• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 21件
  • 【緊急】素直はやばい

    2014-09-30 23:45  
    31pt
     拉致問題進めようって話になってたのに、全然進まなくて何が起こってるの?って思ったら、金正恩第1書記、体壊してるんですね。せっかく進展するかと思っていたのに残念です。それどころか、結構深刻な可能性もありそうで、流動化するかもしれないですね。 お隣、中国も香港で若い人も巻き込んだデモが起こっています。中国は方々でいつもくすぶっていますから、いつ流動化するか分かりませんし、特に今回香港デモで未成年が怪我したり亡くなろうものなら、天安門事件を想起させて、加速度的に事態は悪化するかもしれません。 これらを除いても、今社会は大きな変革期です。最近農業やニュースメディアの変化の兆しを良く取り上げますが、他の分野もどんどん出てくることでしょう。 そんなときにアジアが流動化すれば、社会の変化はさらに加速することでしょう。 という状況で、最近非常に危機感を持っているのが、学校の評価です。昔と違って2002年からは授業態度とか、宿題の提出とか、普段の振る舞いが成績に入るようになりましたので、最近もテストはむちゃくちゃいいのに「3」がついたという中学生の話を聞きました。随分態度は悪いそうです。 テストだけで成績が決まるなんて良くないという考え方は一理あります。一理あるのですが、テストの成績以外の授業態度とか、宿題の提出とかは、先生つまり大人が評価をするわけで、つまり、2002年以降は、大人の言うことを素直に聞く子が高い成績を取るわけです。 出典が思い出せないのですが、大学の先生が、大人に従うべきかみたいなアンケートをとったところ、評価が変わった年から答えの割合ががらっと変わったそうです。 もちろん、大人の言うことを素直に聞くということは、それはそれで良いことなのですが、社会が流動的になり大きな変化が起こった場合、どう生きればいいのかが分かる人はいませんから、つまり、「大人のいうことを素直に聞いている」からといって、幸せに暮らせるとは限りません。むしろ昔の考え方に囚われている人の言うことを聞けば、新しい時代ではむしろ不利でしょう。 安定した社会であれば、社会の言うことを聞くのは良いことですが、変化の時代にはむしろ邪魔なのです。 逆に必要なのは大人の言うことを鵜呑みにせず、自分の力で物事を見て、自分の力で考えられることです。ですから、先ほどのテストはできるけど「3」の子とか、直接は知らない子ですけど、「見込みがある! そのままがんばれ」とか応援したくなってしまいます。 この問題は自分の子の場合さらに複雑で、理想は、 

    記事を読む»

  • 子育てでイライラしないために一番我慢しなければならないこと

    2014-09-29 23:45  
    31pt
     今回は「子育てのイライラとどう向き合えばいいか」を「未来の普通」的に紹介します。時代は、異業種コラボ。これは子育てだけの話ではなく、広く異なる文化を持つ人との関わり方にも通じます。 思い通りにならないことがイライラの原因
     子育てにイライラはつきものですが、イライラの原因ははっきりしています。それは自分の思い通りにならないからです。 たとえば家事の中でお皿洗いが一番好きなのですが、淡々と自分のリズムでこなせますし、あらかじめどれくらい時間がかかるかも明らかです。コントロールできてます。 一方嫌いなのは洗濯物の取り込みです。嫌いなのでたまにしかやりませんが、なぜかというと、服が長男次男どっちのか分からない上、しまう場所も微妙にややこしいのです。本気で取り組むとすれば、分かるように目印とか付ければいいですが、子供たち自身と普段たたむ母には今のままでも明らかです。たまにしかしない私のために手間

    記事を読む»

  • 「見たいものはいくらでも見える」という話

    2014-09-26 23:30  
    31pt
     前回、こんなタイトルで、 【馬】どの新聞が先に報道したかなんて、誤報に比べたら些末なんですけど。  人間には「見たいものを見てしまう」癖がある話をしたのですが、そういえばこの件について私はなかなかできない体験をしていることをさっき思い出したので、ご紹介しようと思います。 私は、大学院で光学をやっていました。とにかく真っ暗にした暗室の中で実験をします。 ですから、暗闇には慣れてます。話し逸れますけど、とはいっても、実験で何かをみるために暗闇にするわけで、暗闇の中でも実験対象を光らせたり、そうでないときは小さい灯りでもぞもぞしたりします。なので、Dialog in the Dark という真っ暗の中を経験するイベントに出た時は、長い時間ずっと真っ暗闇で、もう本当に実に楽しい経験でした。 最後の方で喫茶店でドリンクを頂くのですが、ワインを頼んだら、飲んでも白か赤か本当に分からなくて、どっちですかと聞いたら、どっちだと思いますか?と小悪魔な笑いを返されたのを良く覚えています。 閑話休題。 で、その暗闇の中で実験をするわけです。レーザー光をミラーやレンズやらであれこれして、最後そのパターンを見るわけですが、まあ最先端の結果を得ようとするわけですから、それはとても暗いです(はっきり明るいならとうの昔に誰かができている)。 するとですね。実験がうまくいっていなくても、うまくいった時に見えるはずのパターンというのが、いくらでも見えます。真っ暗な中で、出てくるはずのパターン、でも見えるか見えないかくらいの暗いパターンが、出てこい出てこいと思って見ていると本当に出てくるのです。 そもそも、レーザーをつけた段階で見える普段のパターン(期待されるパターンはその中に埋もれるように出てくる)というのが見えてるわけですが、レーザーをつけなくてもそれはいくらでも見えます(笑 ちなみに、うまくいった時よりはずっと暗いけど、実際にそのパターンが出ているときもあります。ちょっとだけうまくいっているわけです。 もう、自分の目がいかに信じられないかということを徹底的に思い知らされました。最初、自分の目では見るけど、そのときは何も判断せず、とりあえず淡々と測定をして、それからはじめてその実験がうまくいっているかを考えるようになります。 あるいは、もちろんうまくいくことを期待して実験を考えて始めるわけですが、その瞬間は、別人になって、つまり他人に、「ちょっとこういう実験をして測定結果教えて」と言われたことにして、機械的に実験しようとします。 つまり、もうとにかく「見たいものはいくらでも見え」て仕方ないので、もうその影響を排除するためにいろんな工夫をしなければならないのです。 (じゃあ、見ずに測定だけすればいいじゃんと思うかもしれませんが、機械が測定するのは直接の目標とする部分的な値の測定が中心で、もしかすると、でたらめなことが起こっているかもしれないし、測定では出てこないなにか新しい現象が起こっているかもしれないので、目で見ることもとても大切なことでした。) ですから、最先端の実験をしたり、とんでもない新聞特ダネを手にした人は、落ち着いて検証する時間が必要です。「見たいものを見て」しまっていないかを確認する時間が必要なのです。いくら社会が加速しても、この時間を短縮することは簡単にはできません。 

    記事を読む»

  • 【馬】どの新聞が先に報道したかなんて、誤報に比べたら些末なんですけど。

    2014-09-25 23:30  
    51pt
    この記事は【馬車目線】(?)でお送りします。
     朝日新聞叩きで紙メディア全体の信用が失われているこのコラムの中で、新聞社の「一敗」について書かれていました。誤報は、新聞社の間に存在している競争心や、相手に先んじられてはならぬ、といった心理から生まれる(他紙に先んじられて報道されることを「一敗」とカウントするらしい。今もそうかは分からないが)。
     新聞は、この価値観を真正面から捉え直す必要があると思います。昔と違って、今の読者はどっちが勝ったとか二の次です。読者に向いてください。 似たような話に株式市場があります。株は、元々企業が大規模に資金調達するためにあります。そしてその企業の業績や配当や将来性などから企業の価値が総合的に判断され、株価に反映されます。そのことで、企業は自分たちの価値を客観的に見ることができ、今後の参考にできます。 でも、株はもうその本来の役目から逸脱しています。何ms(msとは1秒の1000分の1)以内に取引ができるようにとか、高速取引に明け暮れていますが、そんなこと、元々の企業にとって何の恩恵にもなりません。 そもそも、金融全体も今の私たちには重荷です。 これからせっかく落ち着いた経済活動をしようとするわれわれに、それを許そうとしません。一人あたりGDPが保たれるなら、例え人口が減るにつれてGDPが減ったとしても、直接の問題ではありません。しかし、金融はそれでは困ります。お金を増やすにはGDPが増えてくれないと困ります。私たちの経済活動の潤滑油として重要な役割を持つお金ですが、人口が減るこの場面でやっかいな問題を生んでしまっています。 さて、新聞はどうでしょう。確かにいち早く情報を私たちに届けることは重要な使命であり、どこが最初に報道したかというのは、それを測る大切な指標でした。確かに私も昔は、他の朝刊には載ってるのに、これには載ってないなんてネタがあれば、「うわここ遅、ダサ」と思っていました。 しかし、今はどうでしょう。ツイッターなどの発達によって、特報はほぼリアルタイムに市民に届きます。しかも、朝刊で横並びということはなく、何時何分に報道したかを見れば、どこが一番先に報道したか、全てのネタについて見ることができます。 でも、いったいそれが私たちにとってなんだというのでしょう。たとえば数分違いだったとして、その数分先に出したメディアにどれくらい敬意を払いますか? まあそれだけを見れば素晴らしいことかもしれませんが、もしそれが誤報だったらどうでしょう。はっきり言っていい迷惑です。 あまりにも早い特報は、読んだ方も「ホントか?」と思いますから、すぐに他のメディアの情報も欲しくなります。でも、まだありません。だから、むしろいらいらして迷惑です。先日特許法に関して誤報がありましたが、あれはリアルタイムで読んでいたので、まさにその目に遭いました。ホントかなと思うけど、他のメディアで確認することができず、次の日に誤報だったと分かったのです。普段何勝何敗か全然知りませんが、この誤報にはとても怒りました。 新聞はこのリスクに気付くべきです。一秒でも早く出そうとすると、当然誤報の確率は上がります。これは人間には「見たいものを見てしまう」癖があるからです。ぱっと見た瞬間は「見たいものを見てしまっている」可能性があります。ですから、一呼吸おいて、落ち着いて読み直したり、報道であれば堅実な他者のチェックも必要でしょう。 何勝何敗にこだわるあまり誤報が一つでも増えるくらいなら、全敗した方がよほどましです。 世界が加速するにつれ、報道に限らず、この「見たいものを見てしまう」癖による大惨事が増えているように感じます。自分がやってしまわないよう気をつけましょう。 それに最近はハフポストなど、情報の一次ソースではないけど、一次ソースを元にしっかりした考察を提供をする新興メディアが増えていて、ツイッター、Facebookなどでも、良く拡散されています。一次ソースの情報は大手新聞・テレビどこも同じようなものになりがちですが、ハフポストなどの考察はそれぞれ独自の意見が述べられ、人々にとって貴重な情報になっているのでしょう。 大手新聞社はお互いの何勝何敗ばかりにこだわらず、 

    記事を読む»

  • [S]進撃の農業

    2014-09-25 00:00  
    31pt
     いつもとちょっと違う水曜、今回は気楽に書き始める記事[S]です。  こないだ、おみやけで国会(?)のお菓子頂きました。
     このお土産を買う層はこの名前の元ネタ知ってるのでしょうか??? ちなみにおいしかったです。悔しいけど、福山のローラちゃんシリーズよりおいしかったです。侮れない……。 閑話休題。 最近、農業ネタが多いミラフツですが、 機械学習の天才プログラマーは嘆いている暇などない。農業を変えられる。   放ったらかし農法(?)はシステム化できるのか   もちろん、なにかしらの刺激で書いているのですが、その後も、話題が後を断ちません。巡回なんて全くしないのですが、fbとかツイッターとかにどんどん流れてくるのです。 農業に目覚める若者、なぜ急増?遺伝子組み換え作物の農業支配、無農薬の自然栽培を破壊?   「カラダで覚える」は時代遅れ? 農業を"数値化"してみてわかった、成功と失敗のメカニズム | ログミー[o_O]    マイコンボード「Arduino」で自作センサー農業、栽培農家がソリューションベンダーに   地元農家と地場のIT企業がタッグ、気象ビッグデータで予測農業に挑戦   IT農業の推進者が語る「本質はセンサーとカメラじゃない!」  海外のアプローチも。
     農業従事スタイルが変わる。Google Glass用の農業支援アプリ「IntelliScout」
     怒濤の進撃です。 この調子でいけば、ミラフツで予想した、さらに機械学習が使われるようになるだろう、あるいは山に仕事させて人間の手間は省く農業ができるだろうもさくっと実現されそうです。 一方で、TPPで遺伝子組み換え作物が席巻するんじゃないかという心配もありますが、これは時代と時代のイデオロギーの全面戦争と言っていいでしょう。 遺伝子組み換えは、古典的な工業的アプローチです。全く同じものを生産しようとします。そのためには、原料、工場も全く一緒でなくてはいけません。しかし、農業においては、作る場所は工場ではありません。自然です。無理矢理なるべく同じ環境になるよう作り替えて行かなければなりません。 一方、自然農法など今日本で多くの人が挑戦しているのは、自然の中で、自然に合わせて育てることです。その土地、その気候にぴったりあう品種を選び、したがって、肥料も農薬もほとんど使わずに育てあげる。昔は農家の経験と勘が頼りでしたが、ITの発達でデータを計測し、蓄積し、解析することもできるようになってきたし、なにしろ ITで農家同士のノウハウを簡単に交換できるようになってきました。知恵と工夫で自然に合わせるのです。 規模は遺伝子組み換え作物と比較しようものなら何ケタも違うでしょうが、前者は自然に歯向かうためのコストがかかります。ですから、価格的にも条件付きで戦えるようになるのです。 さらに、  放ったらかし農法(?)はシステム化できるのか  でもちらっと書きましたけど、栄養を評価基準に入れれば、さらに競争力があがるかもしれません。 IT技術の発達を背景に、多様性と知恵と工夫で、規模に対抗する、これがこれからのトレンドです。 極めて似た動きをしているのが教育です。いずれ頼まれなくても紹介する日が来ますが、今日は最新の教育システムを見てきました。しかも、人口10万人の福岡県糸島市で。糸島シェアハウスとかで名前は少し知名度がありますが、素朴な地方の街です。そこで始まっている学習塾の手法は、ああ、これからの教育はこうなるのかと素直に納得させられるものでした。 昔の教育は工場型。同じ(優秀な)人材を作ることを目指します。昔は、実際工場で同じものを作り出すために、同じような人材が求められていたのです。 

    記事を読む»

  • 放ったらかし農法が農業を変える?

    2014-09-23 00:45  
    31pt
     先日、機械学習を使えば、多様な品種の中から的確な品種を選んで育てられて、遺伝子組み換え作物に対抗できるのではないかという話をしました。 機械学習の天才プログラマーは嘆いている暇などない。農業を変えられる。   アメリカの遺伝子組み換え作物は、中国の産業スパイに狙われるという面倒もあるようです。 中国人はなぜ米国でトウモロコシの種を盗むのか   開発に莫大な費用をかけ、開発した後も防衛のために国レベルでの対策も必要とか、大変ですね。 一方多様な品種をその土地、そのときの気候に合わせて育てる場合は、種だけ持って行かれても育つとは限りません。 私が東京に住んでいた頃に市民農園をやっていた経験では、ぴたっとはまった奴は、なんにもしなくても元気に育つし虫もほとんど入りません。でもダメな奴は全部虫や病気にやられたり。なので、自然農法というのはハマればすごいんだろうなとずっと思っているのですが、最近目の当たりにしました。自然農法どころか放ったらかし農法。農法でもなくて、ほんとに単に放置。 これがこないだ頂いたレモンと栗。

     レモンも立派でみずみずしいし、栗もでかくてぱつんぱつん(箸でわかりますでしょうか)。  虫にもやられてません。 どちらも頂きましたが、味はピカイチでした。これを買ってこいと言われても、ちょっとどうしたら手に入るか分かりませんし高そうです。なんとも贅沢な話です。 で、今日改めて、場所聞いて見に行ってきました。
     左のが栗、手前のが多分レモン(違ったらすいません。一人で見に行ったので)。まだ実が緑に近く見分けるの大変ですが。 他にもいろいろ柑橘類がありましたが、確かに山の一角にてんでに生えてるだけです。でも立派に実がなっていて、虫食いもほとんどなさそう。頂いたのが選りすぐりというわけではなさそうです。 ほんとに放ったらかしだそうで、そもそも今日見せてくださいとお願いしたら、場所教えるから自分で勝手に見ろと言われたほどです。 放ったらかしといっても、植えた最初の頃は周りの草を刈らないと負けてしまうそうで、放ったらかすのはそれ以降。放ったらかすといっても、こうやって実がなって人が取りに行くわけで、道も付いて、マムシとかあまり心配せずに散歩できます。 今荒れてる山をこういう方法で生かせるとこはたくさんあるのではないでしょうか。ITや機械学習の力で、システム化すればさらに広げられそうです。 今手入れされてない山はいっぱいあります。踏み込むことすら躊躇するような状況です。そういうとこ、もいちど開いてこんな風に実のなる木いろいろ混成して散歩できるようにして、実がなったら、身内で食べたり後は道の駅や地元の宿に卸して。大儲けにはなりませんが、手間はあまりかかりませんから、負担にはならないし、それで人々が楽しめる里山整備になるのです。 でも、適当にやればよさそうで、適当ではダメかもしれません。単一種をたくさん植えようとすると、いろいろ苦労するかもしれません。とにかくあれこれ植えて、ダメな奴もあれば、ハマる奴もあって、ハマった奴をさらに追加していくとかするといいのかもしれません。 案外簡単かもしれません。人間は仕事しないけど、山が仕事をしているからです。つまりあんまり詰めずに、てきとーにぽつぽつ混成させとけば、後は広い山が仕事をするのです。もったいない使い方かもしれませんが、今は使ってないのですから問題ありません。 さらに、こんなほったらかし農法が、将来は脚光を浴びるかもしれません。 2013年の記事で恐縮ですが、こんな話があるからです。 野菜の栄養価、昔と今ではこんなに違う!?
    今回、野菜に含まれている栄養素がどれだけ下がっているのか、文部科学省に問い合わせ、1982年の4訂版日本食品標準成分表と2000年の5訂版日本食品標準成分表の数値を確認したところ、 
    野菜100グラムあたりのビタミンCの含有量が20年前と比べてニンジンは7mgから4mgに、トマトは20mgから15mg、ほうれん草は65mgから35mgに低下していることがわかりました。 

     野菜の栄養価がどんどん下がってしまうということは、 

    記事を読む»

  • 学者とシェフ。プライドの高い者同士のコラボシステム

    2014-09-19 21:45  
    31pt
     「分子料理」についてのまとめ記事の最後に、学者とシェフのコラボシステムが図示されていて、とても強い印象を受けました。 視点・論点 「おいしさと科学」 この記事では、「分子ガストロノミー」と呼ばれる科学的に新しい料理法を編み出す分野についての紹介があります。しかし、この「分子ガストロノミー」という分野は、本来協力すべき学者とシェフが対立してしまいます。この分野それほど詳しくはないのですが、仲が悪いという話は聞いていました。 そのような背景の中、昆布の旨味成分であるグルタミン酸を最大限に抽出するには60度で一時間加熱するのが良いという結果が大学の研究者によって発見されます。京料理の要となる昆布だしについて、大学の研究者らによる実験で「昆布のグルタミン酸を最大限に抽出するには六十℃を保って一時間加熱するのがいい」という結果が出ました。
     これを京都の料亭料理人らは素直に試したそうです。そして昆

    記事を読む»

  • 東京は一度衰退して再び大発展する

    2014-09-18 23:00  
    31pt
     最近ワークライフバランスの第一人者小室淑恵さんの2012年の講演の書き起こしを拝見しました。 小室淑恵「山積する社会問題をタダで解決する、たったひとつの方法」 | 日刊読むラジオ 競争力をあげるためコストを削減したければ、人をリストラするのでなく、残業を削り、その分若者を正規雇用したり、短時間しか働けない女性を積極的に雇用することで、みんな集中力高くなり、老若男女が多様なアイデアでお互いに切磋琢磨する一方、みな柔軟な働き方ができることで長く働き続けることができます。そのことで業績がアップし、サステナブルな企業になるというのです。 先日こんな記事が話題になりました。 <障害児の親を泣かせるCM>なぜソフトバンクが障害者向けに開発したスマホCMに親は涙するのか ‐ 横田雄紀  知的障害のある人が自律して外出するのを見守るアプリです。これ子育てしてる親が見たらみんなピンと来ると思います。うちの子供にちょうど持たせたい時が来るだろうということを。 最近メンタリングした事業に、同じようにある障害者のための機器を開発するというのがあるのですが、明らかに多くの高齢者にも役に立つ機器でした。この機器は現在の競合がとても高価なので、展開しやすい価格が設定できるのがまず障害者向けから始めるメリットです。そこでしっかり土台を築き、一気に大量生産で価格をさげて高齢者向けに展開したいとのことでした。 こんな風に、健常ではない人向け製品が、その後健常者にも展開できるビジネスチャンスはたくさんあります。こういったプロジェクトは、もちろん小室流会社の方が手がけやすいでしょう。 一方、コストカットのためにリストラし、残業を増やす逆の方法では、業績が落ちていくのだそうです。 しかし、それならば、前者の小室流の会社がどんどん伸び、後者の逆小室流の会社がどんどん減るので、社会はどんどん小室流の会社ばかりになっていいようなものですが、なかなかそんな風にはなりません。 それは東京に問題があるからです。東京は混み過ぎていて不寛容が横行しています。先日、全盲の女性が蹴られるという事件がありましたが、加害者に同調する声もたくさんあったようです。 「全盲なら乗るなよ」「相当イラつくのは確か」川越線での全盲女子負傷 加害者への同調がツイッターで続出 - NAVER まとめ  ラッシュアワーを避けるべきという意見はそれなりにもっともらしく聞こえますが、道路は皆のものなのに、歩行者や自転車邪魔っていう自動車と同じです。 歩行者から見れば自転車・自動車が邪魔。 全盲の人から見れば、他の健常者が邪魔。 互いに邪魔だと言い合っていても仕方ありません。 互いに譲り合って使うしかないのです。 私が幼い40年ほど前に繰り返し聞いていた「かわぐつ国と自動車国」とかいう黒柳徹子が女王のレコードそのまんまです。 なのに加害者に同調する人が出てしまうのは、それだけ都会の電車の混雑状況は異常だからです。本来心優しい人でも不寛容にならざるを得ない状況なのです。 都会の人でもそのことに耐えられない人は、通う時間をずらしたり、職場の近所に住み自転車通学をするなど工夫していますが、そこにいる大部分の人は、都会の不寛容を受け入れてしまった人です。 喫煙者は完全に締め出しました。そしてベビーカーも、高齢者も、全盲者も迷惑とされる環境です。そこでは、老若男女が互いの事情を受け入れつつ切磋琢磨するような会社はなかなか生まれません。 ですから、その動きは地方から顕在化します。普通は都会を手本としていますから都会と同じような働き方になりがちですが、小室流働き方の方が業績が上がりますからじわじわ増えることでしょう。その動きが分かれば、今は都会にいる人でも地方に移住する人が増えます。 一方東京はまだまだ逆小室流が幅を利かせます。都会から不寛容に耐えたくない人がいなくなっても、その分、不寛容に耐えられる人が集まるからです。 したがって、地方の街がまるごと小室流が普通だよねみたいになるまで、東京は気付くことができません。大阪も東京に似た動きになるでしょう。 ですからまず札幌、仙台、名古屋、福岡あたりが、小室流で業績もいけてる企業がいくつもあるような都市として認知されそうです。 

    記事を読む»

  • [S]膨大な時間と費用をかけたハーバード大学の研究結果をどう生かすのか

    2014-09-18 00:00  
    31pt
     いつもとちょっと違う水曜、今回は気楽に書き始める短い記事[S]です。  こんな記事を見かけました。 松本人志 膨大な時間と費用をかけたハーバード大学の研究結果に呆れ とある研究の紹介です。 ハーバード大学は最近、「どのような男性が将来性があり仕事で成功するのか?」という研究の結果を発表した。(中略)20億円という研究費と、75年間という長い期間が費やされた。(中略)発表によると、「将来性」は、IQや生活習慣とは関係なく、幼少期に母親と温かい関係を築けていたかどうかに左右されるという。
    本文は、盛り上げる必要もあってか「当たり前とも思える結果」にみんな呆れるという文脈ですが、この論文ものすごい結果ですよね。 気になるのですが、すぐに元論文見つけられなかったので、とりあえず[S]にしておきます。 結果はその他に、「結局、周囲と良い関係を築ける男性が社会的に成功する」「簡単に言うと、両親が健在で、たっぷりと愛情を注がれたらできる男になる…」
    ということだそうです。 「当たり前とも思える結果」とか書いてありますけど、これっぽっちも当たり前じゃないです。この結果伏せて、街で「どのような男性が将来性があり仕事で成功するのか?」のアンケートとって、当たり前のように「人間関係」がトップになるでしょうか。 もしこのハーバードの結果が正しいとして、アンケートの結果も「人間関係」がトップではないとしたら、社会はまだまだ最適化されていないことになります。 もし、幼少期に母親と温かい関係を築くことが幼児教育でもっとも大切なことですというコンセンサスが社会全体でとれたら、社会はどう変わるのでしょうか。 働いているいないにかかわらず、ゆったりとリラックスした状態で母親と子供がつきあえる時間が、しっかり取れることが大切になります。 残業減るでしょうか。育児中の人だけ残業少ないのは不公平で、なので社会全体で減らさないといけません。それで、介護の人や、短時間労働の人も働きやすくなります。 特段の理由がなくても、一時的に子供を預けられるサービスを行う自治体があります。ママがリフレッシュできるようにということで、このようなサービスにもお墨付きを与えることになりそうです。 そのサービスに限らず、母子二人きりだと煮詰まりかねないところになんだかだと関われるようなサービスが定着するかもしれません。実際すでにいろいろあるのですが、問題は、そういうのが必要な人程、そういうサーヒズを知らない、知ろうとしないことで、なので、社会全体がそれが当たり前、知らずにいられない状況にまで持っていく必要があります。 今注目されている早期教育というのに、一定の指針が生まれるかもしれません。何をするにせよ幼い頃の方が効果があることは確かで、ですが、では幼児期に何を教育すべきかということは、非常に難しい問題です。少なくとも私はいわゆる読み書きそろばんを詰め込むことだとは思っていません。 それに対してこの論文は、「幼少期に母親と温かい関係を築く」ことが重要というわけですから、幼児教育に投資するとすれば、その構築が促されることに割けばいいということになります。それが教育なのかピンと来ないところもありますが、それゆえ、この問題はまだまだこれからです。 また、「周囲と良い関係を築ける」というのも非常に面白いキーワードではないでしょうか。一見「コミュニケーション能力」と見間違えそうですが、別に全然喋れなくたって、家族や職場で良好な関係を持っていればいいわけですから、「コミュニケーション能力」だけの問題ではありません。 つまり、今「コミュニケーション能力」が求められ、授業でも訓練するような時代ですが、大事なことは、「周囲と良い関係を築ける」ことです。むしろ「コミュニケーション能力」ばかりに注目するあまり、「コミュニケーション能力」がないだけで、周りとの良い関係を築き損ねているようなことが起こっていないか、とても慎重に見極める必要があります。  

    記事を読む»

  • みんながバイラルメディアを受け入れた理由をメディアは受け止めよう

    2014-09-17 01:15  
    31pt
     最近、ニュースメディアの方々が今後のニュースメディアのあり方について、いろんな議論をしていて、大変興味深いです。 しかし、実はニュースメディアに対する真の需要は私たちの知ってるそれとは全然違ったし、バイラルメディアはそれをむき出しにしたのですが、まだそこに議論が行っていません。 その辺りは一度、 バイラルメディアが作った癒しメディア空間(その1)  で取り上げましたが、改めて取り上げてみようと思います。 きっかけはこちらの記事。 キュレーションメディアを淡々とぶった斬るナタリー編集長に「ちゃんとやる」メディアの矜持を見た | かたログ  「キュレーションメディアは見かけのいいバケツ」という視点で、「ナタリーってこうなってたのか (YOUR BOOKS 02)」から次の部分が紹介されています。今はキュレーションメディア流行りでしょ。あれって要するに見かけのいいバケツじゃん。皆さん、バケツばかり作って、どこで水を汲むんですか?って思う。一方、我々はその水が湧いてくる井戸をやってる。本来はそれがメディアというものでしよう。中身を作り出すということについて、本当は我々が少致派になってはいけないんだよ。
     とあります。 でも、その水、「飲みたい水」ってのが、ニュースメディアが汲むようなすごい水だけじゃなく、普段用の水も欲しかった、しかもその普段用のがよほどたくさん必要だったというのが、今あらわになったのです。 つまり人々が一日に必要とするニュースには、めちゃかわいいイヌやネコの写真に始まり、とびっきりの「他愛のない」ニュースがふんだんに必要だということです。 たとえばテレビがそうです。一日の大半は他愛のないバラエティやらドラマやらです。価値の高いニュースの比率は一部です。 あるいは電話。固定電話代が高かった私が子供の頃は、「要件だけ話せ」としつけられたものですが、通話料が安くなり、さらに携帯が普及した今、携帯で話されている内容の大半は他愛のないことです。 スマホが普及し、一日の無数のスキマ時間を使って人々がニュースメディアに触れるようになった瞬間、ニュースメディアにもその需要が解放されたのです。数分の休憩時間にちょっとSNSを見た時に、7時のニュースに取り上げられるような「重要な」ニュースと、めちゃ癒されるネコの写真があったら、後者の方がよりシェアされてしまいます。無数の隙間時間にニュースが大量消費されるようになった今、需要の大半は「他愛のない」ことなのです。 ですから、これはニュースメディアにとって、根本的な相転移です。めちゃ癒されるネコの写真なんて、伝統的にはニュースではありませんが、実はそれは競合で、しかもそちらの方がシェアされやすいのです。 私は個人的に、ニュースメディアあるいはジャーナリストが、私が実際に行って見聞できない、あるいは個人ではその手間に見合わない取材をして記事にまとめてくれることにとても感謝していますし、今後もその役目に期待しています。 でも一方で私が一生かかっても一枚撮れるかどうかという「この瞬間」な写真。イヌ・ネコあるいは雲もあります。そんな写真も見たいのです。 そんな人々の需要とニュースメディアはどうつき合うのか。 どんなにニュースメディアが力を持とうとも、他愛のない「この瞬間」な写真を自前の記者が量産することはできません。他愛のない「この瞬間」な写真は、圧倒的な物量、つまり何千万人もの一般の人がシャッターを押す方が遥かに効率よく生み出されるからです。 この現実とどうつき合うのか。中身を作り出すということについて、本当は我々が少致派になってはいけないんだよ。
    とおっしゃっていますが、もはや、中身を作り出す多数派は一般人なのです。 テレビでニュースはなくならないけど24時間中12時間以上放送されることがないように、ニュースメディアから、いわゆる昔ながらのニュースは消えないけど、多数派は他愛のないニュースなのです。 しかも、バイラルメディア上の他愛のないニュースは圧倒的な物量故に質が高いです。テレビの他愛のない番組は、限られた人数のプロが作るため多様性に乏しく時にやらせ問題も起きます。一方バイラルメディアの流す他愛のないニュースたちは、真に生活の「この瞬間」を捉えていて私たちを虜にしています。バイラルメディアが定着するにつれ、テレビは早晩この問題に直面することでしょう。 ですから、上の井戸かバケツかの話に例えれば、確かに重要なニュースを生む井戸も重要だけど、世界中の人々からぽたぽた落ちる「しずく」を集めるバケツつまりバイラルメディアは、がっちり人々の欲望を捕まえており、今後なくなることもないし、そちらの方が市場は大きいのです。 かねてから、ニュースにはどうしてもネガティブなものが多くなるのに苦い思いをしてきましたが、もう解決してしまいました。私に訪れるニュースの中心は他愛のないものになり、ネガティブなものもポジティブなものもぐっとその率が減ったのです。現実の生活での私の連続する実体験と同じように。ネガティブとポジティブどっちが多いかは、割と些細な問題に落ち着いてくれたのです。幸せです。 ニュースメディアの人は、早くこの現実に慣れるといいと思います。別に今テレビで1日12時間以上ニュースが流れてなくても悔しくないでよね。家庭でテレビがいつもついてるなんて時代になった瞬間、ニュースの時間の比率はあるべき比率になったのです。ニュースメディアがスキマ時間に入ったということはそういうことなのです。大半のニュースはニュースと呼べないコンテンツになるのです。 こうやって見ると、新聞は違った特徴を持つメディアであることがわかります。 

    記事を読む»