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米紙「ニューヨークタイムズ」16日付は日本軍「慰安婦」問題に関する安倍政権の動きを批判する寄稿を掲載しています。筆者は非営利民間研究所「アジア・ポリシー・ポイント」のミンディー・カトラー代表。
カトラー氏は寄稿のなかで、中曽根康弘元首相の回顧録『二十三歳で三千人の総指揮官』(1978年)を読むと、中曽根氏が「慰安所設置で果たした役割について知ることができる」と指摘。当時海軍主計士官だった同氏の指揮によって1942年当時、インドネシアで慰安所が設置され「女性4人を確保した彼の成功で軍隊の『雰囲気』はすこぶる改善されたとの彼のコメントが、海軍の報告書に出ている」と指摘。インド太平洋地域で数千の日本軍の士官によって「女性たちは征服の第一の戦利品として扱われた」と告発しています。
いまの安倍政権について、「(「慰安婦」に関する)歴史的記録を、日本の評判を傷つけるための一連のウソとして描くために最大限の取り組みをしている」と強調。その最新の動きとして中曽根元首相の息子である中曽根弘文元外相が、自民党で「慰安婦問題に関して、日本の名誉を回復する具体的方策について検討する」委員会の委員長に指名されたことを皮肉っています。
さらにカトラー氏は、「朝日」の“吉田証言”取り消しを機会に、安倍首相が「性奴隷は根拠のない中傷的な主張だと非難した」ことについて、「慰安婦に対する巨大で疑い得ない歴史を否定する試み」と糾弾。米国政府に対して「同盟国である日本に、人権と女性の権利はアメリカの外交政策の柱であることを認識させる責任がある」と警告しています。