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2017年5月の記事 28件

ブルックリン物語 #42 Boys Mature Slow

最近不思議なことに過去の自分と対面する機会をもらうことが多い。 日本に帰った時に各地で楽屋に友達が訪ねに来てくれるのだ。前に何度か会ったことがある知り合い。昔一緒に仕事をした仲間、学生時代の同級生、幼馴染。NYやアトランタでは小学生の時の同級生が会いに来てくれた。息子さんたち2人を連れて。 「ええ、あの○○?」 「覚えてる?」 「だって修学旅行行って一緒に風呂も入ったよね」 「そうそう、覚えててくれたんだ」 もちろん覚えている。しかし記憶の顔と目の前の人物がなかなか繋がらない。あの頃(と言っても45年以上前になる)の同級生の面影を、目の前の彼に一生懸命探す自分がなんだかおかしかった。日本の企業の駐在員でアメリカにいる彼の息子さんたちは、「僕たちは、夏の決心、世代ですよ。アメリカで会えて嬉しいです」とニコニコ笑う。 へえ、これまた驚いた。本当の時間は自分の中とは違う流れ方で、思ったよりもずっとずっと超速で流れていることを痛感する。友の目に僕はどう映っていただろう。気がつくと他のアメリカ人のゲストと英語で喋る彼。僕も他のゲストとの会話に夢中になる。 僕は中学時代、1年、2年と親の転勤で北九州、小倉にいたのだが、NYのトミジャズで数年前その中学の2年間とも同じクラスだったTと再会した。トミジャズの方に「懐かしい人ですよ」と紹介されて「おお、T、なんでここに」と思わず声が出てしまう。それほど中学時代と全く変わってなかったのだ。Tは照れ臭そうに「今度一緒にご飯でもどうだい?」と誘ってくれた。あの頃はTがテニス部、僕がブラスバンド部で頑張っていて、直接の深い交流はなかったように記憶している。年賀状はやりとりしたっけ? Tのしっかりした安定感のある文字は覚えていた。勉強も良くできて、いつも背筋をピンと伸ばして授業を受けてたTと、初めて親しく40年ぶりに異国で酌み交わすおかしさよ。 「僕は下戸で飲めないんですよ。でも大江君は気にしないで飲んでくれていいからね」 走馬灯のように一気にあの頃の思い出が蘇る。僕のワイングラスとTのお茶が乾杯の音をたてる。 当時、僕はブラバンで3番目のクラリネット奏者だった。ある日、なかなか鳴らない音に辟易しながら校舎の3階の小さなバルコニーに椅子を置いてタンニングの練習をしていた。校庭では女子から憧れられているテニス部の連中がウオーミングアップのジョギングをしている。その中にTがいた。運動場から舞い上がる砂の色がキラキラして眩しかった。  

ブルックリン物語 #42 Boys Mature Slow

大江屋レシピ(33) 「エノキネギアルファチャンプル」の巻

今日は食物の食感をもう一度原点に戻って存分に心ゆくまで楽しみましょう。 え? いつも言ってるって? そうでしたか? ごめんやして遅れやしてごめんやっし〜。 アルファルファに栄養があるのは知っていても、このアルファくん足が超カールルイス。 すぐに程度が悪くなるし、なかなか食べ方もVSOP(Very Special One Pattern)でしょ? なんとかあの食感を1000%いかして美味しく素敵にいただきたい。 そこで考え出した今日のキーワードが「ふんわり、カリー、シャキシャキ、筒状」 ネギやおこげも大活躍です。それではいってみよ! 1) まずアルファルファを手でふんわり広げます。←これ意外に重要。 2 ) ネギはそんなに細かく切らずにサクサク食べれるくらいの筒状に。 3)エノキ、これがポイントです。くノ一が池から出す筒、あのイメージを 壊さないように、茎の部分は3当分に。頭の部分は長めに。カット。 4)さあ、鍋にオリーブオイルをうっすらひいて、まずは卵2個を割って入れます。最初オムライスの皮を作るような感覚でどんどんヘラで細かくスクランブル化。それらを半分に寄せます。5)ネギ投入。絡めつつ、塩胡椒。  

大江屋レシピ(33) 「エノキネギアルファチャンプル」の巻
ブルックリンでジャズを耕す

47歳でポップミューシャンのキャリアを捨て、ニューヨークのニュースクールへジャズ留学する。20歳のクラスメイトに「ジャズができていない」と言われ、猛練習をすれば肩を壊し。自信喪失の日々の中、ジャズの種を蒔き、水をやり、仲間を得て、ようやく芽が出てきた。マンハッタンからブルックリンに越してきて5年。相棒・ぴ(ダックスフント)と住む部屋には広いウッドデッキがある。まだまだ、ジャズを耕す日々は続く。「プルックリン物語」「大江屋レシビ」「アミーゴ千里のお悩み相談」など、ブルックリンから海を越えてデリバリー!

著者イメージ

大江千里

1960年生まれ。関西学院大学在学中にデビュー。「格好悪いふられ方」「夏の決心」など45枚のシングルと18枚のアルバムを発表。映画、ドラマ、「トップランナー」司会の他、執筆活動も。2008年、NYのニュースクールにジャズピアノ専攻で入学。2012年『Boys Mature Slow』、2013年『Spooky Hotel』がビルボード日本ジャズチャート1位に。2015年、『Collective Scribble』、単行本『9番目の音を探して 47歳からのニューヨークジャズ留学』を発表。東京ジャズ、ブルーノート、富ジャズ他、ニューオリンズ、アムステルダムなど、精力的に活動中。

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