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記事 4件
  • 0から学ぶ「日本史」講義〔近・現代篇〕第215回 出口治明「〈近・現代篇まとめ3〉近・現代の重要なキーワード」

    2024-01-25 05:00  
     明治維新から太平洋戦争敗戦までを三回に分けておさらいする最後となる今回は、満洲事変(一九三一~三三年)から太平洋戦争敗戦(四五年)までのお話をします。
     この時期、日本は外国との関係を断ち孤立していきます。幕末に掲げた「開国・富国・強兵」の「開国」を捨てて、「富国・強兵」だけで進んでいくのです。「開国」とはすなわち、外国と交易を行い、関係を築くことです。これをしなくなった日本はどういう道をたどったのか。見ていきましょう。 
  • 0から学ぶ「日本史」講義〔近・現代篇〕第214回 出口治明「〈近・現代篇まとめ2〉デモクラシーと政党政治」

    2024-01-18 05:00  
     明治維新から太平洋戦争敗戦までをおさらいする、今回は二回目です。第一次世界大戦(一九一四~一八年)から五・一五事件(三二年)までを見ていきます。
     日本ではデモクラシー(民主主義)の時代が幕を開け、短かったとはいえ戦前の政党政治が行われました。 
  • 0から学ぶ「日本史」講義〔近・現代篇〕第213回 出口治明「〈近・現代篇まとめ1〉『攘夷』と『開国』」

    2024-01-10 05:00  
     この連載では、明治維新(一八六八年)から太平洋戦争敗戦(一九四五年)までを近・現代として述べてきました。この七十八年間を、僕は三つの時代に区切れると思います。そこで今回から三回に分けておさらいをしていきましょう。
     一回目は明治維新から第一次世界大戦までです。
     日本は「開国・富国・強兵」のグランドデザインを描いて発展していきました。この、「開国・富国・強兵」を打ち立てて近代日本の道を開いたのは、徳川幕府の老中首座・阿部正弘です。 
  • 0から学ぶ「日本史」講義〔近・現代篇〕第212回 出口治明「太平洋戦争 その2 日本の戦争目的」

    2023-12-27 05:00  
     近・現代篇の最後は、日本が太平洋戦争にどんなビジョンを持っていたのかをお話ししていきます。
     開戦直前の一九四一年十一月十五日、大本営政府連絡会議は (1)南方作戦で米英蘭を破って戦略的要衝と主要交通線を確保し長期不敗態勢をつくり (2)中国の蒋介石政権を屈服させ (3)ドイツ、イタリアの協力を得て連合王国(イギリス)を屈服させ (4)アメリカの継戦意志を喪失させる、という決定を下しました。
     第一段階は順調に進んだと言っていいでしょう。十二月八日にマレー半島に上陸した日本陸軍は、四二年二月に英国領のシンガポール、三月には英領ビルマの首都ラングーンと蘭領東インド(現インドネシア)のバンドンを占領し、五月にはフィリピンの米軍が日本軍に降伏しました。太平洋でもラバウルなどを攻略し南方作戦を終了します。この作戦で、ニッケル、錫、ボーキサイト、生ゴム、そして最も重要な資源の石油の供給地を確保しました。