-
夜ふけのなわとび 第1875回 林真理子「SNSしかしない人生って…」
2025-01-30 05:00日大の理事長にならなければ、ずっといい関係だったのに、と思う知り合いは何人かいる。
人間ではないけれど、フジテレビがその最たるもの。もう憶えている人も少ないと思うが、デビューしてすぐの頃、私はフジテレビのキャンペーンキャラクターをしていた。
時はあたかもフジテレビが黄金期を迎えようとしていた頃。
「おもしろロマン」というキャッチフレーズで、いいとも青年隊と踊り歌っていた私。
落ち着いて作家になってからは、十七年間番組審議委員をさせていただいた。いろいろなイベントに呼んでもらっていたし、社内に親しい人は何人かいる。自分でも「フジの準社員」として、ずっと視聴率やいろんなことを気にかけてきたつもり。
それが理事長になってからは一変。大学や私個人への攻撃が始まったのである。不祥事に伴う一連の報道の後もそれは続き、その執拗さと歪曲ぶりは異様であった。 -
夜ふけのなわとび 第1874回 林真理子「正月の冒険」
2025-01-23 05:00暮れに、親しくさせてもらっている相撲部屋のお餅つきに行った。
お相撲さんのついたお餅は、粘り気が強く本当においしい。アンコや納豆、キナコと三種類頬ばったうえ、大鍋のちゃんこ汁もいただき本当にお腹いっぱい。
帰りにのし餅を二枚いただいた。
帰ってそれを切りながら、しばし思い出にふける私。子どもの頃のお正月、どうしてあんなにたくさんのお餅を食べたんだろう。三ヶ日、家族が食べる数の切り餅をとりに行くのは私の役目であった。父親が六つ、母が四つ、私と弟が三つ。うちの中でいちばん寒い、階段下のダンボールの中、それをとって火鉢の網の上に置く。やがてぷっくりふくれていく切り餅は、今よりもはるかに大きかった。 -
夜ふけのなわとび 第1873回 林真理子「沖縄に行こう」
2025-01-16 05:00 -
夜ふけのなわとび 第1872回 林真理子「銀座の不思議」
2025-01-08 05:00銀座にはしょっちゅう行っているが、範囲が限られている。
日比谷近くのクリニックで、ビタミン注射をしてもらい血圧も計る。インフルエンザや帯状疱疹の予防接種もここでやってもらった。
帰りは四丁目の交差点に背を向け、数寄屋橋公園の前を通る。そして銀座ファイブを抜け、帝国ホテル近くの階段から地下鉄日比谷駅に向かうのがいつものコース。
銀座ファイブは、ちょっとあやし気、というと失礼か。あまり見かけないお店が並んでいて大好きなところだ。
コインやブランド品だけでなく、ウイスキーを高値で買い取ってくれるところがある。
そうかと思えば、
「このお洋服、いったい誰が着るんでしょうか」
と尋ねたくなるぐらい、キラキラの少女趣味のものを集めたお店も。近くの東京宝塚劇場に行く方々の趣味とも思えない。 -
夜ふけのなわとび 第1871回 林真理子「星に願いを」
2024-12-26 05:00 -
夜ふけのなわとび 第1870回 林真理子「朝食の幸せ」
2024-12-19 05:00このところの時間の過ぎる早さといったら、空怖ろしくなるほどである。
もはや「十二月は逃げる」などといった、古風なやさしい表現など出来ない。
あっという間に週末がきて、月曜日になるとまたすごいスピードで金曜日が訪れる。そして土日も、これまたスケジュールがいっぱいだ。家でゆっくりしたことなど、この半年なかった。
そんなある日、
「ハヤシさん、さぞかし忙しいことでしょう。息抜きに京都にいらっしゃいませんか」
というお誘いをいただいた。
「紅葉の頃にぜひ」
といっても十一月の土日も、びっしり予定が入っている。空いているのは十二月七日と八日の週末だけ。
「もうとっくに散っちゃってますよね」 -
夜ふけのなわとび 第1869回 林真理子「資生堂のポーチ」
2024-12-12 05:00 -
夜ふけのなわとび 第1868回 林真理子「アリダサイコー」
2024-12-05 05:00 -
夜ふけのなわとび 第1867回 林真理子「谷川さんのこと」
2024-11-28 05:00 -
夜ふけのなわとび 第1866回 林真理子「文藝手帖、お前もか」
2024-11-21 05:00
1 / 5
次へ>