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「植民地支配と侵略」明白に認めよ―首相の「村山談話」発言 二つの重大問題
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「植民地支配と侵略」明白に認めよ―首相の「村山談話」発言 二つの重大問題

2013-05-17 11:12

    「植民地支配と侵略」明白に認めよ

    首相の「村山談話」発言  二つの重大問題

    志位委員長が記者会見

    c8c282376e80b045ad6cc5f0c6494dd4b27d5803 日本共産党の志位和夫委員長は16日の記者会見で、「村山談話」に対する安倍首相の態度について次のような見解を述べました。

     一、安倍首相による「村山談話」見直し発言について、いろいろな報道がありますが、一言でいって、問題は解決されていないということを強調したい。二つの重大な事実をあらためて指摘しておきたい。

     一、第一は、首相が「侵略の定義は定まっていない」という発言を取り消していないということです。

     第二は、首相が「村山談話」のなかでの「国策を誤り」「植民地支配と侵略」をおこなったという談話の核心部分について、明示的に引き継ぐとはかたくなに言おうとしないということです。

     わが党も国会質疑でただしました。しかし、何度聞いても、これを明示的に「引き継ぐ」とはかたくなに言おうとしないという事実があるわけです。

     首相がなお、「未来志向」の名で、「村山談話」のこの核心部分をそぎ落とした新たな見解を考えているのは明らかだといわなければなりません。

     一、かりにその方向にいけば、これは、戦後の国際政治の土台をくつがえし、国際社会に参加する資格そのものがなくなるという非常に重大な事態に落ち込むことになります。

     私は、首相にたいして、「侵略の定義が定まっていない」という見解を取り消すこと。そして、「国策を誤り」「植民地支配と侵略」をおこなったという「村山談話」の核心部分を明示的に認めるということを強く求めたい。それを、国会質疑でもただしていきたいと考えます。

     一、(「村山談話」を全体として引き継ぐと答弁したというが)議事録を精査しても、「歴代内閣の見解を全体として引き継ぐ」という言い方です。「村山談話」の一言一句、特に核心部分を引き継ぐとは一言もいっていない。この部分について、引き継ぐのかといくらただしても、引き継ぐといわないのが問題です。

    橋下暴言 女性の尊厳への冒瀆

    首相の立場が厳しく問われる

     日本共産党の志位和夫委員長は16日の記者会見で、日本維新の会・橋下徹共同代表(大阪市長)が日本軍「慰安婦」問題で自らの暴言に釈明を繰り返していることについて見解を問われ、「(発言は)女性の尊厳に対する重大な冒瀆(ぼうとく)です。女性を『戦争の道具』とみなす発言で、最悪の形で尊厳を侵害し、男性の尊厳をも侵害する発言です。彼の人間観を自ら語ったもので、こういう立場にたつ人物は市長の職と両立しないと考えます。言い訳をしてすむ問題ではありません」と厳しく指摘しました。

     そのうえで、「重大なのは、安倍首相が昨日(15日)、井上哲士参院議員が追及したさい、橋下氏の発言について『立場が異なる』ということしか言わず、批判もしなければ、否定もしていないということです。首相自身の立場がきびしく問われています」と語りました。

    96条改定で矛盾と動揺

    改憲勢力 志位委員長が指摘

     日本共産党の志位和夫委員長は16日の記者会見で、閣僚などから憲法改定の手続きを定めた憲法96条の先行改定にこだわらないとする発言が出始めていることについて見解を問われ、「大きな矛盾にぶつかって、動揺が起こっています」とのべました。

     志位氏はこのなかで、96条は、国民主権の立場にたって国家権力を縛るという憲法のあり方にかかわる重大な条項で、9条改憲派からも改定すれば「憲法が憲法でなくなる」という批判が示されていることを指摘し、「とんだ見込み違いの道に進み、動揺が始まっています」と語りました。

     他方で、「安倍首相自身は、96条改定論を『取り消す』とは言っていません。追撃し、96条改定から突破するという改憲派の出ばなを破たんに追い込むことに力を尽くしたい」と強調しました。

     志位氏はまた、憲法改定に対する立場を問われ、「現憲法の全条項を厳格に順守します。とりわけ、平和的・民主条項の完全実施が基本的な立場です」と表明しました。

     「『環境権』など新しい人権も、憲法13条の幸福追求権で包摂される懐の深い人権条項を持っているのが、憲法です」とのべたうえで、「憲法の高い理想にそくして現実を変えるのが大事であって、現実の悪い方向にあわせて(憲法を)変えることはいま求められていることではありません」と語りました。

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