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東大ロボットの成績が伸び悩んだおかげで、国語教育にブレークスルーが起こりそうです。
AI研究者が問う ロボットは文章を読めない では子どもたちは「読めて」いるのか?(湯浅誠) - Y!ニュース
東大の試験に受かることを目指していた人工知能(AI)が最近入学を諦めたという記事がありました。ディープラーニングとか出てきたのに、諦め早いなあ?と不思議に思っていたら、別の金脈を探り当てていたようです。
東大ロボットが国語や英語の成績が伸び悩む原因を調べているうちに、成績の悪い子はちゃんと教科書を読めていないのではないかということがわかってきたのです。
それを調べるために、「リーディングスキルテスト」というものを作成し、調査中とのこと。こんな問題が出るそうです。
予備調査はすでに終わっていて、それによると、
テストを受験した公立中学校生340人のうち、約5割が、教科書の内容を読み取れておらず、約2割は、基礎的な読解もできていないことが明らかになってしまった。
とのこと。
教科書を読めてない子がたくさんいるというのは、身近な講師たちの話を聞いていると感覚的にはごく当たり前のことでしたが、今回それを正確に調査できるようになったのです!!
これは画期的です。先生は、生徒の読解力はわかっていますが、具体的にどこでつまづくかというのは、手探りな場合が多いようです。でも、このテスト結果を見れば、つまづく箇所がわかりますから、補強の仕方も見えてくるでしょう。算数なら分数が苦手なら分数の問題を繰り返し解くなど要素分解できているのですが、国語ではそれはできていませんでした。
記事を読んでいても、このテストは急速に普及しそうですし、テストが普及するということは、その点数をあげるための教育が始まるということです。
このテストに関するプレスリリースサイト、
文章を正確に読む力を科学的に測るテストを開発/産学連携で「読解力」向上を目指す研究を加速
でのレポートにとても面白い結果が紹介されています。
「読書が好き」でも「教科書がわかると感じ」ても「塾に通って」ても、「読む力」があるとは限らないという結果です。RST と同時に実施したアンケートとの関係では、意外なことに「読書が好きかどうか」「(各科目の)教科書を理解できていると感じるか」「塾に通っているか」とは統計的に有意な関係は見当たりませんでした。
特に「親が『うちの子は読書が好き』といっても国語の成績がいいとは限らない」は身近な講師がよく指摘していたので、やはりそうなのかと驚きました。
ここまででわかることは、要は、現在の日本の社会の国語教育は、「読む力」の育成に役立っていないということです。学校の国語教育でも伸びてないし、塾でも伸びてない、家で親が子供にたくさん本を読ませても伸びてないのです。伸びる子は、自分で伸びていただけなのです。
しかし、今測定することができるようになったのですから、これからは違います。訓練できるようになったのです。
先ほど紹介したレポートには、AIで文章を理解しようとすることで得られた、文章理解に必要な 11 のプロセスが紹介されています。そして、それぞれのプロセスを子供たちがどれくらいできるのかということを調査することで、子供たちの「読む力」を正確に把握できるようになったのです。
さらには、今までの国語教育が「読む力」の役に立っていないことまでわかったのです。
東大ロボットが東大受験を諦めざるを得なかったおかげで、今後子供たちの「読む力」をつけることができるようになり、社会そのものが大きく進歩するでしょう。AI研究これまでの、最大の成果になることは間違いありません。
《ワンポイントミライ》(?)
ミライ: 来ましたね!!! これって、未来の普通「義務教育の学習達成率 99%」への道がより具体的に開けたじゃないですか!!
フツクロウ: ホッホッホ!
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