• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 48件
  • いまなんつった? 第808回 宮藤官九郎「こういう風に歳とりたいよねえ」

    2024-11-21 05:00 18時間前 
     友達の家で好きなバンドのライブ映像をYouTubeでたれ流しながらお酒を飲んでました。
    「お、ルースターズ」
    「フジロックだね」
    「渋いねえ、こういう風に歳とりたいよねえ」
    「待って、これ何年前?」
    「2004年だから20年前」
    「てことはメンバー何歳?」
    「43~45だね」
    「歳下じゃん!」 
  • いまなんつった? 第807回 宮藤官九郎「思ってたのと違った」

    2024-11-14 05:00  
     人間の記憶なんていい加減なものだ。
     夏頃から公開を待ち望んでいた『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』。前作『ジョーカー』は劇場で4回観てブルーレイも買った。特定の作品に肩入れする観かたは、クリエイターの端くれとしてよろしくないけど、好きなんだからしょうがない。
     長い長い階段をホアキン・フェニックスが闊歩する名場面。ニューヨークのブロンクスにあるその階段は“ジョーカーステアーズ”と呼ばれ聖地巡礼の対象だそうです。予告編を観たら今回はレディー・ガガ同伴で踊りながら降りて来るじゃないか! 
  • いまなんつった? 第806回 宮藤官九郎「なんですか? それ」

    2024-11-07 05:00  
     54歳という年齢について日々考えさせられる。
     年下の政治家は珍しくない。幹事長や大臣などの要職に就く者がいる一方、早期退職し悠々自適な50代もいる。ライブハウスに出演すれば最年少だったりもする50代。稽古場で一発ギャグを真剣に考えている皆川猿時くんも53歳。
    「2日前のが面白かったんだけどな。ぶりぶりぃ、ぶりぶりぃ、ブリトニー・スピアーズってヤツ」
    「なんですか? それ」
     ギャグは思いつくのに、それを記憶していられない。それが50代。 
  • いまなんつった? 第805回 宮藤官九郎「いつも素晴らしいホンを有り難うございます」

    2024-10-31 05:00  
    『タイガー&ドラゴン』を観返しています。
     19年前かぁ。
     過去の自作を観ると非常に疲れます。若気の至りに苦笑したり、今の自分には絶対書けない才気走ったセリフと情報量に圧倒されたり、とにかく感情が忙しい。だから滅多に観ない。中でも34歳、父親になる直前に書いた本作は相当の覚悟を持って挑んだ記憶があり、Netflixのサムネイルの長瀬智也くんに睨まれただけで萎縮してしまう。ごめん、まだ無理。
     そりゃそうです。 
  • いまなんつった? 第804回 宮藤官九郎「ない方が僕は好き」

    2024-10-24 05:00  
     話題の映画『侍タイムスリッパー』を観ました。
     幕末の会津藩士が現代にタイムスリップして時代劇の斬られ役になる。ありそうで無かった設定。観る前からちょっと悔しい。劇場はほぼ満席。口コミで話題になり館数も増えているそうだ。かなり悔しい。斜に構えての鑑賞でした。
     でも引っくり返った。面白かったです。あ、ネタバレ回避したい人は鑑賞後に読んで下さい。 
  • いまなんつった? 第803回 宮藤官九郎「スズナリでやりたいんだよ!」

    2024-10-17 05:00  
    『主婦 米田時江の免疫力がアップするコント6本』
     どんなお芝居ですか? と訊かれずに済むよう、こんな長ったらしいタイトルを付けたのですが、それでも「どんなお芝居ですか?」と訊かれます。アップするのはお客さんの免疫力? それとも米田時江の免疫力? そもそも米田時江って誰なの? インフルエンサーかなにか?
     下北沢にザ・スズナリという、200人ほどしか入らない劇場があります。 
  • いまなんつった? 第802回 宮藤官九郎「そういうもんだから」

    2024-10-10 05:00  
     期せずして大学の同級生が集まったので、近況を報告し合いました。
     30年以上前、まだ何者でもなかった時を共有し、各々が就職、結婚、からの離婚、退職などを経て、中には何者かであることを卒業した者もいる50代半ばの男女6、7人。
    「この歳になると話題はもっぱら親の介護だよねぇ」
     苦笑しながら、正直あまりピンと来ない俺。
     親の介護してないんです。 
  • いまなんつった? 第801回 宮藤官九郎「街でお見かけしたことが!」

    2024-10-03 05:00  
     仕事で関わった2.5人に1人の割合で言われます。
     俳優業で表舞台に立つこともあり面が割れている。でも精神性は裏方なので、見られている意識がない。まして吉祥寺は東京23区外。完全に素の状態。気を抜いている。ヘタすりゃ酔ってたり、怒ってたり、ニヤニヤしてたり、素以下の状態をお見せしている。
     だから後日、山手線の内側に赴き、気を張ってる打ち合わせや取材、授賞式なんかで「こないだ、吉祥寺でお見かけしました」と言われると、まるで裸を見られたような恥ずかしさに襲われ「うわ、すいません」と、卑屈に謝ってしまいます。 
  • いまなんつった? 第800回 宮藤官九郎「ドッキリか?」

    2024-09-26 05:00  
     連載800回。
     あと200回で1000回か。皆さんが読んでくれるなら楽勝で書けます。それくらい日々、いまなんつった? で溢れている。
    「すごいなあ」
     ランニングを始めて8年目。毎朝7時過ぎに家を出たかと思えば、8時ごろ汗だくで帰って来て、家にこもってドラマ書いてる貧相な中年男性。ご近所ではそう認識されています。そんな僕と日々すれ違う同年代の男性が「すごいなあ」と呟く声を聞いてしまった。別にすごくない。たった5キロだし、3キロの日もあるし。足挫いてタクシーで帰って来ることもある。 
  • いまなんつった? 第799回 宮藤官九郎「くんちゃん覚えてる?」

    2024-09-19 05:00  
     このところ月1ペースで宮城に帰っています。
     きっかけは母が90歳を迎えたこと。さらに友人のお見舞い、ライブ、取材などが重なり、片道2時間、日帰りで通っています。
     去年の夏、小中高と一緒だった友人が大病を患っていると報せを受け面会に行きました。50歳を越えたあたりから、病気とセットで同級生の名前を聞く機会が増えた。他人事じゃないよね、と胆に銘じた。