウ: ホホウ。2007年からか。なかなか苦戦しておるようじゃの。ミライ: そうですね。MIT-VFJのビジネスプランコンテスト&クリニック(BPCC)で賞をとった緩まないネジ NejiLaw も有名になるのに随分時間かかりましたしね。フツクロウ: こういう基礎的な部品を中小企業が開発しても、既存の企業がなかなか使おうとしないみたいじゃの。ミライ: これでしかできない!みたいなアプリケーションでないと、そんな実績の乏しいもの使うのためらってしまうんでしょうね。フツクロウ: ホウじゃのう。でも、こやっていったんネットで一般に拡散すると、「使いたい!」っていう人が国内外にわんさか出てきて、これから楽しみじゃの。ミライ: ほんとに。私よく知らないんですけど、ミニ4駆に使えるようにしたら、すぐ使う人たちが出てくるんじゃないかと。ボールベアリングのグリスが邪魔だからとリスク覚悟でグリスを落とす人とかいるみたいですし。グリスのいらないこのベアリングなら、試したいって人必ず出てくると思うんですよ。フツクロウ: なるほどのぉ。ミニ4駆なら最初は耐久性は悪くてもいいから、ええかもしれんの。 

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  • 代替決定版? ナマズの蒲焼き登場

    2015-05-18 23:30  
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     まだ稚魚の養殖が実用化されておらず、絶滅の危機にあるウナギ。ここミラフツでも何度か話題にしています。 2012年に、アナゴやウツボなど地域それぞれで豊富な魚で代替できるのではと提案したところ、直後にナス重、さらには豚やドジョウなどの代替が工夫されているという記事を紹介したこともありました。 ナス重。その手があったか!  それから3年、近大マグロで有名な近大が、さらにウナギに近い味を生み出したようです。 ウナギ味のナマズ、近大が研究 「これはこれで美味しい」「言われなければウナギ…」商社も注目 エサを工夫することで、ウナギの味にかなり近づいたようです。 ナマズそのものは、日本ではあんまり食べませんが普通に食べられる魚です。アメリカにいたころ中華食材店に行くと、水槽にに大量に放り込まれているナマズが、いつもなぜか全部こっちを向いてゆらゆらしていて、当時スマホがあったら、絶対「こっちみんな」のコメント共にSNSに投稿してたこと間違いありません。味は普通にあっさりしたおいしい白身の魚で、といいつつ、なのでよく味を覚えていないのですが、とにかく普通においしいです。 茨城では食べるみたいですし、養殖もできてます。ということで、技術的にはすぐにでもできそうです。いったん蒲焼きがおいしいとなれば、安さも手伝って一気に広まるのではないでしょうか。「未来の普通」の予感がびんびんします。 しかも、元記事にもありますが、もともと刺し身、湯引き、天ぷらなどいろんな食べ方がありますから、いったんナマズの蒲焼きがポビュラーになれば、他の食べ方もどんどん普及するのではないでしょうか。 循環型社会を目指す現代社会、こういう動きはますます加速します。聞いたところによると、日本人の食べる魚は上位10種類でほとんどを占めるとかいうそうですが、そのおかげで、そういった魚たちの消費量はすさまじく、絶滅の危機にさらされてしまいます。 しかし、地方のスーパーに行くと、地元でとれた様々な魚が並んでいて、どれもこれもおいしいです。どっかに遊びに行くと、そこのスーパーに行って、地元の魚を買うのが習慣になっています。おいしい食べ方さえ教われば、そうやって料理すれば、普通にみなおいしく食べられます。あ、魚は捌くのが大変と思う人もいるかもしれませんが、別にキレイに捌こうと思わなければそんなに大変ではありません。骨に身がだいぶ残ったりしても気にしなければへっちゃらです。(地元のスーパーで買うような魚は安くて1000円も買えば食べきれないくらい買えたりします) 

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