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記事 48件
  • 夜ふけのなわとび 第1856回 林真理子「愛校心とランタン」

    2024-09-12 05:00  
     一年ぶりに台湾にやってきた。
     こちらには日大の校友会がある。ここからは、台湾の政界、財界に多くの人材を輩出している。政府のさる要人もうちの留学生。この創立二十周年にあたり、その祝賀会に招待されたのだ。
     何度も言ったり書いたりしているが、台湾は私の大好きなところ。食べものはおいしいし、人はやさしい。街を歩いて、小豆氷を食べたり小物を買ったりする仲よし三人の旅を、毎年ゴールデンウィークに行なっていた。
    「でも毎年台湾というのもアレだよね。今年はちょっと足を伸ばしてバンコックにしよう」
     といろいろ計画していたのであるが、言い出しっぺの友人が、仕事の都合でドタキャンとなり旅行はなくなってしまった。 
  • 《悠仁さまご成年「私はこう考える」》林真理子 「小室さん問題」が招いた愛子さまライバル化を憂う

    2024-09-05 05:00  
    九月六日が十八歳の誕生日となる秋篠宮家の長男・悠仁さま。ところが、悠仁さまをめぐり根強く囁かれる「東大進学説」への反対意見がネット署名サイトで一万件を超える異例の事態が起きている。天皇家の長女・愛子さま人気の高まりを背景とする「愛子天皇待望論」も止まない。われわれは次代の天皇に何を求めるのか。有識者五人の必読提言。 
  • 夜ふけのなわとび 第1855回 林真理子「懐かしのテニスコート」

    2024-08-29 05:00  
     軽井沢に出かけた。
     ここに滞在するのは二年ぶりである。昨年の夏は不祥事により(しつこいな)、毎日大学本部に詰めていて一日も夏休みがなかったからだ。
     昭和三十年代に建てられた、平屋の古い家であるが、ところどころ手を入れている。あれはここを買ってすぐの頃、編集者六人ぐらいとバーベキューをしていた。その最中、椅子の脚が、ベランダの穴にすっぽり入り、私は大音響と共にそのまま倒れてしまったのである。もしかしたら大けがするところであったが、なぜかすぐに起き上がった。何ともなかった。酔っていたのがよかったのかもしれない。
     しかしお客さんに何かあったら大変と、ベランダをつくり替えた。 
  • 夜ふけのなわとび 第1854回 林真理子「開会式を自慢する」

    2024-08-28 08:00  
     八月になると、私のスマホに“自慢話”が増えていく。
     夏のバカンス「ここ行った。いいでしょ」の写真である。ヨーロッパのワインツアーやハワイ旅行もあるが、この頃多いのがパーティーの報告。
     クルーザーでシャンパンを飲みながら、
    「これからみなとみらいで花火を見ます」
     というのがあったかと思うと、軽井沢でバーベキューパーティー。
     河口湖だか山中湖のすごい別荘での、やはりバーベキューパーティーもあった。参加している人たちもみんなおしゃれで、セレブ感たっぷり。
    「まるで“華麗なるギャツビー”の世界だよ」
     こう書くと、本当の自慢話のようであるが、注目したいのはみんな他人(ひと)のものであること、つまり自分の別荘やクルーザーではなく、お金持ちの友だち持ってると、こんなにいいことあるよーという話である。 
  • 夜ふけのなわとび 第1853回 林真理子「オリンピックウィーク」

    2024-08-28 07:00  
     オリンピックが盛り上がってきた。
     毎日メダルラッシュが続き、さまざまなドラマがある。
     私はこれまで、スケートボードやBMX競技といったものにほとんど興味を持たなかった。それなのについ見入ってしまう。
     しかしそれにしても、どうしてあんなことが出来るのだろうか。水泳、体操、柔道といったものは、まだ頭の中で理解出来る。
    「ああして、こうして、こういったことを努力しているんだろうな」
     しかしスケボーやBMXとなるとお手上げだ。 
  • 夜ふけのなわとび 第1852回 林真理子「京の女性リーダー」

    2024-08-28 07:00  
     久しぶりに京都に。
     こちらの公認会計士さんの協会の総会で、講演をするためである。
     実はこの講演会は昨年行なわれるはずであった。しかし大学の不祥事があり、キャンセルとなっていたのだ。
    「今年は開催出来て本当によかったですねー」
     顔をほころばせるのは、日大で常務理事をやってくださっているA氏である。元日本公認会計士協会の副会長で、財務のプロ中のプロ。この方には日頃本当にお世話になっている。だからこの方から頼まれた講演会、今年は義理を果たせて本当によかった。しかもA氏は、心配だからと、一緒に京都まで来てくださったのである。 
  • 夜ふけのなわとび 第1851回 林真理子「推します」

    2024-08-28 07:00  
     トランプさんが無事で本当によかった。
     銃弾が耳を貫通しながらも助かったとは、なんという強運の持ち主であろうか。
     それにしても、この強運をも含めて、トランプさんというのは、アメリカの大衆(全部とはいわないが)の心をつかむように運命づけられていると思う。
     血を流しながらも、こぶしをあげている姿に人々は熱狂した。今年のピュリッツァー賞をとるのではないかと言われるあの写真に、私は絶句する。
     なんてすごい写真なんだ。
     青空に星条旗がひるがえっている。その下で血を流しながらも、天を仰ぎ、私は負けない、と誓うようなポーズの前大統領。
     あれを見て私は硫黄島のあの写真を思い出した。 
  • 夜ふけのなわとび 第1850回 林真理子「選択を超えて」

    2024-08-28 07:00  
     東京都知事選が終わった。
     予想どおり小池さんの圧勝だったが、意外だったのは二位に蓮舫さんではなく、石丸伸二さんが入ったこと。
     追い上げがすごかったが、まさかここまでいくとは思ってもみなかった。十代、二十代はぶっちぎりの支持一位だったという。ネットがつくり上げたパワー。
     新しい政治家の誕生かと、ちょっとわくわくしていたのであるが、最近のSNSは、持ち上げる時は思いきり持ち上げるが、落とす時もすごい。メッキがはがれたとか、パワハラだとか、大層な叩きようだ。
     実は私も、選挙後の彼の対応を見ていて、すっかり嫌になってしまった。 
  • 夜ふけのなわとび 第1849回 林真理子「行進が始まる」

    2024-08-28 07:00  
     この原稿を書いているのが木曜日。
     日曜日の東京都知事選投開票日までもうすぐだ。都内は“白熱”といいたいところであるが、全くといっていいほど選挙カーを見ない。
     何日か前、銀座に行った時、石丸さんの車をちらっと見たのが一度きりだ。
     下馬評によると、石丸さんがすごい勢いで追い上げているというが、蓮舫さんにはかなわない。その蓮舫さんも、小池百合子さんには勝てなさそうだ。
     おそらく都知事は、小池さん圧勝で決まるはずだ。 
  • 夜ふけのなわとび 第1848回 林真理子「労災はありません」

    2024-08-28 07:00  
     私のトシだと、たいていの友人、知人に孫がいる。
     孫は本当に可愛いものらしい。仲よしのある男性は、待望の孫が出来て大喜び。そのコの姿をLINEのスタンプにしている。
    「OK」
     の返事に、幼児が手を拡げている写真が送られてくるのはなかなか微笑ましい。彼がやり手のビジネスマンなのでなおさらだ。
     若くてキレイで、現役バリバリ感のある女性が、
    「私、実はおばあちゃんなんです」
     とカミングアウトして、こちらはびっくりすることもある。彼女が孫と遊んでいる姿など全く想像も出来ないからだ。